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レポート解説Hilo Research

グローバル株式市場:欧州と米国で利益モメンタムが強まり、市場のリスク選好は依然高水準

ゴールドマン・サックスは、欧州および米国企業の利益成長は力強く、より幅広い裾野に広がっているとみており、欧州株式の見通しを引き上げた。米国の利益も底堅いが、AI関連の利益は主にインフラの恩恵を受ける企業に集中している。

機関ゴールドマン・サックス
日付2026-08-17
業界グローバル株式市場

要約

ゴールドマン・サックスは、欧州および米国企業の利益成長は力強く、より幅広い裾野に広がっているとみており、欧州株式の見通しを引き上げた。米国の利益も底堅いが、AI関連の利益は主にインフラの恩恵を受ける企業に集中している。

力強く裾野の広がる利益モメンタムを背景に、欧州株式の見通しはより前向きになった。米国の利益見通しもポジティブに維持される一方、AI関連利益の集中によるリスクが指摘されている。
グローバル株式利益成長欧州株式AIインフラリスク選好
  • ゴールドマン・サックスはFY26のSTOXX 600のEPS成長率予想を15%に、12か月目標を695に引き上げた。
  • S&P 500のEPS成長率は前年比31%で推移しており、約半分はAIインフラ銘柄によるもの。中央値企業のEPS成長率は14%。
  • 日本株、新興国株、日本を除くアジア株は先週それぞれ2.6%上昇した。KOSPIはそれ以前の下落後、1週間で11.5%反発した。
  • リスク選好指標は1.0を上回っている。エネルギーセクターは5.1%上昇し、ブレント原油は同期間に5.9%上昇した。

レポート解説

概要

本レポートは、欧州および米国の企業収益、地域別株式パフォーマンス、リスク選好、今後のマクロ経済データに焦点を当てた週次のグローバル市場戦略アップデートである。ゴールドマン・サックスは、欧州と米国の双方で力強い利益モメンタムが見られ、リスク資産のパフォーマンスを支えると考えている。

主要見解

欧州の利益成長は力強く裾野が広がっており、ゴールドマン・サックスはFY26のSTOXX 600利益予想および12か月目標を引き上げた。S&P 500の利益成長も同様に力強いが、成長の約半分はAIインフラ銘柄に由来する。より広範な企業群の利益は底堅さを維持している。AI支出が加速しているにもかかわらず、生産性向上を定量化できている企業は比較的少なく、投資家はAIインフラの恩恵を受ける企業により注目している。

分析フレームワーク

本レポートは、週次および年初来のMSCI指数パフォーマンス、利益予想と改定、予想バリュエーション、スタイルファクター、クロスアセット相関、資金フロー、リスクセンチメント指標を用いて、グローバル株式市場の成長およびリスク環境を評価している。

手法メモ

  • 市場センチメントリスク選好指標

    GS RAI

    クロスアセット取引27組に基づき、過去2年間のパフォーマンスに対するzスコアとして算出される。レポートでは、1.0を上回る数値は強いリスク選好が継続していることを示すと解釈されている。

  • 利益分析利益予想改定とコンセンサス予想

    EPS成長率、上方修正および下方修正

    トップダウン予想とボトムアップのコンセンサス推計、利益成長率、利益予想改定、利益センチメント指標を通じて、地域・セクター間の利益トレンドを比較する。

  • バリュエーション分析予想P/E比較

    12か月および24か月先予想P/E

    MSCIの地域別、セクター別、スタイル別指数の予想P/Eを用い、過去のレンジに対するバリュエーション水準を評価する。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • 欧州株式(STOXX 600)
    力強く裾野の広がる利益モメンタムの恩恵
    強み
    FY26の利益成長率予想は15%へ引き上げられ、12か月目標も695へ引き上げられた。
    弱み
    レポートは特定のセクターまたは企業別の完全な利益分布を示していない。
    比較
    米国と比べ、欧州の利益改善はより幅広いと説明されている。
    リスク
    マクロ経済データ、政策、バリュエーションの変化が目標達成に影響する可能性がある。
  • 米国株式(S&P 500)
    力強い利益成長だが、AI主導の寄与が集中
    強み
    前年比EPS成長率は31%で推移している。中央値企業のEPS成長率は14%で、幅広い利益は底堅い。
    弱み
    指数利益成長の約半分はAIインフラ銘柄が寄与している。
    比較
    欧州と同様に力強い利益モメンタムがあるが、AIの寄与はより集中している。
    リスク
    AI投資のリターンはまだ広く定量化されておらず、関連する主要企業への期待変化が市場ボラティリティを増幅する可能性がある。
  • アジアおよび新興国株式
    短期的に力強い市場パフォーマンス
    強み
    日本株、新興国株、日本を除くアジア株は先週それぞれ2.6%上昇し、韓国市場は顕著に反発した。
    弱み
    地域間のパフォーマンス格差は大きく、週内に下落した市場もあった。
    比較
    先週は一部の欧州・米国市場をアウトパフォームした。
    リスク
    マクロ経済データ、貿易、為替の変動が地域的なボラティリティを引き起こす可能性がある。
  • エネルギーおよび原油
    リスク選好の回復から恩恵を受ける資産
    強み
    エネルギーセクターは5.1%上昇し、ブレント原油は5.9%上昇した。
    弱み
    レポートは上昇要因の持続性を説明していない。
    比較
    先週のパフォーマンスは、それまでの弱いパフォーマンス後に見られた反転と類似した特徴を示した。
    リスク
    コモディティ価格は需給環境、地政学、マクロ経済見通しの影響を受けやすい。

主要データ

  • FY26 STOXX 600 EPS成長率予想15%ゴールドマン・サックスの改定後予想。
  • STOXX 600の12か月目標695力強く裾野の広がる利益モメンタムを反映。
  • S&P 500の前年比EPS成長率(追跡値)31%約半分はAIインフラ銘柄によるもの。
  • 米国の中央値企業EPS成長率14%AI以外も含む幅広い利益成長が底堅いことを示す。
  • KOSPIの週間パフォーマンス+11.5%それまでの2週間で7.4%下落した後の反発。
  • ブレント原油の週間パフォーマンス+5.9%同期間にエネルギーセクターは5.1%上昇。

影響と示唆

利益のファンダメンタルズは欧州および米国株式を支えており、改善する欧州の利益はより建設的な資産配分見通しを下支えしている。米国市場の利益の底堅さはAIだけに完全に依存しているわけではないが、指数レベルの成長寄与はAIインフラ銘柄に大きく集中している。このため、AIテーマへの依存と投資集中には引き続き注意が必要である。

リスク

  • 米国の指数利益成長がAIインフラ銘柄に集中して依存していることは、バリュエーションおよび期待調整のリスクを高める可能性がある。
  • AI導入による生産性および利益の向上は、まだ大半の企業で明確に定量化されていない。
  • 米国、欧州、日本、アジアで予定されるマクロ経済データは、成長、インフレ、金融政策に対する見方を変える可能性がある。
  • 世界株式市場における地域・セクター間のパフォーマンス格差と原油価格のボラティリティは、ポートフォリオのボラティリティを高める可能性がある。

注目点

  • 米国の輸入物価、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月FOMC会合議事要旨。
  • 英国の失業率、CPI、小売売上高に加え、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国の速報PMI。
  • 日本の第2四半期実質GDP、7月のコアCPI、輸出データ。
  • 中国の7月経済活動データ、タイの第2四半期GDP、韓国の20日間輸出、マレーシアのCPI、インドネシア銀行の金融政策会合。
  • AI投資、生産性、利益寄与に関する企業の定量的開示、および利益予想改定の広がり。

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