US-policy-driven market stress in Asia ex-Japan FX markets:Nomuraの市場ストレス指標は米国の利回り圧力の強まりを受け+2.8標準偏差まで上昇
Nomuraは、米国の政策に関連する市場ストレスが8月下旬以降に急速に再燃したとみている。直近の上昇は主に10年米国債利回りの上昇によるもので、インフレ懸念、エネルギー価格上昇、米国経済活動の底堅さが背景にある。
要約
Nomuraは、米国の政策に関連する市場ストレスが8月下旬以降に急速に再燃したとみている。直近の上昇は主に10年米国債利回りの上昇によるもので、インフレ懸念、エネルギー価格上昇、米国経済活動の底堅さが背景にある。
- Nomuraの市場ストレス指標は、8月27日の-0.10標準偏差から、直近高値の+2.8標準偏差に達した。
- 当初の上昇は米国株の下落によるもので、その後、世界的なエネルギー価格上昇がストレスを押し上げた。
- 9月10日以降は、10年米国債利回りの急上昇が指標上昇の主因となっている。
- Nomuraは、米政権が強硬な政策行動や発言を和らげるよう求められる圧力が高まっていると述べている。
レポート解説
概要
このアジア(日本除く)FX戦略レポートは、市場ストレスが米国の政策行動や発言の緩和を促すほど大きくなっているかを評価している。Nomuraは、独自のストレス指標が急上昇し、9月10日以降は米国債利回りの上昇が主因になっているとみている。
主要見解
Nomuraの市場ストレス指標(MSI、Bloombergティッカー:NOMUMSI Index)は、レポート日までに+2.8標準偏差へ急上昇し、8月27日の直近安値-0.10標準偏差から大きく上昇した。レポートは、Fed Chair Warshによる8月28日のJackson Holeでのタカ派的な発言を受けた時期からストレスが転換したとしている。Nomuraはこの指標を用い、金融市場のストレスがどの程度まで高まれば、Trump大統領が政策行動や発言を後退させる圧力となり得るかを測っている。 レポートは、上昇の要因を分けて説明している。当初、MSIは米国株の下落を受けて上昇し、その後は世界的なエネルギー価格上昇がストレスを加えた。しかし9月10日以降、Nomuraによれば、MSI上昇の主因は10年米国債利回りの急上昇である。同社はこの利回り上昇を、インフレ懸念、エネルギー価格の上昇、そして9月の米国S&P PMIを含む米国経済の底堅さと結び付けている。 Nomuraは、ストレス指標の上昇により、Trump政権が強硬な政策行動や発言を緩和するよう求められる圧力が強まると結論付けており、イランに対する行動を例に挙げている。また別のリスクとして、米国債利回りの上昇に対し米国財務省が強い行動や抵抗を示す場合、市場の動きが変わり得ると指摘している。
分析フレームワーク
Nomuraは独自のクロスマーケット・ストレス指標を追跡し、その時系列変化を米国株、世界のエネルギー価格、10年米国債利回りの動きに帰属させている。その上で、ストレス水準を米国の政策発言や行動を制約し得る要因として解釈している。
手法メモ
Nomura市場ストレス指標(MSI)
市場ストレスの程度と、そのストレスが米国の政策担当者に行動や発言の緩和を促す可能性を評価するための独自指標。
10年米国債利回り上昇への市場ストレスの帰属
レポートは、長期の米国債ベンチマーク利回りの上昇を、直近の市場ストレスにおける主要な伝達経路と位置付け、インフレ、エネルギー価格、米国経済の底堅さと関連付けている。
主要データ
- Nomura市場ストレス指標+2.8sdレポート日時点の直近高値。
- Nomura市場ストレス指標-0.10sd8月27日の直近安値。
- 直近の主な要因10-year US Treasury yield9月10日以降、その急上昇がMSIを主に押し上げている。
- 参照イベント28 AugustNomuraは、Fed Chair WarshによるJackson Holeでのタカ派的な発言を市場ストレスの高まりの起点としている。
影響と示唆
レポートは、市場ストレスの悪化が米国の強硬な政策発言や行動の緩和を求める政治的圧力を強める可能性を示している。また、米国債利回り上昇への米国財務省の抵抗が市場反応を変える要因になり得ると指摘している。
リスク
- 米国債利回りの上昇に対する米国財務省の強い行動または抵抗が、市場の動きを変える可能性がある。
注目点
- 市場ストレス指標が高止まりするか、さらに上昇するか。
- インフレ懸念、エネルギー価格、米国の経済活動に関連する10年米国債利回りの動き。
- 米政権が強硬な政策行動や発言を緩和するか。
- 米国債利回り上昇に対して米国財務省が強い対応を取るか。