レポート解説
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レポート解説Hilo Research

レポート解説

Bernsteinは、DRAM、NAND、先端ロジック、ファウンドリー、中国の生産能力拡張を原動力に、世界のWFEが2年間で約75%成長すると予想し、米国の主要装置企業の目標株価を幅広く引き上げている。

機関Bernstein
日付2026-08-11
業界半導体製造装置・材料
格付けAMAT、LRCX、KLAC、ASML、東京エレクトロン、Kokusai、Lasertec、NAURA、AMEC、PiotechはすべてOutperform、ScreenはMarket-Perform評価

要約

WFE上昇局面は一段と強まり、2027年から2028年の予想を大幅に上方修正

Bernsteinは、DRAM、NAND、先端ロジック、ファウンドリー、中国の生産能力拡張を原動力に、世界のWFEが2年間で約75%成長すると予想し、米国の主要装置企業の目標株価を幅広く引き上げている。

全体見通しは顕著に強気である。中核装置企業はOutperform評価を維持し、AMATの目標株価は$675、LRCXは$385、KLACは$250へ引き上げられた。ASMLは引き続き欧州の最有力銘柄である。
半導体製造装置WFE上昇局面DRAM生産能力拡張NAND回復先端ロジック中国国内代替先端パッケージング目標株価引き上げ
  • 2027年の世界WFE予想は$175bnから$204bnへ引き上げられ、前年比成長率は約33%となる。
  • 2028年の世界WFE予想は$198bnから$259bnへ引き上げられ、前年比成長率は約27%となる。
  • DRAM WFEは2027年と2028年にそれぞれ$69bn、$96bnに達すると見込まれ、予想上方修正の主因の一つとなる。
  • 中国のWFE需要は2026年から2028年に$57bn、$73bn、$101bnに達すると予想され、中国国内装置ベンダーの売上高は2026年に41%増の$16bnへ成長すると見込まれる。
  • 米国装置株の選好順位はAMAT、LRCX、KLACであり、3社はいずれもOutperform評価を維持している。
  • ASMLは欧州の最有力銘柄であり、米ドル建て売上高は2025年から2028年に約34%の年平均成長率で成長すると予想される。
  • 中国装置株の選好順位はNAURA、AMEC、Piotechであり、足元の株価調整は2026年下期の反発に先立つポジショニング機会とみられている。

レポート解説

概要

本レポートは、世界の半導体資本設備業界および米国、日本、欧州、中国の主要装置企業を対象とする。Bernsteinは2026年から2028年の世界ウェハ製造装置支出予想を大幅に引き上げ、現在の装置投資の上昇局面は持続可能であると論じている。需要成長は単一の用途や地域に限定されず、中国以外のメモリー投資、中国のロジックおよびファウンドリー生産能力拡張、先端パッケージング、人工知能需要、成熟ノードにおける需給逼迫によって共同で牽引される。

主要見解

中核的な判断は、世界WFEが2027年から2028年に急速な成長を続け、2年間の累計増加率が約75%に達するというものだ。メモリー、特にDRAMが最大の増分成長に寄与する一方、NANDのアップグレードサイクルもエッチング、成膜などの装置サプライヤーに恩恵をもたらす。先端ロジックとファウンドリーは人工知能、高性能コンピューティング、GAA、先端パッケージングに支えられる。中国市場は2026年にDUV供給不足と輸入低迷によって一時的に下押しされるものの、国内装置ベンダーの売上高は急成長すると予想され、メモリー、先端ロジック、成熟ロジックの生産能力拡張は2027年から2028年に大幅に加速すると見込まれる。地域別の銘柄選択では、米国ではAMATが最有力で、LRCX、KLACがこれに続く。日本ではKokusaiと東京エレクトロン、欧州ではASML、中国ではNAURA、AMEC、Piotechが選好される。

分析フレームワーク

レポートは、主要装置ベンダーの最新ガイダンス、チャネルチェック、生産能力拡張計画を組み合わせ、WFE需要を年別、地域別、用途別に分解し、修正後の業界支出予想を企業の売上高、利益率、1株当たり利益、目標株価に反映している。株式バリュエーションは主に予想PERを用い、SOXおよびSPXに対するバリュエーションプレミアムも比較し、製品ミックス、技術的障壁、中国における国内代替リスク、受注転換サイクルに基づいて企業を順位付けしている。

手法メモ

  • 業界需要予測WFE構成要素予測

    ウェハ製造装置支出を用途別・地域別に分解

    DRAM、NAND、ロジック、ファウンドリーを個別に予測し、さらに中国市場と中国以外の市場を区別することで、各年の成長源と予想修正の要因を特定する。

  • ファンダメンタルズ調査チャネルチェックと企業ガイダンスのクロスバリデーション

    サプライチェーン調査を用いて生産能力拡張計画を検証

    中国メモリー、先端ロジック、成熟ロジックなどの領域で、装置ベンダー経営陣のガイダンスをチャネルチェックとクロスバリデーションし、受注から売上認識まで約1年の納入サイクルを考慮する。

  • 利益予測業界支出から企業モデルへの反映

    製品および最終市場へのエクスポージャーに基づき財務予測を調整

    各社の先端ロジック、DRAM、NAND、パッケージング、リソグラフィ、プロセス制御などへの売上エクスポージャーに基づき、売上高、営業利益率、1株当たり利益を修正する。

  • 相対バリュエーション予想PERバリュエーション

    装置企業のバリュエーションプレミアムを業界および市場全体と比較

    レポートは予想PERとSOXおよびSPXに対するプレミアムを用いてバリュエーション水準を評価し、成長持続性と競争優位性を織り込んで目標株価を決定する。

  • 企業バリュエーション目標PER法

    将来利益に目標バリュエーション倍率を適用

    ASMLは、目標PER40倍にQ5からQ8の1株当たり利益EUR 62.6を乗じて目標株価EUR 2,500を導出し、為替レートに基づいて米国上場株式の目標株価へ換算している。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • Applied Materials (AMAT)
    米国半導体製造装置株の最有力銘柄、Outperform、目標株価$675
    強み
    先端ロジック、DRAM、先端パッケージングへの高いエクスポージャー。対応可能市場の拡大、サービス事業、資本還元も支援材料となる。
    弱み
    バリュエーションは高水準にあり、中国および成熟ノード事業は依然として政策と景気循環の影響を受ける。
    比較
    AMAT、LRCX、KLACの中で首位であり、より広範な成長エクスポージャーと比較的低いバリュエーションを兼ね備える。
    リスク
    WFE成長の予想未達、輸出規制の強化、先端ノードの生産能力拡張の遅延、バリュエーション圧縮。
  • Lam Research (LRCX)
    米国装置株の第2選好、Outperform、目標株価$385
    強み
    GAA、HBM、先端パッケージング、NANDアップグレードの恩恵を受ける。実行力が高く、メモリー回復への感応度が高い。
    弱み
    バリュエーションはAMATより高く、メモリー設備投資の変化により敏感である。
    比較
    成長レバレッジはより強いが割高であり、レポートの選好順位ではAMATの後、KLACの前に位置する。
    リスク
    NANDアップグレードの遅延、中国における国内代替、メモリーサイクルの反転、高いバリュエーション。
  • KLA (KLAC)
    Outperform、目標株価$250
    強み
    プロセス制御における強力な競争地位、先端ロジックへの最も高いエクスポージャーの一つ、中国代替によるリスクの比較的低さ、規律ある資本配分。
    弱み
    納入サイクルが長いため短期的な成長は一部同業他社より遅れ、バリュエーションプレミアムは最も高い。
    比較
    短期的にはAMATとLRCXに次ぐが、クリーンルーム能力が稼働する2027年以降、成長が大きく加速する可能性がある。
    リスク
    顧客の量産立ち上げ遅延、受注と売上認識のタイミングのずれ、高バリュエーションからの株価調整。
  • ASML Holding NV (ASML)
    欧州半導体製造装置の最有力銘柄、Outperform、目標株価EUR 2,500または米国上場株式で$2,859
    強み
    EUVにおける独自の競争地位を有し、DRAMおよび先端ロジックでのリソグラフィ集約度の上昇から恩恵を受ける。EUV、DUVともに強い成長見通しがある。
    弱み
    中国売上高比率は2026年に約20%まで低下すると予想され、複雑な装置の生産能力拡張と納入には高い実行力が求められる。
    比較
    欧州カバレッジ内で明確な最有力銘柄であり、売上高は2025年から2028年に約34%の年平均成長率で成長すると予想される。
    リスク
    輸出規制、中国売上高の減少、顧客の生産能力拡張遅延、EUV生産能力の立ち上げが予想を下回ること。
  • Kokusai Electric (6525.JP)
    日本装置株の最有力銘柄、Outperform、目標株価¥12,420
    強み
    バッチALDのリーダーであり、先端ノード、GAA、NAND、中国DRAM生産能力拡張の恩恵を受ける。
    弱み
    事業はメモリー設備投資と中国需要に対する感応度が高い。
    比較
    日本装置株の選好順位はKokusai、東京エレクトロン、Screenである。
    リスク
    メモリー生産能力拡張の減速、中国における国内代替、生産能力拡張における実行リスク。
  • Tokyo Electron (8035.JP)
    日本装置株の中核推奨銘柄、Outperform、目標株価¥79,300
    強み
    主要装置分野6つをカバーし、メモリー設備投資の拡大、円安後の価格競争力改善、利益率改善の恩恵を受ける。
    弱み
    過去に中国でシェアを失っており、中国市場の回復に依存している。
    比較
    日本市場で第2位に位置し、Kokusaiよりメモリーへのエクスポージャーは低いが、製品ポートフォリオはより広い。
    リスク
    中国シェア回復の予想未達、為替変動、メモリーサイクルの変動。
  • Screen Holdings (7735.JP)
    Market-Perform、目標株価¥15,000
    強み
    洗浄装置のリーダーでロジック生産能力拡張へのエクスポージャーを持つ。バリュエーションはカバレッジ内で低い水準にあり、パネルレベルパッケージングは追加的な上振れ要因となり得る。
    弱み
    明確な独自成長ドライバーに欠け、洗浄の集約度は大幅に上昇しておらず、市場競争は激しい。
    比較
    日本装置株の選好順位ではKokusaiと東京エレクトロンに次ぐ。
    リスク
    中国売上高比率の低下による利益率への重し、世界および中国の競合によるシェア獲得。
  • NAURA (002371.CH)
    中国装置株の最有力銘柄、Outperform、目標株価CNY 680
    強み
    中国国内WFEのリーダーで、成膜、エッチング、熱処理、洗浄をカバーする製品を有する。顧客基盤は広く、先端ロジックへのエクスポージャーは約40%。
    弱み
    現在株価とレポートの目標株価の関係は、バリュエーションおよび調整後株価の基準を慎重に確認する必要があることを示す。
    比較
    中国装置株の選好順位はNAURA、AMEC、Piotechであり、先端ロジック生産能力拡張から最大の上昇余地が期待される。
    リスク
    生産能力拡張ペースがチャネル予想を下回ること、競争激化、バリュエーション圧縮、顧客認定の遅延。
  • AMEC (688012.CH)
    Outperform、目標株価CNY 335.57
    強み
    ドライエッチングで技術力が高く、ALD、LPCVD、EPI成膜製品を急速に拡大しており、国内代替とシェア拡大の恩恵を受ける。
    弱み
    2026年の株式配当により目標株価は1株当たりベースで機械的に調整されており、過去の株価および利益の基準と混同しやすい。
    比較
    中国装置株では第2位であり、技術面での評価は高いが、製品の幅はNAURAより狭い。
    リスク
    新製品認定の予想未達、高いバリュエーション、競争激化、生産能力拡張計画の遅延。
  • Piotech (688072.CH)
    Outperform、目標株価CNY 580
    強み
    PECVD、HDPCVD、SACVD、ALDに注力しつつ、ウェハ・ツー・ウェハおよびチップ・ツー・ウェハのハイブリッドボンディング装置へ拡大している。
    弱み
    規模と製品の幅はNAURAより相対的に弱く、新製品の商業化への依存度が高い。
    比較
    中国装置株では第3位であり、先端パッケージングと成膜装置のイノベーションによる差別化された機会を持つ。
    リスク
    ハイブリッドボンディングの量産立ち上げが予想を下回ること、顧客認証の遅延、競争、バリュエーションリスク。
  • Lasertec (6920.JP)
    Outperform、目標株価¥54,000
    強み
    マスク検査市場で約50%のシェアを持ち、アクティニック検査で独自の地位を有する。ACTIS 200HiTが売上高の再加速を牽引すると予想される。
    弱み
    成長はファブによる次世代検査装置の採用に依存する。
    比較
    技術的障壁は大きいが、KLAがアクティニック検査市場に参入する可能性による競争上の脅威に直面している。
    リスク
    KLAによる競合製品の投入、顧客採用の遅延、高いバリュエーション。

主要データ

  • 2026年世界WFE$154bn、前年比約26%増この指標はレポート後半で複数回使用されているが、表紙の要約には$148bnとも記載されており、原資料に不整合があることを示している。
  • 2027年世界WFE$204bn、前年比約33%増従来予想は$175bn、前年比約18%増だった。
  • 2028年世界WFE$259bn、前年比約27%増従来予想は$198bn、前年比約13%増だった。
  • 2027年から2028年のDRAM WFE$69bnおよび$96bn従来予想はそれぞれ$57bnおよび$71bnだった。
  • 2027年から2028年のNAND WFE$20bnおよび$29bn従来予想はそれぞれ$18bnおよび$23bnだった。
  • 2027年から2028年のロジックおよびファウンドリーWFE$104bnおよび$124bnチャートに記載された従来予想はそれぞれ$89bnおよび$93bnだった。
  • 2026年から2028年の中国WFE$57bn、$73bn、および$101bn2026年はDUV不足により$1.1bn下方修正された一方、2027年と2028年はそれぞれ$6.3bn、$24.0bn上方修正された。
  • 2026年中国国内装置ベンダー売上高$16bn、前年比41%増中国WFEの成長は主に国内ベンダーの力強い業績によって牽引されると予想される。
  • ASML売上高成長2025年から2028年の米ドル建て年平均成長率は約34%2028年のシステム売上高は約$66bn、EUV売上高は年平均約44%で成長すると予想される。
  • ASML EUV出荷台数2025年の48台から2028年の118台へ増加2028年にはHigh-NAシステム8台が含まれる見込み。
  • AMAT目標株価$675従来は$525、Outperformを維持。
  • LRCX目標株価$385従来は約$360から$365、Outperformを維持。
  • KLAC目標株価$250従来は$225、Outperformを維持。

影響と示唆

業界予想の上方修正は、装置企業の受注、売上高、利益成長が2027年以降も継続する可能性を意味し、サイクルが早期にピークアウトするとの市場懸念を和らげる可能性がある。DRAMおよびNAND支出の上方修正は、メモリーへのエクスポージャーが高いエッチング、成膜、熱処理装置企業に特に有利である。先端ロジック、GAA、先端パッケージングは、AMAT、KLAC、ASML、NAURAなどを支える。中国の生産能力拡張と国内代替は、国内装置ベンダーのシェア拡大機会を創出すると同時に、依然として技術優位を持つ海外サプライヤーにも追加需要をもたらすが、売上構成は過去の異例に高い水準から正常化を続ける可能性がある。現在のバリュエーションは高いものの、足元の株価調整とより強い利益上方修正により、リスク・リターンの魅力はなお改善している。

リスク

  • 半導体製造装置セクターのバリュエーションは引き続き高く、AMAT、LRCX、KLACの予想PERおよびSOXとSPXに対するプレミアムが短期的なリターンを制約する可能性がある。
  • 世界WFE、DRAM、NAND、先端ロジックの生産能力拡張が予想を下回れば、利益上方修正と目標株価の根拠が弱まる。
  • 輸出規制、DUV不足、地政学的変化により、中国の輸入装置需要と海外サプライヤーの売上高が制約される可能性がある。
  • 中国における国内代替が予想以上に速く進めば、国際的な装置ベンダーはシェアを失い続ける可能性がある。
  • 中国国内装置企業の受注成長、顧客認定、売上認識は、チャネルチェックに反映された生産能力拡張計画より遅れる可能性がある。
  • 装置の納入サイクルは比較的長く、クリーンルーム建設または顧客の量産立ち上げの遅延により、受注と売上認識のミスマッチが生じる可能性がある。
  • ASMLの中国売上高比率が2024年から2025年の高水準から正常化することは、短期的な売上構成上の圧力を生む可能性がある。
  • レポート内の異なる箇所で2026年WFEおよび一部構成要素予想の定義に差異があるため、データ利用時には原表とモデルのバージョンを確認すべきである。

注目点

  • AMATの今後の業績、受注、2027年需要に関するガイダンス。
  • 主要装置ベンダーが2026年の中国売上高予想をさらに引き上げるかどうか。
  • 2026年残り数カ月における中国装置ベンダーの受注成長ガイダンスと、2027年の売上実現。
  • 中国におけるDRAM、NAND、先端ロジック、成熟ロジックの生産能力拡張の進捗。
  • 2026年のKirinチップ、YMTCのIPO申請、2026年下期のHuawei superPoD納入。
  • 2026年下期の中国DUV輸入の回復。
  • EUV出荷、High-NAシステム納入、ASMLのDUV生産能力が2028年までに約200台へ拡大する進捗。
  • DRAM 1cノードの浸透、GAA、HBM、NANDアップグレード、先端パッケージングによる装置集約度の上昇。
  • 半導体製造装置株の高いバリュエーションを、2027年から2028年の利益上方修正が引き続き吸収できるかどうか。

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