レポート解説
Bernsteinは世界のウェハ製造装置支出が2年間で約75%成長すると予想し、AMAT、LRCX、KLACの目標株価を引き上げ、AMAT、ASML、メモリー関連エクスポージャーの高い装置ベンダーを選好している。
要約
WFE上昇サイクルが強化、市場規模は2028年に2,590億米ドルへ拡大見込み
Bernsteinは世界のウェハ製造装置支出が2年間で約75%成長すると予想し、AMAT、LRCX、KLACの目標株価を引き上げ、AMAT、ASML、メモリー関連エクスポージャーの高い装置ベンダーを選好している。
- 2027年および2028年の世界WFE予測はそれぞれ2,040億米ドル、2,590億米ドルへ引き上げられ、前年比成長率は約33%および27%に相当する。
- 予測引き上げは主に中国以外のDRAMおよびロジック/ファウンドリー投資によるものであり、中国市場も2027~2028年に大幅な加速が見込まれる。
- 米国装置株の選好順位はAMAT、LRCX、KLACであり、いずれもアウトパフォームを維持している。
- 欧州ではASMLが最有力で、米ドル建て売上高は2025年から2028年にかけて約34%のCAGRで成長し、EUVとDUVはいずれも力強い成長が見込まれる。
- 中国装置株ではAMEC、NAURA、Piotechのアウトパフォーム評価を維持しており、短期的な選好順位はNAURA、AMEC、Piotechである。
レポート解説
概要
本レポートは、2026~2028年の世界ウェハ製造装置支出予測を包括的に引き上げ、半導体装置の上昇サイクルとの見方を強化している。成長源は単一アプリケーションからDRAM、NAND、先端ロジック、ファウンドリー、先端パッケージングへ広がり、中国と中国以外の市場の双方を対象としている。これを受けてBernsteinは米国半導体装置企業の業績モデルと目標株価を引き上げ、欧州、日本、中国の主要装置サプライヤーについても前向きな見方を維持している。
主要見解
中核的な見方は、装置投資サイクルは依然として長期に及び、市場は2027年の受注・支出の強さを過小評価している可能性があるというものだ。メモリーが予測上方修正の主な増分ドライバーであり、特にDRAMが中心である。先端ロジック、GAA、HBM、NANDアップグレード、先端パッケージングも構造的なドライバーを構成する。中国では2026年の輸入はDUV不足によって抑制される一方、国内ベンダーの売上高は41%成長が見込まれ、その後はメモリー、先端ロジック、成熟ノードの能力拡張がWFE需要の加速を牽引すると予想される。地域別では、米国ではAMAT、欧州ではASML、日本ではKokusaiとTokyo Electron、中国ではNAURA、AMEC、Piotechが選好されている。
分析フレームワーク
本レポートは、用途別・地域別に分割したWFE予測フレームワークを用い、DRAM、NAND、ロジック/ファウンドリーを個別にモデル化し、中国と中国以外の需要を区分している。装置企業のガイダンス、チャネルチェック、能力拡張計画、装置の納入サイクル、市場シェアの変化を組み合わせて企業の売上高・利益予測を更新し、その後、予想PERなどのバリュエーション手法を用いて目標株価を導出している。
手法メモ
用途および地域別にウェハ製造装置支出を予測
DRAM、NAND、ロジック/ファウンドリーの設備投資を個別に推計し、中国と中国以外の市場を区分することで、各年の予測改定要因を特定する。
受注、能力、売上成長への予想を検証
装置ベンダーによる最新ガイダンスを、中国のメモリー、先端ロジック、成熟ノードにおける能力拡張に関するチャネル情報と比較し、市場予想との乖離およびその後の上方修正余地を評価する。
WFEの変化を売上高、利益率、EPSに反映
先端ロジック、メモリー、パッケージング、リソグラフィ、プロセス制御における各社の製品エクスポージャーと市場シェアに基づき、売上高およびEPS予測を調整する。
目標PERと予想EPSを用いて目標株価を算出
例えば、ASMLは目標PER40倍に予想EPSを掛けて評価する一方、AMAT、LRCX、KLACのSOXおよびSPXに対するバリュエーションプレミアムも比較している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- AMAT米国半導体装置銘柄の最有力で、アウトパフォーム評価、目標株価は675米ドル。
- 強み
- 先端ロジック、DRAM、先端パッケージングへの高いエクスポージャー。サービス事業と株主還元が追加的な支援を提供し、バリュエーションは同業他社よりやや低い。
- 弱み
- 現在のバリュエーションは過去水準および主要指数水準を依然上回っており、力強い業界成長の実現への依存度が高い。
- 比較
- レポートの選好順位ではLRCXおよびKLACより上位であり、今回の業績モデル調整も最大だった。
- リスク
- WFE支出が予想を下回る、中国事業の悪化、または高バリュエーションの低下。
- LRCXアウトパフォーム評価、目標株価は385米ドル。
- 強み
- GAA、HBM、先端パッケージング、NANDアップグレードの恩恵を受け、強い実行力を有する。
- 弱み
- バリュエーションは相対的に高く、業績発表期にすでに一部の利益予測が引き上げられていたため、今回の追加的な上振れ余地は比較的限定的である。
- 比較
- 米国装置株の選好順位では2位であり、一部同業他社よりメモリー、特にNANDへのエクスポージャーが大きい。
- リスク
- NAND回復の遅れ、中国顧客からの売上減少、バリュエーションプレミアムの縮小。
- KLACアウトパフォーム評価、目標株価は250米ドル。
- 強み
- プロセス制御における強固な競争ポジション、先端ロジックへの高いエクスポージャー、中国での国産代替リスクの相対的な低さ、強い資本配分規律。
- 弱み
- より長い納入サイクルにより、短期的な成長はAMATとLRCXに遅れる可能性がある。
- 比較
- 短期的な成長順位は低いが、クリーンルームスペースの稼働開始に伴い、2027年以降の成長可能性は強い。
- リスク
- 納入サイクルの遅延、クリーンルーム建設の延期、相対的に高いバリュエーション。
- ASML欧州半導体装置の最有力で、アウトパフォーム評価、ユーロ建て目標株価は€2,500。
- 強み
- EUVにおける独自の競争優位性を有し、DRAMおよび先端ロジックにおけるリソグラフィ強度の上昇から恩恵を受ける。DUV需要にも上振れ余地がある。
- 弱み
- 会社ガイダンスは中国の売上高寄与が約20%へ低下することを示しており、短期的な地域別売上構成に圧力をかける。
- 比較
- レポートでは、2025年から2028年の売上高CAGRを約34%と予想しており、EUVの成長は装置市場全体を大幅に上回る見込みである。
- リスク
- 輸出規制、中国売上高の減少、能力拡張が予想を下回ること、高バリュエーション。
- Kokusai / Tokyo Electron / Screen日本装置株の選好順位はKokusai、Tokyo Electron、Screen。
- 強み
- KokusaiとTokyo Electronはメモリー設備投資への感応度が高く、引き上げられたDRAMおよびNAND投資から直接的な恩恵を受けられる。
- 弱み
- Screenは洗浄強度上昇による明確なドライバーを欠き、世界および中国の競合に直面している。Tokyo ElectronとScreenは以前、中国でシェアを失った。
- 比較
- KokusaiとTokyo Electronはいずれもアウトパフォーム評価である一方、Screenはマーケット・パフォーム評価。
- リスク
- 中国での国産化、市場シェア低下、価格競争、中国売上高寄与の低下。
- NAURA / AMEC / Piotech3社すべてアウトパフォーム評価を維持し、短期的な選好順位はNAURA、AMEC、Piotech。
- 強み
- 中国WFE拡大、装置の国産化、シェア上昇の恩恵を受ける。NAURAは最も幅広い製品ポートフォリオを持ち、AMECは高い技術的評価を得ており、Piotechは成膜およびハイブリッドボンディングで拡大を続けている。
- 弱み
- レポート記載の市場価格はいずれも対応する目標株価を上回っており、明確なバリュエーション圧力を示している。
- 比較
- NAURAの先端ロジックへの約40%のエクスポージャーは、先端ロジック能力拡張の主要な受益者とする要因である。
- リスク
- 受注の上方修正が実現しないこと、能力拡張の遅延、バリュエーション調整、国内装置ベンダー間の競争激化。
- 世界の半導体装置業界業界全体はWFE上昇サイクルにあり、2027~2028年の成長予想は大幅に上方修正されている。
- 強み
- 需要はメモリー、ロジック、ファウンドリー、AI、先端パッケージング、複数地域にまたがり、幅広い成長基盤を提供する。
- 弱み
- 業界バリュエーションは総じて高水準であり、市場はすでに力強い成長予想を部分的に織り込んでいる。
- 比較
- DRAMとNANDはロジック/ファウンドリーより速い成長が見込まれ、メモリーへのエクスポージャーが高い装置ベンダーが相対的に大きな受益者となる。
- リスク
- 設備投資サイクルの反転、貿易規制、装置納入のボトルネック、最終需要が予想を下回ること。
主要データ
- 2027年世界WFE2,040億米ドル、前年比約33%増従来予測は1,750億米ドル、前年比約18%増だった。
- 2028年世界WFE2,590億米ドル、前年比約27%増従来予測は1,980億米ドル、前年比約13%増だった。
- 2年間のWFE成長率約75%タイトルおよびエグゼクティブサマリーでは、2026年の1,480億米ドルが2028年に2,590億米ドルへ増加することに基づいて算出している。本文では2026年について1,540億米ドルにも言及しており、ソース抜粋間で基準の差異があることを示している。
- 2027~2028年DRAM WFE690億米ドル/960億米ドル従来はそれぞれ570億米ドル/710億米ドルだった。
- 2027~2028年NAND WFE200億米ドル/290億米ドル従来はそれぞれ180億米ドル/230億米ドルだった。
- 2027~2028年ロジック/ファウンドリーWFE1,040億米ドル/1,240億米ドル従来はそれぞれ890億米ドル/930億米ドルだった。
- 中国WFE需要2026~2028年にそれぞれ570億米ドル/730億米ドル/1,010億米ドル2026年予測は11億米ドル引き下げられた一方、2027年および2028年はそれぞれ63億米ドル、240億米ドル引き上げられた。
- 2026年中国国内装置ベンダーの売上高160億米ドル、前年比41%増国内サプライヤーの力強い業績が、中国WFE市場の継続成長を支えると見込まれる。
- AMAT目標株価675米ドル従来は525米ドルで、アウトパフォームを維持。
- LRCX目標株価385米ドルレポートの異なる箇所では従来の目標株価を360米ドルまたは365米ドルとしており、アウトパフォームを維持。
- KLAC目標株価250米ドル従来は225米ドルで、アウトパフォームを維持。
- ASML目標株価€2,500 / US$2,859欧州でのアウトパフォームおよび最有力銘柄を維持。米ドル目標株価はユーロ目標株価から換算。
- ASML売上高成長2025年から2028年に米ドル建てCAGR約34%システム売上高は2028年に約660億米ドルに達する見込みで、EUV出荷台数は2025年の48台から2028年には118台へ増加する。
影響と示唆
WFE予測の上方修正は、半導体装置企業の受注、売上高、利益予想にさらなる上方修正余地があることを意味する。特にDRAM、先端ロジック、GAA、HBM、NANDアップグレード、リソグラフィ、先端パッケージングへのエクスポージャーが高いサプライヤーに恩恵が大きい。米国装置株では、AMATは先端ロジック、DRAM、パッケージングへの幅広いエクスポージャーを、相対的に低いバリュエーション、サービス事業および株主還元による追加支援と組み合わせている。LRCXはNANDアップグレードと実行力の恩恵を受け、KLACは先端ロジックおよびプロセス制御での優位性により2027年以降の強い成長可能性を有する。ASMLはEUV・DUV需要とリソグラフィ強度の上昇から恩恵を受ける。中国装置ベンダーは能力拡張と国産代替の恩恵を受けるが、一部銘柄はレポート記載の目標株価が市場価格を下回っているため、バリュエーションと短期的な変動性に注意が必要である。
リスク
- 半導体装置セクターのバリュエーションは依然として高く、AMAT、LRCX、KLACはSOXおよびSPXに対して大幅な予想PERプレミアムで取引されている。
- 米国の輸出規制またはDUV供給不足が、中国の装置輸入を引き続き抑制し、グローバルベンダーの地域別売上構成を変化させる可能性がある。
- 中国装置の国産化により、一部の国際サプライヤーは中国市場でシェアを失い続ける可能性がある。
- WFE予測はメモリー、先端ロジック、ファウンドリーの能力拡張が計画通り進むことを前提としており、プロジェクト遅延は受注・売上実現を弱める。
- 装置納入サイクル、クリーンルームスペース、サプライチェーン能力により、売上計上が遅延する可能性がある。
- 中国装置株は比較的高いバリュエーションにあり、NAURA、AMEC、Piotechについてレポート記載の目標株価は当時の市場価格を下回っていた。
- LasertecはKLAが光化学検査分野に参入する可能性による競争脅威に直面し、Screenは洗浄装置での競争激化と利益率下振れリスクに直面している。
- ソース抜粋には2026年WFE規模およびLRCXの従来目標株価に関する異なる記述があるため、関連する成長率を使用する際は元のチャートの基準を確認すべきである。
注目点
- DUV供給の改善後、2026年下期に中国WFE輸入が反発できるかどうか。
- 主要装置企業が2027年の受注、WFE成長、中国売上高について、その後のガイダンスを継続的に引き上げるかどうか。
- DRAM、NAND、先端ロジック、成熟ノードの能力拡張計画の実際の実行ペース。
- Kirin 2026チップ、YMTC目論見書、Huawei superPoDの納入などの潜在的なカタリスト。
- ASMLのEUVおよびDUVの能力拡張、出荷、中国でのDUV需要が現在の予測を上回るかどうか。
- AMATの最新決算およびガイダンスが、今回の比較的大幅な利益予測・目標株価引き上げを裏付けられるかどうか。
- 中国国内装置ベンダーによる2026年の受注成長ガイダンスと2027年の売上計上。
- KLACなどの企業における、クリーンルーム建設進捗と長期化した装置納入サイクルの2027年以降の成長への寄与。