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レポート解説Hilo Research

半導体製造装置:中国の半導体製造装置輸入額は7月に51億ドルに達し、前月比で反発したものの前年比2%減

2026年7月、中国の半導体製造装置輸入額は前年比2%減、前月比9%増となった。熱処理、プロセス制御、露光装置に牽引され、前工程装置は前年比4%増となった。一方、年初来の輸入は全体で8%減を維持しており、サプライヤーが期待する中国売上の正常化は依然進行中であることを示すが、カテゴリー別の乖離は大きい。

機関BofA Securities
日付20260821
企業中国半導体製造装置輸入市場
業界半導体製造装置

要約

2026年7月、中国の半導体製造装置輸入額は前年比2%減、前月比9%増となった。熱処理、プロセス制御、露光装置に牽引され、前工程装置は前年比4%増となった。一方、年初来の輸入は全体で8%減を維持しており、サプライヤーが期待する中国売上の正常化は依然進行中であることを示すが、カテゴリー別の乖離は大きい。

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中国半導体製造装置輸入前工程装置露光装置成膜装置エッチング装置数量・価格分解税関データ追跡2026年7月
  • 7月の輸入額は51億ドルで、前年比2%減、前月比9%増となり、直近3カ月平均および12カ月平均を上回った。
  • 前工程装置の輸入額は39億ドルで、前年比4%増、前月比15%増となった。
  • 熱処理は前年比71%増、プロセス制御は20%増、露光は7%増となった一方、イオン注入は44%減となった。
  • 2026年の輸入は全体で年初来8%減、前工程装置は7%減の195億ドルとなった。
  • 7月の組立・パッケージング、ウエハ製造、フラットパネルディスプレイ装置の輸入は、それぞれ前年比15%、41%、44%減少した。
  • 上位5社の装置サプライヤーの2026年第2四半期における中国売上は、前工程装置の税関輸入額の79%に相当し、輸入データを用いたサプライヤーの中国事業動向追跡を支持している。

レポート解説

概要

本レポートは、中国の月次税関輸入データを用いて半導体製造装置需要および世界の装置サプライヤーの中国売上動向を追跡している。7月には総輸入が前月比で改善し、前工程装置は再び成長に転じたが、年初来輸入は前年比で減少を維持しており、露光、成膜、エッチング、後工程装置の間で数量、価格、サイクルの明確な乖離がみられた。

主要見解

BofAは、中国の税関輸入データが世界の半導体製造装置サプライヤーの中国売上動向を観察する重要な指標であると考えている。中国は2025年に世界のウエハ製造装置(WFE)市場の33.5%を占め、2024年の36.2%から低下したものの、中国需要の変化は世界の装置業界に大きな影響を与える。2026年7月の中国の半導体製造装置輸入額は51億ドルで、2026年4月から6月の3カ月平均39億ドル、および2025年7月から2026年6月の12カ月平均44億ドルを上回った。前年比では2%減、前月比では9%増となった。3カ月移動平均ベースでは、輸入額は前年比3%減、前月比11%増となった。原レポートでは、後者が当月の過去平均3MMA前月比変化である+1%を下回ったとも記載されているが、両数値を文字どおりに読むと整合しないように見える。2026年第2四半期の輸入額は前年比3%減、前四半期比13%増であり、2025年通年の輸入額は前年比6%増の553億ドルだった。7月のデータにより2026年の年初来減少率は8%となり、レポートでは、半導体製造装置サプライヤーの大半が従来2026年の中国売上正常化を予想していたと述べている。 前工程装置は7月の前月比改善の主因であり、輸入額は39億ドルに達し、前年比4%増、前月比15%増となった。熱処理装置は2億9,000万ドルで前年比71%増、前月比54%増、プロセス制御装置は4億8,400万ドルで前年比20%増、前月比9%増、その他の前工程装置は4億8,200万ドルで前年比14%増、前月比1%減、露光装置は8億7,000万ドルで前年比7%増、前月比3%増となった。弱いカテゴリーには、イオン注入装置が1億900万ドルで前年比44%減、前月比6%減、エッチング装置が8億1,000万ドルで前年比6%減、前月比60%増、成膜装置が8億8,300万ドルで前年比2%減、前月比6%増が含まれる。これは、7月の前工程装置輸入総額の回復が全カテゴリーの同時改善を反映したものではなく、熱処理、プロセス制御、露光、ならびにエッチングの前月比反発によって共同で牽引されたことを示す。 年初来の前工程装置輸入額は195億ドルで、前年比7%減となった。内訳では、エッチングは37億ドルで17%減、露光は39億ドルで14%減、イオン注入は7億8,500万ドルで13%減、その他の前工程装置は27億ドルで6%減、プロセス制御は23億ドルで4%減、成膜は50億ドルで1%減となった。対照的に、熱処理は23%増の12億ドルとなった。したがって、単月で前工程装置が前年比プラス成長に戻ったことは、熱処理を主な例外として、主要カテゴリーの大半における年初来の減少をまだ覆していない。 その他の装置カテゴリーは概して弱含んだ。7月の組立・パッケージング装置の輸入は3億1,000万ドルで、前年比15%減、前月比25%減となり、年初来輸入は15%減の22億ドルとなった。このカテゴリー内では、ワイヤボンディング装置が前年比61%増、前月比29%減、実装・接合装置が前年比20%増、前月比15%減となった。ウエハ製造装置は1億1,600万ドルで前年比41%減、前月比18%増、年初来輸入は28%減の6億7,800万ドルだった。フラットパネルディスプレイ製造装置は1億500万ドルで前年比44%減、前月比50%減となったが、年初来輸入はなお6%増の14億ドルだった。スペアパーツは5億5,600万ドルで前年比11%減、前月比16%増、年初来輸入は6%減の31億ドルとなった。検査装置は規模がより小さく、7月は6,600万ドルで前年比45%増、前月比44%増だったが、年初来輸入はなお3%減の2億8,100万ドルだった。 輸入構成も変化している。レポートは、後工程装置の比率が長年にわたり低下している一方、露光装置は2023年後半以降、他カテゴリーを上回って大きく成長していると指摘する。2026年年初来では、日本が中国の半導体製造装置輸入額の25%を占め、日本とオランダの合計では39%を占めた。サプライヤー対応の観点では、最大手5社の装置企業、すなわちApplied Materials、Lam Research、Tokyo Electron、ASML、KLAが開示した中国装置売上は、年次集計ベースで同期間の中国の前工程装置税関輸入額の約75%に相当し、四半期比率は58%から85%の範囲だった。2026年第2四半期の比率は79%だった。このためBofAは、四半期ごとの関係には変動があるものの、月次輸入データは世界の装置サプライヤーの中国売上動向に対する実用的な代理指標となり得ると考えている。 7月の露光装置輸入額は8億7,000万ドルで、前年比7%増、前月比3%増となった。輸入数量は前年比横ばい、前月比29%増であった一方、平均販売価格(ASP)は前年比7%上昇、前月比20%低下した。7月のASPは1,380万ドルで、直近12カ月平均の1,390万ドルをやや下回った。2026年第2四半期では、露光輸入額は前年比13%減、前四半期比25%減、数量は前年比27%減、前四半期比9%増で、ASPは920万ドルと、直近4四半期平均の1,380万ドルを下回った。2021年から2024年にかけて、中国の露光装置輸入額は主にASP上昇に牽引され、年平均成長率32%を記録した。2025年の輸入額は106億ドルで前年比1%減、通年数量は745台で23%減となった一方、ASPは1,420万ドルで2024年比28%高かった。2026年7月までの露光輸入額は前年比14%減であり、7月の単月成長が年初来減少の文脈にとどまることを示している。 オランダ製露光装置は露光輸入の大半を構成する。2026年7月、オランダ製露光システムは露光輸入額全体の91%を占めたが、輸入数量では38%にすぎず、そのASPは全露光システムの2.5倍だった。当月、オランダ製露光システムの輸入額は前年比7%増、前月比1%減、数量は前年比・前月比ともに19%増、ASPは前年比10%減、前月比17%減となった。2023年12月以降、中国の月次露光システム輸入額のおよそ90%以上は一貫してオランダからのものとなっている。データが利用可能となった2015年1月以降、オランダの露光装置税関輸入データはASMLの開示中国装置売上と95%の相関を示している。オランダの輸入額は、2023年および2024年にそれぞれASMLの開示中国装置売上の86%および96%に相当した。2025年、オランダ製露光システムの輸入額は97億ドルで4%増、数量は189台で24%減、ASPは5,130万ドルで2024年比38%高く、輸入額成長が数量ではなく主に製品価格または製品ミックスによって牽引されたことをさらに示している。 7月の成膜装置輸入額は8億8,300万ドルで、前年比2%減、前月比6%増となった。数量は前年比12%減、前月比2%減となった一方、ASPは前年比12%上昇、前月比8%上昇し、ASP上昇が数量減少の一部を相殺したことを示す。2026年第2四半期の輸入額は前年比9%増、前四半期比43%増、数量は前年比12%増、前四半期比20%増で、ASPは360万ドルと、直近4四半期平均の330万ドルを上回った。2021年から2024年にかけて、成膜輸入額は年平均成長率12%を記録し、2025年には数量とASPの双方に牽引されて8%増の83億ドルとなった。成膜装置は歴史的にWFEの約19%から26%を占め、Applied Materialsの世界成膜装置市場シェアは37%から48%の首位圏を維持している。 7月のエッチング装置輸入額は8億1,000万ドルで、前年比6%減、前月比60%増となった。数量は前年比12%減、前月比15%増、ASPは前年比7%上昇、前月比39%上昇した。急速な前月比反発は数量とASPの両方の上昇に支えられたが、前年比の輸入額は依然マイナスだった。2026年第2四半期のエッチング輸入額は前年比28%減、前四半期比5%減、数量は前年比2%減、前四半期比43%増で、ASPは250万ドルと直近4四半期平均の360万ドルを下回った。年初来の輸入額は17%減となった。したがって、本レポートは、業界カテゴリー全体で同期した回復ではなく、単月の連続的な回復と年初来の弱さが共存するパターンを描いている。

分析フレームワーク

本レポートはまず、中国の月次税関輸入額を用いて全体の装置需要を測定し、前年比、前月比、四半期比、年初来、3カ月移動平均の比較を通じてトレンドを検証する。次に、データを前工程、後工程、および個別の装置カテゴリーに分解する。露光、成膜、エッチングなどの中核カテゴリーについては、輸入額を輸入数量とASPにさらに分解し、数量変化と価格または製品ミックスの変化を区別する。最後に、税関輸入額を上位5社の装置サプライヤーが開示した中国売上と年次・四半期ベースで比較し、オランダの露光装置輸入とASMLの中国売上との歴史的相関を用いて、この代理指標の適用可能性を検証する。

手法メモ

  • 業界・セクター分析フレームワーク数量・価格分解

    輸入額、輸入数量、平均販売価格の分解

    本レポートは、装置輸入額を数量とASPの変化に分解し、成長または減少が調達数量、装置価格、製品ミックスのいずれに由来するかを判断する。例えば、7月には成膜装置の輸入数量は減少したが、ASP上昇が輸入額の減少を緩和した。

  • サイクル・事業環境フレームワークその他

    3カ月移動平均(3MMA)

    3MMAは、直近3カ月のデータ平均を用いて単月の変動性を低減する。本レポートは月次値と3MMAの双方について前年比・前月比の変化を比較し、装置輸入トレンドが持続的かを評価している。

  • 業界・セクター分析フレームワークその他

    税関輸入データをサプライヤーの中国売上動向の代理指標として使用

    本レポートは、中国の前工程装置輸入額を主要5社の開示中国売上と対応付けている。年次カバレッジ比率が約75%、四半期カバレッジ比率が58%から85%であるため、BofAは月次税関データをサプライヤーの中国売上の追跡指標として用いている。

  • 業界・セクター分析フレームワーク業界集中度分析

    供給国別およびサプライヤー別市場シェアの比較

    本レポートは、日本およびオランダの輸入シェアと、Applied Materialsの成膜装置市場シェアを用いて、輸入元の集中度および装置供給の構図を分析している。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • 世界の半導体製造装置サプライヤー上位5社(Applied Materials、Lam Research、Tokyo Electron、ASML、KLA)
    本レポートは、これらサプライヤーの中国売上動向を追跡する代理指標として、中国の前工程装置に関する税関輸入額を用いる。
    強み
    5社の開示中国装置売上は年次ベースで中国の前工程装置輸入額の約75%に相当し、2026年第2四半期の比率は79%だった。
    弱み
    対応する比率は四半期ごとに58%から85%の範囲で変動し、輸入は企業の売上認識と完全には同期しない。
    比較
    本レポートは、5社の売上合計を中国の前工程装置輸入額合計と比較している。
  • ASML
    本レポートは、ASMLの中国装置売上を追跡する重要な指標として、オランダ製露光システムの輸入額を位置付けている。
    強み
    2015年1月以降、オランダの露光装置輸入データはASMLの開示中国装置売上と95%の相関を示している。
    弱み
    本レポートは、両データ系列の四半期トレンドには変動があると指摘している。
    比較
    オランダの輸入額は、2023年および2024年にそれぞれASMLの開示中国装置売上の86%および96%に相当した。
  • Applied Materials
    同社の事業は、本レポートが追跡する成膜装置需要と関連している。
    強み
    本レポートは、Applied Materialsの世界成膜装置市場シェアが長年にわたり37%から48%の首位圏を維持していることを示している。
    比較
    本レポートで示された世界成膜装置の競争環境において、同社は首位を維持している。

主要データ

  • 2026年7月の半導体製造装置輸入額$5.1bn前年比2%減、前月比9%増。直近3カ月平均39億ドルおよび直近12カ月平均44億ドルを上回る
  • 7月の輸入額3MMAの変化前年比 -3%、前月比 +11%レポートは単月の変動性を平滑化するため3カ月移動平均を用いる
  • 2026年年初来の全体変化-8% yoyレポートによれば、装置サプライヤーの大半は2026年の中国売上正常化を見込んでいる
  • 世界WFEに占める中国のシェア33.5%2025年のシェア。2024年は36.2%
  • 7月の前工程装置輸入額$3.9bn前年比4%増、前月比15%増
  • 年初来の前工程装置輸入額$19.5bn前年比7%減
  • 7月の露光装置輸入額$870mm前年比7%増、前月比3%増。数量は前年比横ばい、前月比29%増
  • 7月の成膜装置輸入額$883mm前年比2%減、前月比6%増。ASPは前年比12%上昇
  • 7月のエッチング装置輸入額$810mm前年比6%減、前月比60%増。ASPは前月比39%上昇
  • 7月の熱処理装置輸入額$290mm前年比71%増、前月比54%増で、主要カテゴリーの中で最も強い前年比パフォーマンス
  • 主要5社の売上対輸入額比率79%2026年第2四半期における主要5社の開示中国売上の前工程装置輸入額に対する比率。長期的な年次比率は約75%
  • オランダの露光装置輸入とASMLの中国売上の相関95%2015年1月以降の税関輸入データおよび企業開示に基づく
  • 2026年年初来の主要供給国シェア日本 25%; 日本とオランダの合計 39%中国の半導体製造装置輸入額全体に占めるシェア

影響と示唆

本レポートは、7月の前月比反発が中国の半導体製造装置調達活動が前月までから改善したことを示すと考えているが、全体の年初来輸入および前工程の大半のカテゴリーは依然前年比で減少しており、サプライヤーが説明する中国売上の正常化トレンドと整合的である。輸入構成は前工程装置および露光装置へ引き続きシフトしている一方、数量とASPのトレンドはカテゴリーにより大きく異なる。このため、輸入額合計だけでは、すべての装置サプライヤーの売上変化を判断するには不十分である。主要5社の開示売上に対する税関データの高いカバレッジは月次トレンド追跡に適しているが、四半期比率の変動は両者が完全には同期しないことを意味する。

注目点

  • 中国の月次半導体製造装置輸入額および3MMAを継続的に追跡し、2026年の売上正常化と7月の前月比改善が継続可能かを判断する。
  • 露光、成膜、エッチング、熱処理、プロセス制御装置の輸入数量およびASPの変化を監視し、需要数量と製品ミックスの影響を区別する。
  • 主要5社が後に開示する中国売上と、前工程装置の税関輸入額との対応比率を監視する。
  • オランダ製露光システムの輸入額、数量、ASPがASMLの中国装置売上トレンドとどのように対応するかを監視する。
  • 組立・パッケージング、ウエハ製造、フラットパネルディスプレイ装置における前年比減少が縮小するかを監視する。

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