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レポート解説Hilo Research

ASML HOLDING NV(US.ASML):台湾の半導体製造装置輸入は前年比で加速、ASMLのリソグラフィ需要は引き続き堅調

2026年7月、台湾の半導体製造装置輸入は前年比40%増加した。TSMCの生産能力拡張が中長期的な需要を支える一方、輸入の前月比減少は一部の装置メーカーの四半期売上高が市場予想を下回る可能性を示唆している。

機関Bernstein
日付2026-08-10
企業ASML HOLDING NV
ティッカーUS.ASML
業界半導体製造装置・材料
格付けOutperform

要約

2026年7月、台湾の半導体製造装置輸入は前年比40%増加した。TSMCの生産能力拡張が中長期的な需要を支える一方、輸入の前月比減少は一部の装置メーカーの四半期売上高が市場予想を下回る可能性を示唆している。

ASMLはOutperformと評価され、米国上場株の目標株価は2,859米ドルである。これは2026年8月7日の終値1,740.99米ドルに対して約64.2%の上昇余地を示す。欧州上場株の目標株価は2,500ユーロである。
半導体製造装置台湾輸入ファブ設備投資リソグラフィ装置ASMLTSMCデータトラッキング
  • 台湾の7月の半導体製造装置輸入は50億米ドルで、前年比40%増、前月比22%減だった。
  • 日本からの装置輸入は8億8,400万米ドルで、前年比54%増、前月比24%減だった。
  • ASML関連のリソグラフィ装置輸入は5億5,400万ユーロで前年比86%増となり、回帰モデルでは第3四半期の台湾におけるシステム売上高を16億9,000万ユーロと推計している。
  • Advantest、Tokyo Electron、Screenの四半期台湾売上高予測はいずれも市場コンセンサスに対する下振れリスクを示している。
  • BernsteinはASMLのOutperform格付けを維持し、米国上場株の目標株価を2,859米ドルとしている。

レポート解説

概要

Bernsteinは、2026年7月の台湾財政部による半導体製造装置輸入データに基づき、主要な日本・欧州装置メーカーの台湾における事業動向を追跡している。輸入全体は前年比で大幅に増加し、台湾ファウンドリーの設備投資が依然として強いことを反映した。一方、輸入は前月比で減少しており、月次データは変動が大きく、装置カテゴリーごとに企業の当四半期売上高に対して異なるシグナルを発している。

主要見解

業界レベルでは、台湾の半導体製造装置輸入は前年比40%増、日本からの輸入は前年比54%増となり、日本・欧州の半導体製造装置セクターに対するポジティブな見方を支えている。企業レベルでは、ASMLはTSMCの生産能力拡張の恩恵を受け、リソグラフィ需要は前年比で力強い伸びを示すが、モデルでは第3四半期の台湾におけるシステム売上高が前四半期比14%減少すると推計している。テスト装置、Tokyo Electron関連のウエハ製造装置、Screenの洗浄装置の輸入データは、それぞれAdvantest、Tokyo Electron、Screenの四半期台湾売上高が市場コンセンサスを下回るリスクを示している。

分析フレームワーク

本レポートは、テスト、リソグラフィ、成膜、エッチング、洗浄、コータ/デベロッパ、急速熱処理などの装置カテゴリー別に、台湾の月次通関輸入データを集計している。単月データ、3か月移動平均、過去の相関関係を用いてトレンドを評価し、回帰モデルを通じて各社の四半期台湾売上高を推計し、市場コンセンサスと比較している。

手法メモ

  • データトラッキング半導体製造装置輸入トラッキング

    台湾の装置輸入をサプライヤーの現地売上高の高頻度な代理指標として使用する

    月次輸入データを装置カテゴリー別・原産地別に整理し、ファブの設備投資および主要装置サプライヤーの売上高の変化を観察する。

  • トレンド分析3か月移動平均

    月次輸入データにおける納入の変動性と季節性を平準化する

    本レポートは、単月の前月比、前年比、3か月移動平均を同時に観察し、四半期初月の季節性や装置納入の集中が判断に与える影響を低減している。

  • 定量予測輸入データ回帰モデル

    輸入額と企業の台湾売上高との過去の相関を用いて四半期売上高を予測する

    モデルはAdvantest、ASML、Tokyo Electron、Screenの四半期台湾売上高をそれぞれ推計している。ASMLについては、単月のリソグラフィ輸入と現地システム売上高の決定係数は53%である。

  • バリュエーション予想PERバリュエーション

    5~8四半期先の1株当たり利益に基づく目標PERを適用する

    ASMLは予想PER40倍を用いて2,500ユーロの目標株価を算出し、EUR/USD為替レートに基づいて米国上場株の目標株価2,859米ドルへ換算している。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • ASML HOLDING NV (US.ASML/ASML.NA)
    台湾のリソグラフィ装置輸入はASMLの現地システム売上高と中程度の相関があり、本レポートの重要な注目点である。
    強み
    TSMCの生産能力拡張がリソグラフィ需要を牽引し、7月のリソグラフィ装置輸入は前年比86%増。BernsteinはOutperform格付けを維持している。
    弱み
    月次輸入データは変動が大きく、モデルでは第3四半期の台湾システム売上高が前四半期比14%減少すると推計している。
    比較
    テスト装置および洗浄装置と比較して、リソグラフィ装置はより強い前年比モメンタムを示している。ASMLのシステム売上高に占める台湾売上高の比率は30%から19%へ低下する見込み。
    リスク
    予想を上回るEUV商用化コスト、中国における装置の在庫積み増し、世界的なウエハ製造装置需要の低迷、技術移行の鈍化、代替技術、中国向け輸出規制の強化。
  • Advantest Corp (6857.JP)
    台湾のテスト装置輸入は、同社のシステムオンチップテスター売上高と高い相関がある。
    強み
    AI、GPU、HBM関連のテスト需要は長期的な成長ドライバーを構成する。BernsteinはOutperform格付けを維持している。
    弱み
    7月のテスト装置輸入は前月比21%減、前年比14%減で、モデルでは四半期台湾売上高が前四半期比6%減少すると推計している。
    比較
    予測トレンドは、市場コンセンサスが示唆する四半期売上高の前四半期比11%成長より弱い。
    リスク
    AIの最終需要の変動、競争環境の変化、為替レートの変動。
  • Tokyo Electron Ltd (8035.JP)
    成膜、ドライエッチング、洗浄、コータ/デベロッパ、急速熱処理などの輸入カテゴリーは、同社の台湾売上高と関連している。
    強み
    関連装置輸入は前年比80%増、3か月移動平均は前月比5%増。BernsteinはOutperform格付けを維持している。
    弱み
    単月輸入は前月比30%減で、モデルでは四半期台湾売上高が前四半期比13%減少すると推計している。
    比較
    モデル予測は、市場コンセンサスが示唆する全社売上高の前四半期比18%成長より弱い。
    リスク
    米国の貿易規制の変化、世界的なロジックおよびメモリー需要の減速、設備投資削減、不利な為替変動。
  • Screen Holdings Co Ltd (7735.JP)
    台湾の洗浄装置輸入は、同社の現地売上高と方向性のある相関を持つ。
    強み
    洗浄装置輸入は前年比51%増、3か月移動平均は前月比5%増。
    弱み
    7月の輸入は前月比32%減であり、原産国別データが利用できないため、他の装置カテゴリーより相関が弱い。
    比較
    モデルでは四半期台湾売上高は前四半期比横ばいと推計され、市場コンセンサスが示唆する全社売上高の前四半期比60%成長を大幅に下回る。格付けはMarket-Perform。
    リスク
    中国の投資サイクルのピークアウト、現地代替の加速、競争環境の変化、不利な為替変動。

主要データ

  • 台湾の7月半導体製造装置輸入50億米ドル前年比40%増、前月比22%減。3か月移動平均は前月比1%増。
  • 日本からの台湾半導体製造装置輸入8億8,400万米ドル前年比54%増、前月比24%減。3か月移動平均は前月比1%増。
  • 7月のテスト装置輸入5億700万米ドル日本とマレーシアからの合計輸入は前月比21%減、前年比14%減で、3か月移動平均は前月比4%減。
  • Advantestの四半期台湾売上高予測前四半期比6%減市場コンセンサスが示唆する全社四半期売上高の前四半期比11%増を下回る。
  • 7月のリソグラフィ装置輸入5億5,400万ユーロ前月比54%減、前年比86%増。通常、四半期初月は季節的に弱い特性を持つ。
  • ASMLの第3四半期台湾システム売上高予測16億9,000万ユーロ前年比1%増、前四半期比14%減で、同社第3四半期システム売上高の19%を占める見込み。
  • ASMLの第3四半期システム売上高予測約88億ユーロ台湾売上高のシステム売上高に占める比率は、前四半期および前年同期の30%から19%へ低下する見込み。
  • Tokyo Electronの四半期台湾売上高予測前四半期比13%減関連装置輸入の3か月移動平均は前月比5%増となったが、モデル結果は市場コンセンサスが示唆する全社売上高の前四半期比18%増を下回る。
  • Screenの四半期台湾売上高予測前四半期比横ばい7月の洗浄装置輸入は前月比32%減、前年比51%増となり、モデル結果は市場コンセンサスが示唆する全社売上高の前四半期比60%増を下回る。

影響と示唆

輸入の高い前年比成長は、台湾の先端プロセスおよび生産能力拡張が依然として装置需要を牽引していることを示し、ASMLおよび日本の装置メーカーの中長期的なファンダメンタルズを支える。ただし、月次輸入の前月比減少と装置カテゴリー全体にわたる回帰予測は、力強い業界需要がすべての企業にとって当四半期の売上高上振れへ同時に結び付くとは限らないことを示している。投資家は長期的な設備投資トレンドと短期的な納入ペースを区別し、市場コンセンサスの下方修正リスクを注視すべきである。

リスク

  • 月次通関輸入データは、納入の集中、季節性、認識時期の差異の影響を受け、企業の四半期売上高を正確に反映しない可能性がある。
  • 一部の装置カテゴリーには原産国別データがなく、企業レベルの帰属および回帰予測の信頼性を低下させる。
  • 世界の半導体需要またはファブの設備投資が予想を下回り、装置受注および売上高成長が弱まる可能性がある。
  • 米国およびその他地域による中国向け輸出規制のさらなる強化は、主要装置メーカーの対応可能市場を制限する可能性がある。
  • 中国製装置の国産化・代替の加速は競争を激化させ、海外サプライヤーのシェアを低下させる可能性がある。
  • 円、ユーロ、米ドルの為替レート変動は、売上高、利益、目標株価の換算に影響を及ぼす可能性がある。
  • AI、GPU、HBM需要の変動は、テスト装置需要および関連企業のバリュエーション水準に影響する可能性がある。

注目点

  • 台湾の半導体製造装置輸入が高い前年比成長を維持し、その後の月に前月比成長へ回復できるか。
  • TSMCの先端プロセスおよび生産能力拡張の進捗、ならびにリソグラフィ装置の納入ペース。
  • ASMLの第3四半期台湾システム売上高が16億9,000万ユーロ、システム売上高合計が88億ユーロに達するか。
  • Advantest、Tokyo Electron、Screenの四半期業績が市場コンセンサスに対して下方修正されるか。
  • 3か月移動平均と単月輸入データのトレンドが再び収束するか。
  • 中国向け半導体製造装置輸出規制および中国国内装置代替の進展。

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