Japan silicon wafer trade data and global silicon wafer market:日本のシリコンウエハー輸出が過去最高となり、Goldman Sachsのウエハー需要・需給への前向きな見方を裏付け
8月のシリコンウエハー輸出額は過去最高を更新し、主要アジア向けの出荷量も高水準を維持した。Goldman Sachsは、中国を除くウエハーメーカーの稼働率が2027年にフル稼働へ近づき、2028年には需給がさらに引き締まる可能性があるとみている。
要約
8月のシリコンウエハー輸出額は過去最高を更新し、主要アジア向けの出荷量も高水準を維持した。Goldman Sachsは、中国を除くウエハーメーカーの稼働率が2027年にフル稼働へ近づき、2028年には需給がさらに引き締まる可能性があるとみている。
- 8月の輸出額は前年比23%増、前月比12%増で、過去最高を更新した。
- 輸出量は前年比13%増、前月比横ばいで、6月以降は前年比二桁増が続いている。
- 台湾向けと中国向けの出荷量はともに前年比20%増、韓国向けは前年比9%増だった。
- Goldman Sachsは、中国を除く世界のウエハーメーカー稼働率が2026年に約95%、2027年にフル稼働近くになると予想している。
- 同社はSUMCOとShin-Etsu ChemicalのBuyレーティングを維持している。
レポート解説
概要
この日本化学セクターのデータ更新は、2026年8月の日本のシリコンウエハー貿易統計を、先端半導体需要が持続している証拠と解釈している。Goldman Sachsは、力強い出荷、価格改善、稼働率上昇、制約された能力拡張が、ウエハーメーカーであるSUMCOとShin-Etsu Chemicalに対する前向きな見方を支えるとしている。
主要見解
日本の財務省データによると、2026年8月のシリコンウエハー輸出額は前年比23%増、前月比12%増となり、過去最高を更新した。重量ベースの輸出量は前年比13%増、前月比横ばいだった。Goldman Sachsは、出荷量が6月以降前年比二桁増を続けていることから、主要ウエハーメーカーの稼働率が高水準にあることを示すとみている。輸出額の増加は数量だけによるものではなく、有利な為替変動、選択的なスポット価格上昇、より高付加価値な製品構成によって平均販売価格も改善していると同社はみている。 レポートは、300mmウエハー需要の着実な増加を、メモリーおよびロジック/ファウンドリー用途に加え、パワーデバイスを含む幅広い半導体におけるAIサーバー関連需要の拡大に結び付けている。仕向け地別データもこの見方を支持する。台湾向け出荷量は前年比20%増で、先端ロジックとAI関連需要の強さを示した。中国向け輸出も前年比20%増となり、韓国向け出荷量は前年比9%増で、HBMを含むメモリー関連需要の底堅さを示唆した。Goldman Sachsは、主要アジア市場全体での堅調な出荷が、先端半導体需要の健全な拡大を示していると考えている。 今後についてGoldman Sachsは、中国を除く世界のウエハーメーカー稼働率が2026年に約95%へ上昇し、2027年にはフル稼働に近づくと予想している。短期・中期とも業界の供給能力増加は限定的と見込まれるため、同社は2028年にウエハーの需給がさらに引き締まる可能性があるとみている。この見通しを踏まえ、SUMCOとShin-Etsu ChemicalのBuyレーティングを維持している。 SUMCOについて、Goldman Sachsは¥5,500の12カ月目標株価を維持している。これはFY12/27-FY12/28の材料セクターEV/GCIとCROCI/WACC推定値の平均的な関係に基づき、0.7xのキャッシュリターン倍率を用いるものだ。Shin-Etsu Chemicalについては、FY3/28-FY3/29の材料セクターEV/GCIとCROCI/WACC推定値の平均的な関係に基づき、同じく0.7xのキャッシュリターン倍率とセクター平均に対する20%のプレミアムを用いて、¥9,510の12カ月目標株価を維持している。
分析フレームワーク
レポートはまず財務省の貿易データから輸出額、出荷量、仕向け地別動向を分けて分析する。次に、出荷の強さをウエハーメーカーの稼働率、メモリー、ロジック/ファウンドリー、AIサーバー、パワーデバイスの最終需要と結び付け、利用率予測と限定的な能力増強を組み合わせて需給見通しを導いている。企業別目標株価には、材料セクターのEV/GCIとCROCI/WACC推定値の関係を用いている。
手法メモ
貿易出荷量、稼働率、最終市場需要、能力増強を用いたウエハー需給分析。
レポートは、持続する出荷増を需要シグナルとして扱い、稼働率の上昇を予測し、それを限定的な供給拡大と比較して、ウエハー市場の需給が引き締まる可能性を評価している。
キャッシュリターン倍率を用いる、材料セクターEV/GCIとCROCI/WACCの相関関係。
Goldman Sachsは、EV/GCIとCROCI/WACC推定値の所定の会計年度平均関係から両社の目標株価を算出し、0.7xのキャッシュリターン倍率を適用している。Shin-Etsu Chemicalにはセクター平均に対する20%のプレミアムも適用している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- SUMCOより強いウエハー需要と需給引き締まりの可能性から恩恵を受けるとされる、明示的にBuyレーティングのウエハーメーカー。
- 強み
- レポートの投資判断では、高い業界稼働率と拡大する300mmウエハー需要が支援材料となっている。
- 比較
- 目標株価の手法には、材料セクターのEV/GCIとCROCI/WACCの関係を用いている。
- リスク
- 半導体需要の減速、円高、減価償却費およびその他固定費の予想以上の増加。
- Shin-Etsu Chemicalより強いウエハー需要と需給引き締まりの可能性から恩恵を受けるとされる、明示的にBuyレーティングの企業。
- 強み
- レポートの投資判断では、高い業界稼働率と拡大する300mmウエハー需要が支援材料となっている。
- 比較
- 目標株価の手法には、材料セクターのEV/GCIとCROCI/WACCの関係を用い、セクター平均に対して20%のプレミアムを適用している。
- リスク
- 半導体の需給悪化、およびPVC、苛性ソーダ、為替価格の変動による利益への悪影響。
主要データ
- 日本のシリコンウエハー輸出額+23% YoY; +12% MoM in August 2026過去最高を更新。
- 日本のシリコンウエハー輸出量+13% YoY; flat MoM in August 20266月以降、前年比二桁増が続いている。
- 台湾向け出荷量+20% YoYレポートは先端ロジックおよびAI関連需要と結び付けている。
- 中国向け出荷量+20% YoY輸出は堅調を維持した。
- 韓国向け出荷量+9% YoYHBMを含むメモリー関連需要の底堅さを示唆する。
- 中国を除く世界のウエハーメーカー稼働率Approximately 95% in 2026; approaching full utilization in 2027Goldman Sachsの予想。
影響と示唆
Goldman Sachsは、貿易データが先端半導体需要の強まりとウエハー価格の改善に整合するとみている。利用率の上昇と限定的な能力増強により、シリコンウエハー供給企業を取り巻く環境は2028年までにさらに引き締まる可能性があり、これがSUMCOとShin-Etsu Chemicalに対するBuyレーティング維持を支えている。
リスク
- SUMCOについてGoldman Sachsは、半導体需要の減速、円高、減価償却費およびその他固定費の予想以上の増加を主なリスクとして挙げている。
- Shin-Etsu ChemicalについてGoldman Sachsは、半導体の需給悪化と、PVC、苛性ソーダ、為替価格の不利な変動を主なリスクとして挙げている。
注目点
- シリコンウエハーの輸出量と輸出額、特に出荷量の前年比二桁増が継続するかどうか。
- ロジック、AI関連、メモリー需要の指標となる、台湾、中国、韓国向け出荷の動向。
- 中国を除くウエハーメーカー稼働率が2026年に約95%、2027年にフル稼働近くへ向かう推移。
- 業界の能力増強と、それが2028年の需給を引き締めるほど限定的にとどまるかどうか。