Greater China semiconductors レポート解説
Goldman Sachsは、7月から8月のデータが中国半導体の前向きな見通しを裏付けるとみており、強いIC生産、輸入・輸出額の急増、継続する装置調達を要因に挙げる。同社は、新製品の立ち上がり、製品ミックスの改善、シェア拡大といった個社要因を持つ銘柄を選好している。
要約
Goldman Sachsは、7月から8月のデータが中国半導体の前向きな見通しを裏付けるとみており、強いIC生産、輸入・輸出額の急増、継続する装置調達を要因に挙げる。同社は、新製品の立ち上がり、製品ミックスの改善、シェア拡大といった個社要因を持つ銘柄を選好している。
- 中国のIC生産は7月に前年比20.7%増の53 billion unitsとなり、6月の18.8%から加速した。
- 8月のIC輸入額は前年比83.6%増、輸入量は6.7%増であり、輸入ASPが前年比72.1%上昇したことを示唆する。
- IC輸出量が前年比7.9%減だった一方、8月のIC輸出額は前年比129.8%増のUS$40.7 billionとなった。
- 中国の半導体売上高は7月に前年比127.7%増のUS$38.2 billionとなった。
- 台湾上場半導体企業の8月の合計売上高は前年比48.9%増、前月比11.0%増となった。
- 中国メーカーによる最近の装置入札は、Goldman Sachsの複数年にわたる設備投資トレンドに対する前向きな見方を補強している。
レポート解説
概要
本業界アップデートは、7月から8月の生産、貿易、売上高、在庫、装置調達データを用いて大中華圏の半導体モメンタムを評価している。Goldman Sachsは、中国半導体需要は堅調に推移していると結論づけ、生成AI、ADAS/ADの普及、現地サプライヤーのシェア拡大、設備投資計画の増加を背景に、前向きな見方を維持している。
主要見解
Goldman Sachsは、7月から8月のデータを中国半導体需要が堅調である証拠と解釈している。2026年7月のIC生産は前年比20.7%増の53 billion unitsで、6月の18.8%および2025年7月の15.0%から加速した。中国の半導体売上高は7月に前年比127.7%増、前月比2.9%増のUS$38.2 billionとなり、6月の前年比115.1%増と比較して伸びが継続した。レポートはこのモメンタムを、生成AI、中国におけるADAS/AD需要、国内サプライヤーの市場シェア拡大、設備投資計画の増加と結び付けている。 貿易データでは、特に金額ベースの成長が強い。8月のIC輸入量は前年比6.7%増で、7月の8.5%増から鈍化した一方、輸入額は前年比83.6%増で、7月の71.1%増を上回った。Goldman Sachsは、この差がIC輸入ASPの前年比72.1%上昇を示唆すると算出している。IC輸出額は前年比129.8%増、前月比5.1%増のUS$40.7 billionとなり、2026年の年初来輸出額はUS$256.8 billionで前年比104%増となった。対照的に、8月の輸出量は前年比7.9%減、前月比5.1%減の30.7 billion unitsで、年初来輸出量は242.4 billion units、前年比4%増だった。金額と数量の乖離は、単純な数量成長だけでなく、価格または製品ミックスの改善に対するレポートの注目を示している。 レポートは電子製造業の在庫も高水準であると指摘する。中国セクターの在庫日数は2026年7月に66 daysとなり、2025年、2024年、2023年の各年7月の57、58、57 daysを上回った。この在庫比較は、他の堅調な需要指標と併せて示されており、業界結論の変更としては扱われていない。 台湾では、主要上場半導体企業の合計売上高が8月に前年比48.9%増、前月比11.0%増となり、7月の前年比39.4%増および2025年8月の22.0%増から加速した。セグメント別では、8月のファウンドリー、IC設計、OSATの売上高はそれぞれ前月比9.8%、20.3%、10.1%増で、半導体サプライチェーン全体で活動が広がっていることを示す追加的な証拠となっている。 装置データは短期的にはまちまちだが、同社の長期的な設備投資見通しとは整合的である。半導体製造装置の輸入額は2026年7月に前年比3.2%減だったが、前月比7.7%増のUS$4.0 billionとなった。テスト装置の輸入額は前年比45.3%増、前月比43.8%増のUS$66.3 millionで、ASPは前月比6.1%上昇してUS$38,000となった。リソグラフィ装置の輸入量は前年比2%増の63 units、ASPは5%上昇してUS$13.8 millionとなった。オランダからの輸入量は24%増の21 unitsとなる一方、ASPは13%低下してUS$38.8 millionとなった。Goldman Sachsはさらに、Runpeng Semiconductorの成膜装置発注やEchip Semiのチップ選別装置入札を含む9月の継続的な入札活動を強調し、中国半導体の設備投資が今後数年で上向くとの見方を支える材料としている。 この背景の下、Goldman Sachsは新製品の立ち上がり、製品ミックスの改善、市場シェア拡大といった個社固有のカタリストを持つ銘柄を引き続き選好している。同社は、先端ノードの発展と生成AIがIP、設計、ファウンドリー、先端パッケージング、半導体製造装置にわたる発展を支えるとみており、Kematek、SMIC、Hua Hong、AMEC、Horizon Robotics、Biren、MetaX、Naura、ACMR、CambriconをBuy評価銘柄として挙げている。
分析フレームワーク
レポートは、中国の公式生産・通関統計、企業売上高データ、台湾半導体売上高の集計、在庫日数、装置輸入指標を組み合わせている。前年比および前月比の変化を比較し、金額と数量を分けて平均販売価格の変動を推定し、最近の調達入札を半導体設備投資活動の証拠としている。
手法メモ
生産、貿易、売上高、在庫、装置調達データを用いた半導体需要と生産能力の評価。
Goldman Sachsは、IC生産、輸出入、セクター在庫、装置入札の変化を用いて、現在の需要の強さと将来の業界投資の方向性を判断している。
IC輸出入における金額変化と数量変化を分け、ASPの変動を推定する手法。
レポートは、8月の輸入額成長率が数量成長率を大きく上回ったことから、輸入ASPが前年比72.1%上昇したと示し、価格または製品ミックスの役割を強調している。
IP、設計、ファウンドリー、先端パッケージング、半導体製造装置にまたがる評価。
レポートは、生成AIやADAS/ADなどの最終需要ドライバーを、半導体サプライチェーン全体の活動および装置支出と結び付けている。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- SMIC (0981.HK)Buy評価の中国半導体ファウンドリーであり、レポートは2Q26の業績上振れに言及している。
- 強み
- Goldman SachsのBuyリストに含まれ、中国半導体および設備投資トレンドの前向きな見通しの対象である。
- Hua Hong (688347.SH / 1347.HK)Buy評価のファウンドリーであり、最近の装置調達に参加している。
- 強み
- Goldman SachsのBuyリストに含まれる。最近の調達活動には、8インチおよび12インチIC製造プロジェクト向け装置が含まれる。
- Kematek, AMEC, Horizon Robotics, Biren, MetaX, Naura, ACMR and CambriconGoldman Sachsが中国半導体の選好リストで挙げたBuy評価銘柄。
- 強み
- レポートは、新製品の立ち上がり、製品ミックスの改善、シェア拡大を含む個社固有のドライバーを選好している。
主要データ
- 中国IC生産53 billion units; +20.7% YoY in July 2026成長率は2026年6月の+18.8%から加速し、2025年7月の+15.0%と比較される。
- 中国半導体売上高US$38.2 billion; +127.7% YoY and +2.9% MoM in July 20262026年6月の前年比+115.1%と比較。
- IC輸入額+83.6% YoY in August 20267月の+71.1%と比較。輸入量は6.7%増で、輸入ASPが前年比72.1%上昇したことを示唆する。
- IC輸出額US$40.7 billion; +129.8% YoY and +5.1% MoM in August 20262026年年初来の輸出額はUS$256.8 billionで、前年比104%増。
- IC輸出量30.7 billion units; -7.9% YoY and -5.1% MoM in August 2026年初来の輸出量は242.4 billion unitsで、前年比4%増。
- 中国電子産業の在庫日数66 days in July 20262025年、2024年、2023年の各年7月の57、58、57 daysを上回る。
- 台湾半導体の合計売上高+48.9% YoY and +11.0% MoM in August 2026ファウンドリー、IC設計、OSATの売上高はそれぞれ前月比9.8%、20.3%、10.1%増。
- 半導体テスト装置輸入US$66.3 million; +45.3% YoY and +43.8% MoM in July 2026輸入ASPは前月比6.1%上昇してUS$38,000。
影響と示唆
Goldman Sachsは、これらのデータが中国半導体の拡大継続を支えるとみている。より高い価値のIC貿易、生産成長、台湾の売上高モメンタム、新たな装置入札が、同社の前向きな業界見通しを補強している。同社は、新製品の立ち上がり、製品ミックス改善、シェア拡大という個社カタリストを持つ企業を選好し、先端ノードと生成AIがサプライチェーン全体の発展を支えるとみている。