レポート解説
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レポート解説Hilo Research

銅、アルミニウム・アルミナ、リチウム、鉄鋼、製鉄原料、石炭、セメント、紙包装を含む中国の基礎素材:需要は引き続き弱いが、供給制約が価格を支え、中国基礎素材セクター内の格差は顕著

ゴールドマン・サックスの調査によると、最終市場の受注は季節性を背景に8月中旬にやや回復したが、建設、輸出、一部製造業の需要は依然として弱かった。石炭の安全規制、銅スクラップ供給の逼迫、供給を吸収するアルミニウム輸出により、銅、アルミニウム、石炭の価格またはマージンは鉄鋼とセメントを上回った。

機関ゴールドマン・サックス
日付20260824
企業中国基礎素材業界
業界銅、アルミニウム・アルミナ、リチウム、鉄鋼、製鉄原料、石炭、セメント、紙包装を含む中国の基礎素材
格付けカバレッジ銘柄のレーティングはさまざまであり、本レポートは統一的な業界レーティングを提示していない

要約

ゴールドマン・サックスの調査によると、最終市場の受注は季節性を背景に8月中旬にやや回復したが、建設、輸出、一部製造業の需要は依然として弱かった。石炭の安全規制、銅スクラップ供給の逼迫、供給を吸収するアルミニウム輸出により、銅、アルミニウム、石炭の価格またはマージンは鉄鋼とセメントを上回った。

統一的な業界レーティングや目標株価はなく、カバレッジ銘柄の目標株価は12カ月の時間軸に基づく。
中国基礎素材需要低迷供給制約銅スクラップ供給の逼迫アルミニウム輸出の減速リチウム市場の供給不足鉄鋼CBAM低調なインフラ在庫のばらつき
  • 8月に最終市場の受注が前月比で改善すると予想した回答者は42%で、7月の27%から上昇したが、全体としては通常の季節性の範囲内だった。
  • 8月前半のセメントおよび建設用鋼材需要は前年比5%~10%減、銅および薄板鋼材需要は前年比1%~2%減だった。
  • インフラプロジェクトの着工は異例なほど低調で、不動産の販売、着工、施工床面積、完成はいずれも前年比で減少を続けた。
  • 銅需要は弱かったが、銅スクラップ供給の逼迫、製錬制約、下流の価格受容度上昇が高い銅価格を支えた。
  • アルミニウム在庫は前月比12.5万トン減少し、推定アルミニウムスプレッドは前月比9%上昇して1トン当たりRMB8,650となった。
  • 中国のリチウム市場は7月に推定20%の供給不足だったが、ジンバブエからの供給回復により8月から9月に不足は緩和する可能性がある。
  • 鉄鋼の需要、価格、トン当たり粗利益は引き続き悪化した一方、EU CBAMの実際の輸出コストは依然として認証・検証に左右される。
  • 石炭の安全規制は引き続き生産を制約し、セメントと紙包装はそれぞれ弱いインフラ需要と輸出需要を反映した。

レポート解説

概要

本レポートは、月次チャネル調査、高頻度データ、業界の需給指標を用いて、2026年8月の中国基礎素材セクターにおける受注、在庫、価格、利益の変化を評価している。中核的な結論は、最終市場の需要は通常の季節性に沿ってわずかに改善したにとどまり、建設と輸出チェーンの一部は依然として弱かったというものだ。しかし、供給制約により銅、アルミニウム、石炭の価格または利益は比較的底堅く推移した一方、鉄鋼、セメント、一部包装需要は引き続き圧迫された。

主要見解

全体の受注はわずかに改善したにとどまり、広範な需要回復をまだ示していない。ゴールドマン・サックスは60人超の業界関係者を調査した。8月中旬時点で、最終市場の受注が前月比で改善すると予想した回答者は42%で、7月の27%から上昇した。一方、前月比で減少すると予想した割合は36%から38%へ上昇した。基礎素材の受注では、改善を予想した割合は7月の27%から35%に上昇したが、45%はなお減少を予想しており、7月の48%をやや下回った。全回答者のうち、7%は通常の季節性より強いとみなし、59%は通常の季節性に沿うとし、35%は通常の季節性より弱いと回答した。後者は主に鉄鋼と金属加工に集中していた。自動車活動の季節的変化が受注回復の主因であり、機械、エネルギー貯蔵、電力関連セクターはより堅調だった。一方、建設、アルミニウム半製品輸出、紙包装受注に反映される製品輸出は引き続き弱まった。 建設チェーンは最も明確な重荷であった。8月前半の高頻度データでは、セメントおよび建設用鋼材の需要は前年比5%~10%低く、銅および薄板鋼材の需要は前年比1%~2%低かった。2026年最初の7カ月の水力発電供給を除くインフラ固定資産投資は前年比3.6%減少し、7月には11.4%減少したことを示唆する。建設プロジェクトの着工率も8月に前月比で悪化した。本レポートは特に、新たな五カ年計画の開始時に、新規インフラプロジェクトの着工と準備作業の不足が異例なほど顕著だったと指摘した。不動産では、住宅販売床面積は最初の7カ月で前年比12.7%減、7月で15.1%減となった。新規着工は最初の7カ月で24.0%減、7月で27.8%減となった。7月時点の施工床面積は前年比12.7%減の8億1,200万平方メートル、完成床面積は最初の7カ月で23.2%減、7月で20.0%減だった。これらのデータは、鉄鋼、セメント、関連建設資材の需要が根強く弱いことを説明する。 製造業需要は、伝統的セクターの弱さと先端製造業の強弱のばらつきというパターンを示した。白物家電の生産は2026年上期に前年比0.7%増加したが、6月には2.3%減少した。エアコン生産は上期に0.6%減、6月に3.3%減となった。自動車生産は最初の7カ月で3.4%減、7月で0.1%減だった。これに対し、工作機械生産は上期に7.3%増、6月に15.8%増となり、新エネルギー車生産は最初の7カ月で9.8%増、7月に26.8%増となった。動力用電池・蓄電池生産は最初の7カ月で54.8%増、7月に62.9%増となった。しかし、新規太陽光発電導入量は上期に66.0%減、6月に13.1%減となり、送電網投資は上期に4.0%増となったが6月には17.6%減少した。これは新エネルギーおよび電力チェーン内でも同様に著しいばらつきがあることを示す。 在庫は概ね減少したが、一部セグメントは通常水準を上回った。調査は業界チェーン全体の生産者が保有する原材料および完成品在庫を対象とし、季節調整後の通常水準をベンチマークとして使用した。鉄鋼、アルミニウム、石炭、紙、全体の下流製造品在庫は通常水準を上回り、鉄鉱石、原料炭、アルミナ、銅、建設資材在庫は通常水準にあり、古紙段ボール在庫は通常水準を下回った。鉄鋼在庫が通常水準を上回ると回答した純比率は11%で横ばいだった。アルミニウムは10%で低下、石炭は17%で低下、下流製造品全体は26%で低下した。段ボール原紙在庫が通常水準を上回ると回答した純比率は50%に達し上昇を続けた一方、古紙段ボール在庫が通常水準を下回ると回答した純比率は100%で低下を続け、完成包装需要と原材料在庫の不均衡を反映した。 銅市場は「需要低迷、スクラップ逼迫、高価格」の組み合わせを反映した。主要加工業者の受注は前月比で減少し、通常の季節性より弱かった。8月の最終用途銅需要は前年比1.4%減、前月比1.7%減と推定された。従来型内燃機関車、太陽光発電、家電からの需要はさらに弱まり、大手ケーブルメーカーは送電網受注がほぼ存在しないと述べた。エネルギー貯蔵、データセンター、電気自動車からの需要は比較的底堅かった。銅価格は過去最高を更新したにもかかわらず、下流の受容度は過去より良好だった。レポートはこれを、価格上昇が比較的緩やかだったことと、下流の受容可能な価格水準が1年前の1トン当たりRMB70,000~80,000から約RMB100,000へ上昇したことに起因するとした。供給面では、規制当局が不適合な銅スクラップ請求書を取り締まった後、国内の銅スクラップ供給と製錬所の在庫はより逼迫した。スクラップ投入比率は6月の18%から7月の15%へ低下し、保守後の一部製錬所の再稼働を遅らせた。8月14日時点で、中国取引所、保税倉庫、社会在庫を合わせた銅在庫は前月比2.1万トン減少し、過去の季節的減少幅5.1万トンを下回った。スポットプレミアムは1トン当たりRMB130のディスカウントに転じ、銅精鉱の製錬チャージは前月比さらにUS$43低下し、1トン当たりマイナスUS$175となった。硫酸収入を含めると、レポートは製錬チャージが1ポンド当たりマイナスUS$0.07にとどまると推定しており、製錬所への圧力が継続していることを示す。 アルミニウムの受注はまちまちだったが、在庫取り崩しと供給を吸収する輸出が収益性を改善させた。加工業者の受注は概ね通常の季節性に沿い、エネルギー貯蔵、自動車、太陽光発電からの受注は改善した一方、家電と送電網からの需要は弱まり、アルミニウム半製品輸出受注は8月にさらに減速した。レポートは、半製品・完成品輸出を除外し在庫調整を行った後、6月の国内見かけアルミニウム需要は前年比0.5%減、前月比横ばいと推定した。第2四半期と7月の純アルミニウム輸出の増加は年率換算で280万トンの増加に相当し、市場バランスを支えた。8月中旬時点で、中国のアルミニウム在庫は前月比12.5万トン減少し、概ね過去の季節性に沿った。年率換算の一次アルミニウム生産量は7月に4,590万トンに達し、前年比3.8%増となった。ゴールドマン・サックスは上海先物取引所のアルミニウムスプレッドを1トン当たりRMB8,650、前月比9%増と推定した。しかし、限界アルミナ生産者の単位現金利益は1トン当たりマイナスRMB170にとどまり、アルミニウムとアルミナの収益性トレンドの乖離を浮き彫りにした。 リチウム市場は短期的にはなお供給不足だったが、在庫と供給回復により逼迫期間は限られた。正極材需要は7月に改善し、SMMは8月の正極材生産が前月比5%、前年比69%増加すると予想した。電池・正極材企業は受注が通常の季節性より強いと報告し、電池輸出に対する付加価値税還付の廃止により一部需要が前倒しされた。もっとも、一部のエネルギー貯蔵インテグレーターは国内・輸出受注が期待を下回ったと述べた。ゴールドマン・サックスは、中国のリチウム市場が7月時点で約20%の供給不足にあり、5月から6月の6%~15%の範囲を上回ったと推定したが、ジンバブエの供給障害が回復することで8月から9月に不足は緩和する可能性がある。中国の年初来正極材生産は、下流要件から推定される需要をすでに19%上回っていた一方、電池在庫は通常水準を上回り、年内の推定純在庫増加は炭酸リチウム換算35.5万トンに相当した。8月14日時点で、中国のスポット炭酸リチウム価格は前月比で概ね横ばいだった一方、広州先物価格は前月比3%上昇した。スポジュメン価格の低下により、中国の炭酸リチウムスプレッドとアジアの着地ベース水酸化リチウムスプレッドはいずれも前月比で改善した。 鉄鋼は、需要と収益性が引き続き悪化した主要セグメントだった。ほとんどの製鉄所は、8月の先行受注が前月比で減少し、通常の季節性より弱いと報告した。8月第2週時点で、建設用鋼材需要は前年比5.2%減、薄板鋼材需要は前年比1.9%減だった。建設需要はさらに弱まり、自動車および家電需要も明確な支援を提供しなかった。鉄鋼輸出は高水準を維持したが、EU炭素国境調整メカニズムの認証プロセスは将来のコストと受注に関する大きな不確実性を生んだ。製鉄所は最近のコスト上昇が依然として緩やかで、理論上の最大税負担をはるかに下回るとみていたが、最終結果は検証に左右される。製鉄所の受注残は前月比で短縮し、10日から1カ月にすぎなかった。大半の製鉄所は8月に安定生産を維持する計画だった。8月14日時点で、製鉄所の完成鋼材在庫は440万トンで、前月比2%減少した。国内販売のトン当たり粗利益は7月のRMB40~170からRMB20~60へ低下し、輸出のトン当たり粗利益はRMB110~230からRMB80~160へ低下しており、価格とマージンの双方でさらなる弱さを示した。 製鉄原料も内部的なばらつきを示した。8月上旬の鉄鉱石港湾平均日次引取量は308万トンで、8月14日終了週の銑鉄日産量は240万トン、前年比1.0%減、前月比0.4%増だった。製鉄所は鉄鉱石市場を供給過剰とみなした一方、コークスと原料炭の供給は逼迫したままだった。製鉄所の鉄鉱石・原料炭在庫は大半が低水準、または製鉄所の視点では通常水準にあった。トレーダーの取引量は前月比横ばいから減少で、一部の製鉄所はCMRGの影響力拡大に伴い鉄鉱石調達ディスカウントが拡大すると予想した。トレーダーの価格見通しは1トン当たりUS$90~110にとどまった。国内PCI炭価格は前月比横ばいから1トン当たりRMB100下落した。 その他のセグメントも同じ需給のばらつきに従った。石炭の安全規制は引き続き生産を制約し、石炭回答者の100%は8月の受注が前月比で改善すると予想し、これは7月から変わらなかった。石炭価格またはマージンも改善した。セメントは極めて低調なインフラプロジェクトと減少する建設需要に重くのしかかられ、価格と利益は悪化を続けた。紙包装の受注は製品輸出の弱い見通しを反映し、完成段ボール原紙在庫は高水準で上昇した。総じて本レポートは、8月の受注における季節的回復を広範な回復とはみなしておらず、むしろ供給制約が一時的に特定コモディティの価格を支えていること、業界収益性は各セグメントの在庫、輸出、原材料供給、下流構成に引き続き左右されることを強調している。

分析フレームワーク

本レポートはまず、60人超の業界関係者を対象とする独自の月次調査を用いて、生産者・最終ユーザーが保有する先行受注と在庫を評価し、その後、固定資産投資、不動産、製造業生産、貿易、導入量、輸送に関する高頻度データを用いて需要をクロスチェックする。次に、銅、アルミニウム、リチウム、鉄鋼、製鉄原料の受注・需要要因、供給・在庫、価格・利益を分析し、その結論を同業他社のバリュエーション比較と12カ月の目標株価時間軸を用いてカバレッジ銘柄に結び付ける。

手法メモ

  • (語彙外の手法)その他

    60人超の業界関係者を対象とする月次チャネル調査

    本レポートは、生産者、加工業者、最終市場メーカー、開発業者、トレーダー、業界団体からのフィードバックを集計し、将来受注の前月比方向性、季節性の強さ、業界チェーン全体の在庫ポジションを評価する。

  • (語彙外の手法)その他

    高頻度業界データを用いるクロスバリデーション

    本レポートは調査結果をインフラ、不動産、製造業生産、在庫、貿易、価格に関する高頻度データと比較し、主観的な受注フィードバックと実際の需要変化を区別する。

  • 業界・セクター分析フレームワーク需給フレームワーク

    コモディティの需給バランス分析

    本レポートは最終市場需要、生産量、輸出入、スクラップ供給、在庫変化を単一のフレームワークに置き、需要低迷下でも供給制約が特定コモディティ価格を支え得る理由を説明する。

  • 業界・セクター分析フレームワーク上流・中流・下流の産業チェーン伝達

    原材料から加工製品、最終市場産業への伝達

    本レポートは、銅スクラップと製錬、アルミニウムとアルミナ、リチウム鉱石と正極材、製鉄原料と鉄鋼、紙包装原材料と完成品の間の在庫、コスト、受注の伝達を追跡する。

  • 業界・セクター分析フレームワーク数量・価格分解

    需要量、コモディティ価格、単位利益の分解

    本レポートは、価格上昇を需要の強まりと直接同一視しないため、需要成長、在庫取り崩し、スポット・先物価格、加工賃、トン当たり利益を個別に検証する。

  • イベントゲームと行動ファイナンスイベントドリブン分析

    規制・政策イベントが需給に与える影響

    本レポートは、炭鉱の安全規制、銅スクラップ請求書の取り締まり、EU CBAM認証、電池輸出に対する付加価値税還付の廃止などのイベントが、供給、受注、コスト、需要のタイミングをどのように変化させるかを分析する。

  • バリュエーション手法その他

    同業他社バリュエーション比較と12カ月の目標株価時間軸

    本レポートは基礎素材の各サブセクターについてバリュエーションの同業他社を提示し、カバレッジ銘柄の目標株価に一貫して12カ月の時間軸を用いる。入力情報には、各銘柄に使用された特定のバリュエーションモデルを確認する十分な情報はない。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • 銅
    需要は前年比・前月比ともに減少したが、銅スクラップ供給の逼迫、製錬制約、下流の価格受容度上昇が銅価格を支えた。
    強み
    エネルギー貯蔵、データセンター、電気自動車からの需要は底堅く、ケーブル以外の銅製品在庫は低水準だった。
    弱み
    内燃機関車、太陽光発電、家電、送電網、一部間接輸出からの受注は弱まり、国内スポットプレミアムはマイナスに転じた。
    比較
    価格・利益パフォーマンスは鉄鋼・セメントより良好だったが、製錬チャージはマイナスであり、業界チェーン内の恩恵は一様ではなかった。
    リスク
    高い銅価格の下で最終市場需要がさらに弱まり、ケーブル完成品在庫が引き続き高止まりするリスク。
  • アルミニウム・アルミナ
    国内需要はほぼ横ばいで、通常の在庫取り崩しと純輸出増加がアルミニウムスプレッドを支えたが、限界アルミナ生産者はなお赤字だった。
    強み
    エネルギー貯蔵、自動車、太陽光発電からの受注は改善し、アルミニウムスプレッドは前月比9%上昇した。
    弱み
    家電、送電網、半製品輸出からの受注は弱まった。
    比較
    アルミニウムの利益トレンドはアルミナより良好で、後者の単位現金利益は1トン当たりマイナスRMB170と推定された。
    リスク
    輸出受注の減速継続または一次アルミニウム生産の増加が、在庫取り崩しを弱める可能性。
  • リチウム
    7月の供給不足と正極材生産の増加は短期市場を支えたが、高在庫と供給回復により逼迫は緩和する可能性がある。
    強み
    正極材受注は季節性の通常水準より強く、8月の生産は前月比5%、前年比69%増加が予想され、リチウム化学品スプレッドは前月比で改善した。
    弱み
    一部のエネルギー貯蔵受注は期待を下回り、正極材生産は推定需要を19%上回り、電池在庫は通常水準を上回った。
    比較
    スポット炭酸リチウム価格は前月比で概ね安定した一方、広州先物価格は3%上昇した。
    リスク
    ジンバブエからの供給回復により、8月から9月に中国市場の供給不足が縮小する可能性。
  • 鉄鋼
    弱い建設、自動車、家電需要により、受注、価格、トン当たり粗利益は引き続き低下した。
    強み
    輸出は高水準を維持し、製鉄所の完成鋼材在庫は前月比2%減少した。
    弱み
    受注残は10日から1カ月に短縮し、建設用鋼材・薄板鋼材需要はそれぞれ前年比5.2%、1.9%減少した。
    比較
    価格と利益のトレンドは銅、アルミニウム、石炭より弱かった。
    リスク
    EU CBAMの認証結果と実際のコストが、その後の鉄鋼輸出に影響する可能性。
  • 鉄鉱石、コークス、原料炭
    製鉄所は鉄鉱石を供給過剰とみなす一方、コークスと原料炭の供給は逼迫したままだった。
    強み
    製鉄所の鉄鉱石・原料炭在庫は低水準または通常水準にあった。
    弱み
    トレーダーの取引量は前月比横ばいから減少し、鉄鉱石の調達ディスカウントは拡大する可能性がある。
    比較
    鉄鉱石の需給状況は、逼迫供給に支えられたコークス・原料炭より弱かった。
    リスク
    鉄鋼需要の継続的な弱さが、鉄鉱石調達と価格をさらに抑制する可能性。
  • 石炭、セメント、紙包装
    石炭は安全規制が生産を制約したことで価格支援を受け、セメントは低調なインフラ需要に圧迫され、紙包装は弱まる輸出受注を反映した。
    強み
    石炭受注調査では回答者の100%が前月比改善を予想し、石炭在庫は通常水準を上回るものの減少していた。
    弱み
    セメント需要は前年比で減少し、段ボール原紙在庫は通常水準を上回り上昇を続けた。
    比較
    石炭の価格・利益トレンドは改善した一方、セメントは弱化を続け、紙包装の輸出需要見通しは依然として弱かった。
    リスク
    インフラプロジェクト着工の持続的な低迷と、製品輸出受注のさらなる減少。

主要データ

  • 8月の最終市場受注が前月比で改善すると予想する割合42%7月は27%、2026年8月中旬時点
  • 8月の基礎素材受注が前月比で改善すると予想する割合35%7月は27%だが、回答者の45%はなお前月比減少を予想
  • 受注の季節性分布通常より強い7%/通常59%/通常より弱い35%通常より弱いと報告した回答者は主に鉄鋼と金属加工に集中
  • 8月前半の建設関連需要前年比5%~10%減セメントおよび建設用鋼材に適用
  • 8月前半の銅および薄板鋼材需要前年比1%~2%減高頻度データに基づく推定
  • インフラ固定資産投資2026年最初の7カ月で前年比3.6%減水力発電供給を除く。7月は前年比11.4%減と推定
  • 住宅販売床面積最初の7カ月で前年比12.7%減2026年7月は前年比15.1%減
  • 住宅新規着工床面積最初の7カ月で前年比24.0%減2026年7月は前年比27.8%減
  • 新エネルギー車生産最初の7カ月で前年比9.8%増2026年7月は前年比26.8%増
  • 動力用・蓄電池生産最初の7カ月で前年比54.8%増2026年7月は前年比62.9%増
  • 最終用途銅需要前年比1.4%減、前月比1.7%減2026年8月の業界加工データに基づく推定
  • 中国の銅在庫の変化前月比2.1万トン減8月14日時点。過去の季節的減少幅は5.1万トン
  • 銅精鉱製錬チャージ1トン当たりマイナスUS$175前月比1トン当たりUS$43低下。硫酸収入を含めると1ポンド当たりマイナスUS$0.07と推定
  • 中国のアルミニウム在庫の変化前月比12.5万トン減8月中旬時点で、概ね過去の季節性に沿う
  • 年率換算一次アルミニウム生産量4,590万トン2026年7月、前年比3.8%増
  • 上海アルミニウムスプレッドRMB8,650/トンゴールドマン・サックス推定、前月比9%増
  • 中国リチウム市場の供給不足20%2026年7月時点。5月から6月は6%~15%
  • 電池在庫の純増加炭酸リチウム換算35.5万トンゴールドマン・サックスによる2026年年初来推定
  • 鉄鋼需要建設用鋼材は前年比5.2%減、薄板鋼材は前年比1.9%減2026年8月第2週時点
  • 製鉄所の完成鋼材在庫440万トン8月14日時点、前月比2%減
  • 鉄鋼のトン当たり粗利益国内販売RMB20~60/輸出RMB80~1607月はそれぞれRMB40~170、RMB110~230
  • 鉄鉱石トレーダーの価格見通しUS$90~110/トン鉄鉱石の供給過剰認識を背景

影響と示唆

本レポートは、季節的な需要改善は建設・輸出チェーンの弱さを解消するには不十分であり、基礎素材の価格と収益性は同調して動かないとみている。銅スクラップ供給の逼迫、アルミニウム輸出、石炭の安全規制は銅、アルミニウム、石炭に相対的に恩恵を与える。鉄鋼とセメントは建設需要に圧迫され、紙包装は弱まる輸出受注を反映する。短期的なリチウム供給不足は市場を支えるが、供給回復と高水準の電池在庫により、8月から9月に不足は緩和する可能性がある。

リスク

  • EU CBAMの最終検証結果と実際のコストは依然として不確実であり、中国の鉄鋼輸出受注と利益を変化させる可能性がある。
  • ジンバブエの供給障害が回復するにつれ、中国リチウム市場の供給不足は2026年8月から9月に緩和する可能性があり、電池在庫は通常水準を上回ったままである。

注目点

  • 月次チャネル調査において、最終市場および基礎素材受注の改善を報告する割合が通常の季節性を上回るか。
  • 新たな五カ年計画の開始時に、新規インフラプロジェクトの着工と準備作業が現れるか。
  • アルミニウム半製品、製品、紙包装の輸出受注が引き続き弱まるか。
  • 銅スクラップ供給、保守後の製錬所再稼働、銅在庫、マイナスの製錬チャージの変化。
  • EU CBAMの認証・検証と製鉄所の実際の輸出コスト。
  • ジンバブエからのリチウム供給回復、8月から9月の中国リチウム市場バランス、電池在庫。
  • 炭鉱安全規制が石炭生産、在庫、価格に及ぼす継続的な影響。

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