BYD Co.:ゴールドマン・サックスによる2Q26中国NEV OEMプレビュー:BYD、Leapmotor、Nioは利益改善、XPengとLi Autoには圧力
レポートでは2Q26の業界業績は二極化すると予想しており、BYD、Leapmotor、Nioでは販売と製品ミックスが利益成長を牽引する一方、XPengでは研究開発投資の増加、Li Autoでは販売減少と粗利益率低下が収益の重荷になるとみている。
要約
レポートでは2Q26の業界業績は二極化すると予想しており、BYD、Leapmotor、Nioでは販売と製品ミックスが利益成長を牽引する一方、XPengでは研究開発投資の増加、Li Autoでは販売減少と粗利益率低下が収益の重荷になるとみている。
- BYDの2Q26売上高および純利益は、それぞれRmb216.7bnおよびRmb8.5bnに達し、EBITは前年比206%増となる見通し。目標株価はRmb137/HK$134を維持。
- LeapmotorとNioの販売は、新モデルと海外販売に牽引され、それぞれ前年比57%増、49%増となり、収益レバレッジが強くなる見通し。
- XPengとLi Autoの非GAAP純利益は、高水準の研究開発投資、販売不振、粗利益率への圧力を主因に、それぞれ前年比137%減、213%減となる見通し。
- XPengの目標株価はUS$20/HK$77へ、Li Autoの目標株価はUS$15.7/HK$61へ引き下げ。
レポート解説
概要
ゴールドマン・サックスはカバレッジ対象の中国NEV OEMについて2Q26決算プレビューを示した。セクター内では傾向のばらつきが見込まれ、LeapmotorとNioは最も強い販売成長が予想される一方、BYDの販売は前年比で小幅減となるものの1Q26からは大幅改善、XPengの販売は横ばい、Li Autoの販売は減少するとみている。BYDとNioはプレミアムモデル、第2世代ブレードバッテリー搭載モデル、海外販売からの寄与の恩恵を受けると予想される一方、Li Autoは製品ミックスにより引き続き圧力を受ける。
主要見解
中核的な見方は、利益動向が大きく二極化するということである。BYD、Leapmotor、Nioは販売回復、製品ミックス改善、営業レバレッジの恩恵を受け、2Q26の純利益または非IFRS/非GAAP純利益はそれぞれ前年比34%、41%、102%増となる見通しである。対照的に、XPengは汎用AIの研究開発投資を継続的に増やすため大幅減益が予想され、Li Autoは販売不振、在庫圧縮、車両粗利益率低下により減益が見込まれる。
分析フレームワーク
レポートは、販売台数、ASP、粗利益率、営業費用、EBIT、純利益に基づき各社の2Q26業績を予測している。月次販売、新モデルの投入サイクル、国内市場シェア、海外販売、原材料コストの変化を織り込み、2026E-2028Eの利益予想を精緻化するとともに、12か月DCFバリュエーションの枠組みにより目標株価を算出している。
手法メモ
12か月DCF目標株価
BYD、Leapmotor、Nio、XPeng、Li Autoの目標株価はいずれもDCF手法に基づく。レポートでは各社のWACCおよび永久成長率の前提を開示している。
成長性、財務リターン、バリュエーション倍率、総合スコア
ゴールドマンのファクター・フレームワークは、カバレッジ銘柄および同業他社比較を用いて、成長性、財務リターン、バリュエーション倍率、総合的属性を評価する。
潜在的M&A対象となる確率スコア
ゴールドマン・サックスは、企業が買収対象となる確率を1から3のスコアで評価する。確率が高い、または中程度の企業では、目標株価にM&A要素が織り込まれる場合がある。
ゴールドマン・サックス独自の財務データベース
Quantumは、詳細な個別企業分析および企業間比較のため、過去の財務諸表、予想、比率を提供する。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- BYD Co. (002594.SZ / 1211.HK)中核カバレッジ銘柄、買い - CL掲載
- 強み
- 海外販売の前年比成長が強く、第2世代ブレードバッテリー搭載モデルと製品ミックス改善がASPおよび粗利益率を支える。
- 弱み
- 国内小売販売は前年比で引き続き減少しており、競争圧力も継続している。
- 比較
- XPengおよびLi Autoと比較して、BYDはより強い利益成長と高い目標株価の安定性を有する。
- リスク
- EV競争の激化、予想を下回る海外展開、予想を下回る外販電池販売。
- Zhejiang Leapmotor Technology (9863.HK)カバレッジ銘柄、買い
- 強み
- 販売は前年比57%増、海外販売は前年比479%増となり、営業費用のコントロールも良好。
- 弱み
- 高マージンの非車両収益の比率低下が、全体の粗利益率を圧迫する可能性がある。
- 比較
- 販売成長はカバレッジ企業の中でも最も強く、顕著な利益改善レバレッジを有する。
- リスク
- 予想を下回る中国需要、競争によるシェア喪失、原材料コスト圧力、Stellantisとの提携を巡る不確実性、海外の政策・関税リスク。
- NIO Inc. (NIO / 9866.HK)カバレッジ銘柄、買い
- 強み
- ES8およびES9が販売とASPの改善を牽引し、車両粗利益率は前年比7.2pp改善。
- 弱み
- 営業利益率は依然としてマイナスであり、コストインフレは第2四半期に全面的に反映され始めた。
- 比較
- Nioはカバレッジ企業の中で前年比利益改善のリーダーの一社であり、目標株価はUS$7/HK$55に維持されている。
- リスク
- 予想を下回る販売、予想を上回る値下げ、予想を上回るコストインフレ。
- XPeng Inc. (XPEV / 9868.HK)カバレッジ銘柄、買い
- 強み
- 2H26には依然として強力な製品サイクルが見込まれ、Mona SUVおよび大型SUVモデルが販売と市場シェアを牽引する可能性がある。
- 弱み
- 2Q26の販売は前年比横ばいであり、汎用AIの研究開発投資は増加を続け、非GAAP純利益は前年比137%減となる見通し。
- 比較
- 株式は買いを維持するが、納車および販売予想の引き下げを受けて目標株価は下方修正された。
- リスク
- 予想を下回る販売、価格競争の悪化、予想を下回る市場需要。
- Li Auto Inc. (LI / 2015.HK)カバレッジ銘柄、中立
- 強み
- Lシリーズのフェイスリフトは一定の取引価格上昇を生み、費用管理とエンボディドAIの進展は上振れリスクとなり得る。
- 弱み
- 2Q26の販売は前年比11%減、車両粗利益率は前年比9.4pp低下、非GAAP純利益は前年比213%減となる見通し。
- 比較
- Li Autoはカバレッジ企業の中で短期的な利益圧力が最も顕著であり、他の買い推奨銘柄より低い評価となっている。
- リスク
- 予想を下回る業界需要、競争激化、原材料コストインフレ。
主要データ
- BYD 2Q26E純利益Rmb8.496bn、前年比+33.7%粗利益率は前年比1.9pp上昇の18.1%となる見通し。
- BYD目標株価Rmb137/HK$13412か月DCF目標株価は据え置き。
- Leapmotor 2Q26E販売前年比+57%A10やD19などの新モデルおよび海外販売成長が牽引。
- Nio 2Q26E非GAAP純利益Rmb89mn、前年比+102.2%車両粗利益率は前年比7.2pp上昇の17.5%となる見通し。
- XPeng目標株価US$20/HK$77US$23/HK$89から引き下げ。
- Li Auto目標株価US$15.7/HK$61US$18/HK$70から引き下げ。
影響と示唆
ポートフォリオへの示唆として、投資家は2Q26の中国NEVセクターを単一の配分対象として扱うべきではなく、販売回復、製品ミックス、海外展開、研究開発投資の局面を区別すべきである。利益レバレッジはBYD、Leapmotor、Nioでより明確である。XPengは買いを維持するものの、短期的な利益および納車予想は下方修正された。Li Autoは中立であり、ファンダメンタルズ回復には引き続き注視が必要である。
リスク
- NEV競争のさらなる激化により、価格および粗利益率が低下する可能性がある。
- 中国需要が予想を下回る場合、販売および営業レバレッジに影響する可能性がある。
- 海外展開、関税、政策を巡る不確実性が輸出成長に影響する可能性がある。
- 原材料コストのインフレが車両粗利益率を引き続き圧迫する可能性がある。
- XPengの汎用AI研究開発投資およびLi Autoの製品移行が短期的な利益変動を引き起こす可能性がある。
注目点
- BYDの8月28日の決算発表および海外販売の持続可能性。
- Leapmotorの8月18日の決算発表ならびに新モデルA10およびD19の納車実績。
- Nioの9月2日の決算発表、ES8およびES9の受注、粗利益率の推移。
- XPengの2H26における新モデル投入ペース、およびMonaシリーズの受注が相互にカニバリゼーションを起こすかどうか。
- Lシリーズのフェイスリフト後のLi Autoの販売回復、i6のミックス、車両粗利益率の変化。