Yunnan Energy New Material(002812) レポート解説
Nomuraは、EVおよびエネルギー貯蔵システム需要の底堅さ、中国での規律ある能力増強、稼働率上昇により、セパレーターASPと収益性が回復するとみている。同社はFY26/FY27の利益予想を引き上げ、目標株価をCNY69へ引き上げた。
要約
Nomuraは、EVおよびエネルギー貯蔵システム需要の底堅さ、中国での規律ある能力増強、稼働率上昇により、セパレーターASPと収益性が回復するとみている。同社はFY26/FY27の利益予想を引き上げ、目標株価をCNY69へ引き上げた。
- 1H26の売上高は前年比50.5%増のCNY8.67bn、純利益はCNY820mnとなり、1H25のCNY93mnの損失から改善した。
- 稼働率の改善とコスト最適化により、1H26の混合売上総利益率は前年比14.4パーセントポイント上昇し29.9%となった。
- NomuraはFY26Fのセパレーター出荷量が16bn sqm超、FY27Fが20bn sqm、FY28Fが24.5bn sqmになると予想している。
- FY26F/FY27Fの標準化純利益予想はCNY2.11bn/CNY3.373bnへ引き上げられた。
- 主なリスクは、セパレーターASPの上昇鈍化、能力増強の加速、EV/ESS電池需要の下振れである。
レポート解説
概要
本業績レビューはYunnan Energy New Materialの1H26業績と、Nomuraによるリチウムイオン電池セパレーターの見通し引き上げを扱う。Nomuraは、出荷量、稼働率、セパレーターASPの上昇がFY28Fまでの持続的な利益回復を支えると主張する。
主要見解
Nomuraによると、Yunnan Energyの1H26業績はおおむね利益予告に沿った。売上高は前年比50.5%増のCNY8.67bnで、2Q26はCNY4.76bn、前年比57%増、前四半期比22%増だった。1H26の純利益はCNY820mnとなり、1H25のCNY93mnの損失から改善した。2Q26の純利益はCNY560mnで、前四半期比115%増だった。Nomuraは、この改善を主に販売量の増加とASPの前四半期比回復によるものとしている。混合売上総利益率は稼働率の改善と継続的なコスト最適化を背景に、1H26で前年比14.4パーセントポイント上昇し29.9%、2Q26では31.4%に達した。同社は2Q26のセパレーター出荷量を約4.2bn sqm、前四半期比20%増と推計し、四半期の単位純利益は1Q26のCNY0.09/sqmからCNY0.15/sqmへ改善した。 中核となる投資判断は、EVおよびエネルギー貯蔵システム需要を背景に、世界の電池セパレーター需要が2026–28Fに20–30%のCAGRで成長するというものだ。Nomuraはまた、中国のセパレーター能力増強は比較的規律あるペースにとどまり、業界再編が進む可能性があるとみており、Yunnan EnergyによるSKIET所有の常州工場の買収を例に挙げている。同社は、Yunnan Energyが1H26末までに月次ベースでほぼフル稼働を達成したと考え、新規能力の立ち上げと展開により2H26FおよびFY27Fに増産が見込まれるとしている。販売量はFY26Fに前年比41%増で16bn sqm超、FY27Fに25%増で20bn sqm、FY28Fに21%増で24.5bn sqmになると予想している。 Nomuraは、電池セパレーターの需給が2H26Fにさらに改善し、ASPの一段の回復につながると予想する。FY26–28Fの標準化単位純利益はCNY0.14–0.20/sqmと見積もられ、FY25の赤字から回復する見通しである。同社は、新規能力増強に関する懸念は過度だと考える。セパレーター工場の建設には通常18か月超を要し、業界集中度が高いため、新規能力はおおむね需要成長に見合うという。これを踏まえ、NomuraはFY26F/FY27Fの標準化純利益予想をCNY2.11bn/CNY3.373bnへ引き上げた。予想標準化EPSはFY26FにCNY2.15、FY27FにCNY3.43、FY28FにCNY4.97で、売上高はFY25のCNY13.633bnからFY26F、FY27F、FY28FにそれぞれCNY19.649bn、CNY25.764bn、CNY32.774bnへ増加すると見込む。 Nomuraは同株をNeutralからBuyへ格上げし、目標株価をCNY69へ引き上げた。報告書はFY27F EPSのCNY3.43を基準とし、株価はFY27F 16x P/Eで取引されていると述べる。バリュエーション欄では、CNY69の目標株価は2027F EPSの18xに基づき、過去平均を1標準偏差下回る水準と説明する一方、本文ではロールフォワードFY27F EPSの20xに言及している。ベンチマーク指数はCSI 300である。
分析フレームワーク
Nomuraはまず1H26の業績を確認し、回復を出荷量、ASP、能力稼働率、コスト最適化に分解する。次にFY28Fまでのセパレーター需要と能力増強を予測し、それらの前提を出荷量、単位利益、利益予想に反映した上で、FY27F EPSに対するフォワードP/E倍率で株式価値を評価している。
手法メモ
電池セパレーターの需給分析
報告書は、EVとESSが牽引する世界需要を、中国の能力増強のペース、時期、集中度と比較し、ASPと収益性の回復見通しを裏付けている。
出荷量とASPの分析
Nomuraは、セパレーター出荷量の成長、ASPの前四半期比回復、1平方メートル当たりの単位純利益を通じて、売上高と利益の変化を説明している。
フォワードP/Eバリュエーション
目標株価はFY27F EPSにフォワード倍率を適用して算出されている。報告書のバリュエーションには18xと20xの記述がある。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Yunnan Energy New Material (002812.SZ)レポートの主要カバー企業であり、電池セパレーターの需給改善の恩恵を受ける。
- 強み
- 1H26末時点でのほぼフル稼働、出荷量拡大、ASP回復、売上総利益率改善、継続的なコスト最適化。
- 弱み
- FY25の単位利益は赤字だった。
- 比較
- Nomuraは、同社によるSKIET所有の常州工場の買収を、業界再編の可能性を示す例とみている。
- リスク
- セパレーターASPの上昇鈍化、業界能力増強の加速、下流EVおよびESS電池需要の下振れ。
主要データ
- 1H26売上高CNY8.67bn前年比50.5%増。
- 1H26純利益CNY820mn1H25はCNY93mnの損失。CNY736–900mnの利益予告レンジの中間値とおおむね一致した。
- 1H26混合売上総利益率29.9%前年比14.4パーセントポイント上昇。
- 2Q26セパレーター出荷量~4.2bn sqm前四半期比20%増。
- 2Q26単位純利益CNY0.15/sqm1Q26はCNY0.09/sqm。
- FY26F/FY27F標準化純利益CNY2.11bn/CNY3.373bnNomuraによる引き上げ後の利益予想。
- FY26F–FY28Fセパレーター出荷量over 16bn sqm / 20bn sqm / 24.5bn sqm予想前年比成長率はそれぞれ41%、25%、21%。
- 目標株価CNY69NeutralからBuyへの格上げとともに引き上げ。
影響と示唆
Nomuraは、より強いセパレーター需要、高い稼働率、段階的なASP回復、コスト最適化により、Yunnan Energyの単位利益はFY25の赤字からFY26–28FのCNY0.14–0.20/sqmへ改善するとみている。そのため同社は大幅な利益回復を予想し、セクターの能力増強に対する懸念は市場が想定するほど深刻ではないと考えている。
リスク
- 電池セパレーターASPの上昇が予想より遅くなる可能性。
- セパレーター業界の能力増強が予想より速くなる可能性。
- 下流のEVおよびESS電池需要が予想を下回る可能性。