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レポート解説Hilo Research

ハイアール・スマート・ホーム:ハイアール・スマート・ホームの国内・海外売上高は第2四半期に逐次改善、バリュエーションは引き続き魅力的で、ゴールドマン・サックスは「買い」を維持

ハイアール・スマート・ホームの2Q26業績は概ね予想通りで、米国売上高はプラス成長に回復し、国内事業は安定化、売上総利益率も予想を上回った。ゴールドマン・サックスは下半期も成長と利益率の改善が続くとみており、H株目標株価をHK$30からHK$31へ引き上げた。

機関ゴールドマン・サックス
日付20260828
企業ハイアール・スマート・ホーム
ティッカー600690.SS, 6690.HK
業界家庭用電化製品・白物家電
格付け買い

要約

ハイアール・スマート・ホームの2Q26業績は概ね予想通りで、米国売上高はプラス成長に回復し、国内事業は安定化、売上総利益率も予想を上回った。ゴールドマン・サックスは下半期も成長と利益率の改善が続くとみており、H株目標株価をHK$30からHK$31へ引き上げた。

「買い」を維持。A株目標株価はRMB29で37.3%の上昇余地、H株目標株価はHK$31で44.7%の上昇余地。
ハイアール・スマート・ホーム2Q26業績米国事業の成長回帰海外展開HVAC利益率改善低バリュエーション買い評価
  • 1H26の売上高はRMB152.115bn、純利益はRMB10.316bnで、前年同期比それぞれ3%減、14%減。
  • 2Q26の売上高は前年同期比1%増でゴールドマン・サックス予想を3%上回り、純利益は前年同期比13%減で予想を1%下回った。
  • 2Q26の売上総利益率は前年同期比0.6ポイント上昇して29.0%となった一方、営業利益率は同0.4ポイント低下して8.8%となった。
  • 米国売上高は2Q26にプラス成長へ回帰し、経営陣は改善が2H26まで続くと見込んでいる。
  • ゴールドマン・サックスは2026E-2028EのEPS予想を小幅に下方修正したのみで、比較対象の緩和と営業レバレッジが下半期の利益率改善を促すと予想している。
  • A株目標株価はRMB29、H株目標株価はHK$30からHK$31へ引き上げられた。

レポート解説

概要

本レポートは、ハイアール・スマート・ホームの2Q26業績および経営陣の決算説明会コメントをレビューし、国内・海外需要の回復、HVACおよび海外事業の再編、利益率改善、資本配分に焦点を当てる。ゴールドマン・サックスは、予想されていた逐次改善が第2四半期に現れ、下半期にも継続すると考えており、割高感のないバリュエーションを根拠に「買い」評価を維持する。

主要見解

8月27日の市場取引終了後に発表されたハイアール・スマート・ホームの2Q26業績は、ゴールドマン・サックスの予想と概ね一致した。1H26の総売上高はRMB152.115bnで前年同期比3%減、純利益はRMB10.316bnで同14%減となった。これは、2Q26の売上高が前年同期比1%増でゴールドマン・サックス予想を3%上回った一方、純利益は同13%減で予想を1%下回ったことを示す。売上高が予想をやや上回った主因は、国内市場・海外市場とも第1四半期から改善したことである。1H26の国内売上高は前年同期比5%減、海外売上高は概ね横ばいだったが、2Q26には国内売上高はおおむね横ばいとなり、海外売上高は緩やかな成長へ回帰した。 地域別では、従来の主な重荷は米国であり、売上高の減少幅は他地域を大きく上回っていた。しかし経営陣は、米国売上高が2Q26にプラス成長へ回帰し、その改善は2H26まで続くと見込むと述べた。同期間、中国売上高は概ね横ばいだった一方、米国を除く海外市場は主に新興国に牽引され、より速い成長を示した。経営陣は、米国事業は既に主導的地位を確立しており、将来の増分成長はHVACなどの新興事業から一段と得られるとみている。米国以外の市場にはなお大きな拡大余地があり、同社は海外事業全体の収益性を高めながら新興国市場に注力する方針である。 利益率には、売上総利益率の改善と費用投資の増加が複合的に反映された。製造・運営効率の改善に加え、一定の関税還付がコストインフレを相殺し、2Q26の売上総利益率は前年同期比0.6ポイント上昇して29.0%となり、ゴールドマン・サックス予想を上回った。しかし、新興国市場における予想を上回るマーケティング投資により、営業利益率は前年同期比0.4ポイント低下して8.8%となった。その結果、純利益は予想と概ね近い水準にとどまった。ゴールドマン・サックスは、国内・海外の成長が2H26にさらに回復し、比較対象も緩和するにつれ、営業レバレッジが強まり利益率改善を促すと予想している。 経営陣は、事業が2H26も逐次改善を続け、通期利益を2025年と概ね同水準にすることを目指している。同社は最近、組織および戦略上の優先順位を調整し、HVACと海外事業をより重視している。HVACには家庭用・業務用エアコンおよび給湯器が含まれる。同社は、サプライチェーンの統合、SKUの整理、垂直統合の強化を通じて、製造・運営効率を改善する計画である。海外HVACの売上高基盤は比較的小さいため、経営陣は同事業が海外でより速い成長を達成すると見込んでいる。 資本配分については、同社は他の資金手当てを理由に中間配当を提案しなかったが、経営陣は株主還元が引き続き優先事項であると述べた。他の資本配分事項が確定した後、通期配当方針を再評価する予定である。ゴールドマン・サックスの予想表では、配当性向を2026Eで58%、2027Eおよび2028Eでそれぞれ60%と仮定しているが、実際の短期的な方針は今後の経営判断に依存する。 ゴールドマン・サックスは、最新業績を受けて2026E-2028EのEPS予想を0.1%および0.2%小幅に下方修正したのみである。同社モデルでは、売上高は2026EのRMB305.137bnから2027EのRMB320.174bn、2028EのRMB336.974bnへ増加し、前年比成長率はそれぞれ0.9%、4.9%、5.2%と予想している。純利益はRMB19.586bn、RMB21.932bn、RMB23.801bnと予想され、成長率はそれぞれ0.2%、12.0%、8.5%、EPSはRMB2.09、RMB2.34、RMB2.54と予想される。売上総利益率は2026Eの27.2%から2027Eの27.6%、2028Eの27.8%へ上昇し、EBIT利益率は7.0%から7.4%、7.5%へ上昇すると予想されており、製品ミックスの改善と運営効率向上による営業レバレッジを反映している。 長期的な投資仮説は、引き続き市場シェア、海外展開、利益率改善に焦点を当てている。ゴールドマン・サックスは、ハイアール・スマート・ホームが中国の冷蔵庫・洗濯機市場のリーダーであり、国内の主要プレミアムブランドであるCasarteを保有していると指摘する。国内事業は、特にエアコンなど比較的浸透率の低いカテゴリーでの市場シェア拡大とプレミアム化を通じ、底堅さを維持すると見込まれる。海外事業は、米国や欧州などの主要市場における製品・チャネル拡大を通じて、業界を上回る成長を達成できる。国内・海外市場のプレミアムブランドによる製品ミックス改善と、主に国内事業からの運営効率向上が、引き続き利益率を支えるはずである。 バリュエーションについて、ゴールドマン・サックスは現行株価が過去のバリュエーション中央値を下回り、魅力的なリスク・リターンを提供するとみている。四半期ごとの一貫した実行、ならびに米国・欧州における需要と利益率の改善が、バリュエーションの再評価を促す可能性がある。A株およびH株の12カ月目標株価は、それぞれRMB29およびHK$31であり、従来のH株目標株価はHK$30だった。目標株価はディスカウントP/E手法で算出されており、2028E EPSに13xの出口P/Eを適用し、9.5%の株主資本コストを用いて2027Eへ割り引いている。レポート記載のA株RMB21.12、H株HK$21.42の株価に基づくと、上昇余地はそれぞれ37.3%および44.7%である。

分析フレームワーク

ゴールドマン・サックスはまず、上半期および第2四半期の売上高、純利益、利益率を前年同期比および自社予想と比較し、中国、米国、その他海外市場における成長の変化を分析した。次に、経営陣の8月28日の決算説明会コメントを取り込み、下半期の成長、事業再編、HVAC、海外展開、資本配分を評価するとともに、最新業績を2026E-2028Eの利益予想に反映させた。最後に、ディスカウントP/E手法を用いてA株・H株の12カ月目標株価を導出した。

手法メモ

  • バリュエーション手法P/EおよびPEGバリュエーション

    ディスカウントP/Eバリュエーション

    レポートは2028E EPSに13xの出口P/Eを適用し、9.5%の株主資本コストを用いて2027Eへ割り引くことで、A株RMB29、H株HK$31の12カ月目標株価を導出している。

  • 企業ファンダメンタルズおよび財務フレームワーク営業・財務レバレッジ分析

    営業レバレッジおよび利益率分析

    レポートは、売上高回復後には固定費をより大きな売上基盤に分散でき、製造、サプライチェーン、運営効率の改善が下半期および将来年度の利益率改善を促すと予想している。

  • 競争および戦略フレームワークその他

    市場シェア、製品ミックス、チャネル分析

    レポートは、国内カテゴリーでのシェア拡大、Casarte主導のプレミアム化、海外での製品・チャネル拡大を通じて同社が業界を上回る成長を実現する可能性を説明し、製品ミックスの高度化を利益率改善に結び付けている。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • ハイアール・スマート・ホームA株 (600690.SS)
    レポートは「買い」評価と12カ月目標株価RMB29を付与しており、記載株価RMB21.12から37.3%の上昇余地を示す。
    強み
    中国の冷蔵庫・洗濯機市場におけるリーダーシップ、Casarteを通じた強力なプレミアムブランドの地位、エアコンなどのカテゴリーにおける市場シェア拡大の可能性、ならびに運営効率改善の余地。
    弱み
    1H26の国内売上高は前年同期比5%減少し、全体の純利益には依然として圧力があり、新興国市場へのマーケティング投資は予想を上回った。
    比較
    ゴールドマン・サックスは、同社が国内での市場シェア拡大および海外での製品・チャネル拡大を通じて、業界を上回る成長を達成すると予想している。
    リスク
    世界のマクロ経済環境の悪化による白物家電需要への圧力、原材料コストの上昇、マーケティング・チャネル費用の削減額が予想を下回ること、Candyの統合失敗または期待されたシナジーの未実現。
  • ハイアール・スマート・ホームH株 (6690.HK)
    レポートは「買い」評価を付与し、12カ月目標株価をHK$30からHK$31へ引き上げており、記載株価HK$21.42から44.7%の上昇余地を示す。
    強み
    米国事業のプラス成長回帰、米国以外の新興国市場における拡大、比較的低い基盤からの海外HVACの成長可能性から恩恵を受ける。
    弱み
    米国事業は以前に他地域より急激な減収を経験しており、海外展開に必要なマーケティング投資が営業利益率を圧迫している。
    比較
    レポートは、現行バリュエーションが過去中央値を下回っており、海外での製品・チャネル拡大が業界を上回る成長を支え得るとみている。
    リスク
    世界のマクロ経済環境の悪化による白物家電需要への圧力、原材料コストの上昇、マーケティング・チャネル費用の削減額が予想を下回ること、Candyの統合失敗または期待されたシナジーの未実現。

主要データ

  • 1H26総売上高RMB152,115mn前年同期比3%減
  • 1H26純利益RMB10,316mn前年同期比14%減
  • 2Q26売上高実績前年同期比1%増ゴールドマン・サックス予想を3%上回る
  • 2Q26純利益実績前年同期比13%減ゴールドマン・サックス予想を1%下回る
  • 2Q26売上総利益率29.0%前年同期比0.6ポイント上昇
  • 2Q26営業利益率8.8%前年同期比0.4ポイント低下
  • 2026E-2028E売上高RMB305,137/320,174/336,974mn前年比成長率は0.9%/4.9%/5.2%
  • 2026E-2028E純利益RMB19,586/21,932/23,801mn前年比成長率は0.2%/12.0%/8.5%
  • 2026E-2028E EPSRMB2.09/2.34/2.54最新業績後の下方修正は小幅にとどまる
  • 2026E-2028E売上総利益率27.2%/27.6%/27.8%各年で改善が見込まれる
  • 2026E-2028E EBIT利益率7.0%/7.4%/7.5%営業レバレッジと効率改善を反映
  • 2026E-2028E配当性向58%/60%/60%レポート予想
  • A株目標株価および上昇余地RMB29; 37.3%現行株価はRMB21.12
  • H株目標株価および上昇余地HK$31; 44.7%現行株価はHK$21.42、従来目標株価はHK$30
  • 目標株価バリュエーション・パラメーター13x 2028E exit P/E; 9.5% cost of equity株主資本コストは据え置きで2027Eへ割引

影響と示唆

本レポートは、第2四半期に米国事業がプラス成長へ回帰し、国内売上高が安定化、新興国市場で拡大したことは、従来の成長圧力が緩和しつつあることを示すと考えている。下半期に売上高の回復が続けば、サプライチェーン統合、SKU整理、垂直統合、製品のプレミアム化は、営業レバレッジを通じて利益率改善につながる可能性がある。四半期ごとの一貫した実行と米国・欧州における需要および利益率の改善は、過去中央値を下回る現在のバリュエーションからの再評価を促す可能性もある。

リスク

  • 予想を下回る世界のマクロ経済環境は、世界的な白物家電需要により深刻な影響を及ぼす可能性がある。
  • 原材料コストの上昇は売上総利益率を圧迫する可能性がある。
  • マーケティングおよびチャネル費用の削減額が予想を下回る可能性がある。
  • Candyの統合が成功しない、または期待された買収シナジーを実現できない可能性がある。

注目点

  • 米国売上高のプラス成長回帰が2H26まで継続できるかを注視する。
  • 中国市場の安定化、および米国以外の海外市場、とりわけ新興国市場の成長率を注視する。
  • 売上高の回復と運営効率の改善が下半期の利益率改善につながるかを注視する。
  • サプライチェーン統合、SKU整理、垂直統合がHVACの効率と海外成長に与える影響を注視する。
  • 他の資本配分事項の確定後に実施される通期配当方針の再評価を注視する。
  • 米国・欧州の需要および利益率の改善がバリュエーションの再評価を促すかを注視する。

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