UBER TECHNOLOGIES INC; DOORDASH INC; INSTACART (MAPLEBEAR INC); LYFT INC:2Q26決算は概ね堅調と予想され、デリバリー株の方がファンダメンタルズ主導の上昇を維持しやすい
BernsteinはUBER、DASH、CART、LYFTの第2四半期データが概ね堅調になると予想するが、その後の株価パフォーマンスの真の原動力は注文成長、マージン見通し、自動運転の進展、2027~2028年の利益予想となる。
要約
BernsteinはUBER、DASH、CART、LYFTの第2四半期データが概ね堅調になると予想するが、その後の株価パフォーマンスの真の原動力は注文成長、マージン見通し、自動運転の進展、2027~2028年の利益予想となる。
- DASHの第2四半期Marketplace GOV予想は約333億ドルへ引き上げられた。第1四半期の減速に対する懸念を効果的に和らげるには、オーガニック注文成長が前年比約17%へ加速する必要がある。
- UBERの第2四半期のグロスブッキング予想は574億ドル、調整後EBITDAは27.9億ドルである。株価約70ドルにはリスクが概ね織り込まれたとみられるが、さらなる上昇には利益予想の上方修正と自動運転のカタリストが依然必要である。
- CARTの第2四半期GTVは前年比13%成長が予想される。Amazonの拡大下で安定を維持できれば、市場機会と利益の持続性に関する見方が強まる。
- LYFTの第2四半期グロスブッキングは53.9億ドル、調整後EBITDAは1.70億ドルと予想される。北米のオーガニック乗車成長が引き続き主要な論点である。
- レポートは、デリバリー企業のファンダメンタルズの方がナラティブを維持しやすいと考える一方、ライドヘイリング企業における自動運転の競争・提携環境は、なお検証に時間を要するとみている。
レポート解説
概要
本レポートはUBER、DASH、CART、LYFTの2Q26決算をプレビューする。Bernsteinは、ライドヘイリング株とデリバリー株は足元でやや回復したものの、市場環境全体は依然として厳しいと考える。4社の今四半期のデータは概ね良好になると予想され、予想は従来水準から概ね不変または小幅上方修正されている。しかし、1四半期の決算だけではバリュエーションのナラティブを変えるには十分でない可能性がある。DASHとCARTは注文、GTV、ユニットエコノミクスの改善による影響が大きい一方、UBERとLYFTは引き続き自動運転競争、乗車成長、利益見通しの影響を受ける。
主要見解
DASHの鍵は、オーガニック注文成長が再加速できるか、テクノロジープラットフォーム再構築への投資増加の中で第3四半期マージンが底堅さを維持できるかである。UBERは現在のバリュエーションリスクが部分的に解消されており、第2四半期データよりも、2027~2028年の営業利益予想の上方修正、自動運転パートナーシップ・エコシステム、新施策の展開が重要である。CARTはAmazonの拡大にもかかわらず二桁のGTV成長を維持しており、市場機会と利益安定性を裏付ける可能性がある。広告収入も下期には低い比較ベースの恩恵を受ける可能性がある。LYFTは北米のオーガニック乗車成長の改善を示し、WaymoおよびBaiduとの提携タイムラインに関する追加情報を提供する必要がある。
分析フレームワーク
本レポートは、企業ガイダンス、セルサイドのコンセンサス予想、クレジットカード支出の代理データ、乗客・ドライバー向けアプリの月間アクティブユーザーデータ、注文・グロスブッキング動向、ユニットエコノミクス、マージンモデルを組み合わせて判断し、4社それぞれの四半期利益予想を構築している。バリュエーションでは、フォワード・マルチプルとDCFを各50%で加重する組み合わせ手法を用い、株式報酬を現金コストとして扱う。
手法メモ
Bernstein予想、企業ガイダンス、セルサイド・コンセンサス予想を比較
グロスブッキング、GOV、GTV、成長率、調整後EBITDA、マージンの差異を通じて予想上振れ・下振れの可能性を評価し、市場期待の水準を踏まえて株価反応を分析する。
月間アクティブユーザーおよび決済データを用いて事業動向を検証
乗客側・ドライバー側アプリの月間アクティブユーザーを用いてライドヘイリング成長を観察し、クレジットカードデータをDASH GOV成長の代理指標として、DoorDash、Wolt、Deliveroo、Uberのアプリ動向と組み合わせてクロスバリデーションを行う。
フォワード・バリュエーション倍率とDCFを各50%で加重
UBERはNTM P/FCF 18倍とDCF、DASHはNTM EV/EBITDA 25倍とDCF、CARTはNTM EV/EBITDA 10倍とDCF、LYFTはNTM EV/EBITDA 8倍とDCFを用いる。対応するWACCはそれぞれ12%、11%、12%、13%、永久成長率はそれぞれ3%、3%、3%、2%である。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- UBER.US米国のライドヘイリング・デリバリープラットフォーム、アウトパフォーム評価
- 強み
- 複数事業を持つプラットフォーム、パートナー・エコシステム、強力なアプリ活動。米国モビリティ動向は比較的強く、AIはコスト効率を改善すると見込まれる。
- 弱み
- 米国モビリティ事業は自動運転による破壊的影響への主なエクスポージャーであり、短期的な株価カタリストは中長期の利益予想上方修正に依存する。
- 比較
- 乗客側・ドライバー側のアプリ実績はLYFTを上回り、デリバリーアプリ動向も加速している。
- リスク
- 自動運転の価格競争、ドライバー分類規制、デリバリー手数料上限、保険料・ドライバーコストの上昇、激しい競争、貨物事業の拡大が期待を下回るリスク。
- DASH.USローカルデリバリープラットフォーム、アウトパフォーム評価
- 強み
- GOVは急成長しており、国際、食料品、小売カテゴリーのユニットエコノミクスは改善を継続。4社の中で利益上振れの可能性が最も高い。
- 弱み
- 第1四半期の注文成長減速により市場の検証ハードルが上がっており、テクノロジープラットフォーム再構築と長期的な再投資が短期マージンを圧迫する可能性がある。
- 比較
- DoorDashとWoltのアプリ月間アクティブユーザー成長はやや鈍化した一方、DeliverooとUberは加速。クレジットカード代理データは第2四半期に緩やかな改善を示す。
- リスク
- 注文成長の期待未達、新規事業および海外展開における実行困難、Amazonなどアグリゲータープラットフォームとの競争、不合理な補助金、規制圧力、高いバリュエーション期待。
- CART.US食料品デリバリーおよび広告プラットフォーム、アウトパフォーム評価
- 強み
- GTVは二桁成長を維持し、エンタープライズサービスとAIツールの重要性が増しており、広告収入は下期に加速する可能性がある。
- 弱み
- 小売パートナーの集中度は比較的高く、投資および比較ベースにより第3四半期の増分マージンを大幅に改善することは困難な可能性がある。
- 比較
- Amazonの拡大とマルチカテゴリー・プラットフォームとの競争下で安定したトレンドを維持できるかが、市場機会と利益持続性の重要な検証材料となる。
- リスク
- 小売業者の内製デリバリーによるシェア侵食、パートナー離脱またはテイクレート低下、広告チャネルの競合、投資強度の上昇、消費者の低価格志向。
- LYFT.US北米ライドヘイリングプラットフォーム、マーケット・パフォーム評価
- 強み
- 平均注文額と7月の大型イベントによる需要が支援材料であり、WaymoおよびBaiduとの提携は長期的なオプション価値をもたらす可能性がある。
- 弱み
- 規模とアプリ活動はUBERより弱く、北米のオーガニック乗車成長は依然として一桁台半ば程度で、目標株価は現株価に対して上昇余地が限られる。
- 比較
- UBERは乗客側・ドライバー側アプリのトレンドがより良く、年内に成長加速が見込まれるため、LYFTにはシェア動向を検証するより大きな圧力がかかる。
- リスク
- 市場シェア喪失、高止まりするドライバー・インセンティブおよび保険コスト、自動運転タイムラインに関する不確実性、ドライバー分類規制、価格競争。
主要データ
- DASH 2Q26予想Marketplace GOV約332.8億ドル;調整後EBITDA約8.57億ドルM&A影響を含むGOVの前年比成長率は約37.3%、Deliverooを除くオーガニックGOVの前年比成長率は約24%。市場懸念を和らげるには、オーガニック注文成長が前年比約17%へ加速する必要がある。
- DASH 3Q26予想Marketplace GOV約336.5億ドル;調整後EBITDA約9.84億ドル国際、食料品、小売事業におけるGOVの複合成長およびユニットエコノミクス改善が、テクノロジープラットフォーム再構築コストの上昇を相殺すると見込まれる。
- UBER 2Q26予想グロスブッキング約573.6億ドル;調整後EBITDA約27.9億ドル為替一定ベースでモビリティ事業は約19.5%成長、デリバリー事業は約23.5%成長。下期の採用に対するAIの影響が固定費レバレッジを改善する可能性がある。
- CART 2Q26予想GTV約102.6億ドル;前年比13%成長;調整後EBITDA約3.02億ドル第3四半期のGTV成長率は12.5%と予想され、Marketplace広告収入は低い比較ベースにより下期に加速する可能性がある。
- LYFT 2Q26予想グロスブッキング約53.9億ドル;コア事業前年比成長率約12%;調整後EBITDA約1.70億ドル平均注文額は引き続き支援材料となるが、北米のオーガニック乗車成長が主な注目点である。
- 目標株価および評価UBER 110ドル、DASH 270ドル、CART 50ドル、LYFT 16ドル最初の3社はアウトパフォーム評価、LYFTはマーケット・パフォーム評価。評価期間は今後12カ月。
影響と示唆
トレーディングの観点から、DASHは利益上振れの可能性が最も高いが、市場期待も高く、注文成長と再投資に関するコメントが決算後の持続性を左右する。UBERの現バリュエーションでは下方リスクは比較的限定的だが、自動運転の価格設定、パートナー拡大、2027~2028年の利益予想上方修正は、今四半期の小幅な上振れより重要である。CARTがAmazonの拡大下で安定成長を維持できれば、長期的な市場機会、広告事業、利益持続性に対する市場の認識が高まる。LYFTのバリュエーション上昇余地は限定的であり、さらなるリレーティングには乗車成長の改善、安定した市場シェア、自動運転提携の実行が必要となる。
リスク
- マクロ環境の悪化または業界浸透率の飽和により、グロスブッキング、GOV、GTV、注文成長が予想を下回る可能性がある。
- ドライバー供給不足が構造的であれば、長期的にライドヘイリング事業の成長性と収益性を損なう可能性がある。
- 保険料、ドライバー・インセンティブ、テクノロジー再構築、新規事業投資の増加により、営業レバレッジおよびEBITDA改善が期待を下回る可能性がある。
- 自動運転タクシーがより低コストの代替手段となる、または価格競争を引き起こす場合、従来型ライドヘイリングプラットフォームの取引量と収益性を損なう可能性がある。
- ドライバー分類、デリバリー手数料上限、ギグエコノミー規制の変更により、営業コストが増加し、ネガティブな世論を招く可能性がある。
- Amazon、Walmart、その他大手プラットフォームによる競争、補助金、不合理な価格設定が、シェア喪失または市場撤退につながる可能性がある。
- CARTの小売パートナー集中、独占契約の満了、広告チャネル競合により、テイクレートおよび提携の安定性が弱まる可能性がある。
- DASHの成長とマージンに対する市場期待は高く、注文成長またはガイダンスの未達は大きなバリュエーション圧力をもたらす可能性がある。
注目点
- DASHのオーガニック注文成長が前年比約17%に達するか、第3四半期の調整後EBITDAおよび期末マージン水準。
- DASHのテクノロジープラットフォーム再構築の進捗、追加コスト、2027年EBITDAに関するコメント。
- UBERの米国モビリティ事業成長、保険コストの価格転嫁、下期の固定費レバレッジ。
- UBERの自動運転の立ち上げペース、パートナー拡大、Waymoの低コスト車両に対する価格戦略。
- UBERの2027~2028年営業利益予想が引き上げられるか、Getir買収統合後のシナジー。
- Amazonの拡大下でのCARTのGTV安定性、エンタープライズおよびAIツールからの寄与、広告収入の加速。
- CARTの第3四半期増分マージン・ガイダンスおよび小売パートナー関係の変化。
- LYFTの北米オーガニック乗車数、市場シェア、調整後EBITDAガイダンス。
- LYFTとWaymoおよびBaiduとの提携に関する具体的な立ち上げタイムライン。