Jiangsu Lihua(300761) レポート解説
上期は肉鶏・豚価格が完全原価近辺またはそれ以下に下落し、利益は赤字化した。HSBCは2026-27年の利益予想を下方修正し、RMB18.77に対して13.7%の下落余地を示すRMB16.20の目標株価を維持した。
要約
上期は肉鶏・豚価格が完全原価近辺またはそれ以下に下落し、利益は赤字化した。HSBCは2026-27年の利益予想を下方修正し、RMB18.77に対して13.7%の下落余地を示すRMB16.20の目標株価を維持した。
- 1H26の売上高は前年比9.3%増のRMB9.13bnとなった一方、純利益はRMB149mの黒字からRMB72mの赤字に転じた。
- 肉鶏ASPは2月のRMB12.25/kgから7月のRMB11.11/kgへ低下し、RMB11.20/kgの完全原価を下回った。
- HSBCは2026eおよび2027eの純利益予想をそれぞれ47%と38%引き下げ、RMB212mとRMB917mとした。
- レポートは4Q26から豚の供給が前年比で減少し、豚価格は2027年に上昇局面へ入るとみる。ただしLihuaはWensよりこの回復へのエクスポージャーが小さいと考える。
- HSBCは、LihuaはWensに比べて豚へのエクスポージャーと予想ROEが大幅に低いにもかかわらず、割高とみている。
レポート解説
概要
この決算レビューは、Jiangsu Lihuaの弱い2Q26収益性、下方修正された利益見通し、Wensとの比較におけるバリュエーションを評価する。HSBCは2027年の豚価格回復が利益を改善すると見込むが、Lihuaの豚エクスポージャーが限定的であるためReduceを維持する。
主要見解
Lihuaの1H26業績は、販売数量が伸びた一方で採算が悪化したことを示した。売上高は、肉鶏販売278m羽(前年比7%増)と豚販売1.13m頭(前年比18.6%増)に支えられ、前年比9.3%増のRMB9.13bnとなった。しかし、純利益は1H25のRMB149mの黒字からRMB72mの赤字となった。悪化は主に2Q26に集中し、両中核事業は損益分岐点付近またはそれ以下の価格となった。黄羽肉鶏ASPは2月のピークRMB12.25/kgから7月のRMB11.11/kgへ下落し、Lihuaの完全原価RMB11.20/kgをわずかに下回った。4月から6月の豚価格はRMB9.70-10.32/kgで、1H26の完全原価約RMB11.80/kgを大きく下回った。 HSBCは、大手生産者が供給を拡大し続けているため、家禽市場の環境は厳しいままと論じる。7M26にLihuaは約330m羽を販売し前年比7%増、Wensは約746m羽を販売し前年比5%増だった。Wensは2026年の鶏販売を前年比10%増と目標設定し、Lihuaは6-8%の拡大をガイダンスしている。このためレポートは能力増強が継続し、黄羽鶏価格は圧迫され続けるとみる。この弱い価格環境と年初来の豚価格を受け、HSBCは2026-27年の豚価格予想と2027年の鶏価格予想を引き下げた。2026eと2027eの純利益予想をそれぞれ47%と38%引き下げ、RMB212mとRMB917mとし、2028eの純利益予想RMB722mを新たに導入した。 レポートは豚価格の回復を重要なプラス要因と位置づけ、豚の供給は4Q26から前年比で減少し、豚価格は2027年に上昇局面へ入ると予想する。そのためHSBCはLihuaの2027年純利益が前年比で改善すると予想する。ただし、LihuaはWensほど直接的な受益者ではないと考える。豚はLihuaの2025年売上高の約21%を占めたのに対し、Wensでは約62%だった。また、Wensの7M26豚販売量はLihuaの15.8倍だった。鶏販売量もWensはLihuaの2.3倍だったが、時価総額はLihuaの約6倍にとどまった。HSBCは、豚エクスポージャーが大きい企業ほど豚価格上昇局面で利益弾性が高いとみており、Lihuaのバリュエーション・プレミアムは正当化されないと結論づける。 HSBCの予想は、より保守的な鶏・豚価格の前提を用いるため、市場予想を大幅に下回る。2026-28年の純利益予想RMB212m、RMB917m、RMB722mは、コンセンサス予想RMB1,006m、RMB1,777m、RMB2,131mをそれぞれ79.0%、48.4%、66.1%下回る。売上高予想RMB19.006bn、RMB20.954bn、RMB21.861bnも、コンセンサスをそれぞれ6.6%、8.5%、12.5%下回る。このため、レポートは市場がLihuaの収益性を過度に楽観視していると考える。 バリュエーションでは、HSBCはPB-ROEアプローチを用いる。Lihuaの2021-24年の過去平均に沿う、10% ROEに対応する1.49x PB倍率を維持する。2027e ROE予想9.1%に基づき、従来の1.33xに対して1.36xの目標PB倍率を導出した。この目標倍率を2027e BVPSのRMB11.94に適用し、RMB18.77の株価を約14%下回る、据え置きのRMB16.20の目標株価を算出した。HSBCは、Lihuaが2027e PB 1.6x、予想ROE 9%で取引される一方、WensはPB 1.7x、ROE 30%であると指摘し、Reduceを維持した。
分析フレームワーク
HSBCはまず、赤字を販売数量、畜産物の販売価格、完全原価の基準と結び付ける。次に供給増加と予想される豚サイクルを評価してセグメント利益を予測し、Lihuaの事業エクスポージャーとバリュエーションをWensと比較する。その後、コンセンサスとの比較で利益予想を修正し、予想ROEに連動した株価純資産倍率を用いて目標株価を導出する。
手法メモ
PB-ROEバリュエーション・アプローチ
HSBCは予想ROEに対応する目標株価純資産倍率を適用し、そこから得られる目標PBを予想1株当たり簿価に乗じて目標株価を算出する。
畜産物の需給・価格サイクル分析
レポートは、生産量の伸び、設備能力の拡大、供給見通し、販売価格、完全原価を用いて、肉鶏および養豚事業の収益性を評価する。
利益を左右する数量・価格要因
HSBCは販売数量の増加と肉鶏・豚価格の変動を分けて、売上高が増加する一方で収益性が悪化した理由を説明する。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Jiangsu Lihua (300761.CH)主要カバレッジ企業。肉鶏・豚価格が原価を下回ることで利益が圧迫されており、HSBCはバリュエーションに魅力がないとみる。
- 強み
- 1H26に肉鶏・豚の販売数量が増加した。2027年の豚価格回復は前年比での利益改善を支えると予想される。
- 弱み
- Wensに比べて豚エクスポージャーが限定的で、家禽供給の増加が続き、利益予想はコンセンサスを大幅に下回る。
- 比較
- HSBCはLihuaを2027e PB 1.6x、ROE 9%とし、WensのPB 1.7x、ROE 30%と比較している。
- リスク
- 予想を上回る業界の能力削減、養豚コスト管理の改善、または原材料価格のより大きな下落は、HSBCの前提を上回る収益性につながる可能性がある。
- Wens Foodstuff Group (300498.SZ)豚価格上昇局面でより大きな豚エクスポージャーとより高い予想利益弾性を持つ比較対象企業。
- 強み
- 2025年売上高の約62%が豚によるもので、7M26の豚販売量はLihuaの15.8倍だった。
- 比較
- HSBCはWensを2027e PB 1.7x、ROE 30%と見積もり、LihuaのPB 1.6x、ROE 9%と比較している。
- リスク
- アフリカ豚熱またはその他の豚疾病、予想を下回る業界の能力削減、原材料価格の予想を上回る上昇。
主要データ
- 1H26売上高RMB9.13bn前年比+9.3%
- 1H26純利益RMB-72m1H25のRMB149mの利益に対して
- 肉鶏ASPRMB11.11/kg in July2月のRMB12.25/kgから低下し、RMB11.20/kgの完全原価を下回る
- 豚価格RMB9.70-10.32/kg4月から6月の価格帯で、1H26の完全原価約RMB11.80/kgを下回る
- 2026e純利益RMB212m従来予想から47%引き下げ;コンセンサスを79.0%下回る
- 2027e純利益RMB917m従来予想から38%引き下げ;コンセンサスを48.4%下回る
- 2027e ROE9.1%目標PB倍率の導出に使用
- 2027e目標PB倍率1.36x2027e BVPSのRMB11.94に適用
- 目標株価RMB16.20据え置き;RMB18.77に対して-13.7%の下落余地を示す
影響と示唆
HSBCは豚サイクルが2027年にLihuaの利益を改善すると予想するが、継続する家禽供給の増加とLihuaの比較的小さい豚エクスポージャーが恩恵を制限すると考える。より低い価格前提とコンセンサスを下回る利益予想が、同社株はWensに対してなお割高との見方を支える。
リスク
- 黄羽肉鶏価格が継続的に低迷したことで業界の能力削減が予想より速く進む場合、家禽価格とLihuaの純利益が上昇し、HSBCの前提を上回る可能性がある。
- 予想を上回る養豚コスト管理は、予想を上回る収益性につながる可能性がある。
- 原材料価格が予想を上回って下落した場合、飼育コストが低下し、予想される下落余地が縮小する可能性がある。
- アフリカ豚熱またはその他の豚疾病がセクターに影響する可能性がある。
- Wensについては、業界の能力削減が予想より遅いことと、原材料価格の予想を上回る上昇が下振れリスクとして明示されている。