MetaX(688802) レポート解説
MetaXの2Q26純利益は投資の公正価値利益により予想を上回った一方、売上高はGoldman Sachsの予想を下回った。同社はC600の立ち上がりに伴い2H26の売上寄与が高まるとみて、Rmb932の目標株価でBuyを維持している。
要約
MetaXの2Q26純利益は投資の公正価値利益により予想を上回った一方、売上高はGoldman Sachsの予想を下回った。同社はC600の立ち上がりに伴い2H26の売上寄与が高まるとみて、Rmb932の目標株価でBuyを維持している。
- 2Q26売上高は前年比28%、前四半期比36%増のRmb762mだったが、Goldman Sachs予想を下回った。
- 純利益はRmb711mへ黒字化し、Goldman Sachsが予想したRmb12mの純損失を上回った。主因は投資の公正価値利益だった。
- XiJing S Series SuperNodeはラック当たり64基のGPUを搭載し、スケールアップとスケールアウトをサポートする。
- Goldman Sachsは、C600とC700の立ち上がりに時間を要するとみて、2026Eおよび2027Eの売上高予想をそれぞれ9%と2%引き下げた。
- 12カ月目標株価は、2030Eの割引EV/EBITDA評価に基づき、Rmb912からRmb932へ引き上げられた。
レポート解説
概要
本業績レビューは、MetaXの2Q26業績、C600およびC700 AIチッププラットフォームの展開、ならびにSuperNodeインフラ製品の投入を評価する。Goldman Sachsは、短期の売上高予想引き下げにもかかわらず、2H26以降の製品出荷と顧客浸透の進展を見込み、Buyを維持している。
主要見解
MetaXは2026年5月にC600の量産を開始し、2H26にはC700プラットフォームの開発を継続している。Goldman Sachsは、C600が2H26および2027Eにかけて段階的に立ち上がると予想する一方、クラウドサービスプロバイダーと企業顧客への浸透拡大が下期の売上寄与を押し上げるとみている。同社の中国ベースケースでは、業界のAIチップ出荷台数は2026Eの5.9m units、2028Eの21.2m units、2030Eの39.2m unitsに達する見通しである。AIチップの収益性と、現地サプライチェーンにおける生産能力および歩留まり率の立ち上がりを、持続的成長の重要条件としている。 2Q26の売上高はRmb762mで、前年比28%、前四半期比36%増だったが、Goldman Sachs予想を下回った。売上総利益率は55.1%で、1Q26の60.1%から低下したものの、同社予想にはおおむね沿った。純利益はRmb711mへ黒字転換し、2Q25のRmb47mおよびGoldman Sachsが見込んだRmb12mの純損失を上回った。上振れは営業面の強さではなく、MetaXの投資における公正価値変動による予想以上の営業外収益が主因であり、営業利益は依然としてRmb7mの損失だった。 同社はWAIC 2026でXiJing S Series SuperNodeソリューションを発表した。この統合型製品は、ラック当たり64基のGPUによる高密度配置と低データレイテンシーを実現し、スケールアップとスケールアウトの拡張を支援する。AIモデルの学習および推論向けに設計されている。Goldman Sachsは、Expert ParallelおよびTensor Parallelへの対応に加え、迅速な導入、直接統合設計、低い保守コストが顧客採用を後押しし得る点を強調している。 Goldman Sachsは四半期業績を織り込み、2026E純利益予想をRmb42mからRmb514mへ引き上げた。主に投資の公正価値利益を反映したものである。2027Eおよび2028Eの純利益予想は、それぞれ-1%と+1%の修正にとどまり、おおむね据え置かれた。一方、C600とC700の立ち上がりには時間がかかるため、2026Eおよび2027Eの売上高予想はそれぞれ9%と2%引き下げられた。将来の顧客浸透に対するより前向きな見方から、2028E-2030Eの売上高予想は1%-2%引き上げられた。2027E-2030Eの売上総利益率および営業費用比率の予想はおおむね不変である。 Goldman Sachsは12カ月目標株価をRmb912からRmb932へ引き上げ、Buyを維持した。目標株価は2030E EBITDAに68xの目標EV/EBITDA倍率を適用し、12.7%の株主資本コストで2027Eへ割り引いて算出した。株主資本コストは、beta 1.5、無リスク金利3.0%、市場リスクプレミアム6.5%を用いている。目標倍率は、同業他社のフォワードEV/EBITDAとEBITDA成長率およびEBITDA利益率の関係に加え、MetaXの2031E EBITDA前年比成長率45%とEBITDA利益率22%を踏まえている。
分析フレームワーク
Goldman Sachsはまず、四半期の売上高、利益率、営業利益、営業外収益を自社予想と比較する。次に、C600およびC700の商業化時期、SuperNode製品の技術的・導入面の特性、将来の顧客浸透を評価する。最後に、利益予想を改定し、同業他社の成長率および利益率特性を参照する割引フォワードEV/EBITDA手法でMetaXを評価する。
手法メモ
2030E EV/EBITDAの割引評価
Goldman Sachsは、68xのEV/EBITDA倍率を2030E EBITDAに適用し、MetaXの長期成長特性を反映するため、その価値を2027Eへ割り引いている。
beta、無リスク金利、市場リスクプレミアムから導く株主資本コスト
評価の割引率は12.7%の株主資本コストであり、beta 1.5、無リスク金利3.0%、市場リスクプレミアム6.5%から構成される。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- MetaX (688802.SH)主要カバー企業。C600の出荷立ち上がり、新規クラウドサービスプロバイダーおよび企業顧客への浸透、SuperNode導入の恩恵を受けると見込まれる。
- 強み
- C600は2026年5月に量産を開始した。SuperNodeソリューションはラック当たり64基のGPU、低レイテンシー、拡張可能なAIモデルの学習および推論をサポートする。
- 弱み
- 2Q26売上高はGoldman Sachs予想を下回り、C600およびC700の立ち上がりにはなお時間を要する。
- 比較
- 目標EV/EBITDA倍率は、同業他社のフォワードEV/EBITDAとEBITDA成長率・利益率の関係を参照し、MetaXの予想指標も踏まえている。
- リスク
- 中国のクラウド設備投資成長の鈍化、AIチップ競争の激化、先端ノードのサプライチェーン制約。
主要データ
- 2Q26売上高Rmb762m前年比28%、前四半期比36%増。Goldman Sachs予想のRmb1,176mを35%下回った。
- 2Q26売上総利益率55.1%1Q26の60.1%から低下したが、Goldman Sachs予想とおおむね一致した。
- 2Q26純利益Rmb711m1Q26のRmb99m純損失から黒字化し、営業外の公正価値利益によりGoldman Sachs予想のRmb12m純損失を上回った。
- 2026E売上高予想の改定Rmb4,001mC600およびC700の立ち上がりに時間を要するため、Rmb4,415mから9%引き下げた。
- 2026E純利益予想の改定Rmb514m2Q26の営業外収益が予想を上回ったことを主因に、Rmb42mから引き上げた。
- 12カ月目標株価Rmb932Rmb912から引き上げ。2030Eの68x EV/EBITDAを2027Eへ割り引いた評価に基づく。
影響と示唆
Goldman Sachsは、C600の商業化、顧客浸透の拡大、SuperNodeの統合設計を将来成長の主な推進要因とみている。本レポートは、営業外の投資利益による短期的な利益押上げと、より長期の営業面での立ち上がりを区別している。このため、短期の売上高予想を引き下げる一方、より長期の売上高予想を小幅に引き上げ、目標株価を引き上げている。
リスク
- 中国のクラウド設備投資成長がGoldman Sachs予想より鈍化する可能性。
- AIチップ供給企業間の競争が予想以上に激化する可能性。
- 先端ノードのサプライチェーン制約が成長を妨げる可能性。
注目点
- 2H26および2027EにおけるC600出荷の立ち上がり速度。
- 2H26中のC700プラットフォーム開発の進捗。
- クラウドサービスプロバイダーおよび企業顧客によるXiJing S Series SuperNodeの採用。
- 現地AIチップサプライチェーンの生産能力および歩留まり率の改善。