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レポート解説Hilo Research

Korean equity market and multi-sector growth outlook レポート解説

本レポートは、AIインフラ、輸出市場の拡大、株主還元の増加により、韓国の利益成長が2025-26年の上昇局面後も持続し得ると論じる。テクノロジー、防衛、電力機器、造船、自動車、化粧品、バイオ、金融を選好する一方、セクターごとに競争・実行リスクが異なることを認めている。

機関Bank of America
日付20260918
業界multi-industry/asset allocation

要約

本レポートは、AIインフラ、輸出市場の拡大、株主還元の増加により、韓国の利益成長が2025-26年の上昇局面後も持続し得ると論じる。テクノロジー、防衛、電力機器、造船、自動車、化粧品、バイオ、金融を選好する一方、セクターごとに競争・実行リスクが異なることを認めている。

カバーする約100の韓国株のうち、63%がBuy、21%がNeutral、16%がUnderperformである。
韓国AIインフラメモリー・スーパーサイクル輸出データセンター電力機器防衛資本還元グローバル化
  • 韓国の年間輸出は、AI関連製品および国際競争力を持つ非テクノロジー輸出により、2026年にUS$1.0tnへ達すると予想される。
  • BofAは、世界のAI設備投資が2030年にUS$3tnを超え、メモリーTAMがUS$2.0tn近くに達すると予想する。
  • 選好セクターはメモリー、ハードウェア技術、防衛、造船、自動車、電力機器、化粧品、バイオ、金融である。
  • バリューアップ政策、配当、自社株買いが、利益成長とともに株主還元を支えるとレポートはみている。

レポート解説

概要

本レポートは、長期のAI投資サイクルを韓国の製造業、消費者ブランド、サービスのグローバル化と結び付けた韓国株式市場の見通しである。BofAの中心的な結論は、これらの力が2030年まで韓国の成長・利益サイクルを延長し得る一方、機会とリスクはセクターや企業によって大きく異なるというものだ。

主要見解

BofAの中核的な見解は、AIがメモリーとテクノロジー・インフラ需要を再構築し、グローバル化が韓国製品の輸出機会を広げるため、韓国は2030年まで持続し得るスーパーサイクルに入っているというものだ。レポートは、AI関連製品を主導役として年間輸出が2026年にUS$1.0tnへ達すると予想し、8月までにすでにUS$0.7tnに達したとしている。先端パッケージング・メモリー、防空、データセンターの電力・冷却、化粧品、バイオテクノロジーを主要な寄与分野に挙げる。輸出の支援によりGDP成長率は2026年に3.6%、2027年に2.5%と予想され、半導体はすでに2026年輸出の40%を占める。BofAは、低在庫、カバレッジの一部における低レバレッジまたはネットキャッシュ、配当・自社株買いの拡大により、利益モメンタムが2027-28年まで続くとみる。 メモリーはレポートにおけるAIの主要な伝達経路である。HBM、高速DRAM、NAND、eSSD、先端パッケージングは、もはや主としてPCやスマートフォン向けではなく、AI学習・推論、クラウド・システム、ロボティクス、自動運転車、スマート工場に不可欠になると論じる。BofAは世界のAI設備投資が2030年にUS$3tnを超える可能性を見込み、2026年と2027年のUS$0.7tn、US$1.0tnと比較している。メモリーTAMは2025年のUS$0.2tn、2026年のUS$0.9tnから、2030年には約US$2.0tnへ拡大すると予想する。多くのDRAM・NANDメーカーが50%超の営業利益率を維持すると仮定すれば、メモリー業界の営業利益は2030年にUS$1.0tnへ達し得ると試算する。HBM売上高は2025年のUS$35bnから2030年のhigh-US$200bnまで50%超のCAGRで成長すると予想し、韓国メモリー大手とその装置・材料サプライチェーンに恩恵をもたらすとしている。 AIの設備投資はメモリー以外にも広がる。BofAは、Samsung Electro-Mechanics、LG Innotek、LG Electronicsなど韓国のハードウェア大手が、データセンター、ロボット、自動車向けのMLCC、FC-BGA基板、銅張積層板、冷却機器を通じて、2026-30年に20%超の営業利益CAGRを実現すると予想する。2028-30年のFC-BGA供給確保に向けた米ビッグテックによる数十億ドル規模の前払いの可能性、韓国・東南アジアにおける能力拡張、NVIDIA認定によるLG Electronicsの冷却能力支援を指摘する。電力機器では、データセンター・アーキテクチャーのACからDCへの移行がパワーサイドカーと固体変圧器の需要を生むとし、LS Electricは800VDC製品を目指している。サイドカーの売上寄与は2028年、変圧器は2029年からと見込む。また、データセンターの電力需要増により765kV変圧器への需要が強まり、関連供給企業のミックスと利益率を改善させるとみる。 レポートは、輸出とインフラの追加的な受益分野も特定する。調達が費用対効果の高い多層防空やAI対応無人システムへ移ることで、韓国防衛企業が恩恵を受け得る。造船の利益は高値の受注残、ミックス改善、コスト圧力の緩和に支えられるが、BofAはデータセンター・エンジンを追加的でより低循環的な収益源とみる。HD Hyundai Heavy Industriesは4カ月間で合計1,684MW、約W1.6tnの米国データセンター向けエンジン受注を確保し、3GWのHiMSENエンジン新工場にW834bnの投資を発表した。発電では、ガスタービン不足、水素対応タービンの商業化、原子力・SMR投資の復活がDoosan Enerbilityを支えるとみており、2026-28年の新規原子力受注を年W7tn、ガス・コンバインドサイクルEPC受注を年W6tnと予想する。 自動車と電池では、BofAは充電インフラが十分でない市場において、2027年以降、EREVが航続距離不安を緩和し電池容量要件を減らす移行手段になると予想する。ソフトウェア定義車両は競争の差別化をソフトウェア、データ・エコシステム、経常サービス収入へ移すともみる。電池については、再生可能エネルギー浸透とAIデータセンターにより、米国ESS市場は約20%の年率成長を持続すると予想する。韓国サプライヤーは、LFPの現地生産と非中国サプライチェーンの位置付けを通じてシェアを獲得し得る。LG Energy SolutionはグリッドESSと現地LFPへのレバレッジがより大きく、Samsung SDIはBBU/UPS需要とより早期の全固体電池商業化へのエクスポージャーを持つと整理している。 消費財、ヘルスケア、デジタルプラットフォーム、金融は、さらなるグローバル化と構造的成長の経路を提供する。韓国化粧品の輸出は2026年年初来で30%増加し、北米は48%、欧州は69%増えた。BofAはラテンアメリカを重視し、メキシコとブラジル向け輸出はそれぞれ80%、83%増加したとしている。ヘルスケアでは、ペプチド治療市場が2025年のUS$94bnから2031年に約US$200bnへ拡大すると予想し、製造能力を重要な制約とみる。Samsung BiologicsによるPolyPeptide買収は、同社のペプチドCDMO能力を拡張する。NAVERのクラウドAI拡張は2027年末に100MW、2028年末にさらに100MW、2031年に1GWを目標とし、韓国通信事業者もAIデータセンター能力を拡大している。金融では、資本市場への参加、ETF、資産運用、デジタル商品、株主還元が証券、銀行、保険を支えると予想する。 BofAは、バリュエーションと資本還元がファンダメンタルズの成長ケースを補強すると位置付ける。選択的な半導体・自動車企業の低いP/E、カバレッジの一部における低負債またはネットキャッシュ、配当・自社株買い・自己株消却を通じた還元拡大を指摘する。ただし、全企業に一律の見方を当てはめてはいない。中国との競争、利益率圧力、AI設備投資の削減、政策変更、受注遅延、実行リスクが結果を変え得る。マクロ面では、伝統的輸出における中国との競争、自動車の関税・現地生産化の不確実性、人口動態の逆風も警戒する。AI主導の生産性向上がなければ、韓国の潜在成長率は2030年から1%台へ低下し得るとしている。

分析フレームワーク

BofAは約100社の韓国企業に対するボトムアップ分析と、セクター需要、輸出、利益、バリュエーション、資本還元の比較を組み合わせる。AIと輸出のマクロ影響から始め、メモリー、ハードウェア、電力、産業、消費、サービスのバリューチェーンへ需要がどう伝わるかを追跡し、企業の能力計画、受注、市場成長推計、バリュエーション枠組みを用いて選好エクスポージャーを特定している。

手法メモ

  • 業界・産業分析フレームワーク需給フレームワーク

    AIインフラと輸出需要の分析

    レポートは、AI設備投資、データセンター建設、韓国製品への世界需要を、各セクターのサプライチェーンにおける能力、価格、受注、利益率、利益に結び付けている。

  • 業界・産業分析フレームワーク産業チェーンの上流・中流・下流波及

    AIインフラのサプライチェーン伝達

    ハイパースケーラーとAIシステムから、メモリー、パッケージング、基板、冷却、電力機器、エンジン、関連する韓国サプライヤーへの需要伝達を追跡している。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    利益マルチプルによる評価

    レポートは複数のカバー企業でP/EおよびPEG比較を用い、目標マルチプルを過去のレンジや同業と比較している。

  • バリュエーション手法SOTP(事業別合算)評価

    SOTP評価

    一部の多角化企業について、異なる利益ドライバーや持株会社ディスカウントを捉えるため、事業または投資を個別に評価している。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • Samsung Electronics and SK Hynix
    AIメモリー・スーパーサイクルの中核的な受益者。
    強み
    DRAM、HBM、NANDでのリーダーシップを持ち、AIメモリー需要の拡大に支えられる。
    比較
    レポートは、強い利益にもかかわらず、選択的なメモリー企業のP/Eが低いことを指摘する。
    リスク
    米国ハイパースケーラーの設備投資削減、メモリー供給過剰、中国との競争、市場シェア喪失。
  • HD Hyundai Heavy Industries
    造船回復に加え、データセンター・エンジンのテーマへの選好エクスポージャー。
    強み
    HiMSENプラットフォーム、米国データセンター受注、計画中の能力拡張。
    弱み
    造船には依然として循環性がある。
    比較
    データセンター・エンジンは、従来の海事用途を超える差別化された成長ドライバーと位置付けられる。
    リスク
    金利上昇、海運設備投資の低下、海上貿易の弱さ。
  • Doosan Enerbility
    ガスタービン、原子力、SMRに対する選好電力セクターのエクスポージャー。
    強み
    ガスタービンIP、水素タービン計画、SMRサプライチェーンでの提携。
    弱み
    利益計上の時期はプロジェクト実行に依存する。
    比較
    レポートによれば、世界で5社しかないガスタービンOEMの一社。
    リスク
    受注遅延、反原子力政策への転換、AI過剰投資。
  • LS Electric
    DCデータセンターと変圧器需要への選好電力機器エクスポージャー。
    強み
    DC製品の実績、データセンター受注、能力拡張。
    比較
    BofAは2025-28EのEBITDA CAGRを39%、同業平均を24%と予想する。
    リスク
    インフラ支出の減速、データセンター受注の遅れ、低コスト競争。
  • LG Energy Solution and Samsung SDI
    米国ESS成長と次世代技術への選好電池エクスポージャー。
    強み
    米国ESS能力を拡張中。LGESは現地LFPとグリッドESSへのレバレッジ、SDIはBBU/UPSと早期の全固体電池商業化へのエクスポージャーを持つ。
    弱み
    EV需要の状況へのエクスポージャーは依然として大きい。
    比較
    LGESはグリッドESSへのレバレッジがより大きく、SDIはより早期の全固体電池商業化に位置付けられる。
    リスク
    ESS立ち上がりの遅れ、米国EV需要の弱さ、競争、政策変更。

主要データ

  • 韓国の年間輸出US$1.0tn in 2026E予想される年間水準。8月までにUS$0.7tnに達した。
  • 韓国のGDP成長率3.6% / 2.5%BofAによる2026年/2027年の予想。
  • 半導体の輸出構成比40%8月時点の2026年韓国総輸出に占める比率。
  • 世界のAI設備投資US$3tn+ in 20302026年/2027年のUS$0.7tn/US$1.0tnとの比較。
  • メモリーTAM~US$2.0tn in 20302025年のUS$0.2tn、2026年のUS$0.9tnとの比較。
  • HBM市場の成長50%+ CAGR2025年のUS$35bnから2030年のhigh-US$200bnまで。
  • 米国ESS市場の成長~20% CAGRレポートの比較では、UPSは70% CAGR、グリッドは11% CAGR。
  • 韓国化粧品輸出の成長+30% YoY in 2026 YTD北米+48%、欧州+69%、その他地域+43%。

影響と示唆

レポートは、韓国のAI機会がメモリーを超え、データセンター用ハードウェア、電力システム、産業機器、サービスに広がると論じる。同時に、世界需要は防衛、船舶、自動車、化粧品、バイオ、エンターテインメントに輸出成長を分散させる。資本還元の拡大とバリューアップ改革も株主価値の支援要因とされるが、BofAは株式ごとの結果が企業レベルの実行、バリュエーション、セクターリスクに依存すると強調する。

リスク

  • AIインフラ支出または米国ハイパースケーラーの設備投資が弱まれば、メモリー、基板、冷却、電力機器の需要を損なう可能性がある。
  • 中国との競争は、特に伝統的輸出産業で韓国メーカーを圧迫し得る。関税と海外現地化も自動車に不確実性をもたらす。
  • 受注遅延、政策転換、実行リスクは、原子力、防衛、電力機器、産業プロジェクトに影響し得る。
  • 電池需要は、EV成長の減速、ESS競争、米国または欧州の政策変更の影響を受け得る。
  • 十分なAI主導の生産性向上がなければ、韓国の人口減少は2030年以降の潜在成長率を1%台へ低下させ得る。

注目点

  • 米国ハイパースケーラーのAI設備投資コミットメント、メモリー価格、2030年までのHBM需要。
  • 半導体、防衛、造船、電力機器、化粧品を含む韓国の輸出成長。
  • FC-BGA、冷却、メモリー、データセンター電力インフラに関する長期契約、前払い、能力拡張。
  • 米国ESS受注、LFP現地化、全固体電池の商業化、EV政策の展開。
  • データセンター・エンジン、ガスタービン、原子力、SMR、通信データセンター能力拡張プロジェクトの実行。
  • 韓国のバリューアップ・プログラム下での配当、自社株買い、自己株消却の進展。
浙江ICP第2022035445-5号
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