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レポート解説Hilo Research

Taiwan ABF substrate sector レポート解説

Eternal Precisionの受注残、顧客のプレミアム支払い意欲、高付加価値設備の増産計画は、ABF設備需要が前回の上昇局面より強いことを示す。Goldman SachsはNYPCBとKinsusをBuy、UnimicronをNeutralで維持している。

機関Goldman Sachs
日付20260916
業界ABF substrates

要約

Eternal Precisionの受注残、顧客のプレミアム支払い意欲、高付加価値設備の増産計画は、ABF設備需要が前回の上昇局面より強いことを示す。Goldman SachsはNYPCBとKinsusをBuy、UnimicronをNeutralで維持している。

Buy:NYPCB、目標株価NT$2,500;Kinsus、目標株価NT$1,125。Neutral:Unimicron、目標株価NT$1,220。
ABF基板台湾半導体パッケージング設備リードタイム供給能力不足NYPCBKinsusUnimicron
  • Eternal PrecisionのABF真空ラミネーターの受注リードタイムは、従来の2028/29から2031へ延長した。
  • Goldman SachsはABF基板の不足率を2H26、2027、2028にそれぞれ14%、34%、51%と予測している。
  • レポートは2027-31年の中高級設備受注を約1,500台と推定しており、2022-25年の総設備出荷約600台を上回る。
  • NYPCBとKinsusのBuy評価および12カ月目標株価はそれぞれNT$2,500、NT$1,125で据え置き、UnimicronはNeutral、目標株価NT$1,220を維持した。

レポート解説

概要

本台湾ABFセクター更新は、主要なABF真空ラミネーター供給企業であるEternal Precisionとの経営陣面談に基づく。Goldman Sachsは、同社のリードタイム延長と顧客行動が基板需要の逼迫と高付加価値製品へのシフトを示すとみており、セクターへの前向きな見方とNYPCB、KinsusのBuy評価を支持している。

主要見解

Eternal Precisionの経営陣は、同社が中高級ABF真空ラミネーター市場で約95%のシェアを持つと説明した。受注リードタイムは従来の2028/29から2031まで延びた。主要ABF供給企業が次世代基板向けに能力を拡張するなか、新規受注は90トン・3段式の高級ラミネーターに集中している。Goldman Sachsは、2027-31年にEternal Precisionの日本と中国の能力がフル稼働すると仮定すれば、中高級設備受注は約1,500台となり、2022-25年の総設備出荷約600台を上回ると推定する。同社はこれを、需要が2020-22年の上昇局面より強く、より高級な設備へ移行している証左と解釈している。 顧客行動もこの結論を補強する。主に中国の一部顧客は、リードタイム短縮と設備確保のために自発的にプレミアムを支払う提案をしており、経営陣は前回の上昇局面ではこの傾向を見ていなかった。ただしEternal Precisionは、規模が大きく取引関係が長い顧客、特にABFフィルム供給を確保している顧客を優先する。このためGoldman Sachsは、新設備とABFフィルムへのアクセスが限られる中国ABF供給企業の能力拡張が、不足を大きく和らげるリスクは限定的とみる。ABF基板の不足率は2H26、2027、2028にそれぞれ14%、34%、51%に達すると予想し、最終顧客が2029年以降の能力も求めていると指摘する。 設備供給企業の事業指標も需要の持続を示す。8月売上高は過去2番目に高いNT$360mnとなり、前月比91%、前年比101%増加した。顧客が通常、受注総額の10-30%を前払いする契約負債は、売上急増にもかかわらずわずかな減少にとどまり、経営陣は約NT$800mnまで増加を続けていると述べた。経営陣は2H26の高級製品構成が、2025年の高級ラミネーター売上構成比59%を上回ると見込む。1H26と2H26の売上比率は3:7と予想しており、2026Eの売上成長率は50%超を示唆する。能力は現在の264台/年から2027年半ばに396台/年へ50%増える計画で、需要が強ければ追加拡張も可能である。次世代製品の量産に伴い、粗利益率は1H26の41.5%から50%超へ拡大し得ると経営陣はみている。 技術面では、Eternal Precisionは日本のABF顧客が現時点で優れた歩留まりを示しているため、EMIB-T基板向けラミネーターを1H27にまず日本の顧客へ出荷する計画である。Unimicronはこの新製品の歩留まり50%を目標としている。ガラスコアの商業化はより先であり、経営陣は2027/28での実現は難しいとし、Goldman Sachsは2029年以降と予想する。それでもレポートは、高度パッケージング基板が長期的な売上・粗利益率の牽引役になると考える。量産時の高度パッケージング基板の粗利益率は通常60%超であり、2Q26のKinsusとUnimicronの粗利益率はそれぞれ26.1%、24.8%だった。 NYPCBについてGoldman SachsはBuyを維持する。BT基板と非LTA ABF基板への売上エクスポージャーが70%超であり、価格見通しの改善により利益率が大幅に拡大すると予想するためである。営業利益率は1H25の損益分岐から2026Eに27%、2027Eに41%へ上昇すると見込む。高級ABFの売上比率は1H25に20%未満だったが、ASIC AIサーバーと高級スイッチICの需要増により、2027Eには40%超になるとみている。2026-28Eの利益CAGRは122%と予想し、21x 2028E P/Eに基づく12カ月目標株価NT$2,500を維持する。 Goldman SachsはKinsusについてもBuyを維持する。2024年の世界ABF/BT市場シェア約10%、高級ABF市場シェアの上昇、BT基板および非LTA ABF顧客における有利な価格見通しを強調する。BT基板は2025年売上の約36%、非LTA顧客はABF売上の30%を占めた。同社は、BTおよび非LTA ABFの価格改善、製品高度化、能力拡張に支えられ、2026-29Eの利益CAGRが約106%になると予想する。目標株価NT$1,125は16.5x 2028E P/Eに基づき据え置かれた。 Goldman SachsはUnimicronの長期的な収益性軌道には前向きである一方、Neutralを維持する。ABF出荷の70%超が長期契約の対象で、短期的な価格柔軟性を制限するほか、相対的に弱い実行実績、遅い能力拡張、不利な歩留まりが追加AI需要を取り込む能力を制約するとみる。AI ABFは売上の10%を占めるが、市場シェアを競合に奪われ続けるため成長は同業他社より遅いと予想する。Goldman Sachsは17.4x 2028E P/Eに基づくNT$1,220の目標株価を維持し、ASIC AIサーバーの強さがなければ上昇余地は限定的とみている。

分析フレームワーク

Goldman Sachsは、Eternal Precisionの受注残、顧客前払い、設備配分、能力計画をABF基板の将来の需給を測る先行指標として用いる。次に、予想される不足と価格を、NYPCB、Kinsus、Unimicronの製品構成、利益率、収益見通し、評価へ結び付け、2028E P/Eの目標マルチプルを使用する。

手法メモ

  • 業界・産業分析フレームワーク需給フレームワーク

    ABF設備の利用可能性と供給企業の能力を用いて、将来の基板不足と価格を評価する。

    レポートは、設備リードタイムの延長、ABFフィルム供給の制約、供給企業の拡張計画を、需要が供給を上回る証拠として扱い、より高い基板価格と利益率を支える。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    予想P/Eによる目標株価評価。

    Goldman Sachsは、NYPCBの21x、Kinsusの16.5x、Unimicronの17.4xという2028E P/Eマルチプルを使い、それぞれの過去の上昇局面平均と比較して12カ月目標株価を算出する。

  • 業界・産業分析フレームワーク数量・価格分解

    製品構成、価格、能力を売上高と利益率の結果に結び付ける。

    分析は高級品とその他の基板・設備のエクスポージャーを区別し、製品構成の改善と価格上昇を粗利益率と営業利益率の拡大に結び付ける。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • NYPCB (8046.TW)
    BTおよび非LTA ABF基板の価格改善と高級ABFエクスポージャー拡大の恩恵を受けるBuy評価銘柄。
    強み
    売上の70%超がBTおよび非LTA ABF基板へのエクスポージャーで、高級ABF売上の比率は2027Eに40%超と予想される。
    弱み
    高級ABFエクスポージャーは1H25の総売上の20%未満だった。
    比較
    BTと非LTA ABFへの注力により、価格上昇局面の主要な受益者になると予想される。
    リスク
    PC需要回復の遅れ、ABF価格改善の遅れ、または新たな高級能力の認定進捗の遅れ。
  • Kinsus (3189.TW)
    高級ABF市場シェアの上昇とBTおよび非LTA ABFの有利な価格見通しから恩恵を受けるBuy評価銘柄。
    強み
    2024年の世界ABF/BT市場シェアは約10%で、明確な能力拡張計画と長期的な製品高度化の機会を持つ。
    弱み
    レポートは2H26以前の需要見通しが不利であると指摘する。
    比較
    高級ABFの市場シェアが高まるため、高級ABFの同業他社比で業績改善が見込まれる。
    リスク
    PC回復の遅れ、ABF価格改善の遅れ、または2H26からのAIサーバー受注の弱さ。
  • Unimicron Technology (3037.TW)
    長期的な先端基板の機会はあるが、短期的な上昇余地はより限定的なNeutral評価のABF供給企業。
    強み
    2025年のABF市場シェアは25%で、EMIB-T基板では歩留まり50%を目標に進展している。
    弱み
    ABF出荷の70%超がLTAの対象であり、弱い実行力、遅い能力拡張、不利な歩留まりがAI需要の獲得を制約する。
    比較
    市場シェアを失い続けるため、成長は同業他社より遅いとGoldman Sachsは予想する。
    リスク
    PC回復、ABF基板の高度化、AIサーバーPCB市場シェア喪失の進捗が予想より速くも遅くもなる可能性。

主要データ

  • Eternal Precisionの受注リードタイム2031ABF真空ラミネーターのリードタイムは従来の2028/29から延長した。
  • 推定中高級設備受注~1,500 units2027-31年に約~1,500台と推定され、2022-25年の総設備出荷は約~600台。
  • ABF基板不足率14% / 34% / 51%Goldman Sachsによる2H26 / 2027 / 2028の予測。
  • Eternal Precisionの8月売上高NT$360mn過去2番目の高水準で、前月比+91%、前年比+101%。
  • 契約負債~NT$800mn経営陣は継続的に増加していると述べた。顧客前払いは売上の先行指標である。
  • Eternal Precisionの能力396 units/year2027年半ばの目標で、現在の264台/年から50%増。
  • NYPCBの2026-28E利益CAGR122%Goldman Sachsの予測。
  • Kinsusの2026-29E利益CAGR~106%Goldman Sachsの予測。

影響と示唆

Goldman Sachsは、継続する設備不足がABF基板の需給逼迫と価格決定力を維持するとみており、特に高級設備とABFフィルムを確保できる供給企業に有利と考える。NYPCBとKinsusはBT、非LTA ABF、より高級な基板へのエクスポージャーを通じてより恩恵を受ける一方、UnimicronはLTA、実行力、能力面での位置付けにより短期的な上昇余地が制約されるとみている。

リスク

  • NYPCBでは、PC回復の遅れ、ABF価格改善の弱さ、高級能力認定の遅延が下振れリスクである。
  • Kinsusでは、PC回復の遅れ、ABF価格改善の弱さ、2H26からのAIサーバー受注の弱さが下振れリスクである。
  • Unimicronでは、PC回復、ABF高度化、AIサーバーPCB市場シェア喪失が予想と異なる速度で進む可能性がある。

注目点

  • ABF供給企業が2027年から少なくとも2031年まで能力拡張を継続するか。
  • Eternal Precisionの契約負債と高級設備出荷の推移。
  • 顧客歩留まりと1H27のEMIB-Tラミネーター初回出荷。
  • Goldman Sachsが2029年以降と予想するガラスコア基板の商業化進捗。
  • ABFおよびBT基板の価格、PC需要回復、AIサーバー受注モメンタム。
浙江ICP第2022035445-5号
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