AI data-center optical communications supply chain レポート解説
Nomuraは、1.6Tトランシーバーが主な成長エンジンとなり、部品不足が技術サイクルを長期化させ、確立されたサプライチェーンのリーダーに有利に働くとみている。NPO、CPO、OCSは長期的な機会をもたらすが、アーキテクチャーと商業化の道筋はなお不確定である。
要約
Nomuraは、1.6Tトランシーバーが主な成長エンジンとなり、部品不足が技術サイクルを長期化させ、確立されたサプライチェーンのリーダーに有利に働くとみている。NPO、CPO、OCSは長期的な機会をもたらすが、アーキテクチャーと商業化の道筋はなお不確定である。
- 1.6Tトランシーバーはscale-outネットワークの主流であり、ライフサイクルが延長する可能性がある。
- 2.4Tおよび3.2Tへの移行は、400G per laneの光学・電子技術で大きな課題に直面する。
- 高性能部品の不足は出荷を制約し得る一方、国内サプライヤーの世界シェア拡大の機会にもなる。
- 大手グローバルAI顧客と密接に連携する初期のNPO参加者は、より高い付加価値と利益率を得る可能性がある。
- OCS売上高は2030EにUSD8bnを超えると予測される一方、アーキテクチャーは依然として分散している。
レポート解説
概要
CIOE 2026のフォーラムと光通信サプライチェーン企業との面談を踏まえ、NomuraはAIデータセンター光ネットワーク需要が引き続き強いと論じる。中核となる見方は、1.6Tトランシーバーが当面の成長の柱であり、供給不足とより複雑な次世代アーキテクチャーが参入障壁を高め、リーディングサプライヤーに有利に働くというものだ。
主要見解
Nomuraは9-10 September 2026に深圳で開催されたCIOE 2026に出席し、光トランシーバー、部品、電子・光チップ、ファイバー、材料、装置にまたがる企業と面談した。同社はイベント後、AIデータセンター光ネットワークの需要見通しへの確信を強めた。報告書は、絶えず変化する技術曲線で先行し続けられるサプライヤーが上昇局面の恩恵を受けるとし、Zhongji InnoLight、Accelink、TFC、YOFC、Shenzhen T&SをBuy評価の選好銘柄として挙げている。 当面の成長要因は1.6Tトランシーバーであり、Nomuraによれば、これはすでにscale-outネットワークの主流製品となっている。自動化の改善は組立効率を高め、トランシーバー企業のより速い能力拡張を支える可能性がある。ただし、部品供給は依然として主要なボトルネックである。投入部材の制約が業界全体の生産を制限するため、Nomuraは、特にInnoLightを含む既存の1.6Tメーカーが効率的なサプライチェーン管理により主導的地位を維持するとみている。 2.4Tおよび3.2Tトランシーバーは400G per lane時代に光学面・電子面の大きな課題に直面するため、1.6Tのサイクルはより長く続くと予想される。従来のシリコンフォトニクスの道筋ではなく、より高速な製品にはTFLNなどの新材料、またはCoherent Liteなどの変調技術が必要となる可能性がある。NomuraはMurataと非上場のLiobateによるTFLN変調器の進展を指摘するが、これらを1.6Tの即時代替ではなく、未解決のアップグレード経路の一部として位置付けている。 NPOは会議の主要テーマだった。サプライヤーは、HisiliconのVCSEL-basedおよび内蔵光源CPO製品、CIGの外部光源を使うシリコンフォトニクスCPO、Accelinkのscale-upネットワーク向け6.4T NPOを含む複数の手法を展示した。NomuraはNPO市場には業界共通の標準がまだないと強調する。初期参入者は、初期の商業化段階で大手グローバルAI顧客から受注を確保できれば、カスタムソリューションを通じてより高い付加価値と利益率を享受できる可能性がある。 供給制約は引き続き投資仮説の中心である。70mW CW laserと100G EML/PDチップはすでに量産され、800Gトランシーバー出荷の堅調な成長を支えている。一方、100mW-plus CW laserおよび200G EML/PDメーカーは、1.6TトランシーバーとNPO製品の需給ギャップを埋めるため、なお歩留まりを改善する必要がある。Nomuraはさらに、3nm DSP、mSAP技術のPCB、マルチコアファイバー、高精度フェルールを新たな潜在的ボトルネックに挙げる。これらの制約は高性能トランシーバーの出荷下振れにつながり得るが、国内サプライヤーが世界シェアを獲得する機会にもなり得る。 Nomuraは、中国の光通信企業がグローバルAIデータセンター・サプライチェーンで重要な役割を果たすとみている。InnoLight、Eoptolink、TFCはすでにトランシーバーまたは部品分野で主導的地位にあり、上流の材料、レーザー、装置市場には国内代替の余地がなお大きい。例として、InPおよびSiGe基板、高性能EML/CW laser・PDチップ、マルチコア・中空コアファイバー、光トランシーバーの自動化カップリング・試験装置が挙げられる。 OCSも、Googleのscale-outネットワークに限定されず、複数のネットワーク分野で広く採用される可能性があるため、重要な技術と位置付けられる。Cigna AIはOCS売上高が2026年にUSD2bnを超え、2030EにUSD8bnを超えると予測し、GPUに結び付くscale-up OCSは2030Eまでにscale-out OCS用途を上回る可能性がある。報告書はCoherentの液晶OCS、AccelinkのMEMS-based OCS、TaclinkのシリコンフォトニクスOCSを挙げるが、アーキテクチャーはなお分散しており、サプライチェーン全体で商業化を進める必要があると強調する。 最後にNomuraは、NVIDIAが最近議論したscale-inネットワークを、AIネットワーキングの将来的な需要ドライバーとみる。NVIDIAによれば、このアーキテクチャーはBlueField-4で駆動され、Spectrum-X Ethernetで接続される。AI factoriesが企業環境で広く採用されれば、scale-inネットワークはAIコンピューティングを取り巻くアクセス、セキュリティ、データ移動、インフラ運用の需要を高める可能性がある。
分析フレームワーク
NomuraはCIOE 2026での企業面談と技術フォーラムの観察をサプライチェーン評価と組み合わせた。AIデータセンター・ネットワーク需要から、トランシーバー速度のアップグレード、部品の歩留まりと不足を追い、NPO、CPO、OCS、scale-inアーキテクチャーを将来の需要および付加価値のドライバーとして評価している。
手法メモ
AI光ネットワーク製品と主要部品の需給評価。
報告書は、強いAIデータセンター需要とレーザー、EML/PDチップ、DSP、PCB、ファイバー投入材の不足を結び付け、出荷制約とサプライヤーの優位性を説明している。
AIネットワーク需要がトランシーバー、部品、材料、ファイバー、装置に伝播する構造。
Nomuraは、技術アップグレードとボトルネックが光通信サプライチェーンの各ポジションに与える影響を、上流での国内代替の可能性も含めて評価している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Zhongji InnoLight (300308 CH / 3308 HK)選好する高性能光トランシーバーおよびNPOソリューション提供企業。
- 強み
- Nomuraは既存の1.6Tトランシーバーメーカーがサプライチェーン管理で優位にあるとみており、InnoLightを主導的な既存メーカーとして明示している。
- 比較
- Accelinkとともに選好する光ネットワーキング・サプライヤーに挙げられている。
- リスク
- 部品不足が高性能製品の出荷を制限する可能性がある。
- Accelink (002281 CH)選好する高性能光トランシーバーおよびNPOサプライヤー。
- 強み
- scale-upネットワーク向け6.4T NPOソリューションを展示した。
- 弱み
- NPOの標準化と商業化はなお不確定である。
- 比較
- 光トランシーバー、NPO、OCSの技術経路にまたがって競合する。
- リスク
- 初期NPOでの価値獲得は、大手グローバルAI顧客からの受注確保に左右される。
- TFC (300394 CH)選好するNPO/CPO部品メーカー。
- 強み
- Nomuraによれば、トランシーバー/部品分野ですでに主導的地位にある。
- 比較
- AIデータセンター光ネットワーク需要に位置付けられた国内部品企業群の一社。
- リスク
- 高性能部品の制約が製品出荷を抑制する可能性がある。
- YOFC (6869 HK)選好する高性能AIデータセンター向けファイバーおよびファイバーコネクター・メーカー。
- 強み
- マルチコアおよび中空コアファイバーのメーカーとして挙げられている。
- 比較
- 他の国内ファイバーサプライヤーとともに上流ファイバー機会に関与する。
- リスク
- マルチコアファイバーと高精度フェルールは潜在的なサプライチェーンのボトルネックである。
- Shenzhen T&S (300570 CH)選好する高性能AIデータセンター向けファイバーおよびファイバーコネクター・メーカー。
- 強み
- Nomuraが光ネットワーク上昇局面の選好受益者に含めている。
- 比較
- YOFCとともに高性能AIデータセンター向けファイバーおよびコネクターへのエクスポージャーを持つ。
- Coherent (COHR US)液晶OCSソリューション提供企業の例。
- 強み
- CIOE 2026で液晶OCSのアプローチを展示した。
- 弱み
- OCSアーキテクチャーは依然として分散している。
- 比較
- 液晶方式はAccelinkのMEMS-based OCS、TaclinkのシリコンフォトニクスOCSとは異なる。
- リスク
- OCSの商業化にはサプライチェーンのさらなる進展が必要である。
- NVIDIA (NVDA US)scale-in AIネットワーク概念のアーキテクチャー推進企業。
- 強み
- scale-inネットワークはBlueField-4を使用し、Spectrum-X Ethernetで接続されると説明されている。
- 比較
- scale-inはscale-up、scale-out、scale-acrossに加わるAIネットワーキングの柱として提示されている。
- リスク
- 需要への影響は、企業でのAI factoriesの広範な採用に依存する。
主要データ
- CIOE 2026への参加9-10 September 2026Nomuraは深圳でフォーラムに参加し、数十社と面談した。
- 主流トランシーバー速度1.6Tscale-outネットワークの主流製品と位置付けられている。
- 次世代トランシーバー速度2.4T / 3.2T400G-per-lane時代に大きな技術課題に直面する。
- CW laserとEML/PDの状況70mW CW laser and 100G EML/PDすでに量産され、800Gトランシーバー出荷の成長を支えている。
- OCS市場売上高予測Over USD2bn in 2026; over USD8bn by 2030ECigna AIのプレゼンテーションから引用。
影響と示唆
Nomuraの結論は、1.6T需要が部品制約の下で拡大する中、確立された技術、サプライチェーン管理、顧客関係を持つサプライヤーに有利である。報告書はまた、上流の材料、レーザー、装置での国内代替、およびNPO/CPO、OCS、scale-inネットワークを、AIネットワークのアーキテクチャー進化に伴い戦略的重要性を持ち得る分野としている。
リスク
- 100mW-plus CW laserおよび200G EML/PDチップの歩留まり改善が遅れれば、1.6TトランシーバーとNPO製品の需給ギャップが残る可能性がある。
- 3nm DSP、mSAP PCB、マルチコアファイバー、高精度フェルールを含む高性能部品の不足は、高性能トランシーバーの出荷を予想より低くする可能性がある。
- NPOとOCSのアーキテクチャーはなお分散しており、より広範な商業化を遅らせる可能性がある。
注目点
- 光材料、レーザー、装置分野における国内代替の進展。
- NPOとCPOの浸透、および業界標準の出現。
- OCSの商業化とscale-up・scale-outネットワークでの採用。
- scale-inネットワークの発展と企業によるAI factoriesの採用。
- 高性能レーザー、EML/PDチップ、DSP、PCB、マルチコアファイバーの歩留まり改善と供給状況。