マクロ:強気のUSDスタンスは中立化したが、円介入は依然としてグローバルなキャリー取引テーマを崩していない
米国データの弱含みを受け、J.P.モルガンは低金利G10通貨に対するUSDロング推奨を終了し、USDレンジの縮小と短期的なFedプライシングへの継続的な感応度を予想している。今回の円介入によるクロスマーケットへの影響は2024年より弱いとみており、年末USD/JPY目標値164を維持し、キャリー取引には前向きな見方を保っている。
要約
米国データの弱含みを受け、J.P.モルガンは低金利G10通貨に対するUSDロング推奨を終了し、USDレンジの縮小と短期的なFedプライシングへの継続的な感応度を予想している。今回の円介入によるクロスマーケットへの影響は2024年より弱いとみており、年末USD/JPY目標値164を維持し、キャリー取引には前向きな見方を保っている。
- 弱い米国雇用・インフレデータが連続した後、低金利G10通貨に対するUSDロング・バスケットは小幅な損失でクローズされた。
- USDは引き続き短期的なFed予想を密接に追随しており、9月FOMCのプライシングと米国CPIが主要な短期変数となっている。
- 日米協調の円買いは、こうした行動への米国参加として1998年以来初めてとなったが、レポートは年末USD/JPY目標値164をなお維持している。
- 今回のキャリー取引のドローダウンは主に円クロスに限定され、2024年に見られたシステミックなレバレッジ解消は生じていない。
- 2026年のより力強いグローバル成長、日銀のサプライズ利上げ不在、政治ボラティリティの低下は、波及効果の抑制に寄与するはずである。
- 新興国FXは全体としてオーバーウェイトを維持するが規模は縮小しており、ラテンアメリカはオーバーウェイト、EMEAは市場ウェイト、アジアはアンダーウェイトである。
レポート解説
概要
本週次レポートは、弱い米国データ後のUSD見通し、2026年の円介入と2024年の介入の類似点・相違点、そしてグローバルなキャリー取引が底堅さを維持できるかに焦点を当てている。短期的なUSD上昇余地は狭まったとみて強気のUSD推奨を終了する一方、介入は円の需給を根本的に変えず、広範なレバレッジ解消も引き起こしていないため、キャリーがより高い確信度を持つ戦略テーマとして残ると考えている。
主要見解
レポートはまず、5月以降維持してきた強気のUSD推奨を中立へ変更する。米国データの改善とFed予想の再プライシングは、それまで実質利回りを約100bp押し上げ、USDロングを支えてきたが、過去1カ月間、USDは一貫してレンジを上抜けられなかった。確信度が低下した理由として、軟調な非農業部門雇用者数とインフレの発表が2回連続したこと、米国・イラン紛争の一時的な緩和、グローバル成長改善の兆候、米国債長期ゾーンに対するUSDのネガティブな感応度の再燃、日米協調のFX介入という5点を挙げている。USDに対する小幅な強気バイアスは維持するが、レンジは縮小し得ると判断し、低金利G10通貨に対するUSDロング・バスケットを小幅な損失でクローズして、リスク予算をキャリー取引に再配分する。 USDの見通しは引き続きデータと短期的なFedプライシングへの依存度が高い。限定的なフォワードガイダンスと依然懸念されるインフレの下で、2026年後半の金利プライシングは引き続き変動しやすい可能性があると指摘する。DXYは9月FOMCのプライシングと密接に連動している一方、USDは2年・30年カーブのスティープ化と逆相関し、5年・30年カーブの形状に対する感応度も再び高めている。従って、方向性としての強気USDポジションを外した後も、米国CPIなどがFed予想に及ぼす影響は短期的なUSD変動を引き続き左右し得る。 円については、今回の協調介入は1998年以来初めて米国が円買いに参加したものであり、ワシントンが過度な円安を抑える取り組みを予想以上に支援する意向を持つことを示す。介入はUSD/JPYではなくEUR/JPYを通じて実施されたように見え、これは広範なUSD安を狙うよりも、日本による円安定化の支援と整合的であるとみている。この事象は日本当局がUSD/JPYの160超を過度な円安と見なしていることも示す。共同介入はUSD/JPY予想の上振れリスクを低下させるが、円安の論拠を根本的に変えてはいないと考え、年末目標値164を維持している。 レポートは日本が利用可能な他の手段も評価している。FedのFIMAレポファシリティは一時的なUSD資金を提供できるが、FX介入向けに設計されたものではなく、日本の財務省が従来利用してきた恒久的な資金源を代替できない。2026年の日本の累積介入額は既に2024年を大きく上回っており、従来手段への制約を増しているが、財務省は満期を迎える外貨準備資産からなお現金を創出できる。そのため、大規模な米国債売却やFIMAへの大幅な依存までには、市場が想定するより距離がある可能性がある。協調介入、FIMA、GPIFの資産配分調整に市場の注目が集まるのは、当局が日銀の利上げ加速に代わる選択肢を模索していることを反映する。これらの手段はいずれも短期的に円の需給を大きく変える可能性は低いとみており、日銀予想には現在、2027年の1回の利上げが含まれている。 キャリー取引に対する介入の実際の影響は、市場が恐れたよりかなり小さい。原油価格の急落、テクノロジー株の調整、株式ボラティリティ、1998年以来初の日米協調円買いの中でも、キャリーのドローダウンは限定的で、主として円クロスにとどまった。高金利通貨は概ね底堅く、広範なFXボラティリティの上昇も2024年より弱かった。円の貿易加重指数の上昇も比較的限定的だった。クロスアセット比較では、円高の経路はこれまで2024年と似ているが、他市場へのネガティブな波及は小さい。このため、グローバル・キャリー・バスケットを中核的かつ高確信度のテーマとして引き続き扱う。 2024年と比べると、今回の局面にもいくつか同様の脆弱性がある。両方の介入は大幅なUSD下落後に生じた。2026年の行動は、FOMCがDXYを-1.3標準偏差下落させた翌日に起こり、その後、非農業部門雇用者数の発表後にUSDはさらに下落した。2024年には、円が中間的なピークに達したのは最初の介入から約1カ月後であり、USD/JPYは最終的に140まで下落した。したがって、現在の円高が終了したと仮定すべきではないと警告する。両介入前には、米国2年債利回りが安値から約80bp上昇しており、円への圧力となる一方でキャリーを支えた。利回りが急落する場合はベースケースではないが、その場合には円調達取引のレバレッジ解消がさらに進む可能性がある。 ポジショニングも共通のリスクである。東京金融取引所のデータは、2026年の円ショートが2024年よりクリーンであることを示すが、CFTC指標は同程度の円ショートを示している。他の先物指標も、介入とFOMC前にキャリーのポジショニングが集中していたことを示し、USDは両局面の前にロングに傾いていた。従って、新たなショックがキャリー・ポジションのさらなる巻き戻しを強いる可能性があり、現在の限定的な波及効果によって投資家が混雑を見過ごすべきではないと考える。 ただし、2026年には2024年型のシステミックなレバレッジ解消を抑え得る3つの重要な相違点がある。第1に、2024年には日銀が介入後に予想外の利上げを実施し、金融環境の引き締まりとクロスアセット・ボラティリティを増幅したが、今回は最初の介入から24時間以内に日銀は利上げを行わなかった。第2に、グローバル成長の基盤がより強固である。グローバル製造業PMIは4月以降52超を維持しているのに対し、2024年は概ね50超だったものの51を上回ることはなく、7月に米国労働市場が弱まると急速に低下した。第3に、政治ショックが弱い。2024年にはメキシコの政策金利は約11%で、メキシコペソは国内選挙と憲法改正の可能性に関連するポジショニング・ショックにも打撃を受けた。現在の政策金利は6.5%である。ブラジルの10月選挙を控え政治要因が定期的に為替を混乱させるものの、全体のFX市場への影響はより管理可能と判断している。 コモディティ交易条件は概してキャリーを支えるが、戦術的リスクも生む。ブレント原油の実現ボラティリティは2024年の26%から2026年には66%へ上昇した。コモディティ輸出国は平均して相対的に高金利通貨であることが多く、低金利のアジア・欧州通貨が反対側となる傾向があるため、コモディティ・ショックはある程度キャリー収益を支える。しかし、3月初旬に見られたような急激なコモディティ・ボラティリティは依然としてレバレッジ解消を引き起こしており、地政学的紛争とコモディティ・ボラティリティの突然の急騰は一時的なドローダウンを引き続き招く可能性がある。 個別戦略では、NZD、CAD、SEK、CHF、EURを含む低金利先進国通貨に対するUSDロング・バスケットをクローズしており、表ではこの取引のリターンは-0.69%となっている。CHFショート、AUD・USD・HUFロングのバスケットは継続保有しており、現在のリターンは0.27%である。CAD/MXNショートも継続し、リターンは3.60%で、トレーリング・テイクプロフィットを+2%に引き上げた。EUR/SEKおよびAUD/SEKショートはトレーリング・テイクプロフィットに達し、それぞれ1.00%と0.75%のリターンとなった。NOK/SEKコール・スプレッドは満期まで保有する。 新興国FXは全体としてオーバーウェイトを維持するが、グローバルな資金調達環境、米国・イラン紛争、8月の弱い季節性に伴うリスクのバランスを取るため、7月24日以降エクスポージャーを削減している。地域配分はラテンアメリカをオーバーウェイト、新興EMEAを市場ウェイト、アジアをアンダーウェイトとしている。キャリー収益はラテンアメリカFXの底堅さの中心であり続け、EMEAでは高キャリーを選好している。 デリバティブ部門は、米国金利を巡る不確実性が高まる中で、インプライドFXボラティリティは上昇し始めているが、マクロのテールリスクは依然として控えめに織り込まれており、全体的な環境はなおキャリーを支えるとみる。円介入によりスキューとバリアオプションのプレミアムは割高になっている。3カ月物、デルタヘッジ済みUSD/JPY ATM/25D、1×1.5レシオ・プット・スプレッドを通じて、スキュー・プレミアムの獲得を選好する。また、これまでパフォーマンスが劣後していた新興国スキューからの収益を捉えるため、3カ月物、デルタヘッジ済みUSD/MXNおよびEUR/PLN ATM/25D、1×2ベガ・ノーショナルのレシオ・コール・スプレッドも利用する。 定量モデルも、よりディフェンシブながらネットでロングのキャリー配分を支持する。グローバル・ポートフォリオ内では、実質キャリー戦略は年初来でなお2桁のリターンを生み出している。経済モメンタム枠組みにおけるUSDウェイトは-20%へ低下し、3月以来の低水準となった。取引可能な28通貨のうち、21%は有意にポジティブな成長モメンタムを示し、14%は有意にネガティブなモメンタムを示す。成長モメンタムではJPYとSEKが1位、2位であり、EURの順位は大きく改善して現在はUSDを上回る。長期REER指標では17通貨が割高、13通貨が割安とされる。新興国のバリュエーション分散はわずかに低下したが5年ぶりの高水準近辺にあり、G10のバリュエーション格差も高止まりしている。G10では、TEAMマルチファクター・ポートフォリオはAUD、NOK、JPY、そして新規追加のSEKを選好する。新興国ではBRLロングを維持する一方でCOPを減らしており、EURは複数の弱いシグナルにより順位が低い。 テクニカル・シグナルは混在している。急な双方向の動きの後、DXYは2025~2026年のレンジへ戻り、テクニカル構造は曖昧な状態にある。EUR/USDは、2025年2月安値に対応する38.2%戻しの1.134から反発しており、形成されつつあった下落モメンタムを妨げる可能性がある。EUR/GBPの反発は主要なパターン・ブレークダウンにおけるレジスタンスの下で勢いを失った。USD/JPYは154.78~155.04のサポートゾーンまで急落しており、新たな155~160の取引レンジを形成する可能性があるとしている。
分析フレームワーク
レポートはまず、米国データ、Fedプライシング、イールドカーブへの感応度に基づいてUSD見通しを調整し、その後、日米協調介入、FIMA、日本の政策手段が円の需給にどう影響するかを分析する。続いて、2024年と2026年の介入前後における為替、利回り、ポジショニング、成長、政治、クロスアセット・ボラティリティを比較し、キャリー取引のレバレッジ解消がシステミックになるかを判断する。最後に、地域配分、取引ポートフォリオ、デリバティブの相対価値、TEAMマルチファクター・モデル、テクニカル水準を組み合わせ、具体的なFX見通しを策定する。
手法メモ
円介入イベントおよび年次横断比較
レポートは2024年と2026年の最初の介入前3カ月および介入後1週間における為替、ボラティリティ、クロスアセットのパフォーマンスを比較し、政策手段の違いを用いて現在の介入の持続性と波及効果を評価している。
T.E.A.M FXマルチファクター・モデル
このモデルは実質キャリー、リスク調整後キャリー、成長予想改定、経済サプライズ、コモディティ交易条件、REERバリュエーション、防御的ボラティリティなどのシグナルを組み合わせる。通貨横断で標準化してポートフォリオ・ウェイトを決定し、シグナルは-2から+2の間に制限され、ポートフォリオは毎週火曜日にリバランスされる。
クロスセクション実質キャリー戦略
レポートは実質キャリーを通貨の1カ月フォワード・インプライド利回りからコアCPIを差し引いたものとして測定し、グローバルな通貨クロスセクションで高順位と低順位を比較することで、利回り収益とインフレ調整後の保有魅力を特定している。
長期REERバリュエーション乖離
レポートはCPIおよびPPIベースの実質実効為替レートの15年移動平均からの乖離を用いて通貨の割高・割安を判断し、G10と新興国のロング・ショート・ポートフォリオ間のバリュエーション格差を比較している。
成長モメンタムと経済サプライズの標準化
レポートは、3カ月成長予想改定の1年Zスコアや経済活動サプライズ指数などのシグナルを通貨クロスセクションに配置し、成長の相対的な改善または悪化を特定して、USDなどの通貨ウェイトを調整している。
ボラティリティ・スキューの相対価値
レポートはATMおよび25Dオプションのスキューとバリア・プレミアムを比較し、デルタヘッジ済みレシオ・スプレッドを用いて、割高または従来パフォーマンスが劣後していたと考えられるボラティリティ・リスクプレミアムの獲得を目指している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- USD弱い米国データを受け、レポートは低金利G10通貨に対するロング推奨を終了するが、小幅な強気バイアスは維持する。
- 強み
- 短期的なFedプライシングと相対的に高い金利によってなお支えられている。
- 弱み
- 直近ではレンジを上抜けられず、経済モメンタム・モデルのウェイトは-20%へ低下し、米国債長期ゾーンへのネガティブな感応度も再燃している。
- 比較
- EURの成長モメンタム順位は改善し、USDを上回っている。
- リスク
- 米国CPIまたは9月FOMCプライシングの大幅な変化により、USDボラティリティが再び増幅する可能性がある。
- JPYおよびUSD/JPY協調介入は円を支え、USD/JPYの上昇リスクを抑制するが、レポートは円安の論拠が根本的に変わっていないと考える。
- 強み
- JPYは低いバリュエーション、強い成長シグナル、日米協調介入からの支援を有する。
- 弱み
- 代替的な介入手段が短期的に需給を大きく変える可能性は低く、日本当局もより速い利上げに主として依存することには慎重である。
- 比較
- 現在の円高はこれまで2024年の経路に似ているが、他のFXおよびクロスアセット・ボラティリティへの波及はより小さい。
- リスク
- 追加介入、GPIFの調整、政策手段の変更はさらなる円高を促す可能性があり、混雑したショートも巻き戻しを加速させ得る。
- グローバル・キャリー取引方向性としてのUSDリスクを縮小した後、キャリーはレポートの取引戦略の中核となる。
- 強み
- 成長は底堅く、リスク選好環境は比較的支援的で、金利差はなお大きく、最近の複数のショックにもかかわらずドローダウンは限定的にとどまっている。
- 弱み
- 一部市場ではポジショニングが集中しており、資金調達通貨である円のボラティリティがレバレッジ解消を引き起こす可能性がある。
- 比較
- 2024年のシステミックな巻き戻しと異なり、現在のドローダウンは主に円クロスに限定されている。
- リスク
- 米国利回りの急落、継続的な円高、コモディティ・ボラティリティの急騰、新たな政策ショックがポジションの巻き戻しを強いる可能性がある。
- 新興国FX全体としてオーバーウェイトを維持するが、7月24日以降エクスポージャーは縮小している。地域別ではラテンアメリカがオーバーウェイト、EMEAが市場ウェイト、アジアがアンダーウェイトである。
- 強み
- ラテンアメリカ通貨はキャリー収益に引き続き支えられ、一部のコモディティ輸出国も交易条件の恩恵を受ける。
- 弱み
- 弱い8月の季節性、グローバルな資金調達環境、地政学的紛争が短期的な不確実性を高める。
- 比較
- ラテンアメリカの配分はEMEAとアジアを上回り、EMEAでは高キャリーへの選好を維持している。
- リスク
- 米国・イラン紛争、急激なコモディティ価格ボラティリティ、グローバルな資金調達環境の引き締まり。
- AUD、USD、HUFに対するCHFバスケットレポートはCHFショート、AUD・USD・HUFロングを維持する。
- 強み
- AUDはキャリーおよびコモディティ交易条件モメンタムに支えられている。
- 弱み
- ポートフォリオの現時点のリターンは0.27%にとどまり、マクロの安全資産需要の変化がCHFのパフォーマンスに影響し得る。
- 比較
- USDに対するクローズ済みの低金利通貨バスケットと比較して、この取引はキャリーを表現するものとして維持される。
- リスク
- リスク回避の著しい高まりはCHFを支える可能性がある。
- CAD/MXNレポートはCAD/MXNショートを維持しており、現在のリターンは3.60%である。
- 強み
- ラテンアメリカのキャリーは、MXNの底堅さの中核的な源泉と引き続き見なされている。
- 弱み
- メキシコの政策金利は2024年半ばの11%から6.5%へ低下しており、当時に比べキャリー優位性を低下させている。
- 比較
- 現在の取引は、レポートに記載された他の既存現物ポジションを上回るパフォーマンスとなっている。
- リスク
- グローバルなリスク削減、コモディティ・ボラティリティ、ラテンアメリカの政治リスクがMXNを弱める可能性がある。
- NOK/SEKオプションレポートは行使価格1.01/1.03の3カ月NOK/SEKコール・スプレッドを満期まで保有する。
- 強み
- NOKは良好なキャリーとコモディティ交易条件モメンタムを有する。
- 弱み
- SEKの成長シグナルは強まっており、最近TEAMスコアで最大の上昇を記録した。
- 比較
- NOKとSEKはいずれもモデルから一定の支援を受けており、この相対取引にはよりバランスの取れたファンダメンタルズを与えている。
- リスク
- スウェーデンとノルウェーの成長または中銀予想の相対的変化がスプレッドに影響する可能性がある。
主要データ
- 年末USD/JPY目標値164日米協調介入後も維持
- 強気USD期間中の実質利回りの変化約100bpFed予想の再プライシング期間中の上昇
- 2026年FOMC後の1日DXYショック-1.3標準偏差日本の介入はこの大幅なUSD下落の翌日に発生
- 米国2年債利回りの上昇約80bp26年第2四半期の安値からの上昇で、2024年の同時期と規模が類似
- グローバル製造業PMI4月以降52超2024年は概ね50超だったが、51を超えなかった
- ブレント原油の実現ボラティリティ66%2026年の水準。2024年は26%
- メキシコの政策金利6.5%2024年半ばは約11%
- 経済モメンタム枠組みにおけるUSDウェイト-20%3月以来の低水準
- 有意にポジティブな成長モメンタムを持つ通貨の割合21%取引可能な28通貨のうち14%は有意にネガティブ
- 長期REERバリュエーション分布割高17、割安1315年移動平均に対する長期バリュエーション指標
- USDに対する低金利通貨バスケットのリターン-0.69%レポートはポジションをクローズし、小幅な損失を受け入れることを決定
- CAD/MXNショートのリターン3.60%ポジションは維持し、トレーリング・テイクプロフィットを+2%へ調整
- CHFショート・バスケットのリターン0.27%相手通貨はAUD、USD、HUF。ポジションを維持
- USD/JPYのテクニカル・サポートゾーン154.78—155.04急落後に到達したサポート領域
- USD/JPYの潜在的な取引レンジ155—160テクニカル戦略が提示した潜在的な新レンジ
影響と示唆
レポートは、USDが一方向の強気取引から、よりデータ依存的なレンジ取引へ移行していると考えるが、これはUSDに対する全面的な弱気見通しを意味しない。日米介入はUSD/JPYの上方テールリスクを抑え、さらなる円高を生む可能性があるが、円の中期的な需給ダイナミクスを変えたり、グローバルなキャリー環境を崩したりするにはまだ不十分である。2026年には日銀のサプライズ利上げがなく、グローバル成長がより強く、政治ショックも弱いため、広範なレバレッジ解消は2024年より軽微になると予想される。したがって、戦略的焦点はUSDの方向性から、キャリー、地域間の相対価値、オプション・スキューへ移行する。
リスク
- 米国CPIまたはその他のデータが9月FOMCプライシングを大幅に変化させ、より広範なUSDボラティリティを再燃させる可能性がある。
- さらなる円高、追加の協調介入、またはその他の政策手段により、混雑した円ショートとキャリー・ポジションの巻き戻しが強いられる可能性がある。
- ベースケース外での米国利回りの急落は、円調達取引におけるレバレッジ解消を増幅する可能性がある。
- グローバルなキャリー・ポジショニングは一部市場で依然集中しており、新たなショックがより広範な清算を引き起こす可能性がある。
- 米国・イラン紛争、グローバルな資金調達環境の悪化、弱い8月の季節性が新興国FXの重しとなる可能性がある。
- コモディティ・ボラティリティの再度の急上昇が一時的なキャリーのドローダウンを引き起こす可能性がある。
- ブラジルの10月選挙を控えた政治的混乱がラテンアメリカFXに影響する可能性がある。
注目点
- 米国CPI、およびそれが9月FOMCプライシングとUSDに及ぼす影響を注視する。
- 日本の財務省による追加介入、FIMAの利用、GPIFの資産配分調整、日銀政策の変更を注視する。
- 円高がクロスからグローバル・キャリーおよびクロスアセット・ボラティリティへ波及するかを注視する。
- レポート記載のG10中銀会合は、8月11日のRBA、8月13日のノルウェー銀行、8月20日のリクスバンクであり、J.P.モルガンは3行すべてが据え置くと予想している。
- レポート記載の新興国中銀会合は、8月10日のルーマニア、8月14日のペルー、8月19日のインドネシアであり、J.P.モルガンは3行すべてが据え置くと予想している。
- ノルウェー、米国、カナダ、英国、日本のインフレデータ、およびスウェーデン、英国、オーストラリアの労働市場データを注視する。
- 現地の成長ストーリーを確認するため、英国、ユーロ圏、日本のGDPに加え、日本、ユーロ圏、英国のPMIを注視する。