European OEMs in China passenger-vehicle market レポート解説
中国国内PV小売販売量は2026年7月に1.46mn unitsとなり、前年同期比20.8%減少したが、NEVはICE車より大幅に底堅かった。欧州OEMは依然としてICEへの依存度が高い一方、MercedesのGLC EQ投入は相対的な販売押し上げ要因となった。
要約
中国国内PV小売販売量は2026年7月に1.46mn unitsとなり、前年同期比20.8%減少したが、NEVはICE車より大幅に底堅かった。欧州OEMは依然としてICEへの依存度が高い一方、MercedesのGLC EQ投入は相対的な販売押し上げ要因となった。
- 7月のPV小売販売量は1.46mn unitsで、前年同期比20.8%減少した。
- NEV普及率は65.2%に達し、ICE販売量は前年同期比40.7%減少した。
- ドイツOEMのJVの7月合計販売量の約93%は依然としてICE製品によるものだった。
- Mercedesは21,583 unitsを販売し、GLC EQは初月に1,436 unitsを寄与した。
レポート解説
概要
Goldman Sachsは、2026年7月の中国乗用車小売データと欧州OEMのJVの業績をレビューしている。市場全体の縮小は深刻なままだが、NEVが相対的に下支えし、従来型ICEへの依存がドイツブランドの重荷となる一方、MercedesのGLC EQ投入は相対的な販売押し上げ要因になったとみている。
主要見解
中国の国内乗用車小売販売量は2026年7月に1.46mn unitsとなり、前年同期比20.8%減少した一方、平均MSRPは5.2%上昇した。本レポートは、パワートレイン別の動きが大きく分かれたことから、市場減少には安定化の兆しがあると評価している。NEV販売量は953k unitsで3.5%減にとどまったのに対し、ICE販売量は508k unitsで40.7%減となった。NEV普及率は65.2%に達した。直近3カ月、6カ月、12カ月では、PV小売販売量はそれぞれ22.1%、21.1%、12.0%減少した。ICEは39.4%、31.9%、21.8%減少したのに対し、NEVは6.9%、11.1%、2.8%減にとどまった。NEV普及率は各期間で63.7%、58.7%、56.8%へ上昇した。 本レポートは、欧州OEMの弱い立場を、依然としてICE中心である製品構成と結び付けている。ドイツOEMのJVの7月合計販売量の約93%は依然としてICE製品によるものだったが、新たなBEV製品の投入が始まっている。Mercedes-Benz Carsは21,583 unitsを販売し、前年同期比13.6%減となったが、市場全体を上回った。NEV販売量は163.9%増、ICE販売量は17.8%減で、7月のシェアは前年同期比12bp上昇して1.5%となった。E-Classと新投入のGLC EQが業績を支えた。GLC EQは初月に1,436 unitsを記録し、Mercedes販売量の7%を占めた。Goldman Sachsは、このモデルを販売量の大きい中型SUVセグメントでMercedesがBEVを守るうえで重要とみる一方、投入がICE GLCの販売を前年比でほぼ同程度カニバリゼーションしたようだと指摘している。それでもMercedesの直近3カ月、6カ月、12カ月の販売量はそれぞれ32.0%、29.5%、25.7%減少し、市場シェアは1.6%、1.8%、1.8%だった。 BMWは32,814 unitsを販売し、前年同期比19.7%減となった。NEV販売量は45.3%減、ICE販売量は17.2%減で、7月のシェアは3bp上昇して2.2%となった。BMWは、旧世代NEVモデルを整理し、Q4 2026に予定されるNeue Klasse iX3の投入を控えるなか、月間10k units超を販売し続けた唯一のドイツ高級モデルとされるICE 3-Series Lへの依存が続いた。Audi/AUDIは29,900 unitsを販売し、20.5%減となった。NEV販売量は966.1%増加した一方、ICE販売量は30.4%減少し、7月のシェアは1bp上昇して2.0%となった。VWは87,550 unitsを販売し、40.0%減となった。NEVは23.7%減、ICEは42.1%減で、6.0%のシェアは192bp低下した。本レポートは、Xpengと共同開発したID.Unyx 06/07/08の7月投入を取り上げ、今後数カ月でこれら製品への市場反応を評価すべきとしている。
分析フレームワーク
本レポートは、CPCAおよび企業の小売登録データを用い、中国のPV需要をパワートレイン、価格、ならびに直近1カ月、3カ月、6カ月、12カ月の各期間で比較している。さらに欧州OEMのJVについて、販売量、市場シェア、NEV/ICE構成を比較し、モデル投入と製品構成を用いて相対的な業績を説明している。
手法メモ
パワートレイン別の小売販売量と平均MSRPの比較
本レポートは、販売量と平均MSRPを分け、さらに市場をNEVとICEに区分している。これにより、市場全体の減少が主にICEの大幅な縮小によるものであることを示している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Mercedes-Benz Cars相対的な7月の好調さは、E-Classと新型GLC EQに支えられた。
- 強み
- NEV販売量は前年同期比163.9%増加し、GLC EQは初月に1,436 unitsを販売した。
- 弱み
- 直近3カ月、6カ月、12カ月の販売量はそれぞれ32.0%、29.5%、25.7%減少した。
- 比較
- 7月の販売減少率13.6%は、PV市場全体の20.8%減より小さかった。
- リスク
- GLC EQの販売がICE GLCの販売量をカニバリゼーションする可能性がある。
- BMW brand同ブランドは、NEVポートフォリオ刷新の過程でICE 3-Series Lへの依存が続いている。
- 強み
- 3-Series Lは、月間10k units超を販売し続けた唯一のドイツ高級モデルだった。
- 弱み
- NEV販売量は前年同期比45.3%減少した。
- 比較
- 販売量が前年同期比19.7%減少したにもかかわらず、7月のシェアは3bp上昇して2.2%となった。
- リスク
- Q4 2026に予定されるNeue Klasse iX3投入に向けた移行の実行。
- Audi/AUDINEVの増加が、ICEの急減を一部相殺した。
- 強み
- NEV販売量は前年同期比966.1%増加した。
- 弱み
- ICE販売量は前年同期比30.4%減少した。
- 比較
- 7月のシェアは1bp上昇して2.0%となった。
- リスク
- 総販売量は依然として前年同期比20.5%減少した。
- VW brandVWは中国戦略の一環として、Xpengと共同開発したID.Unyxモデルを投入している。
- 強み
- 新型ID.Unyx 06/07/08モデルが7月に投入された。
- 弱み
- 7月の販売量は40.0%減少し、市場シェアは192bp低下して6.0%となった。
- 比較
- その減少率は、PV市場全体の20.8%減を大きく上回った。
- リスク
- 新しいID.Unyx製品の市場での反応はなお不確実である。
主要データ
- 中国PV小売販売量、2026年7月1.46mn units前年同期比20.8%減、平均MSRPは5.2%上昇。
- NEV小売販売量および普及率、2026年7月953k units; 65.2%販売量は前年同期比3.5%減で、ICEより大幅に底堅かった。
- ICE小売販売量、2026年7月508k units前年同期比40.7%減。
- Mercedes-Benz Cars販売量、2026年7月21,583 units前年同期比13.6%減、NEVは163.9%増、ICEは17.8%減。
- GLC EQ初月販売量1,436 unitsMercedesの7月販売量の7%を占めた。
- VW販売量、2026年7月87,550 units前年同期比40.0%減、市場シェアは192bp低下して6.0%。
影響と示唆
本レポートは、中国のNEVへの移行が市場全体の需要を下支えする一方、ICE製品への集中度が高い欧州OEMのJVへの圧力を強めていると示している。MercedesのGLC EQは初期のBEV防衛策となり、BMWの今後のiX3とVWのID.Unyx投入は重要な製品移行の動きである。
リスク
- 本レポートは、新型GLC EQがMercedesのICE GLCをカニバリゼーションする可能性を指摘している。
- BMWのNEV移行は、予定されるNeue Klasse iX3の投入に依存している。
- VWの新ID.Unyx製品は、市場での反応が不確実である。
注目点
- NEVの底堅さが中国PV市場全体の安定化を引き続き支えるかを示す月次動向。
- Mercedes GLC EQの販売量とICE GLCカニバリゼーションの程度。
- Q4 2026のBMW Neue Klasse iX3投入。
- Xpengと共同開発したVW ID.Unyx 06/07/08モデルへの市場反応。