South Korea memory pricing レポート解説
TrendForceは3Q26のPC DRAM価格予想を引き上げる一方、サーバーおよびモバイルDRAMについて前向きな前提を維持した。Goldman SachsはDRAMとNANDの自社予想が概ね一致するとし、Samsung ElectronicsとSK Hynixの買い評価を維持している。
要約
TrendForceは3Q26のPC DRAM価格予想を引き上げる一方、サーバーおよびモバイルDRAMについて前向きな前提を維持した。Goldman SachsはDRAMとNANDの自社予想が概ね一致するとし、Samsung ElectronicsとSK Hynixの買い評価を維持している。
- TrendForceは3Q26のPC DRAM価格予想を+15–20% qoqから+18–23% qoqへ引き上げた。
- サーバーDRAM価格は3Q26に+13–18% qoq上昇すると引き続き予想される。
- 顧客在庫の増加を受け、モバイルDRAMの成長率は3Q26に+8–13%へ減速すると予想される。
- 供給各社のサーバーDRAMとHBMへの生産能力配分が、2027年まで価格を支えると予想される。
レポート解説
概要
このメモリー価格トラッカーは、8月の契約価格動向と、PC、サーバー、モバイルメモリーに関するTrendForceの3Q26予想を検証している。Goldman Sachsは、自社予想が外部の価格見通しと概ね整合するとしつつ、モバイルDRAMの成長が短期的に鈍化すること、およびサーバーDRAMとHBMへの生産能力配分が継続的な支援となることを強調している。
主要見解
TrendForceは3Q26のPC DRAM価格予想を+15–20% qoqから+18–23% qoqへ引き上げ、Samsung ElectronicsとSK Hynixの平均PC DRAM価格が3Q26に17% qoq上昇するとのGoldman Sachsの予想をわずかに上回った。8月のDDR4 8GBおよびDDR5 8GBの契約価格はともに前月比2%上昇し、それぞれ$139から$142、$130から$133となった。このため、DDR5のDDR4比ディスカウントは7月と同じ6%にとどまった。 サーバーDRAMでは、8月のDDR4 64GBモジュール価格は$1,295で横ばいだった一方、DDR5 64GBモジュール価格は前月比1%上昇して$1,500となった。その結果、DDR5のDDR4比プレミアムは7月の15%から16%へ拡大した。TrendForceは3Q26のサーバーDRAM価格が+13–18% qoq成長するとの予想を維持しており、Samsung ElectronicsとSK Hynixの平均サーバーDRAM価格が18% qoq上昇するというGoldman Sachsの予想と整合する。 モバイルDRAMの見通しはより穏やかである。TrendForceは、顧客在庫の増加で調達モメンタムが一時的に弱まったため、3Q26の価格上昇率を2Q26の+70–83% qoqから+8–13% qoqへ減速すると予想している。これは、両社の平均モバイルDRAM価格が14% qoq上昇するとのGoldman Sachsの予想をやや下回る。TrendForceは4Q26に成長率がさらに+0–5% qoqへ減速すると見込む一方、供給各社がサーバーDRAMとHBMに生産能力を優先配分すると予想されるため、2027年も堅調な価格が続くとみている。 モバイルNANDでは、3Q26のeMMC/UFS 256GB契約価格が約20% qoq上昇した。Goldman Sachsはこれを、全体のNAND価格が+15–20% qoq上昇するとの自社予想と一致するとみている。DRAMとNANDを通じて、同社は最新の第三者価格データが自社予想と概ね整合していると結論付け、Samsung ElectronicsとSK Hynixの買い評価を維持している。
分析フレームワーク
Goldman Sachsは、8月の契約価格の変動とTrendForceの四半期価格予想を、Samsung ElectronicsおよびSK Hynixに対するPC、サーバー、モバイルDRAMとNANDの自社予想と比較している。また、DDR5とDDR4の価格差を用いて製品価格動向を評価し、中期的な価格見通しを、サーバーDRAMとHBMへの供給各社の生産能力配分に結び付けている。
手法メモ
製品タイプ別のメモリー契約価格トラッキング。前月比・前四半期比の変化と、DDR5対DDR4のプレミアムまたはディスカウントを含む。
レポートは、観測された契約価格とセグメント別の価格予想を用い、PC、サーバー、モバイルDRAMおよびNANDの動向をGoldman Sachsの自社前提と比較している。
メモリー価格を、需要状況、顧客在庫、供給各社の生産能力配分から評価する。
一時的なモバイル在庫圧力を調達の重しとする一方、サーバーDRAMとHBMへの生産能力配分を長期的な価格支援要因としている。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Samsung Electronics (005930.KS)DRAMとNANDの価格前提の支えを受ける、カバレッジ対象のメモリー生産企業。
- 強み
- Goldman Sachsは平均PC DRAM、サーバーDRAM、モバイルDRAM価格の3Q26上昇を予想し、買い評価を維持している。
- 弱み
- 顧客在庫の増加により、モバイルDRAMの調達モメンタムは一時的に弱まっている。
- 比較
- Goldman Sachsの平均価格前提はTrendForceと概ね一致しているが、モバイルDRAM予想はやや高い。
- リスク
- メモリー需給の大幅な悪化、スマートフォン利益率の急低下、モバイルOLED市場シェアの喪失。
- Samsung Electronics (Pref) (005935.KS)Samsung Electronicsのメモリー価格見通しに連動するカバレッジ対象の優先株。
- 強み
- Goldman Sachsは買い評価であり、優先株の普通株に対する27%のディスカウントに基づき、12カ月目標価格をW360,000としている。
- 比較
- 目標ディスカウントは、2ファクターモデルと過去1カ月間の優先株対普通株の平均ディスカウントから導出されている。
- リスク
- メモリー需給の大幅な悪化、スマートフォン利益率の急低下、モバイルOLED市場シェアの喪失。
- SK Hynix Inc. (000660.KS)DRAMとNANDの価格前提の支えを受ける、カバレッジ対象のメモリー生産企業。
- 強み
- Goldman Sachsは平均PC DRAM、サーバーDRAM、モバイルDRAM価格の3Q26上昇を予想し、買い評価を維持している。
- 弱み
- 顧客在庫が高水準にとどまるなか、モバイルDRAM価格の伸びは減速すると予想される。
- 比較
- Goldman Sachsの予想はTrendForceと概ね一致している。3Q26のモバイルDRAM予想+14% qoqは、TrendForceの+8–13%を上回る。
- リスク
- メモリー需給の悪化、技術移行の遅延、スマートフォン/PC/サーバー需要の弱さ、SamsungのHBM事業進展、AI関連設備投資の低下。
主要データ
- 3Q26のPC DRAM価格予想+18–23% qoqTrendForce予想。+15–20% qoqから上方修正。
- Goldman SachsのPC DRAM予想+17% qoqSamsung ElectronicsとSK Hynixの平均3Q26 PC DRAM価格の予想成長率。
- DDR4 8GB / DDR5 8GB契約価格$142 / $1338月に両方とも前月比2%上昇。DDR5はDDR4比6%のディスカウント。
- 3Q26のサーバーDRAM価格予想+13–18% qoqTrendForce予想。Goldman Sachsは平均サーバーDRAM価格が+18% qoqと予想。
- DDR5 64GBサーバーモジュールのプレミアム16%7月のDDR4比15%プレミアムから上昇。
- 3Q26のモバイルDRAM価格予想+8–13% qoqTrendForce予想。2Q26は+70–83% qoqで、Goldman Sachsは+14% qoqを予想。
- 4Q26のモバイルDRAM価格予想+0–5% qoqTrendForceはさらなる減速を予想。
- 3Q26のモバイルNAND契約価格成長率~20% qoqeMMC/UFS 256GB価格。Goldman Sachsの全体NAND+15–20% qoq予想と概ね一致。
影響と示唆
レポートは、PC DRAM予想の上方修正とサーバーDRAMの堅調な見通しが、広範なメモリー価格環境を支えるとみている。モバイルDRAMの在庫圧力は短期的な抑制要因と位置付ける一方、サーバーDRAMとHBMへの生産能力配分による供給規律が2027年まで堅調なメモリー価格を維持し得ると論じている。
リスク
- メモリー需給が大幅に悪化する可能性。
- 顧客在庫の増加とスマートフォン、PC、サーバー需要の弱さが、従来型メモリー需要を低下させる可能性。
- 技術移行の遅延がSK Hynixに重しとなる可能性。
- SamsungのHBM事業の進展またはAI関連設備投資の減少が、SK HynixのHBM売上高と利益を圧迫する可能性。
- Samsung Electronicsについては、スマートフォン利益率の急低下またはモバイルOLED市場シェアの喪失が下振れリスク。
注目点
- PC DRAM価格の実現が、TrendForceが上方修正した3Q26の+18–23% qoq予想に沿うか。
- サーバーDRAM価格が、予想される3Q26の+13–18% qoq成長を達成するか。
- 3Q26のモバイルDRAM減速の度合いと、4Q26に予想される+0–5% qoq成長。
- 顧客在庫水準と、サーバーDRAMおよびHBMへの供給各社の生産能力配分。
- モバイルNAND契約価格が、Goldman Sachsの全体NAND+15–20% qoq予想に対してどう推移するか。