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レポート解説Hilo Research

マクロ:日本のFY2027年度一般会計予算要求は130兆円を超える可能性、国債費要求は36.6兆円へ上昇

野村は、FY2027年度の予算要求総額が一般会計歳出の139.5兆円という推計に達する、またはそれを上回っても不思議ではないとみている。特別会計で別途管理される項目を含めると、比較可能な数値は141.5兆円となる。国債費要求と年末に調整される可能性のある想定金利が、最終総額に影響する主要変数である。

機関野村證券株式会社
企業日本 FY2027年度一般会計予算要求
業界マクロ

要約

野村は、FY2027年度の予算要求総額が一般会計歳出の139.5兆円という推計に達する、またはそれを上回っても不思議ではないとみている。特別会計で別途管理される項目を含めると、比較可能な数値は141.5兆円となる。国債費要求と年末に調整される可能性のある想定金利が、最終総額に影響する主要変数である。

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  • FY2027年度一般会計の予算要求総額は130兆円を超える見込み。
  • 著者は一般会計歳出を139.5兆円、特別会計で別途管理される項目を含めると141.5兆円と推計している。
  • 要求総額が141.5兆円に達した場合、FY2026年度の122.4兆円から約19兆円増加する。
  • 公表済みの省庁による要求増加額の合計は約16兆円であり、最終総額が著者の推計を上回るには、残りの省庁が合計でさらに3兆円増加するだけでよい。
  • 財務省の国債費要求は36.6兆円であり、補正予算に使用される可能性がある純剰余金1.3兆円を除くと、実質的な数値は35.3兆円となる。
  • FY2027年度の想定金利は3.8%である。これが4.0%へ引き上げられた場合、本レポートは当年度の利払いが約0.2兆円増加すると推計している。

レポート解説

概要

本レポートは、省庁別要求の増加、国債費、想定金利に焦点を当て、日本のFY2027年度一般会計予算要求の潜在的な規模を分析している。野村は、未公表の大規模省庁からの要求と年末の想定金利調整を主な変数として、要求総額が著者の推計に概ね達するか、それを上回る可能性があるとみている。

主要見解

本レポートはまず、FY2027年度一般会計の予算要求総額が130兆円を超える見込みであると指摘する。著者は以前、FY2027年度の一般会計歳出を139.5兆円と推計しており、特別会計で別途管理される項目を含めると推計は141.5兆円となる。したがって、要求総額が130兆円を超えること自体は驚くべきことではなく、真の論点は最終金額が130兆円をどの程度上回るかである。要求総額が141.5兆円に達した場合、FY2026年度の要求額122.4兆円を約19兆円上回ることになる。 公表済みの省庁データに基づくと、経済産業省は特別会計を含めて7.7兆円、総務省は21.9兆円、文部科学省は8.7兆円、防衛省は8.9兆円、財務省は国債費として36.6兆円を要求している。FY2026年度の要求額と比べ、これら省庁の要求はそれぞれ5.7兆円、2.8兆円、2.6兆円、0.1兆円、4.2兆円増加しており、合計増加額は約16兆円となる。一部の省庁の数値には特別会計項目が含まれるため、比較は完全な同条件ではない。ただし、残りの省庁からの要求が前年から合計3兆円増加すれば、最終要求総額は著者の推計を上回る可能性がある。 まだ要求額を公表していない大規模省庁は、さらなる上振れ余地をもたらす。厚生労働省のFY2026年度要求額は34.8兆円、国土交通省は7.1兆円、農林水産省は2.7兆円であった。本レポートは、従来は補正予算に計上されていた国土強靱化関連支出が当初段階から要求される場合、国土交通省の要求額は2~3兆円増加する可能性があるとみる。厚生労働省の予算には社会保障支出が含まれており、これが著者の社会保障関連支出の推計に沿う場合、約0.7兆円増加する可能性がある。これらの増加を踏まえると、最終的な予算要求総額は著者の推計に概ね等しい、または上回る可能性がある。 国債費は分析の第二の中核である。財務省は国債費として36.6兆円の要求を調整している。通常、前年度の一般会計純剰余金の半分は国債償還費として要求に含まれるが、実際にはこの純剰余金は補正予算の財源となることが多く、当初予算では純剰余金に相当する国債償還費が一般に残らない。36.6兆円には、FY2025年度決算剰余金の半分に相当する1.3兆円が含まれている可能性がある。FY2026年度の第2次補正予算が編成され、この剰余金が使用される場合、実質的な国債費要求は約35.3兆円となる。 調整後の35.3兆円を用いても、純剰余金相当分を除いたFY2026年度の国債費要求31.3兆円を約4兆円上回り、FY2027年度国債費に関する著者の推計34.5兆円を0.8兆円上回る。これは、国債費項目だけでもFY2027年度予算要求の規模拡大に大きく寄与していることを示す。一方、純剰余金の使途により、要求ベースと最終的な当初予算の間で調整が生じる可能性はなお残る。 本レポートは最後に、想定金利を分析している。FY2027年度国債費に用いられる想定金利は3.8%であり、現行市場金利に1.1%ポイントを加えて算出されたとされ、想定市場金利は2.7%であることを示唆する。その後、市場金利が上昇した場合、年末に当初予算が確定する際に想定金利がさらに引き上げられ、国債費が増加する可能性がある。ただし、想定金利の上昇は、当該年度に発行される利付債に対して当年度中に支払われる利子にのみ影響するため、短期的な影響は発行残高全体には及ばない。 財務省の推計によれば、FY2027年度の想定金利が1%ポイント上昇するごとに、当年度の利払いは0.8兆円増加する。この感応度を適用し、本レポートは想定金利が3.8%から4.0%へ0.2%ポイント引き上げられた場合、FY2027年度の利払いは約0.2兆円増加すると推計している。FY2026年度にも、想定金利は予算要求段階の2.6%から当初予算段階の3.0%へ引き上げられたが、最終当初予算の国債費は一般会計剰余金を除くと要求額とほぼ同一であった。これは、金利上昇が必ずしも最終総額を機械的な感応度の全額分だけ押し上げるわけではないことを示している。

分析フレームワーク

本レポートはまず、FY2027年度歳出総額に関する著者の推計をベンチマークとして用い、次に公表済みの省庁別要求額および前年比増加額を集計し、未公表の大規模省庁による潜在的な増加を推定する。その後、日本の予算編成慣行に従い、補正予算へ振り向けられる可能性がある純剰余金を国債費要求から除外して、比較に適した実質値を作成する。最後に、財務省が提示した金利感応度を用いて、年末の想定金利調整が当年度の利払いに与える影響を評価し、FY2026年度の実際の調整経験と比較する。

手法メモ

  • (語彙外の手法)その他

    省庁別予算要求の集計および年度間の増加比較

    本レポートは、公表済みのFY2027年度省庁別要求額を集計し、FY2026年度比の増加額を算出したうえで、総最終要求額が著者の推計に達する、または上回るかを判断するため、まだ数値を公表していない省庁からどの程度の追加増加が必要かを推定している。

  • (語彙外の手法)その他

    純剰余金で調整した国債費指標

    本レポートは、前年度の純剰余金が当初予算で国債償還費として保持されるのではなく、補正予算に使われる可能性を考慮している。そのため、36.6兆円の要求額から1.3兆円を除外し、比較可能な実質値35.3兆円を導出している。

  • (語彙外の手法)その他

    想定金利の感応度分析

    本レポートは、想定金利が1%ポイント上昇するごとに当年度の利子支出が0.8兆円増加するという財務省の推計を用い、想定金利を3.8%から4.0%へ引き上げた場合の予算影響を算出している。同時に、この変更は当年度中に新規発行される利付債にのみ影響すると説明している。

主要データ

  • FY2027年度一般会計歳出の推計JPY139.5trn一般会計歳出総額に関する著者の推計
  • 拡張ベースのFY2027年度歳出推計JPY141.5trn特別会計で別途管理される項目を含む
  • FY2026年度予算要求額JPY122.4trnFY2027年度がJPY141.5trnに達した場合、増加額は約JPY19trnとなる
  • 経済産業省の要求額JPY7.7trn特別会計を含む。FY2026年度比JPY5.7trn増
  • 総務省の要求額JPY21.9trnFY2026年度比JPY2.8trn増
  • 文部科学省の要求額JPY8.7trnFY2026年度比JPY2.6trn増
  • 防衛省の要求額JPY8.9trnFY2026年度比JPY0.1trn増
  • 公表済み省庁の合計増加額約JPY16trn一部数値には特別会計項目が含まれ、完全な比較可能性はない
  • 国土交通省の潜在的増加額JPY2–3trn国土強靱化支出が当初段階から要求に含まれるかどうかに依存
  • 厚生労働省の潜在的増加額約JPY0.7trn社会保障関連支出が著者の推計に沿うことを前提とする
  • 国債費要求額JPY36.6trnFY2026年度の要求ベースからJPY4.2trn増
  • 調整後の国債費要求JPY35.3trnJPY36.6trnからFY2025年度純剰余金の半分に相当するJPY1.3trnを除外
  • 調整後FY2026年度国債費要求JPY31.3trn調整後FY2027年度数値は約JPY4trn高い
  • FY2027年度国債費に関する著者の推計JPY34.5trn調整後要求額はなおJPY0.8trn高い
  • FY2027年度想定金利3.8%2.7%の市場金利に1.1%ポイントを加えて算出されたとされる
  • 金利感応度JPY0.8trn/1 percentage pointFY2027年度の利払い増加に関する財務省の推計
  • 想定金利を4.0%へ引き上げた場合の影響約JPY0.2trnFY2027年度利払いの増加に関する本レポートの推計
  • FY2026年度想定金利の調整2.6% to 3.0%予算要求段階から当初予算段階にかけて引き上げ

影響と示唆

本レポートは、公表済み省庁からの約16兆円の増加に、国土交通省や厚生労働省など、まだ数値を公表していない省庁からの潜在的な増加が加われば、FY2027年度の予算要求総額を著者の推計近辺、またはそれ以上へ押し上げるのに十分であるとみている。国債費は重要な上昇要因だが、純剰余金の最終的な使途と年末の想定金利調整が、要求額から当初予算への転換に影響する。また、金利上昇による当年度支出への影響は、主に当年度に新規発行される利付債に限定される。

リスク

  • 年末までに市場金利がさらに上昇した場合、FY2027年度当初予算で用いられる想定金利が3.8%を上回り、国債費が増加する可能性がある。

注目点

  • 最終的な予算要求総額がJPY130trnをどの程度上回るか、またJPY139.5trnからJPY141.5trnの推計レンジに達する、または上回るかを注視する。
  • 厚生労働省、国土交通省、農林水産省を含む、まだ数値を公表していない省庁の要求額を注視する。
  • 国土強靱化支出が補正予算から国土交通省の当初段階の要求に組み入れられるかを注視する。
  • FY2025年度純剰余金のJPY1.3trnがFY2026年度第2次補正予算に使用されるかを注視する。
  • FY2027年度の想定金利が、年末の当初予算確定時に3.8%からさらに引き上げられるかを注視する。

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