US consumer products: beauty, personal care, consumer health and laundry:米国NielsenデータではL’Oréalが美容分野で加速、Henkelはランドリーでシェアを失う
Goldman Sachsの米国Nielsenによる4週間アップデートは、美容とランドリー市場の緩やかな成長と、企業間の大きな業績格差を示している。L’Oréalは数量主導で改善した一方、Henkel、Beiersdorf、Haleon、Reckittは複数の追跡カテゴリーで販売またはシェアの弱さに直面した。
要約
Goldman Sachsの米国Nielsenによる4週間アップデートは、美容とランドリー市場の緩やかな成長と、企業間の大きな業績格差を示している。L’Oréalは数量主導で改善した一方、Henkel、Beiersdorf、Haleon、Reckittは複数の追跡カテゴリーで販売またはシェアの弱さに直面した。
- 9月5日までの4週間で、米国の美容・パーソナルケア売上は2.6%増加したが、数量は2.8%減少した。
- L’Oréalの売上は3.7%増加し、L’Oréal ParisとLa Roche-Posayの32.2%増が牽引した。
- Henkelの米国ランドリー総売上は2.4%減少した一方、カテゴリーは2.4%成長しており、シェアの継続的な低下を示す。
- Nielsenはオンライン販売と美容専門店を対象外としており、企業動向を解釈するうえで重要な制約となる。
レポート解説
概要
これは、欧州消費財企業を対象とした米国Nielsen追跡チャネルのアップデートである。Goldman Sachsは、数量主導で加速したL’Oréal、軟化したBeiersdorf、広範な圧力を受けたHaleonとReckitt、そして成長する米国ランドリー市場でシェア低下が続くHenkelを強調している。
主要見解
9月5日までの4週間で、米国の美容・パーソナルケア売上は前年比2.6%増加し、数量は2.8%減、価格/ミックスは5.6%増だった。スキンケアは5.3%増で、比較対象が容易になったことを背景に前期比で加速し、ボディケアは5.5%増だった。メイクアップとヘアケアは約3%成長した。ウェルビーイングは2.7%減と引き続き弱かった。Goldman Sachsは、Nielsenが米国美容市場の約40%しか捕捉せず、米国美容の28%と推定されるオンライン販売や、追跡チャネルを上回る傾向のあるSephora、Ultaなどの美容専門店を対象外としている点を指摘している。 米国事業が売上の推定25%を占めるL’Oréalは、比較対象が厳しかったにもかかわらず、4週間で売上を3.7%伸ばした。成長は数量主導で、数量は4.0%増、価格/ミックスは概ね横ばいだった。L’Oréal Parisは8.0%増、NYXは2.2%増、La Roche-Posayは32.2%へ加速した。一方、Maybellineは数量が14.3%減少して売上が3.7%減、CeraVeは2.5%減だった。レポートは、NielsenがKérastaseなどのプレミアム製品を十分に捕捉せず、eコマースや美容専門店へのシェア移行も反映しないため、L’Oréalの報告成長率を系統的に過小評価する傾向があると述べている。 他の美容企業の結果はより弱い、またはまちまちだった。米国事業が売上の推定10%を占めるBeiersdorfは売上が6.3%減少し、数量は11.9%減、価格/ミックスは6.4%増だった。Eucerinは4.3%減、Aquaphorは1.5%増ながら減速、Niveaは3.5%減と低調が続き、Coppertoneは米国日焼け止め市場が9.8%成長する中で20.6%減少した。Unileverの米国Beauty, Wellbeing and Personal Care事業はグループ売上の推定12%を占め、価格/ミックス3.2%増を背景に売上は1.6%増だった。Doveは3.9%増、TRESémmeは0.8%増、Liquid I.V.は数量7.3%増を伴い5.3%増、Vaselineは17.7%増だった一方、Axeは数量9.1%減を伴い11.3%減少した。 コンシューマー・ヘルスのカテゴリー動向はばらついた。歯磨き粉は2.2%増、GI Careは1.3%増、外用鎮痛剤は0.8%増、義歯ケアは2.3%増だった一方、内服鎮痛剤は4.9%減、ニコチン代替は7.9%減、上気道は8.5%減、ビタミン・ミネラル・サプリメントは1.7%減、性的健康は1.3%減だった。米国売上がグループ売上の約30%を占めるHaleonは、数量1.4%減を伴い売上が2.5%減少した。歯磨き粉売上は5.7%増で、Paradontaxの18.1%増とSensodyneの5.2%増が牽引したが、上気道売上はシェア低下を伴い10%減、ニコチン代替売上は11.7%減、VMSは5%減だった。Haleonは内服鎮痛剤で売上3.9%減にもかかわらずシェアを獲得したが、GI Careでは劣後した。Goldman Sachsは、NielsenがHaleonで好調なeコマースを捕捉していない点を改めて指摘している。 Essential Homeを除くReckittの米国売上は、売上の約31%を占め、4週間でGoldman Sachs推計7.8%減少し、数量は2.1%減だった。同社は、売上が9.6%減となった乳児用ミルク、3.7%減の性的健康、18.1%減のVMS、6.8%減の家庭用クリーニング、8.3%減の食器洗浄でシェアを失った。上気道では売上が7.9%減少したにもかかわらずシェアを獲得した。家庭用品では、クリーナーおよびサプライ市場は横ばい、食器洗浄は0.7%増だった一方、ランドリーケアは2.4%増、洗剤は1.2%増だった。 米国が売上の約26%を占めるHenkelは、成長する米国ランドリー市場を下回った。ランドリー総売上は2.4%増、洗剤は1.2%増だったが、Henkelのランドリー総売上は2.4%減、洗剤売上は2.9%減となり、カテゴリーシェアの低下を示した。Allは1.0%増だったが、Persilは5.2%減、Purexは8.4%減だった。P&Gはランドリー総売上3.9%増で市場を上回り、プライベートブランドは4.3%減でシェアも低下した。レポートは、上位3社の合計シェアが75%超であり、洗剤がNielsen上の米国ランドリー市場の約60%を占めると指摘している。 レポートはカバー企業のバリュエーション枠組みも提示している。L’Oréalの€435目標株価は、7.1% WACCと2.5%のターミナル成長率を用いた1株€431のDCFと、28x P/Eによる€438の評価を50/50で組み合わせたものだ。Beiersdorfの€82目標株価は、DCF/P-E混合アプローチ85%とM&A評価15%で構成され、DCFは8.4% WACCと2%のターミナル成長率を使用する。Haleonの450p目標株価は、8.0% WACCと2.5%のターミナル成長率を用いたDCFと19x P/E評価を均等に組み合わせる。Reckittの5,600p目標株価は、DCF/マルチプル部分85%とM&A評価15%で構成される。Henkelの据え置き€75目標株価は、9.0% WACCと1%のターミナル成長率を用いたDCFと13x P/E評価を50/50で組み合わせたものだ。
分析フレームワーク
Goldman SachsはNielsenの4週間および12週間の追跡チャネルデータを用い、売上成長を数量と価格/ミックスに分解し、企業・ブランドの実績をカテゴリー成長率と比較してシェアの獲得・喪失を特定している。次に、米国の動向を各社の推定米国売上エクスポージャーに結び付け、企業別のDCF、取引マルチプル、該当する場合はM&Aに基づく目標株価フレームワークを示している。
手法メモ
Nielsenの売上成長を数量成長と価格/ミックス成長に分解する。
レポートはこの分解により、カテゴリー、企業、ブランド別に、需要または販売数量の変化と価格設定・製品ミックスの影響を区別している。
記載されたWACCおよびターミナル成長率の仮定を用いるDCF評価。
カバー企業について、レポートは将来キャッシュフローを割り引いて本源的価値を見積もり、その結果を他の評価手法と組み合わせている。
目標P/EマルチプルをQ5-Q8 EPS予想に適用する。
レポートは、記載されたP/Eの仮定を将来利益予想に適用してマルチプルベースの価値を算出し、多くの場合DCFと併用している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- L’Oréal (OREP.PA)米国追跡チャネルの売上成長加速から恩恵を受けるカバー企業。
- 強み
- 売上は3.7%増加し、L’Oréal ParisとLa Roche-Posayが主要な成長ドライバーだった。
- 弱み
- Maybellineは3.7%減、CeraVeは2.5%減。
- 比較
- 米国美容・パーソナルケア市場の2.6%成長を上回った。
- リスク
- 中国の回復、米国美容市場の減速、デジタルでのシェア低下、FXボラティリティ、消費者需要。
- Beiersdorf (BEIG.DE)米国美容市場の動向が悪化しているカバー企業。
- 強み
- Aquaphorは1.5%増とプラスを維持した。
- 弱み
- 売上は6.3%減少し、Coppertoneは米国日焼け止め市場が9.8%成長する中で20.6%減少した。
- 比較
- 米国美容市場を下回った。
- リスク
- NIVEAおよびダーマ事業の成長、ポートフォリオ実績、M&A、投入コスト、関税、FX。
- Haleon (HLN.L)カテゴリー別の実績が分化したカバー対象のコンシューマー・ヘルス企業。
- 強み
- 歯磨き粉売上は5.7%増加し、ParadontaxとSensodyneが牽引した。内服鎮痛剤でシェアを獲得した。
- 弱み
- 総売上は2.5%減少し、上気道、ニコチン代替、VMSで劣後した。
- 比較
- 歯磨き粉では市場を上回ったが、GI Careと上気道では劣後した。
- リスク
- 成長鈍化、競争、プライベートブランドまたは後発品へのダウントレード、FX、M&A、訴訟。
- Reckitt (RKT.L)米国の追跡カテゴリーで広範な販売・シェア圧力に直面するカバー企業。
- 強み
- 上気道カテゴリーが弱いにもかかわらず、同カテゴリーでシェアを獲得した。
- 弱み
- Essential Homeを除く売上は7.8%減少し、乳児用ミルク、VMS、家庭用クリーニング、食器洗浄、性的健康でシェアを失った。
- 比較
- 一部の家庭用品セグメントが緩やかに成長する中、複数カテゴリーで劣後した。
- リスク
- 新興市場のマクロ環境、ダウントレードまたは市場シェア喪失、投資判断、商品価格変動、ポートフォリオM&A。
- Henkel (HNKG_p.DE)米国ランドリーでシェアを失っているカバー企業。
- 強み
- Allブランドの売上は1.0%増加した。
- 弱み
- ランドリー総売上は2.4%減、洗剤売上は2.9%減で、PersilとPurexは低下した。
- 比較
- ランドリー総市場の2.4%成長およびP&Gの3.9%成長を下回った。
- リスク
- Consumer divisionの回復、P&GおよびL’Oréalとの競争、M&A、Adhesives Technologiesの回復力、潜在的な事業分離。
- Unilever Plc (ULVR.L)カバー対象の業界参加企業で、Not Rated。
- 強み
- Dove、Liquid I.V.、Vaselineは成長し、Vaselineは17.7%増加した。
- 弱み
- 米国Beauty, Wellbeing and Personal Careの全体成長率は1.6%で、Axeは11.3%減少した。
- 比較
- 美容・パーソナルケア市場の2.6%成長を下回った。
主要データ
- 米国美容・パーソナルケア売上成長率+2.6%9月5日までの4週間;数量-2.8%、価格/ミックス+5.6%。
- L’Oréal米国追跡売上成長率+3.7%4週間;数量+4.0%、価格/ミックスは概ね横ばい。
- La Roche-Posay売上成長率+32.2%米国追跡売上の4週間成長率。
- Beiersdorf米国追跡売上成長率-6.3%4週間;数量-11.9%、価格/ミックス+6.4%。
- Haleon米国追跡売上成長率-2.5%4週間;数量-1.4%。
- Essential Homeを除くReckitt米国売上-7.8%4週間に対するGoldman Sachs推計;数量-2.1%。
- 米国ランドリー総売上成長率+2.4%4週間;洗剤売上は1.2%増。
- Henkel米国ランドリー総売上成長率-2.4%4週間で、カテゴリー成長に対するシェア低下を示す。
影響と示唆
このアップデートは、一律の消費財トレンドではなく、米国の需要と競争上の位置付けが分化していることを示している。Goldman SachsはL’Oréalの相対的なモメンタムとHenkelのランドリーでの劣後を強調する一方、特にeコマースと美容専門店におけるチャネル捕捉の欠落により、Nielsenの結果が企業の報告成長を完全には示さない可能性があると指摘している。
リスク
- L’Oréalについて、Goldman SachsはDaigou政策変更後の中国の回復の鈍化、米国美容市場の減速、デジタルでのシェア低下、FXボラティリティ、消費者需要の弱さをリスクとして挙げている。
- Beiersdorfについて、記載されたリスクはNIVEA、ダーマ事業、ポートフォリオの成長変化、M&Aの結果、投入コストのインフレ、関税、FXである。
- Haleonについて、記載されたリスクは成長または価格設定の下振れ、競争激化、プライベートブランドまたは後発品へのダウントレード、FX、M&A、訴訟である。
- Reckittについて、記載されたリスクは新興市場のマクロ環境、ダウントレードまたは市場シェア喪失、投資判断、商品価格変動、価値創造的または価値破壊的なM&Aである。
- Henkelについて、記載されたリスクはConsumer divisionの予想を上回る改善、競争圧力の緩和、価値増加的なM&A、Adhesives Technologiesの底堅い実績、価値を解放し得る事業分離である。
注目点
- スキンケアとボディケアが米国美容市場の成長を支え続けるか、ウェルビーイングの弱さが継続するか。
- L’Oréalの数量主導のモメンタム、とりわけL’Oréal ParisとLa Roche-Posayが持続するか。
- BeiersdorfがNivea、Eucerin、Coppertoneの動向を安定化できるか。
- HaleonとReckittが低調なコンシューマー・ヘルスカテゴリーでシェアを回復できるか。
- Henkelのランドリーおよび洗剤売上の動向が、市場およびP&G対比で改善するか。
- eコマースと美容専門店の実績が、Nielsenが追跡する実店舗チャネルとどのように異なるか。