US Conviction List - Directors' Cut レポート解説
9月更新は、概ねレンジ内の市場にもかかわらず、幅広い利益の強さが米国株を引き続き支えると論じる。Vertex PharmaceuticalsはInteractive Brokersに代わり、Goldman Sachsが選定した23の差別化されたBuy recommendationsに加わった。
要約
9月更新は、概ねレンジ内の市場にもかかわらず、幅広い利益の強さが米国株を引き続き支えると論じる。Vertex PharmaceuticalsはInteractive Brokersに代わり、Goldman Sachsが選定した23の差別化されたBuy recommendationsに加わった。
- VRTXを追加しIBKRを削除。IBKRは引き続きBuy-ratedであり、リスト変更は必ずしもアナリスト評価変更を意味しない。
- リストの12カ月目標株価上昇余地の中央値は27%、FY2 revenue growthの中央値は6%。
- Goldman Sachsによれば、S&P 500の中央値企業は2Q26に14%のEPS成長を達成し、指数は年初来12%上昇したにもかかわらず20x next-twelve-month P/Eにとどまった。
- レポートは、AI infrastructure、energy projects、financial-services efficiency programs、consumer recovery、healthcare pipeline executionにまたがる企業固有のカタリストを強調する。
レポート解説
概要
この米国Conviction Listの月次更新は、市場コメント、パフォーマンスレビュー、23のBuy-rated US stocksに関する更新後のボトムアップ投資ケースを組み合わせたものだ。Goldman SachsはVertex Pharmaceuticalsを追加し、このリストは分散ポートフォリオやテーマ配分ではなく、独立した投資アイデアを選別したものだと強調する。
主要見解
Goldman Sachsは、8月の市場の値動きが限定的だった一方で、市場のファンダメンタルズは強かったと論じる。S&P 500の上昇は月初に集中し、その後はレンジ内で推移したが、構成銘柄の中央値は2Q26に14%のEPS成長を記録した。年初に20x P/Eで取引を開始し、S&P 500が年初来12%上昇した後も20x P/Eにとどまったため、同社はバリュエーション拡大ではなく利益が株価を動かしていると結論付ける。Goldman Sachsは、利益、Fed、Treasury、Strait of Hormuz、AI、各種データを年末までの株式の経路を変え得る主な変数と位置付ける。3Q GDP trackerは8月に30bp引き上げられて2.7%となり、7月のheadline PCE inflationは3.70%だった。同社は、海峡が再開し関税圧力が後退すれば、インフレは低下すると予想している。 リストは、差別化された見方と高いリスク調整後リターンを期待する20-25銘柄を目標とする、23のBuy-rated stocksから成るボトムアップ選定である。Goldman SachsはVRTXを追加しIBKRを削除したが、これは最良の投資アイデアに関する委員会判断であり、アナリスト評価の変更ではないと明記している。リストの目標株価上昇余地の中央値は27%、FY2 revenue growthの中央値は6%で、82%の銘柄にFY2 KPIの上振れ余地がある。注目される目標株価上昇余地は、NXTの72%、CLSの69%、LOARの52%、DALの49%、AMATの46%である。8月のパフォーマンスはまちまちで、TPGは25.3%、ELは22.3%、DASHは18.1%のリターンだった一方、VIKは17.5%、DALは10.8%、CLSは9.7%、AMATは9.6%下落した。 テクノロジーとAIの投資ケースは、生産能力拡張、マネタイズ、オペレーティングレバレッジに焦点を当てる。AMATはdepositionとetch装置への支出増加の恩恵を受ける位置にあり、半導体装置の成長ガイダンスは約1,500bp引き上げられCY26で35%超となった。$670の目標株価は32xのnormalized EPS $21.00に基づく。CLSはデータセンター機器と設計の恩恵を受ける企業とされ、売上の約80%がデータセンター機器に関連し、2026年のCCS revenue growthは85%と予想される。Goldman Sachsは2027/28 EPSを約$22.47/$32.87、consensusを$19.37/$26.81と予測する。MSFTのケースはAzureのcapacityとマネタイズ、企業向けAI統合、Copilot採用の加速に基づく。6月末のpaid Copilot seatsは3,000万超で、当四半期のnet seat addsは約1,000万だった。NXTはsolar trackerからより広いpower technology platformへ移行しており、backlogは$5.5bn超、FY29までのnon-GAAP EPS CAGRは約13%を目標とする。 天然資源と産業分野では、プロジェクト実行、資本規律、循環的回復が重視される。COPは重い投資期間から収穫期へ移行するとされ、4つの成長プロジェクトと約$1bnのコスト削減・マージン改善により、$70/b WTIで2029年までに約$7bnの増分FCFを生み出す可能性がある。$146の目標株価はファンダメンタル価値とM&A theoretical valueを組み合わせたものだ。GLNGでは、floating LNG vesselsが20年契約の下で立ち上がることで、contracted EBITDAが2025年の約$260mnから2030年に約$1,200mnへ4倍超増加すると予測される。APDのコア事業回帰戦略は、より低いgrowth capexとdeleveragingにより、10%+のthrough-the-cycle EPS growthを支えると見込まれる。CWSTのケースは価格設定、synergies、地域統合に依拠し、価格設定は過去5年間で食品・エネルギーを除くCPIを平均約150bp上回り、経営陣は約$30mnのコスト機会を特定した。 金融・消費関連のケースは、効率化、より質の高い成長、マージン回復を軸とする。CFGはNIM拡大、private bankの成長、2028年までに$450mnのpre-tax run-rate benefitを目標とする「Reimagine the Bank」に支えられ、2H27に16-18% ROTCE目標レンジの下限に到達すると見込まれる。TPGは2026年と2027年の両年で約20%の前年比base management fee growth、2026年のFRE margin 47.6%が予測される。DASHは2026年に29%のrevenue growth、2027年にstock options控除後$3.2bnのfree cash flowを生むと予測され、Goldman Sachsはgroceryとretailのunit economics改善、DashPassの転換率に注目する。UPSは低マージンのAmazon volumeを高マージン顧客に置き換え、追加のコストを削減することで、2028年まで年率4%-6%のrevenue growthに戻ると見込まれる。DALは業界のcapacity discipline、premium seat growth、今後2年間で予想される300bpのmargin expansionに支えられる。 VRTXは本レポート唯一の追加銘柄である。Goldman Sachsは、cystic fibrosis、疼痛、腎疾患、血液学、CRNXの提案買収による内分泌学にまたがる、最大5つの数十億ドル規模の成長機会を見込む。$653の目標株価は8% WACCと1% terminal growth rateを使用した100% DCFに基づく。投資仮説には、11月30日のIgAN PDUFA後のpovetaciceptの迅速な立ち上がりの可能性、Journavx prescriptionsの成長、継続するCF innovation、Street modelsに含まれないpipeline programsが含まれる。その他の選定された回復・複利成長のケースには、ELのinnovation主導のrevenueとmargin回復、UNHの低収益エクスポージャー縮小後のMedicare Advantage margin回復、LOARのaerospace aftermarketとM&Aの余地、TSNのprotein demandと実行改善、最近のriver-cruise disruptionにもかかわらずVIKの高所得顧客層、価格決定力、capacity growthが含まれる。
分析フレームワーク
Goldman Sachsはまずマクロと市場環境を評価し、その後にリストのパフォーマンスと変更を検証する。セクター担当アナリストによるボトムアップのファンダメンタルズ分析を通じ、利益・キャッシュフロー予想、事業ドライバー、同業比較、カタリスト、リスクシナリオ、企業固有のバリュエーション手法を用いて銘柄を選定する。このリストは、意図的なファクター、金利、インフレ、テーマへの見方を表現するものではない。
手法メモ
株価収益率による評価
本レポートは複数のカバレッジ企業について、目標P/E倍率を予想利益に適用し、目標株価を予想利益の実現と相対評価に結び付けている。
割引キャッシュフロー評価
VRTX、COP、GLNG、DASHなどの企業について、Goldman Sachsは将来キャッシュフローを見積もり、明示された資本コストで割り引いて価値を導出する。
EV/EBITDA評価
CWST、LOAR、DAL、VIKなど、営業収益性が評価仮説の中心となる企業にEV/EBITDA倍率を用いる。
需給分析
本レポートは、半導体、エネルギー、航空、産業ガス、廃棄物サービスにおける業界capacity、需要、価格、投入コストの状況を企業利益に結び付けている。
free cash flow分析
Goldman Sachsは、COP、DASH、CSL、DAL、GLNG、VIKなどの主要ドライバーとして、cash generation、capex、leverage、buybacks、shareholder returnsを評価している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Vertex Pharmaceuticals (VRTX)Conviction Listへの新規追加。パイプラインと商業成長の機会
- 強み
- CF、疼痛、腎疾患、血液学、CRNXを通じた内分泌という、最大5つの数十億ドル規模の成長柱。
- 比較
- Goldman SachsはFY27のIgAN売上を$196mn、Visible Alpha consensusを$156mnと見込む。
- リスク
- 臨床上の後退、規制承認、商業面での実行、競争、価格または償還圧力。
- Applied Materials (AMAT)AIおよび半導体生産能力の恩恵を受ける銘柄
- 強み
- depositionとetchへのエクスポージャーが65%超で、先端logic、DRAM、advanced packagingで強い地位を持つ。
- 比較
- 高成長の装置セグメントでシェアを獲得すると予想される。
- リスク
- 輸出規制と中国系サプライヤーのシェア上昇。
- Celestica (CLS)AIデータセンター機器と設計の恩恵を受ける銘柄
- 強み
- 売上の約80%がデータセンター機器で、800G switchingで主導的な地位にある。
- 弱み
- 顧客集中度が高い。
- 比較
- Goldman Sachsは2027/28 EPSを約$22.47/$32.87、consensusを$19.37/$26.81と予測する。
- リスク
- 競争、マージン圧力、データセンター投資の減少、供給制約、ATS需要の変動。
- ConocoPhillips (COP)エネルギーのキャッシュフロー転換
- 強み
- 大型プロジェクトのパイプライン、比較的低い地政学リスクのポートフォリオ、資本還元余力。
- 弱み
- 資本集約的なプロジェクト実行。
- 比較
- Goldman Sachsは、$75/b Brentで2025-30 FCF per share CAGRを約24%、商品価格を2025年比で横ばいとした場合は約20%と見積もる。
- リスク
- 商品価格、資本支出、オペレーション実行。
- Golar LNG (GLNG)契約済みFLNGの成長と戦略的オプション価値のストーリー
- 強み
- 長期take-or-pay契約、資金手当済みのプロジェクト残高、第5から第7船の希少な造船所スロット。
- 弱み
- 成長は船舶の商業化と建設実行に依存する。
- 比較
- 契約済みEBITDAは2025年の約$260mnから2030年の約$1,200mnへ増加すると予測される。
- リスク
- プロジェクトの立ち上げと実行リスク。
- Microsoft (MSFT)企業向けAIマネタイズとクラウド効率化の恩恵を受ける銘柄
- 強み
- エンタープライズの販売網、AI統合能力、Azureのマネタイズ、加速するCopilot採用。
- 弱み
- 供給制約により、短期的なcapexとAzure成長の対応関係が読みにくくなる可能性がある。
- 比較
- Goldman Sachsは、合理的な上振れシナリオでFY28営業利益がStreetを5%上回る可能性があるとみる。
- リスク
- Copilotの実行、silicon立ち上げの長期化、予想外の投資増加、custom softwareへの移行。
- UnitedHealth Group (UNH)マネージドケアの利益サイクル回復
- 強み
- Medicare Advantageのマージン回復、ポートフォリオの縮小・再構成、コスト効率化の機会。
- 弱み
- Medicaidのマージン圧力と継続的な規制当局の精査。
- 比較
- Goldman Sachsは2028年まで平均年率17%+のEPS成長を予測し、2025年の40%減少後、2026年のadjusted EPSは約23%増加すると見込む。
- リスク
- 高いutilization、規制、utilizationに対する価格設定の不一致、過去請求をカバーする大幅な費用計上の可能性。
- Viking Holdings (VIK)プレミアムクルーズの成長と潜在的な資本還元のストーリー
- 強み
- 富裕な55歳以上の顧客層、価格決定力、カリブ海エクスポージャーの限定性、高いcapacity成長。
- 弱み
- 最近のRhineとDanubeの混乱は3Qのriver capacity cruise daysの50%超に影響した。
- 比較
- 2025-28年のcapacity CAGRは約9%、2027年は15%増と見込まれる。
- リスク
- レジャー需要の弱化、FCFの未達、レバレッジ、供給増、燃料費、天候、疾病、機械故障、地政学リスク。
主要データ
- Conviction Listの銘柄数23 Buy recommendations9月更新でVRTXを追加し、IBKRを削除。
- S&P 500の中央値EPS成長14%2Q26の前年比EPS成長率中央値。
- S&P 500のバリュエーション20x NTM P/E指数が年初来12%上昇したにもかかわらず、2026年初から不変と報告された。
- Conviction Listの目標株価上昇余地中央値27%12カ月の目標株価に基づく。
- 3Q米国GDP tracker2.7%8月に30bp引き上げられた。
- VRTX目標株価$6538% WACCと1% terminal growth rateを使用した100% DCF valuation。
- GLNG contracted EBITDA~$1,200mn by 20302025年の約$260mn比で4倍超の増加。
- COPの増分free cash flow~$7bn by 2029$70/b WTIで、4つの主要プロジェクトと約$1bnのコスト削減・マージン改善による。
影響と示唆
Goldman Sachsの中心的なメッセージは、幅広い利益の強さが米国株に対する選択的に建設的な姿勢を支える一方、結果は企業の実行とマクロ変数に左右されるというものだ。このリストは、利益、キャッシュフロー、マージン、プロジェクト、パイプラインの進展がconsensus expectationsに十分織り込まれていないと同社が考える機会に集中している。
リスク
- 予想を上回るインフレ経路またはFedの不確実性の高まりは、市場ボラティリティを上昇させる可能性がある。
- エネルギー、天然ガス、精製市場の結果は、引き続きStrait of Hormuzと関連する供給混乱に敏感である。
- 企業別の投資仮説は、プロジェクト、コスト計画、資本配分、製品ローンチ、資金調達、需要想定の実行に依存する。
- レポートは、Conviction Listが分散ポートフォリオではなく、ファクターやマクロのエクスポージャーを管理しようとするものでもないと明記している。
注目点
- リスト内各社の今後の利益発表と経営陣アップデート。特に3Q26決算。
- 米国のインフレデータ、Fedコミュニケーション、Treasuryのlong-end buyback効果、エネルギー輸送ルートを巡る状況変化。
- VRTXの11月30日IgAN PDUFA、2026年秋のAMKD Phase 2データ、2027年初のAMKD Phase 3 interim data、提案されたCRNX買収の完了。
- AMAT、CLS、MSFTに関するhyperscaler capex plansと、AI関連のcapacity、monetization、silicon milestones。
- GLNGの第4船のcommercializationと、2027年半ばまでの第5船FIDの可能性。
- UPS、CFG、UNHおよび他のturnaround candidatesで、margin、cost、revenue qualityの転換が実現する証拠。