China hospital equipment bidding レポート解説
Goldman Sachsは、8月の入札がプラス成長を維持し、9月と第4四半期にも勢いが続くとみている。VBPのMindrayおよびUnited Imagingへの影響は限定的と判断し、両社のBuy評価を維持した。
要約
Goldman Sachsは、8月の入札がプラス成長を維持し、9月と第4四半期にも勢いが続くとみている。VBPのMindrayおよびUnited Imagingへの影響は限定的と判断し、両社のBuy評価を維持した。
- 主要9医療機器カテゴリーの総入札額は8月に前年比5%増となった。
- 買い替え施策を背景に、CT入札は前年比15%増、MRIは前年比28%増となった。
- パンデミック期に調達された機器が更新期を迎えたことで、患者モニター入札は前年比42%増となった。
- Goldman Sachsは、Mindrayには影響対象の大型画像診断カテゴリーへのエクスポージャーがなく、United Imagingの影響対象もPET-CT、PET-MR、LINACに限られるため、VBPの影響は限定的とみている。
- MindrayとUnited ImagingはいずれもBuy評価で、12カ月目標株価はそれぞれRmb249、Rmb182である。
レポート解説
概要
本レポートは、中国病院設備の2026年8月の入札活動を追跡し、MindrayとUnited Imagingへの影響を評価している。Goldman Sachsは、総入札の成長は引き続きプラスで、調達モメンタムは継続すると予想し、VBPの両社への影響は限定的と論じている。
主要見解
Goldman Sachsによると、2026年8月の主要9医療機器カテゴリーの入札額は前年比5%増で、従来予想と整合した。買い替え施策の展開加速を主因に、CTスキャナーは前年比15%増、MRIは前年比28%増となった。パンデミック期に調達された機器が更新期に入ったことによる更新需要を主因として、患者モニター調達は前年比42%増となり、7月の25%から加速した。Goldman Sachsは、この前向きな入札モメンタムが9月と第4四半期まで続くと予想している。 カテゴリー別の動きはまちまちだった。CTの前年比成長率は7月の34%から8月の15%へ、MRIは62%から28%へ鈍化した。DSA調達は前年比21%増となり、7月の9%減から改善した。一方、内視鏡は前年比16%減で7月は5%増、超音波は11%減で7月は9%増、PET-CTは4%減で7月は427%増、DRは3%減で7月は17%増、LINACは16%減で7月は113%増だった。従って、同社の建設的な業界見通しは、全カテゴリーの一様な成長ではなく、総入札のプラス成長と主要画像診断・モニタリングカテゴリーの強さに基づく。 大型医療画像診断機器のVBPについて、Goldman Sachsは両社への影響は限定的と判断している。Mindrayは該当する大型画像診断カテゴリーにエクスポージャーがない。United ImagingのエクスポージャーはPET-CT、PET-MR、LINACに限られ、過去の省レベルVBP実施経験から、同社は値下げは緩やかで、なお市場シェアを拡大する余地があるとみている。 United Imagingの1H26売上高はRmb7.05bnで前年比17%増となり、予想に沿った。純利益はRmb897mnで前年比10%減だったが、費用率と税率の改善によりGoldman Sachs予想を上回った。FX損失を除けば、純利益は前年比9%増となる。海外売上高は54.5%増で利益率も拡大し、アジア太平洋と欧州での堅調な成長が寄与した。同社は通年の海外成長率が50%を超えると見込む。国内売上高は市場シェア上昇とともに8.5%増となり、Goldman Sachsは病院入札の回復に伴い2H26に加速すると予想する。高価格帯のDSA、放射線治療、MRI、分子画像システムが設備販売をけん引した。世界の設置台数が40,000台を超えるなか、継続サービス収益は20%増、海外サービス収益は64%増となった。液体ヘリウム価格の安定化と電子部品在庫の充足は、通年粗利益率の安定という見通しを支える。United Imagingは2026年売上高成長率20%超を見込み、コスト管理とFXヘッジを通じた大幅な収益性改善を予想している。 Mindrayの1H26売上高はRmb17.75bnで前年比6%増、純利益はRmb4.80bnで前年比5%減だったが、FX影響を除くと8%増だった。EBITマージンの上昇と実効税率の低下により、利益は予想を上回った。IVD事業は堅調で、海外売上高は20%超増、国内第2四半期の成長率は数量増により10%超となり、国内市場シェアは合計14%に達した。経営陣は、統一検査サービス政策に伴う価格圧力を数量増が相殺すると予想している。国内PMLS・画像診断部門は一桁減収だったが、海外事業はプラス成長を維持し、チャネル在庫は年末までに過去最低水準となる見通しである。APT Medicalと動物ヘルスケアを含む新規事業は急成長しており、国内成長の主力としてIVDに代わる可能性がある。国内の価格圧力にもかかわらず、Mindrayは通年国内売上高のプラス転換を目指す。同社は、およそ5%の世界市場シェアと高い費用対効果を持つ製品群が、今後10年間の二桁売上成長と世界の医療機器企業上位10社入りという長期目標を支えるとみている。 Goldman Sachsは両社のBuy評価を維持している。Mindrayについては、ヘルスケア・インフラ建設、国産代替、海外拡大の可能性、複数の成長ドライバーを挙げる。同社株は主に政策リスクにより、5年平均の予想P/Eを下回って取引されている。United Imagingについては、中国での調達回復、政府資金、市場シェア上昇、サービス関連収益比率の上昇が粗利益率改善につながる可能性を指摘する。Mindrayの12カ月目標株価Rmb249は、終端成長率2%、WACC9.5%の二段階DCFに基づく。2026年9月9日時点の株価はRmb165.2で、上昇余地は50.7%である。United Imagingの目標株価Rmb182は、割引率9%、終端成長率2%を前提とする二段階DCFに基づく。株価はRmb103.5で、上昇余地は75.8%である。
分析フレームワーク
Goldman Sachsはまず、9つの機器カテゴリーについて8月の入札額を追跡し、前年比変化を7月と比較して需要ドライバーを特定する。次に、入札トレンドとVBPエクスポージャーを、売上高、利益、海外成長、市場シェア、サービス収益、コスト投入、経営陣ガイダンスを含む企業別の事業更新に結びつける。両社の目標株価は二段階DCF評価に基づく。
手法メモ
機器カテゴリー別の病院設備入札・調達追跡
本レポートは入札額を需要指標として用い、8月と過去期間を比較し、買い替え施策と更新サイクルを設備需要のドライバーとして特定している。
二段階DCF評価
Goldman Sachsは、明示的な割引率と2%の終端成長率を用いて予測キャッシュフローを割り引き、記載された12カ月目標株価を算出している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Mindray (300760.SZ)調達回復、国産代替、海外拡大の恩恵を受けると見込まれるカバー企業。
- 強み
- 市場リーダーシップ、高い費用対効果を持つ製品、IVDの数量成長、1H26における海外売上高20%超の成長、APT Medicalと動物ヘルスケアを含む新たな成長事業。
- 弱み
- 国内PMLS・画像診断部門は一桁減収となり、国内の価格圧力は継続している。
- 比較
- Goldman Sachsは、Mindrayのおよそ5%の世界市場シェアを海外拡大の余地として指摘している。
- リスク
- VBPによる出荷価格の追加引き下げ、中国の最上位病院への浸透の遅れ、北米・欧州市場参入の困難、特許訴訟、予想外の貿易政策変更。
- United Imaging (688271.SH)中国の画像診断機器調達の回復、市場シェア拡大、サービス収益の成長から恩恵を受ける位置にあるカバー企業。
- 強み
- 1H26の売上高17%成長、海外売上高54.5%成長、高価格帯製品のモメンタム、40,000台を超える世界の設置台数、サービス収益の増加。
- 弱み
- 報告純利益はFX損失により前年比10%減となったが、これを除けば前年比9%増となる。
- 比較
- 本レポートは、中国での市場シェア上昇と100か国超への展開を挙げている。
- リスク
- チップ供給網リスク、ヘリウムを含む原材料リスク、中国のマクロ経済減速、潜在的なVBPリスク。
主要データ
- 主要9機器カテゴリーの総入札額+5% yoy in Aug-26プラス成長を維持し、Goldman Sachsの予想と整合した。
- CT調達額+15% yoy in Aug-26Jul-26の+34% yoyから低下したが、買い替え施策に支えられた。
- MRI調達額+28% yoy in Aug-26Jul-26の+62% yoyから低下したが、買い替え施策に支えられた。
- 患者モニター調達額+42% yoy in Aug-26Jul-26の+25% yoyから加速し、更新需要によるものとされた。
- United Imagingの1H26売上高 / 純利益Rmb7.05bn / Rmb897mn売上高は前年比17%増、純利益は前年比10%減。ただしFX損失を除くと前年比9%増。
- Mindrayの1H26売上高 / 純利益Rmb17.75bn / Rmb4.80bn売上高は前年比6%増、純利益は前年比5%減。ただしFX影響を除くと前年比8%増。
- Mindrayの目標株価と上昇余地Rmb249 / 50.7%Buy評価。2026年9月9日終値時点の株価はRmb165.2。
- United Imagingの目標株価と上昇余地Rmb182 / 75.8%Buy評価。2026年9月9日終値時点の株価はRmb103.5。
影響と示唆
本レポートは、調達回復、買い替え支援、更新需要が第4四半期まで中国の病院設備サプライヤーを支えると論じる。Mindrayは該当する大型画像診断VBPカテゴリーから隔離されており、United Imagingの限定的なエクスポージャーは、緩やかな値下げ見通し、市場シェア拡大の可能性、海外展開、サービス収益の増加で相殺されるとみている。
リスク
- Mindray:VBPによる出荷価格の追加引き下げ、中国の最上位病院への浸透の遅れ、北米・欧州市場参入の困難、特許関連訴訟、予想外の貿易政策変更。
- United Imaging:チップ供給網の混乱、ヘリウムを含む原材料リスク、中国のマクロ経済減速、潜在的なVBP影響。
注目点
- 中国の月次病院調達データと設備買い替え施策の進捗。
- Mindrayの新製品発売、チャネル在庫の削減、国内売上高の推移、新規事業の進展。
- United Imagingの超音波製品ラインの発売、国内入札の回復、海外成長、サービス収益構成、収益性改善。