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レポート解説Hilo Research

Asia-Pacific equity markets under higher oil prices, inflation and interest rates レポート解説

中東情勢が原油価格と利回りを押し上げ、MXAPJは0.8%下落した。Goldman Sachsは、紛争に伴う原油ショックが指数利益に約4%の累積的な下押しとなり得るとみるが、MXAPJの12カ月目標1,120を維持し、利回りの急上昇への感応度を強調している。

機関Goldman Sachs
日付20260912
業界multi-industry/asset allocation

要約

中東情勢が原油価格と利回りを押し上げ、MXAPJは0.8%下落した。Goldman Sachsは、紛争に伴う原油ショックが指数利益に約4%の累積的な下押しとなり得るとみるが、MXAPJの12カ月目標1,120を維持し、利回りの急上昇への感応度を強調している。

MXAPJの12カ月目標:現在の884に対して1,120、27%の価格変動と30%のトータルリターンを示唆。
MXAPJアジア太平洋株式Brent oilFOMCインフレ債券利回り資金フロー半導体
  • 中東の緊張再燃を受け、BrentはUS$109/bblの4カ月ぶり高値に達した。
  • 紛争開始以降の約US$30/bblの原油価格上昇は、MXAPJ利益を累計約4%押し下げる可能性がある。
  • 中国を除くアジア新興国市場ではUS$3.3bnの週間流出があり、韓国と台湾が主因だった。
  • Goldman Sachsは、米金利と原油価格が上昇する環境では、韓国、中国、日本がインド、フィリピン、インドネシアを相対的に上回ると予想している。

レポート解説

概要

このアジア太平洋戦略週報は、直近のMXAPJ下落を原油価格上昇、インフレ懸念、世界的な利回り上昇と結び付けている。マクロの伝達経路分析、地域配分見通し、バリュエーションと利益の追跡、資金フロー、今後の政策材料を組み合わせた内容である。

主要見解

MXAPJは週中に0.8%下落した。韓国は4%上昇し、タイとフィリピンは各1%上昇した一方、インドネシア、中国オフショア、香港は各3%下落した。Tech Hardware & Semiconductors、Capital Goods、Telecom Servicesがセクター上位となり、Software & Services、Consumer Retail、Propertyは下位となった。米国コアCPIが予想を上回ったことで、9月のFed利上げの市場織り込み確率は90%に上昇した。同時に、インフレと財政への懸念再燃を背景に世界の債券利回りは数十年ぶりの高水準に達した。 報告書は原油を主要な伝達経路と位置付ける。中東の緊張再燃を受け、Brentは木曜日にUS$109/bblの4カ月ぶり高値となった。Goldman Sachsの原油アナリストは、海運混乱が来年まで続くとの仮定を踏まえ、Brent予測をUS$5/bbl引き上げ、2026年末US$85/bbl、2027年US$80/bblとした。地域VARインパルスショック分析では、紛争開始以来の平均約US$30/bblの原油価格上昇が、MXAPJ利益に累計約4%の下押しとなり得る。エネルギー価格の上昇はインフレを支え、市場が追加利上げとより長期の高金利環境を織り込むなかで債券利回りを押し上げる。 金利の影響は第2の重要な懸念である。過去のFed利上げ局面はアジア株にとってマイナスであり、日本、台湾、韓国、香港など北アジア市場のアンダーパフォームが最も大きかった。Goldman Sachsは、利益の実現があればアジア株は適度な金利上昇を概ね吸収できるものの、利回りが過去の標準から1.5標準偏差超上昇すれば、流動性と市場パフォーマンスへの影響はより大きくなると論じる。もっとも、マクロモデルは相対的な差異も示す。米金利と原油・商品価格の上昇環境では、韓国、中国、日本が相対的に良好となりやすく、インド、フィリピン、インドネシアはアンダーパフォームしやすい。セクターではEnergy、Mining、Banksが通常アウトパフォームし、Telcos、Health Care、Softwareは遅れやすい。 こうした短期的圧力にもかかわらず、報告書は中期的な指数見通しを建設的に維持している。MXAPJは884で、12カ月目標は1,120であり、27%の価格上昇と30%のトータルリターンを示す。市場配分は韓国、台湾、日本をオーバーウェイト、中国、香港、インド、マレーシア、シンガポールをマーケットウェイト、オーストラリア、インドネシア、タイ、フィリピンをアンダーウェイトとした。セクター配分はCapital Goods、豪州・中国を除くBanks、Health Care、豪州・中国Banks、Tech Hardware & Semiconductorsをオーバーウェイトとした。Energyおよび複数の他セクターはマーケットウェイトで、Software & Services、Transportation、Telecom Services、Internet、Metals & Mining、Property、Retail & Durables、Utilitiesはアンダーウェイトである。 利益とバリュエーションのデータは強弱入り混じる基盤を示す。Goldman Sachsによると、利益修正指標は上方修正の持続を示すが、そのペースは鈍化している。MXAPJスコアカードでは2026E、2027EのコンセンサスEPS成長率はそれぞれ75%、25%、Goldman Sachsのトップダウン予測は72%、23%である。MXAPJの12カ月先P/Eは10.4x、24カ月先P/Eは9.0xで、それぞれの10年z-scoreは-2.4、-2.6、トレーリングP/Bは2.4xである。Tech Hardware & Semiconductorsはスコアカード上のMXAPJ比率が41%で、12カ月先P/Eは8.2x、24カ月先P/Eは7.0xだった。 流動性とイベントリスクも引き続き重要である。中国を除くアジア新興国ではUS$3.3bnの週間海外投資家流出があり、韓国-US$2.4bn、台湾-US$0.9bnが主因だった。海外投資家は直近でUS$121bnを純売りしており、3月の底以降にUS$16bnを買い入れた後の動きである。FTSE Russellの指数レビューは9月18日の引け後に実施され、APACでUS$19bn超、EMでUS$13bn超のグロス双方向フロー、純パッシブ流入はそれぞれUS$4.5bn、US$3.9bnと見込まれる。韓国のレバレッジETF資産はUS$16bnの底からUS$25bnへ回復したが、報告書は回復の主因を新規需要ではなく資産リターンとみる。台湾のレバレッジETF資産はUS$13bn近辺の高水準を維持したが、直近では利益確定の流出があった。次の重要材料は9月15日から16日のFOMC会合、9月17日の台湾中銀会合、9月18日の日本銀行会合である。

分析フレームワーク

Goldman Sachsはまず週間の市場パフォーマンスとマクロ動向を確認し、その後、原油ショックがインフレ、利回り、地域利益へ伝わる経路を追う。過去の引き締め局面との比較、地域VARショック感応度推計、多因子マクロモデルを用いて国・セクター別のエクスポージャーを比較し、利益修正、コンセンサス・バリュエーション、資金フロー、リスク指標、政策イベント日程で補完している。

手法メモ

  • 業界・産業分析フレームワーク産業チェーンの上流・中流・下流波及

    原油価格からインフレ、債券利回り、アジア太平洋株式利益への伝達

    報告書は中東の海運混乱と原油価格上昇を、インフレ、利回り上昇、金融環境の引き締まり、指数利益の悪化に結び付けている。

  • クオンツ・ファクター・ポートフォリオ理論マルチファクターモデル

    活動指標、米国実質金利、DXY、商品、地政学リスク、政策不確実性を用いる地域マクロモデル

    このモデルは、米金利と商品価格が上昇する際に、どのアジア市場・セクターがアウトパフォームまたはアンダーパフォームしやすいかを推計する。

  • その他その他

    地域VARインパルスショック分析

    報告書はVAR感応度推計を用いて、約US$30/bblの原油価格ショックによるMXAPJ利益への累積的影響を定量化している。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    フォワードP/Eバリュエーションと10年レンジおよびz-scoreの比較

    報告書はコンセンサスのフォワード利益倍率を用いて、市場とセクターのバリュエーションを歴史的文脈に置いている。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • MXAPJ
    原油価格上昇、インフレ、米国金利の影響を受ける主要な地域株式ベンチマーク
    強み
    Goldman Sachsは現在の884に対し1,120の12カ月目標を維持しており、利益上方修正も継続している。
    弱み
    紛争に伴う原油ショックは約4%の累積的な利益下押しとなり得る。
    比較
    高金利・高原油環境では、韓国と中国のエクスポージャーはインド、フィリピン、インドネシアより相対的に強いと予想される。
    リスク
    利回りが過去の標準から1.5標準偏差超上昇すれば、流動性と市場パフォーマンスを損なう可能性がある。
  • Korea
    オーバーウェイトの市場配分であり、マクロモデルでは相対的に強靭な市場
    強み
    韓国は週中に4%上昇し、Goldman Sachsは米金利と原油価格の上昇環境で相対的に良好とみている。
    弱み
    週間の海外資金流出はUS$2.4bn。
    比較
    高金利・高商品価格のシナリオでは、インド、フィリピン、インドネシアを上回ると予想される。
    リスク
    レバレッジETFのエクスポージャーは市場の浮動株の1.7%で、直近のETFフローは小幅な流出だった。
  • Tech Hardware & Semiconductors
    オーバーウェイトのMXAPJセクター
    強み
    週中のセクター・パフォーマンスを主導し、スコアカードの比率は41%、12カ月先P/Eは8.2x、24カ月先P/Eは7.0x。
    比較
    報告書はSoftware & Servicesを、米金利と商品価格の上昇局面で通常遅れやすいセクターと位置付ける。
    リスク
    より広範な金利・流動性引き締めは、引き続き地域株式パフォーマンスに関連する。

主要データ

  • MXAPJ週間パフォーマンス-0.8%韓国は4%上昇、インドネシア、中国オフショア、香港は各3%下落。
  • Brent oil priceUS$109/bbl中東の緊張再燃を受け、木曜日に4カ月ぶり高値となった。
  • Brent予測改定US$85/bbl by end-2026; US$80/bbl in 2027両予測はUS$5/bblの引き上げであり、海運混乱の継続を仮定している。
  • 原油ショックの利益影響~4% cumulative MXAPJ earnings drag紛争開始以来の約US$30/bblの原油価格上昇による推計。
  • 中国を除くアジア新興国の週間資金フロー-US$3.3bn韓国-US$2.4bn、台湾-US$0.9bnが主因。
  • MXAPJ目標1,120 versus 88412カ月目標は27%の価格変動と30%のトータルリターンを示唆する。
  • MXAPJバリュエーション10.4x forward 12-month P/E; 9.0x forward 24-month P/E対応する10年z-scoreは-2.4、-2.6。
  • FTSEリバランス資金フローOver US$19bn APAC gross two-way flows; US$4.5bn net passive inflows実施は9月18日の市場終了後に予定されている。

影響と示唆

報告書は、持続する原油混乱と利回りの急上昇を、アジア太平洋株の流動性と利益に対する主な脅威と捉える。そのなかで、モデルは韓国、中国、日本、およびEnergy、Mining、Banksの相対的な強さを示す一方、インド、フィリピン、インドネシア、Telcos、Health Care、Softwareの脆弱性を指摘する。

リスク

  • 中東の海運混乱が長引けば、原油価格が高止まりし、MXAPJ利益を圧迫する可能性がある。
  • エネルギー価格上昇はインフレを強め、より長期の高金利環境をもたらす可能性がある。
  • 利回りが過去の標準から1.5標準偏差超上昇すれば、アジア市場の流動性とパフォーマンスを実質的に弱める可能性がある。
  • 過去には、Fedの引き締めは北アジア株に特にマイナスだった。
  • 海外資金流出とレバレッジETFの利益確定は市場ボラティリティを増幅させる可能性がある。

注目点

  • 9月15日から16日のFOMC会合と経済予測概要。
  • 9月17日の台湾中銀会合と9月18日の日本銀行会合。
  • 原油価格と中東の海運混乱が続く証拠。
  • アジアの海外投資家フロー、特に韓国と台湾。
  • 9月18日の市場終了後に実施されるFTSE Russell指数レビュー。
  • 米国のインフレ、債券利回りの変動、利益修正のペース。
浙江ICP第2022035445-5号
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