China property market and top 100 developers レポート解説
上位100社デベロッパーの契約販売は2026年7月に前年比14%減、前月比39%減となった。UBSは、プレミアム物件中心の取引構成、底堅い中古取引、国有企業のシェア上昇を指摘し、CR Land、COLI、BEKEをトップピックとして維持している。
要約
上位100社デベロッパーの契約販売は2026年7月に前年比14%減、前月比39%減となった。UBSは、プレミアム物件中心の取引構成、底堅い中古取引、国有企業のシェア上昇を指摘し、CR Land、COLI、BEKEをトップピックとして維持している。
- 上位100社の契約販売は7月に前年比14%減となり、6月の前年比12%減から悪化した。
- 7月の販売は前月比39%減となり、2021-25年平均の34%減より悪かった。
- 7M26の上位100社販売は前年比16%減少した。
- 契約販売GFAは前年比29%減で、UBSはこれを主要立地・プロジェクトへの取引構成シフトと解釈している。
- 国有企業デベロッパーの7月販売は前年比横ばいで、民営デベロッパーから市場シェアを獲得し続けた。
レポート解説
概要
この中国不動産アップデートは、2026年7月の上位100社デベロッパーの販売動向と中古住宅市場の状況を分析している。UBSは一次市場の販売全般が弱含むとみる一方、プレミアム物件需要、中古取引、国有デベロッパーの一部に相対的な下支えを見出している。
主要見解
上位100社デベロッパーの契約販売は2026年7月に前年同月比14%減となり、6月の12%減から下落幅が拡大した。販売は前月比でも39%減少し、2021-25年の7月平均である34%減より悪かった。2026年最初の7カ月では、契約販売は前年比16%減だった。7月の合計はRMB196bnで、2025年7月のRMB228bn、2021年7月のRMB1,004bnを下回り、セクター全体の活動縮小が続いていることを示している。 UBSは、上位100社のGFA販売が販売額より大きく、前年比29%減となった点に注目している。同社はこの乖離を、主要立地・プロジェクトへ取引構成がシフトした証拠とみている。これは、一次市場における高級住宅プロジェクトの良好な販売消化と、住宅需要が工業利益およびポジティブな資産効果に支えられるとの従来のセクター格上げ見解と整合的だとUBSは考えている。 中古市場は、より前向きな対照を示した。7月26日の週時点で、12都市の取引量は月初来で前年比8%増だった。7月29日時点で、50都市の中古物件売出しの伸びは前年比2.2%まで鈍化し、tier-1都市の売出しは前年比11.1%減となった。UBSはこれを中古供給の減少を示す前向きなシグナルとみている。一方で、tier-1都市の賃料は6月に前年比3.1%下落し、5月の2.0%下落から悪化した。深圳は例外で、香港の賃貸市場からの需要波及に支えられ、賃料は前年比0.5%上昇したとUBSはみている。 国有企業デベロッパーは民営デベロッパーから市場シェアを奪い続けた。国有企業デベロッパーの7月の契約販売は前年比横ばいで、上位100社全体の下落を上回った。UBSのカバー対象では、7M26にCOLI、Jinmao、CR Land、CMSKの契約販売がそれぞれ前年比13%、8%、6%、5%増となった。VankeとLongforは低調で、販売はそれぞれ前年比49%、55%減少した。UBSはCR Land、COLI、BEKEをトップピックとして維持している。
分析フレームワーク
UBSは、中国の上位100社デベロッパーの月次および年初来の契約販売を前年同期・過去の季節性ベンチマークと比較し、さらに販売額とGFAの動きを対比して取引構成を評価している。加えて、一次市場データを中古取引、売出し件数、賃料指標で補完し、国有企業と民営デベロッパーの業績を比較して相対的な勝ち組を特定している。
手法メモ
契約販売額とGFA販売の比較
UBSは、GFAの下落が販売額の下落より大きいことから、取引が主要立地の高額プロジェクトへシフトしていると推測している。
株価収益率マルチプル
UBSは、COLI、CR Land、Jinmao、CR Mixc、COPHを含むカバー対象の中国不動産デベロッパーおよびマネジャーの評価にPEマルチプルを用いると述べている。
株価純資産倍率マルチプル
UBSは、カバー対象の中国不動産デベロッパーおよびマネジャーの評価にP/BVマルチプルも用いている。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- China Resources LandUBSのトップピックであり、セクターの販売動向を上回った国有デベロッパー。
- 強み
- 7M26の契約販売は6% YoY増。
- 比較
- 7M26の販売は上位100社の16% YoY減を上回った。
- リスク
- UBSが指摘する中国不動産の政策、資金調達、住宅需要のリスクにさらされる。
- China Overseas Land & InvestmentUBSのトップピックであり、セクターの販売動向を上回った国有デベロッパー。
- 強み
- 7M26の契約販売は13% YoY増。
- 比較
- 7M26の販売は上位100社の16% YoY減を上回った。
- リスク
- UBSが指摘する中国不動産の政策、資金調達、住宅需要のリスクにさらされる。
- KE Holdings中古不動産市場の活動と関連するUBSのトップピック。
- 強み
- 中古取引は堅調で、監視対象都市全体で売出し件数の伸びが鈍化した。
- リスク
- UBSが指摘するより広範な住宅市場リスクにさらされる。
- China Jinmao Holdings相対的な販売アウトパフォームを示したカバー対象の国有デベロッパー。
- 強み
- 7M26の契約販売は8% YoY増。
- 比較
- 7M26の販売は上位100社の16% YoY減を上回った。
- リスク
- UBSが指摘する中国不動産の政策、資金調達、住宅需要のリスクにさらされる。
- China Merchants Shekou相対的な販売アウトパフォームを示したカバー対象の国有デベロッパー。
- 強み
- 7M26の契約販売は5% YoY増。
- 比較
- 7M26の販売は上位100社の16% YoY減を上回った。
- リスク
- UBSが指摘する中国不動産の政策、資金調達、住宅需要のリスクにさらされる。
主要データ
- 上位100社の契約販売、2026年7月RMB196bn前年比14%減、前月比39%減。
- 上位100社の契約販売、7M26RMB1,691bn前年比16%減。
- 上位100社の販売GFA-29% YoYUBSは、販売額に比べてGFAの下落が大きいことをプレミアム物件中心へのシフトのシグナルとみている。
- 12都市の中古取引+8% YoY MTD2026年7月26日の週時点。
- 50都市の中古物件売出し+2.2% YoY2026年7月29日時点で伸びが鈍化し、tier-1都市の売出しは11.1% YoY減。
- tier-1都市の賃料-3.1% YoY2026年6月の下落率は5月の-2.0%から拡大。
影響と示唆
UBSの調査結果は、7月にデベロッパー全体の需要が引き続き弱かった一方、プレミアム物件と中古市場活動には相対的な底堅さがみられたことを示す。同レポートは、国有企業デベロッパーのシェア上昇を指摘し、CR Land、COLI、BEKEを選好エクスポージャーとして挙げている。
リスク
- 住宅需要と住宅ローン融資を制限する政府の行政政策は、中国不動産市場を圧迫する可能性がある。
- 中国デベロッパーの厳しい資金調達環境は、セクターのストレスを悪化させる可能性がある。
- 中国経済における住宅関連の成長がUBSの予想を下回る可能性がある。