China property market レポート解説
上位100デベロッパーの契約販売額は8月に前年比16.2%増となり、国有デベロッパーが主導した一方、都市レベルの販売数量は再び悪化した。Nomuraは、事前販売からの移行が財務的に厳しい民間デベロッパーの資金調達を困難にし得ると警告している。
要約
上位100デベロッパーの契約販売額は8月に前年比16.2%増となり、国有デベロッパーが主導した一方、都市レベルの販売数量は再び悪化した。Nomuraは、事前販売からの移行が財務的に厳しい民間デベロッパーの資金調達を困難にし得ると警告している。
- 上位100デベロッパーの契約販売額は8月に前年比16.2%増となり、7月の前年比-18.3%から改善した。
- 年初来の契約販売は前年比-11.5%と弱いままだった。
- CRICによると、最初の8か月の上位20デベロッパーのうち17社を国有デベロッパーが占めた。
- 主要20都市の床面積ベース新築住宅販売の伸び率は8月に前年比-7.5%へ低下した。
- Tier-1都市の販売伸び率は前年比14.3%へ強まった一方、Tier-2および低位階層の都市が再悪化を主導した。
- 民間デベロッパーは資金調達の45%を事前販売から得ており、完成販売モデルの下で苦戦する可能性がある。
レポート解説
概要
Nomuraは中国の8月の住宅販売データを検証し、デベロッパーの契約販売の見かけ上の反発は幅広い市場回復ではなく国有デベロッパーによって主導されたと判断している。また、不動産市場が事前販売から完成住宅販売へ移行する中で、民間デベロッパーの資金調達圧力が高まることを指摘している。
主要見解
Nomuraによれば、中国の上位100デベロッパーの契約販売額は8月に前年比16.2%増となり、7月の前年比18.3%減から大きく改善した。同社は月次データには変動があり得るとして、このペースの持続には懐疑的である。年初来の契約販売額は8月時点で前年比11.5%減にとどまり、月次の反発が全体的な弱さを覆したわけではないことを示している。 8月の改善は国有デベロッパーに集中した。NomuraはCRICを引用し、今年最初の8か月の上位20デベロッパーのうち17社を国有企業が占め、上位5社のSOEデベロッパーはいずれも前年比10%超の販売増を記録したと指摘する。Nomuraは、SOEデベロッパーが市場シェアを拡大すると予想している。SOEデベロッパーの強い地位は、これらの市場がSOEデベロッパー主導であるため、Tier-1都市の販売環境が相対的に良好だった理由の一部も説明する。 都市レベルのデータは、基礎的な需要の状況がより厳しいことを示している。主要20都市の床面積ベースの新築住宅販売の伸び率は、7月の前年比2.8%増から8月には前年比7.5%減へと再びマイナス化した。Nomuraによれば、この再悪化はTier-2およびそれより低い階層の都市が主導した。対照的に、Tier-1都市の販売伸び率は7月の12.8%から8月には前年比14.3%へ上昇し、デベロッパー別の契約販売データおよびこれらの市場におけるSOEの存在感の大きさと整合する。 Nomuraはさらに、事前販売モデルから完成販売モデルへの移行を評価している。この変更は、長年の住宅引渡し遅延・不履行リスクを低減するはずだとみる。ただし、デベロッパーは依然として資金調達の45%を事前販売から得ている。このため、買い手保護が改善する一方で、この移行は財務的に厳しい民間デベロッパーの資金調達を制約し、円滑な適応を難しくする可能性がある。
分析フレームワーク
Nomuraは、月次および年初来のデベロッパー契約販売データを、都市レベルの床面積ベースの新築住宅販売と比較している。次に、これらをデベロッパーの所有形態と都市階層別に分け、市場シェアの変化と、事前販売から完成販売への移行が資金調達にもたらす影響を評価している。
手法メモ
デベロッパーの契約販売と、都市レベルの床面積ベース新築住宅販売の比較
本レポートは、販売額と販売数量の指標を用いて、見出し上の反発と都市階層別の基礎的な住宅需要の弱さを区別している。
事前販売から完成販売への移行がデベロッパーの資金調達に与える影響の評価
本レポートは、住宅販売の決済慣行の変化をデベロッパーの資金源と結び付け、財務的に厳しい民間デベロッパーで移行がより困難になることを強調している。
主要データ
- 上位100デベロッパーの契約販売額の伸び率16.2% y-o-y in August7月の前年比-18.3%から改善。Nomuraはこのペースの持続に懐疑的である。
- 年初来の契約販売額の伸び率-11.5% y-o-y in August累計の数値は弱いままだった。
- 上位デベロッパーにおけるSOEの比率17 of the top 20 developers in the first eight monthsCRICによると、上位5社のSOEデベロッパーはいずれも前年比10%超の増加を記録した。
- 主要20都市の床面積ベース新築住宅販売の伸び率-7.5% y-o-y in August7月の前年比2.8%から再びマイナス化した。
- Tier-1都市の新築住宅販売伸び率14.3% y-o-y in August7月の12.8%から上昇した。
- デベロッパーの事前販売からの資金調達比率45%報告書は、完成住宅販売への移行における課題としてこの依存度を指摘している。
影響と示唆
Nomuraの分析は、SOEデベロッパーがさらに市場シェアを拡大する一方、Tier-1都市以外では市場全体の弱さが続くことを示唆する。完成販売への移行は住宅引渡しリスクを低減し得るが、より脆弱な民間デベロッパーの資金調達環境を厳しくする可能性がある。
リスク
- 財務的に厳しい民間デベロッパーは、資金調達の45%を依然として事前販売に依存しているため、完成販売モデルへの移行に苦戦する可能性がある。
- 新しい不動産モデルへの移行は、デベロッパーの資金調達を制約する可能性がある。