China Jushi:標準グラスファイバーの勢いはより長く続く可能性、2027年には高付加価値AI電子クロスが成長を牽引
Morgan Stanleyは、7628電子クロスの供給逼迫、バリューチェーン全体での極めて低い在庫、および設備拡張のボトルネックが2H26のさらなる値上げを支えるとみている。2027年以降は、low-Dk G2、low-CTE、Q-fabricなどの高付加価値AI電子クロスが中国巨石の新たな利益触媒となる可能性がある。
要約
Morgan Stanleyは、7628電子クロスの供給逼迫、バリューチェーン全体での極めて低い在庫、および設備拡張のボトルネックが2H26のさらなる値上げを支えるとみている。2027年以降は、low-Dk G2、low-CTE、Q-fabricなどの高付加価値AI電子クロスが中国巨石の新たな利益触媒となる可能性がある。
- 標準グラスファイバー価格は年初来で2倍超に上昇したが、本レポートは2H26にもさらなる上昇余地があるとみている。
- 中国巨石の在庫はわずか3.9日分で、現在充足できる受注は約80%にとどまる。
- 溶融炉、Toyota織機、加工能力、熟練労働者、顧客認証が供給を共同で制約しており、一部設備の納入リードタイムはすでに2029年まで延びている。
- Low-Dk G2、low-CTE、Q-fabricはまだ初期段階にあり、同社は2027年に実質的な進展を見込んでいる。
- 淮安の新規能力は2028—2030年にかけて段階的に立ち上がる見込みで、新規参入者が意味のある供給を確立できるのは2030年以降となる可能性がある。
- 本レポートはオーバーウェイト評価とRmb88.50の目標株価を付与しており、終値Rmb42.04から111%の上昇余地を示唆している。
レポート解説
概要
本レポートは、中国巨石の事業説明会における主要メッセージを要約し、標準グラスファイバーおよび7628電子クロスの需給、AI電子クロスの成長経路、能力拡張のペース、バリュエーションに焦点を当てている。Morgan Stanleyの中核的見解は、既存製品の価格上昇サイクルは2027—2028年まで続く可能性があり、高付加価値AI電子クロスは2027年から次の利益触媒となるというものである。
主要見解
標準グラスファイバーのサイクルの強さは、市場が当初予想したより長く持続する可能性がある。価格は年初来で2倍超に上昇したが、顧客は現在、値上げに抵抗するのではなく供給を奪い合っているため、Morgan Stanleyは2H26にもさらなる値上げ余地があると予想している。7628電子クロスの供給は特に逼迫している。AI需要は予想を大幅に上回り、電子クロス、銅張積層板、PCB全体の在庫はいずれも極めて低く、中国巨石自身の在庫もわずか3.9日分で、受注の約80%しか充足できない。したがって本レポートは、高価格にもかかわらず短期的な需給ギャップはまだ解消されていないと結論付けている。 供給の反応は2027—2028年も緩慢にとどまると予想される。制約要因には溶融炉だけでなく、Toyota織機、川下の加工能力、熟練労働者、顧客認証も含まれ、一部設備の納入リードタイムはすでに2029年まで延びている。国内製織機は歩留まりが低いため、高付加価値または薄手の電子クロス生産には依然として不適である。こうした制約は、高価格が能力拡張を促した場合でも有効な新規供給を迅速に投入することは困難であることを意味し、より長期の上昇サイクルを支える。 高付加価値AI電子クロスは次の成長ドライバーとみなされている。Low-Dk G2、low-CTE、Q-fabric製品はまだ初期段階にあるが、中国巨石は2027年に実質的な進展を見込んでいる。これらの製品では、単に低コストを追求することより歩留まりが重要であり、設備能力、蓄積されたプロセス技術、認証障壁が標準製品より重要になる。AIサーバーとPCBがより高い性能を求める中、高付加価値製品の構成比上昇は新たな利益触媒となる可能性がある。 同社の拡張戦略は規律的であり続けており、重点は総規模の拡大から高付加価値製品比率の向上へ移っている。中国巨石は現在の上昇サイクルを長期化させるため、能力を段階的に拡張する方針である。淮安の新規能力は2028—2030年にかけて漸進的に立ち上がる見込みである。高い参入障壁を考慮すると、新たな競合他社は2030年以前に意味のある供給を確立するのが困難となる可能性がある。このためMorgan Stanleyは、2027—2028年の業界見通しについて引き続き建設的である。限られた新規供給、AIおよびPCBにおける材料投入量の増加、中国におけるデータセンター建設がなお初期段階にあることが、いずれも需要を支えるはずであり、従来型ロービング価格も2027年に改善する可能性がある。 財務予測は、上記の販売量、価格、製品ミックスの前提を反映している。本レポートは、2025—2028年の1株利益をそれぞれRmb0.82、Rmb1.85、Rmb2.95、Rmb3.33と予測しており、RefinitivコンセンサスのRmb0.84、Rmb1.55、Rmb1.96、Rmb2.43と比較している。同期間の純収益はRmb18,881mn、Rmb26,736mn、Rmb33,810mn、Rmb36,315mn、EBITDAはRmb6,951mn、Rmb11,534mn、Rmb17,183mn、Rmb19,222mn、ModelWare純利益はRmb3,285mn、Rmb7,421mn、Rmb11,804mn、Rmb13,317mnと予測される。ROEはそれぞれ10.9%、23.9%、33.5%、31.8%、RNOAは9.3%、19.4%、28.8%、31.4%と予測される。 バリュエーションについて、Morgan Stanleyは中国巨石をAI関連材料株と捉え、相対バリュエーション手法を用いて2027年の利益予測に30xのP/E倍率を適用している。この倍率は関連する同業他社を下回る。2027年EPSのRmb2.95にこの倍率を適用すると、目標株価はRmb88.50となり、2026年8月21日の終値Rmb42.04から111%の上昇余地を示唆する。本レポートは、2025—2028年のP/E倍率をそれぞれ20.8x、22.7x、14.3x、12.6x、P/BV倍率を2.2x、4.8x、4.0x、3.4x、EV/EBITDA倍率を11.3x、15.3x、10.0x、8.6x、配当利回りを2.1%、1.9%、3.1%、3.5%としている。
分析フレームワーク
本レポートはまず、顧客の発注行動、価格、在庫、受注充足率に基づき、現在の需給状況を評価する。次に、溶融炉、織機、加工、労働力、認証を含む能力拡張のボトルネックを個別に分析し、逼迫した市場がどの程度継続し得るかを評価する。その後、AI電子クロス製品の進捗、歩留まり要件、同社の能力拡張計画を組み合わせ、2027—2030年の成長および供給軌道を予測する。最後に、事業前提をModelWareの財務予測に織り込み、2027年利益と30xのP/E倍率を用いて目標株価を導出する。
手法メモ
在庫、受注充足率、供給ボトルネック分析
3.9日分の在庫、約80%の受注充足率、供給を奪い合う顧客、設備の納入リードタイムといった指標を用い、本レポートは需要が有効供給を上回っていると結論付け、それに応じて価格上昇サイクルが継続する可能性を推論している。
電子クロス—銅張積層板—PCBバリューチェーンの在庫およびAI需要の伝達
本レポートは電子クロス、銅張積層板、PCB全体で低在庫を確認し、AI需要の強まりが受注、価格、7628およびより高付加価値の電子クロスの利益見通しへ伝達される過程を追跡している。
Morgan Stanley ModelWare財務予測フレームワーク
本レポートはModelWareを用いて、売上高、EBITDA、純利益、1株利益、収益性の予測を作成し、それらをRefinitivコンセンサス予想と比較している。
2027年利益に基づく相対P/Eバリュエーション
Morgan Stanleyは2027年EPSのRmb2.95に30xのP/E倍率を適用し、Rmb88.50の目標株価を導出している。同社はAI関連材料株とみなされているため、この倍率は関連する同業他社より低いとも説明されている。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- China Jushi (600176.SS, 600176 CG)標準グラスファイバーおよび7628電子クロスの需給逼迫は価格と利益を直接支え、高付加価値AI電子クロスは2027年以降の追加的な成長ドライバーとみなされている。
- 強み
- 在庫はわずか3.9日分で、同社が充足できる受注は約80%にとどまる。高付加価値製品、プロセス、認証の基盤を有し、高付加価値製品の構成比を高めるため規律的な能力拡張戦略を追求している。
- 弱み
- 溶融炉、輸入織機、加工能力、熟練労働者、認証のすべてが有効能力の投入を制約しており、高付加価値AI電子クロスはまだ初期段階にある。
- 比較
- 本レポートは同社をAI関連材料株として評価する一方、関連する同業他社を下回る30xの2027年P/E倍率を適用している。
- リスク
- 世界需要の減速、原材料価格の上昇、業界の過剰生産能力は価格と利益を弱める可能性がある。一方、予想以上に強い需要、原材料価格の低下、より多くの工場の保全停止は上振れリスクとなる。
主要データ
- 株式レーティングおよび業界見通しオーバーウェイト / 魅力的本レポートに現在示されている株式レーティングおよびグレーター・チャイナ素材業界見通し
- 目標株価、終値、上昇余地Rmb88.50 / Rmb42.04 / 111%2026年8月21日時点の終値。目標株価は2027年利益に30xの倍率を適用している
- 7628価格変動年初来で2倍超顧客は引き続き供給を奪い合っており、本レポートは2H26にさらなる値上げが生じる可能性を予想している
- 中国巨石の在庫3.9日電子クロスの供給逼迫を示す
- 受注充足率約80%同社は現在も顧客受注を完全には満たせていない
- 設備納入リードタイム2029年まで延長織機その他の設備におけるボトルネックが、2027—2028年の供給反応を制約する
- 1株利益予測Rmb0.82 / Rmb1.85 / Rmb2.95 / Rmb3.33それぞれ2025年、2026年予測、2027年予測、2028年予測に対応
- Refinitivコンセンサス1株利益Rmb0.84 / Rmb1.55 / Rmb1.96 / Rmb2.43それぞれ2025—2028年に対応
- 純収益予測Rmb18,881mn / Rmb26,736mn / Rmb33,810mn / Rmb36,315mnそれぞれ2025—2028年に対応
- EBITDA予測Rmb6,951mn / Rmb11,534mn / Rmb17,183mn / Rmb19,222mnそれぞれ2025—2028年に対応
- ModelWare純利益予測Rmb3,285mn / Rmb7,421mn / Rmb11,804mn / Rmb13,317mnそれぞれ2025—2028年に対応
- 現在の時価総額および企業価値Rmb168,292mn / Rmb178,163mn本レポートに示されている現在の時価総額および企業価値
- 希薄化後発行済株式数4,003mn本レポートに示されている現在の株式数
- 平均日次売買代金Rmb3,359mn本レポートに示されている平均日次売買代金
- 52週間株価レンジRmb77.20-12.96本レポートで示された元の順序
影響と示唆
本レポートは、供給拡張がAIおよびPCB需要の成長より緩やかに進んでおり、標準グラスファイバーおよび7628電子クロスの価格・利益上昇サイクルが2027—2028年まで続く可能性があるとみている。高付加価値AI電子クロスの進展は、2027年以降に製品ミックスと収益性をさらに高める可能性がある。段階的な能力拡張と高い参入障壁は、新規供給が本格的に現れ始めるのは2028—2030年頃になる可能性も示している。
リスク
- 上振れリスク: 市場需要が予想より強い。
- 上振れリスク: 原材料価格が下落する。
- 上振れリスク: 予想以上の工場が保全停止に入る。
- 下振れリスク: 世界需要が減速する。
- 下振れリスク: 原材料価格が上昇する。
- 下振れリスク: 業界の過剰生産能力。
注目点
- 7628電子クロスのさらなる値上げ幅と、2H26の顧客発注の強さを注視する。
- 同社の3.9日分の在庫と約80%の受注充足率が、需給ギャップの継続を示しているかを注視する。
- 2027年のlow-Dk G2、low-CTE、Q-fabricにおける実質的な進展を注視する。
- 設備納入リードタイム、顧客認証、国内織機の歩留まりが、2027—2028年の供給投入をどのように制約するかを注視する。
- 2028—2030年における淮安の新規能力の段階的な立ち上がりを注視する。
- 従来型ロービング価格が2027年に改善できるかを注視する。