AI semiconductor supply chain レポート解説
レポートは、CSP設備投資の伸びが12%にとどまる一方、2.5D先端パッケージング能力は2028年に50%成長すると予想する。より大型のAIチップと、GPU、ASIC、CPU、ネットワーキングにおける先端パッケージングの用途拡大がこの見方を支える。
要約
レポートは、CSP設備投資の伸びが12%にとどまる一方、2.5D先端パッケージング能力は2028年に50%成長すると予想する。より大型のAIチップと、GPU、ASIC、CPU、ネットワーキングにおける先端パッケージングの用途拡大がこの見方を支える。
- 2.5Dパッケージング能力全体は2028年に50%成長すると予想される。
- TSMC CoWoS能力は2028年に260kwpm、OSAT能力は110kwpmに達すると予想される。
- Intel EMIB-T能力は2028年に40-45kwpmへ上昇する可能性がある。
- 世界のCoWoS需要は2026年の1,394k wafersから2027年の2,509k wafersへ増加すると推計される。
- 2027年のAIウエハ消費額は少なくともUS$55bnと推計される。
レポート解説
概要
Morgan Stanleyは、CSP設備投資の伸びが鈍化する中でもAI半導体の成長が2028年に力強さを維持できるかを検討している。サプライチェーン調査は、より大型のチップとAI用途の拡大により、AIコンピュートチップと先端パッケージングの需要がAIインフラ支出全体を引き続き上回ることを示している。
主要見解
Morgan Stanleyの中心的な結論は、特にコンピュートチップを中心とするAI半導体設備投資が、2028年にAI設備投資全体を上回るというものだ。Morgan Stanleyの米国インターネット調査では2028年までのCSP設備投資成長率を12%と見込む一方、アジア太平洋テクノロジーチームのサプライチェーン調査は、2.5Dパッケージング能力全体が2028年に50%成長するという暫定前提を支持する。レポートは、データセンターの建屋などインフラ支出が横ばいで、メモリ価格上昇も緩やかにとどまる一方、AIコンピュートの集約度が上昇し続けるため、この乖離は可能だと論じている。 能力見通しは、AI GPU、XPU、CPU、ネットワーキングチップで2.5Dパッケージングの利用が増えることに基づく。TSMCのCoWoS能力は、2026年の130kwpm、2027年の200kwpmから2028年には260kwpmへ拡大すると予想され、Arizona AP9/10および潜在的にAP7が拡張の中心となる。Taoyuanでの試作が順調に進めば、TSMCはCoPoS能力の構築を始めると見込まれ、2028年に5-10kwpm、2029年に10-20kwpmと予想される。非TSMC陣営のCoWoS能力は2027年末の80kwpmから2028年末に110kwpmへ増えると見込まれ、ASE/SPILは50-60kwpm、Amkorは55-60kwpmが予想される。 Intelも能力見通しの一部を担う。Morgan Stanleyは、一部能力をEMIB-Tへ転換するため、EMIB-Mの平均能力が現在の110kwpmから2027年には95kwpmへやや低下するとみている。EMIB-Tは2026年の約5kwpmから2027年の15-20kwpm、2028年の40-45kwpmへ拡大すると予想される。レポートは、1枚のウエハ当たり4-5チップという前提で、この能力が2027年後半から2028年にかけてMediaTek/Google Humufishを約3mn units近く生産できる可能性を示す。サプライチェーンが適切に実行できれば、EMIB-Tは12を超えるreticlesを持つ大型チップにも対応できると指摘する。 レポートはASICの進展も用いて見通しをクロスチェックする。BroadcomのFY27売上高ガイダンスはUS$115bnで、引用されたMorgan Stanley調査によればFY28に再び倍増する可能性がある。また、Morgan Stanleyの調査では、Broadcomが支援するAIラボ顧客が2027年に約15k-30k CoWoS wafersを予約する可能性が示されている。Qualcommが発表したAWSとのASIC提携は推論向けであり、AlchipのTrainium4が学習と推論の両方を対象とすることから、Alchipへの影響は限定的とみられる。Morgan Stanleyはまた、MediaTekがNvidia NVLink Fusionを通じて2社目のAI CSPまたはAIラボ顧客を獲得する可能性が高まっており、4Q26の決定が大きな触媒となり得るとみている。 2027年需要について、Morgan Stanleyは世界のCoWoS消費量が前年比80%増の2,509k wafersへ拡大すると推計している。2026年の伸びは102%と見込まれている。AMDのCoWoS需要は2027年に前年比165%増の345k wafersと予想される。レポートは、MI455とMI450の生産がそれぞれ約500-650k unitsに達し、TSMC CoWoS-Lの予約が前年比200%増の210kになるとみる。ただし、ASEとAmkorの能力立ち上げが当初予想より遅いため、Morgan StanleyはVenice CPUの生産予測を従来の5.6mnから4.4mn unitsへ引き下げた。TSMCはVenice生産向けに約80k CoWoS-L wafersを供給する必要があり、AI GPUの能力を一部圧迫する可能性がある。 Morgan Stanleyはカスタムチップ需要の拡大も示している。Microsoft Maia 200の予約は2026年の1k CoWoS wafersから2027年の5kへ増え、約100-150k chipsを示唆すると推計される。AI HBM消費量は2027年に最大44bn Gbに達し、2026年の最大29bn Gbから増加する可能性がある。AIウエハ消費額は2027年にUS$55bnを超える可能性があり、2026年の少なくともUS$27bnと比較される。また、8月のGB200/GB300 NVL72ラック出荷の回復とCY26通年の80-85k racks予測を、Blackwell GPU消費が強まっている証拠として挙げている。
分析フレームワーク
Morgan Stanleyは、アジアのサプライチェーン調査、能力計画、ウエハ当量への換算、製品別出荷前提、クラウド設備投資の追跡、ASICガイダンスおよびラック出荷とのクロスチェックを組み合わせている。先端パッケージングの配分をチップ数量、HBM需要、ウエハ売上高推計へ換算し、AI半導体需要の規模と時期を評価している。
手法メモ
先端パッケージング能力とAIチップ需要の分析
レポートは、予想されるCoWoS、CoPoS、EMIB-T能力を予想チップ需要と比較し、パッケージング供給がAI半導体の成長を支えられるかを評価している。
AI半導体サプライチェーンのマッピング
レポートは、クラウド事業者とAIラボから、チップ設計企業、ファウンドリー、パッケージング企業、メモリ供給企業、ラック生産までの需要を追跡している。
ウエハ消費量と売上高の推計
Morgan Stanleyは、想定するパッケージング配分とウエハ当たりチップ数を、ウエハ需要および推計AIウエハ売上高へ換算している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- TSMCAI GPUおよびその他AIチップ向けCoWoS能力の中核供給者であり続けると予想される。
- 強み
- CoWoS能力は2028年に260kwpmに達し、CoPoS能力も拡張する可能性がある。
- 弱み
- Venice CPU生産を支えるために能力配分が必要となり、AI GPUの能力を一部圧迫する可能性がある。
- 比較
- 2028年の予想CoWoS能力は、OSAT企業合計で予想される110kwpmを上回る。
- リスク
- CoPoS拡張は試作成功に依存する。
- IntelEMIB-T能力の拡張は大型AIチップのパッケージングとHumufish生産を支える。
- 強み
- EMIB-Tは2028年に40-45kwpmに達し、12を超えるreticlesを持つ大型チップを支え得る。
- 弱み
- EMIB-Tへの能力転換により、EMIB-M能力は低下すると予想される。
- 比較
- TSMC CoWoSとの比較のため、能力は12インチCoWoSウエハ当量に換算される。
- リスク
- 大型チップの機会はサプライチェーンの実行に依存する。
- AMDMIシリーズGPUとVenice CPUを通じて、2027年CoWoS需要の大きな源泉となる。
- 強み
- 2027年のCoWoS消費量合計は前年比165%増の345k wafersと予想される。
- 弱み
- Venice CPU生産は4.4mn unitsと予想され、Morgan Stanleyの従来予測5.6mnを下回る。
- 比較
- AI GPU関連の生産はTSMCが担い、OSAT企業はCPUとゲーミングGPUに注力すると予想される。
- リスク
- OSAT能力の立ち上げが予想より遅い場合、Venice生産が制約される可能性がある。
- BroadcomASICガイダンスと潜在的なAIラボ受注は、カスタムAIチップ需要のクロスチェックとなる。
- 強み
- 引用されたMorgan Stanley調査によるFY27売上高ガイダンスはUS$115bnで、FY28に再び倍増する可能性がある。
- 比較
- Broadcomが支援するAIラボ需要は、2027年に15k-30k CoWoS wafersに相当する可能性がある。
- MediaTekNvidia NVLink Fusionを通じた追加AI ASIC顧客の獲得により、潜在的な受益者となる。
- 強み
- Morgan Stanleyは、2社目のAI CSPまたはAIラボ顧客を獲得する可能性が高まっているとみている。
- 比較
- MediaTek/Google Humufishは2027-28年にIntel EMIB-T能力の大部分を消費すると予想される。
- リスク
- 潜在顧客の決定には不確実性が残る。
主要データ
- CSP設備投資の成長率12%Morgan Stanley米国インターネット調査による2028年までの予測
- 2.5Dパッケージング能力全体の成長50%Morgan Stanleyによる2028年の暫定予測
- TSMC CoWoS能力260kwpm2028年予測。2026年は130kwpm、2027年は200kwpm
- 非TSMC CoWoS能力110kwpm2028年末の予想。2027年末は80kwpm
- Intel EMIB-T能力40-45kwpm2028年予測。2026年は約5kwpm
- 世界のCoWoS需要2,509k wafers2027年推計、前年比80%増
- AI HBM消費量Up to 44bn Gb2027年推計
- AIウエハ消費額At least US$55bn2027年推計
影響と示唆
レポートは、CSP設備投資全体の減速が必ずしもAI半導体需要の弱さを意味しないと論じる。先端パッケージング、AIウエハ消費、HBM需要の成長予測はAIコンピュートのサプライチェーンを引き続き支えることを示す一方、パッケージング企業のボトルネックや立ち上げ遅延は製品配分と出荷量を変え得る。
リスク
- TSMC CoPoS能力の拡張は試作成功に依存する。
- Intelがより大型のEMIB-Tチップを支えられるかは、サプライチェーンの実行に依存する。
- ASEとAmkorの能力立ち上げが予想より遅い場合、Venice CPU生産を制約し、需要をTSMCへ移す可能性がある。
注目点
- TSMC CoPoS試作の進展と、その後の能力構築の決定。
- MediaTekの潜在的な2社目のAI CSPまたはAIラボ顧客に関する4Q26の進展。
- OSAT CoWoS能力の立ち上がりとAMD Venice CPU生産への影響。
- Broadcomが支援するAIラボのASIC受注と2027年のCoWoS予約。
- Blackwell GPU消費の指標としてのGB200/GB300ラック出荷。