Xiaomi(01810) レポート解説
レポートはFY26/27のEPS予想を11%/10%引き下げ、Jun-27の目標株価をHK$31へ引き下げた。XiaomiがFY26の550k台EV目標を引き下げることは、短期的な株価の底を形成し得るが、同機関は主要カタリストがなお先にあるとみている。
要約
レポートはFY26/27のEPS予想を11%/10%引き下げ、Jun-27の目標株価をHK$31へ引き下げた。XiaomiがFY26の550k台EV目標を引き下げることは、短期的な株価の底を形成し得るが、同機関は主要カタリストがなお先にあるとみている。
- J.P. Morganは2Q26利益が前年比44%減になると予想。
- FY26のEV出荷台数は465k台と推計し、Xiaomiの550k台目標を下回る。
- スマートフォン粗利益率は3Q26で7.8%、4Q26で8.5%と予想され、従来予想の8.2%および9.5%を下回る。
- FY26調整後EPSはRMB0.97へ、FY27調整後EPSはRMB1.18へ引き下げ。
- Jun-27の目標株価はHK$35からHK$31へ引き下げ。
レポート解説
概要
この業績プレビュー更新は、J.P. MorganがXiaomiの利益や株価カタリストの迅速な回復を見込まない理由を検討している。Neutralの見方は、短期的なEV納車モメンタムの弱さ、継続するスマートフォンのコスト圧力、AI・ロボティクスの短期的な利益寄与の限定性に基づく。一方で、バリュエーションは魅力的な水準までリセットされたとみている。
主要見解
J.P. Morganは、Xiaomiの2Q26利益が低調となり、前年比44%減になると予想している。同社はこの弱さを、スマートフォン粗利益率への圧力、IoT成長の鈍化、新モデル投入前のEVモメンタム低迷に起因するとしている。コア事業とEV・新規事業の前提引き下げを反映し、FY26およびFY27の調整後EPSをそれぞれ11%と10%引き下げ、RMB0.97およびRMB1.18としている。 短期的な中心論点はFY26のEV出荷目標である。Xiaomiは1H26に年間550k台目標の約30%しか達成していなかった。SkyNomadの航続距離延長型SUVが2H26に一定の受注モメンタムを生むと見込まれる一方、納車開始はSeptemberである。目標達成には残る5カ月で月間60,000台超のEV出荷が必要となり、これはDecember 2025の約50,000台というXiaomiの月間出荷記録を上回る。SU7およびYU7の納車待ち期間は大半が10週間未満へ低下しており、J.P. Morganはこれを既存モデルのモメンタム軟化の兆候とみている。同社のFY26 EV出荷予想は465k台であり、会社は最終的に550k台目標を引き下げると予想している。こうした目標の再設定は期待を現実に合わせることで、株価の短期的な底を形成し得ると同レポートは論じている。 第2の制約はスマートフォンの収益性である。J.P. MorganはXiaomiが2Q26に8.0%のスマートフォン粗利益率を維持すると予想するが、メモリーコスト上昇により圧力は2H26まで続くとみている。DRAM ASPが3Q26および4Q26に前四半期比15–18%、NAND ASPが7–9%上昇すると推計する中、スマートフォン粗利益率予想を3Q26は8.2%から7.8%へ、4Q26は9.5%から8.5%へ引き下げた。同社は、スペックの抑制と高ASP化・低価格帯販売減少による製品構成改善を背景に、粗利益率は3Q26で底を打ち、4Q26から緩やかに回復すると見込む。2026年のスマートフォンASP成長率予想は前年比15%から20%へ引き上げた一方、高ASP化によりスマートフォン出荷台数は2026年に24%減少すると予想している。 AIとロボティクスは戦略的には有望だが、J.P. Morganの見方では、今後12カ月の株価ドライバーとしては重要ではない。レポートは、MiMo V2.5がOpenRouterのグローバル月間累計LLMトークン利用量で首位となり、Xiaomi Robotics-1がRoboCasa365ランキングで首位となったことを指摘している。しかし、関連する収益源は今後1年で重要性を持たず、継続的なAI投資が短期的な営業利益を圧迫すると予想している。また、AIインフラのアップサイクルはメモリーコストを通じてスマートフォン粗利益率への圧力を継続させると論じている。 バリュエーションは一定の下支えを提供するが、Neutralの見方は変わらない。J.P. Morganは、1H26以降の急落後、株価はすでに過去の底値圏である10–15x P/E、すなわちHK$24–27付近で取引されている可能性があるとしている。Jun-27のHK$31目標株価はSOTPを用い、ハードウェア・インターネットサービスのコア事業に対して現金控除後の12カ月先利益11.0x、EV・新規事業に対して12カ月先P/S 1.1xを適用している。この評価には、12カ月間のコア利益RMB31,652 million、EV・新規事業売上高RMB177,189 million、現金および現金同等物RMB173,500 millionが含まれ、株主価値RMB716,581 million、1株当たりHK$31が導かれる。海外EV成長とスマートフォンマージンの意味ある転換はなお先であるため、J.P. MorganはNeutralを維持している。
分析フレームワーク
J.P. Morganは、スマートフォン出荷台数、ASP、粗利益率、EV納車台数、EV・新規事業の売上高を含むセグメント別の前提を通じて、短期的な利益見通しを評価している。次に、Xiaomiの納車ペースとモデルの納車待ち期間をFY26のEV目標と比較し、利益予想を改定したうえで、コアのハードウェア・インターネット事業とEV・新規事業を分けるSOTPフレームワークで評価している。
手法メモ
SOTP評価
レポートは、Xiaomiのコアのハードウェア・インターネット事業とEV・新規事業を別々に評価し、現金を加えて1株当たり目標株価を算出している。
スマートフォンの販売量・ASP・粗利益率分析
レポートは、メモリーコスト上昇、スマートフォンASP上昇、出荷台数減少、製品構成を、スマートフォンの売上高およびマージン見通しに結び付けている。
EV出荷ペースと納車待ち期間の分析
レポートは、1H26の納車台数、必要な月間出荷台数、モデルの納車待ち期間低下を用いて、Xiaomiが年間EV出荷目標を達成できるかを評価している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Xiaomi (01810.HK)主要カバレッジ企業。利益見通しは、EV納車の実行、スマートフォンのマージン、IoT需要、EV拡大のペースに左右される。
- 強み
- バリュエーションはJ.P. Morganが魅力的とみる水準までリセットされている。SkyNomadは2H26のEV受注モメンタムを改善する可能性があり、高ASP製品構成は4Q26からの緩やかなマージン回復を支え得る。
- 弱み
- EV納車はFY26目標の達成ペースに遅れており、メモリーコスト上昇とスマートフォン販売台数の減少が利益を圧迫している。
- 比較
- FY26目標の達成には残り5カ月で月間60k超のEV出荷が必要であり、これはDecember 2025の約50kという月間出荷記録を上回る。
- リスク
- 中国国内EV市場での競争、IoT需要の弱さ、FY26 EV出荷目標の引き下げがネガティブリスクとして挙げられている。
主要データ
- 2Q26利益見通しYoY down 44%J.P. Morganの予想。スマートフォン粗利益率への圧力、IoT成長の鈍化、EVモメンタム低迷が要因。
- FY26 EV出荷目標550k unitsJ.P. Morganは達成困難とみており、FY26予想は465k台。
- FY26 EV目標に対する1H26の進捗~30%目標達成には残り5カ月で月間60k超のEV出荷が必要となる。
- 月間EV出荷の記録~50k unitsDecember 2025に達成。FY26目標が示す月間ペースを下回る。
- スマートフォン粗利益率8.0% in 2Q26; 7.8% in 3Q26E; 8.5% in 4Q26E3Q26および4Q26の予想は、従来の8.2%および9.5%から引き下げられた。
- メモリーASPの変化DRAM +15–18% QoQ; NAND +7–9% QoQJ.P. Morganによる3Q26/4Q26の推計で、スマートフォンマージン圧迫の要因。
- FY26/FY27調整後EPSRMB0.97 / RMB1.18従来予想RMB1.09およびRMB1.31から11.3%および10.1%引き下げ。
- 目標株価HK$31.00Jun-27の目標株価。SOTPに基づきHK$35.00から引き下げ。
影響と示唆
レポートは、XiaomiがFY26のEV目標を引き下げれば期待の再設定による恩恵があり得るとみるが、これだけではより建設的な見方に転じるには不十分としている。バリュエーション面の下支えは、海外EV拡大の遅れ、継続するスマートフォンマージン圧迫、今後12カ月で重要性を持たないAI・ロボティクス収益によって相殺されるとしている。
リスク
- 中国国内EV市場での競争激化は、XiaomiのEV業績を悪化させる可能性がある。
- IoT需要の弱さは、売上高予想の一段の引き下げにつながる可能性がある。
- FY26のEV出荷目標の引き下げが主要なネガティブリスクとして挙げられている。
- メモリー価格の高止まりは、スマートフォン粗利益率の回復を遅らせる可能性がある。
注目点
- Xiaomiが550k台のFY26 EV出荷目標を引き下げるか。
- SkyNomadの納車がSeptemberに始まった後の月間EV出荷台数。
- 需要モメンタムの指標としてのSU7およびYU7の納車待ち期間。
- メモリー価格の方向性と、それに伴うスマートフォン粗利益率の回復。
- 海外EV拡大の進捗と、スマートフォンマージンの意味ある転換の証拠。