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レポート解説Hilo Research

China base metals, gold, lithium and EV metals レポート解説

Goldman Sachsは、銅、アルミニウム、金では概ね弱く、リチウムではまちまちだった1H26実績を受け、19の中国コモディティ銘柄をレビューした。主要銅銘柄のBuyを維持し、Ganfeng-HとHuayouをNeutralへ格上げ、ZhaojinをNeutral、GEMをSellへ引き下げた。

機関Goldman Sachs
日付20260902
業界base metals, gold, lithium and EV metals

要約

Goldman Sachsは、銅、アルミニウム、金では概ね弱く、リチウムではまちまちだった1H26実績を受け、19の中国コモディティ銘柄をレビューした。主要銅銘柄のBuyを維持し、Ganfeng-HとHuayouをNeutralへ格上げ、ZhaojinをNeutral、GEMをSellへ引き下げた。

Zijin、CMOC、Jiangxi Copper、MMGのBuyを維持。Ganfeng-HとHuayouをNeutralへ格上げ。ZhaojinをNeutral、GEMをSellへ格下げ。
中国コモディティアルミニウムリチウムEV金属決算レビューレーティング変更
  • 銅価格は、スクラップ供給の逼迫と米国での在庫積み増し継続により、2H26Eも高水準を維持すると予想。
  • アルミニウム・スプレッドは、2H26E以降の新規供給加速により低下すると予想。
  • リチウムは、現在の赤字から2H26Eと2027Eに5%-13%の余剰へ移行し、2027-28Eには価格がさらに下落すると予想。
  • 高い硫黄価格とMHP生産減少が、HuayouとGEMのニッケル収益性を悪化させる。
  • Zhaojinは鉱山操業混乱後に複数年の生産回復局面にあり、GEMはニッケル利益の低迷に直面。

レポート解説

概要

これはGoldman Sachsによる、中国のベースメタル、金、リチウム、EV金属の19銘柄に関する1H26決算レビューである。銅には前向き、アルミニウムとリチウム価格には慎重、硫黄コストにさらされるEV金属事業には悪化という見方を示している。

主要見解

レポートは、1H26の利益が銅、アルミニウム、金では概ね予想を下回り、リチウムではまちまちだったと評価している。アルミニウム生産者は金属価格上昇とマージン拡大の恩恵を受けた一方、銅鉱山会社は銅価格上昇による強い利益成長を示したが、大幅なコストインフレを吸収した。大半のリチウム企業は価格回復で利益が改善したものの、HuayouとGEMは硫黄価格上昇とMHP生産減少により期待を下回った。 アルミニウムについて、Goldman Sachsは2H26E以降、中国と海外で供給が増加することでSHFEアルミニウム価格とスプレッドが軟化すると予想する。SHFEスプレッドは2026EのRmb8,542/tから2027EのRmb4,250/t、2028EのRmb4,000/tへ低下すると見込む。Chalcoの2026E経常利益は年初来の価格を反映して6%増加する一方、2027Eと2028EのSHFE価格前提をRmb18,958/tとRmb18,896/tへ引き下げたため、2027-28E予想は12%低下する。Goldman SachsはChalcoの2027E経常利益が58%減少すると予想し、目標株価HK$6.8とRmb7.0、Sell/Sellを維持する。Hongqiaoの1H26実績は、実現アルミニウム価格の低下、コスト上昇、SG&A増加、Rmb1.1bnの減損により予想を下回った。2026-28E利益予想は5%-19%引き下げられ、2027E経常利益は48%減少すると予想される。HK$23.0の目標株価でNeutralを維持する。 銅はレポートで最も選好される分野である。Goldman Sachsは、スクラップ供給の逼迫と米国での在庫積み増し継続により、2H26Eも価格が高水準を維持すると予想する。Zijinは、金・銅価格の上昇と5%-12%の生産量増加により、2026E経常利益が2025AのRmb50.9bnからRmb80.6bnへ58%増加すると予想される。Buy/BuyとHK$51.0、Rmb49.0の目標株価を維持する。CMOCの1H26未達はDRCの銅生産減少を反映しており、生産、硫黄コスト、DRC超過税の影響で2026-27E利益を2%-7%引き下げるが、US$13,700/tの銅価格前提により2028E利益は17%引き上げる。2026E利益は75%増加すると見込み、Buy/BuyとHK$23.5、Rmb25.0の目標株価を維持する。Jiangxi Copperは銅とマイナーメタル利益が予想を上回ったため、2026-27E予想を16%-20%、2028Eを58%引き上げた。自山鉱コンセントレートは製錬TCRCが低迷する局面で相対的優位性とみられる。Buy/Buyを維持し、目標株価はHK$50.0とRmb65.0。MMGはコストを理由に2026-27E予想を11%-17%引き下げたが、銅価格とデレバレッジを背景に経常利益は2025年のUS$0.82bnから2026EのUS$1.86bnへ倍増超と予想し、HK$12.5の目標株価でBuyを維持する。 Goldman Sachsは、1H26利益の予想未達、金生産量の減少、コスト上昇を受けてZhaojinに対する見方を慎重化している。同社は2件の鉱山死亡事故、安全検査強化、操業混乱を受け、2026Eの総金生産目標を18.26tから11.72tへ36%引き下げた。アナリストは2026-28E利益を52%-54%引き下げ、2H27E以降に生産が段階的に回復し、自山金生産量が2028Eまでにようやく17-18t程度に戻ると予想する。株式をBuyからNeutralへ格下げし、目標株価をHK$42.0からHK$21.5へ引き下げた。 リチウムについて、Goldman Sachsは世界市場が赤字から2H26Eと2027Eに5%-13%の余剰へ移行するため、価格は2H26Eに調整し、2027-28EにはUS$10.3k-16.0k/t-LCEへ下落すると予想する。2026Eの中国スポット炭酸リチウム価格前提は21%引き上げられUS$18.8k/t-LCEとなり、2H26EにはUS$16.6k/t-LCEを含む。これにより大半の生産者の短期利益は押し上げられるが、長期の価格前提は変更していない。Ganfengの2026E経常EPS予想は30%上昇した。H株はUS$13.5k/t-LCEを織り込み、リスク・リワードの均衡が改善したと判断してSellからNeutralへ格上げする一方、A株はUS$16.6k/t-LCEを織り込むためSellを維持する。目標株価はHK$46.0とRmb45.0へ引き下げた。Tianqiは、US$18.1k-24.5k/t-LCEという織り込み価格が割高と判断され、2026E利益が上向いてもHK$33.0とRmb32.0の目標株価でSell/Sellを維持する。YahuaとYongxingも、バリュエーションがアナリストの慎重な見通しを上回るリチウム価格を織り込むためSellを維持する。 EV金属では、Huayouの実績は予想線上だったが、硫黄コストとインドネシアの鉱石問題を受けたHuafeiの一部操業停止により、MHP出荷量が1H26にニッケル金属換算194.5ktと前年同期比9.5%減少し、ニッケル利益は弱かった。Goldman Sachsは2026-28E利益を2%-8%引き下げる一方、株価調整、三元系材料の出荷・マージン改善、US$16.0k/tのニッケル価格の織り込みを踏まえ、リスク・リワードはより均衡したとしてHuayouをSellからNeutralへ格上げする。目標株価はRmb42.0へ引き下げた。GEMは大幅な利益未達を受けNeutralからSellへ格下げされた。MHPニッケル出荷量は1H26に前年同期比37%減少し、2026-29E利益予想は8%-51%引き下げられた。硫黄コストが完全には利益に反映されていないため、経常利益は1H26のRmb543mnから2H26EのRmb359mn、1H27EのRmb283mnへ低下すると見込む。目標株価はRmb5.0へ引き下げた。

分析フレームワーク

Goldman Sachsは、1H26の実績、操業状況、経営陣ガイダンスを自社予想と比較し、その後に商品価格、数量、コスト、プロジェクト前提を更新している。これらの変更を、カバレッジ各社の利益予想、目標株価、レーティング、バリュエーション比較に反映している。

手法メモ

  • バリュエーション手法需給フレームワーク

    商品需給分析

    レポートは、アルミニウムの供給増加、銅スクラップ供給の逼迫、将来のリチウム余剰を、価格とマージン予想に結び付けている。

  • バリュエーション手法SOTP(事業別合算)評価

    Sum-of-the-parts valuation

    複数のリチウム・EV材料企業について、鉱山、電池材料、リサイクル、銅、その他事業を個別に評価し、それらを合計して目標株価を算出している。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    Forward P/E and mid-cycle earnings valuation

    レポートは、短期のフォワードP/E倍率と長期のミッドサイクルP/E倍率を用い、多くの場合2030Eの価値を2026Eへ割り引いている。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • Zijin Mining (2899.HK/601899.SS)
    カバー対象の銅・金生産者。Buy/Buyを維持。
    強み
    金属価格上昇と5%-12%の生産量増加により、2026Eの経常利益は58%増加すると予想。
    弱み
    1H26の銅鉱山コストは前年同期比15%超上昇。
    比較
    2028E目標が達成された場合、現在のバリュエーションは現物価格を42%下回る銅価格を織り込んでいると推定される。
  • CMOC Group (3993.HK/603993.SS)
    カバー対象の銅・コバルト生産者。Buy/Buyを維持。
    強み
    銅、コバルト販売回復、マイナーメタルにより、2026Eの経常利益は75%増加すると予想。
    弱み
    DRCの銅生産減少、硫黄コスト、超過税エクスポージャーが短期予想を圧迫。
    比較
    2028E目標が達成された場合、現在のバリュエーションは現物価格を35%下回る銅価格を織り込んでいると推定される。
    リスク
    商品価格、鉱山操業、プロジェクト遂行、海外エクスポージャー、トレーディングのヘッジ。
  • Jiangxi Copper (0358.HK/600362.SS)
    カバー対象の銅生産者。Buy/Buyを維持。
    強み
    自山鉱コンセントレートにより低迷する製錬TCRCへの影響を抑制し、2026Eの経常利益は176%増加すると予想。
    比較
    H株は2026E P/E 7xで取引され、過去レンジの5x-10xと比較される。
    リスク
    銅需要・価格、鉱山拡張の遅延、鉱石品位リスク。
  • Ganfeng Lithium (1772.HK/002460.SZ)
    カバー対象のリチウム生産者。H株はNeutralへ格上げ、A株はSellを維持。
    強み
    1H26の利益は予想を上回り、2026Eの経常EPS予想は30%引き上げ。
    弱み
    Goldman Sachsはリチウム価格見通しに引き続き慎重。
    比較
    H株はUS$13.5k/t-LCE、A株はUS$16.6k/t-LCEを織り込んでいる。
    リスク
    リチウム価格、プロジェクト遂行、原材料コスト、EV政策、海外エクスポージャー、リサイクル成長。
  • Huayou Cobalt (603799.SS)
    カバー対象のEV材料生産者。Neutralへ格上げ。
    強み
    三元系材料の出荷量は前年同期比ほぼ倍増し、単位粗利も改善。
    弱み
    MHP操業停止と高い硫黄価格がニッケル収益性を圧迫。
    比較
    株価は現物価格を4%下回るUS$16.0k/tのニッケル価格を織り込んでいると推定される。
    リスク
    電池リサイクル成長、前駆体・正極材マージン、プロジェクト遂行、原材料供給、海外政策。
  • GEM (002340.SZ)
    カバー対象のEV材料生産者。Sellへ格下げ。
    強み
    リサイクル成長の加速、前駆体マージンの改善、インドネシア案件の立ち上がり加速が上振れ要因となり得る。
    弱み
    ニッケルコストと数量減少が利益を圧迫し、前駆体出荷は前年同期比で減少、マージン改善も限定的。
    比較
    Rmb5.0の目標株価は、レポートのコモディティ・カバレッジ平均5%上昇余地に対して23%の下落余地を示す。
    リスク
    硫黄コストの高止まり、ニッケルプロジェクトの遂行、電池材料収益性の悪化。

主要データ

  • カバー銘柄数19中国のベースメタル、金、リチウム、EV金属のレビュー対象。
  • アルミニウム・スプレッド予想Rmb8,542/t in 2026E; Rmb4,250/t in 2027E; Rmb4,000/t in 2028E新規供給の増加に伴う調整を予想。
  • 炭酸リチウム前提US$18.8k/t-LCE for 2026E; US$10.3k-16.0k/t-LCE for 2027-28E2026E前提は従来比21%上昇。後年のレンジは変更なし。
  • Zijinの2026E経常利益Rmb80.6bn2025AのRmb50.9bnから58%の成長を予想。
  • Zhaojinの2026E金生産目標11.72t従来ガイダンス18.26tを36%下回る。
  • GEMの経常利益予想Rmb543mn in 1H26; Rmb359mn in 2H26E; Rmb283mn in 1H27Eニッケルにおける硫黄コスト圧力の継続を反映。

影響と示唆

レポートの銘柄選択は、高い銅価格、生産成長、自山鉱コンセントレートへの直接的なエクスポージャーを持つ銅生産者を選好している。アルミニウムのマージンとリチウム価格は供給主導の調整に脆弱とみられ、高い硫黄コストとMHPの操業混乱はニッケル連動EV材料銘柄の中心的逆風とされる。

リスク

  • 銅、アルミニウム、金、リチウム、ニッケル、コバルトなどの商品価格の変動は、利益を大きく変動させ得る。
  • 鉱山の操業混乱、鉱石品位の変化、プロジェクト遅延、立ち上がりの遅れは、生産量を減らし単位コストを上昇させ得る。
  • 高い硫黄価格と供給逼迫は、ニッケルとMHPの収益性を引き続き圧迫する可能性がある。
  • 海外政策、規制、為替、地政学的展開は、インドネシア、DRC、その他地域のプロジェクトに影響し得る。
  • EV導入、電池化学、リサイクル成長の結果は、リチウム・EV材料企業の需要とマージンを変化させ得る。

注目点

  • 2H26E以降の中国と海外におけるアルミニウム供給増加のペース。
  • 銅スクラップの逼迫、米国の在庫積み増し、鉱山コストインフレ、DRCの生産実績。
  • リチウム市場の赤字から余剰への移行と、2H26Eのスポット炭酸リチウム価格。
  • Zhaojinの鉱山再開、事故調査結果、Haiyuプロジェクトの時期。
  • HuayouとGEMにとっての硫黄価格、MHP生産回復、インドネシア・ニッケル案件の進捗。
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