BHP Group Ltd.(BHP) レポート解説
FY26 underlying EBITDAは約US$33bnでGoldman Sachsとコンセンサス予想を上回り、主に銅EBITDAが約US$18.2bnに達したことによる。Goldman SachsはBuyを維持し、12か月目標株価を3%引き上げてA$65.20とした。
要約
FY26 underlying EBITDAは約US$33bnでGoldman Sachsとコンセンサス予想を上回り、主に銅EBITDAが約US$18.2bnに達したことによる。Goldman SachsはBuyを維持し、12か月目標株価を3%引き上げてA$65.20とした。
- FY26 EBITDAは約US$33bnで、Goldman Sachsおよびコンセンサス予想を約US$0.7bn上回った。
- 銅EBITDAは約US$18.2bnでUS$17.5bn予想を上回り、鉄鉱石と石炭はおおむね予想通りだった。
- 純有利子負債はUS$8.7bnで約US$9bnのガイダンスを下回った。最終配当はUS$0.99 per share、配当性向は72%。
- Goldman SachsはFY27/FY28/FY29 EBITDA予想を4%/3%/3%、NAVを2%引き上げ、約A$67.3 per shareとした。
- 同社はChile、South Australia、Argentina、米国にわたる銅プロジェクトのオプショナリティを見込む一方、Olympic Damのblock caveはベースケースから除外している。
レポート解説
概要
本決算レビューは、BHPのFY26実績、更新された操業ガイダンス、銅の成長プロジェクトを評価する。Goldman Sachsは実績を強いと評価し、コスト前提の引き下げとNAVの小幅上昇を受けてBuyを維持し、目標株価をA$65.20に引き上げた。
主要見解
BHPのFY26 underlying EBITDAは約US$33bnで、Goldman Sachsおよび会社集計コンセンサスの約US$32.3bnを上回った。主因は銅で、部門EBITDAは約US$18.2bnとGoldman Sachs予想のUS$17.5bnを上回り、US$220mnの銅コスト上振れが寄与した。鉄鉱石と石炭はおおむね予想通りで、Pilbaraのユニットコストは6月半期に約US$20/tとわずかに良好だった。Underlying earningsはUS$13.2bn、EPSは260 US centsで、いずれもGoldman Sachsとコンセンサスを4%上回った。最終配当はUS$0.99でGoldman Sachs予想のUS$0.83を上回り、配当性向は72%だった。 キャッシュ創出とバランスシートの実績は、レポートの短期的な投資判断を支えている。純有利子負債はUS$8.7bnで、約US$9bnのガイダンスをわずかに下回り、BHPのUS$10-20bnの目標レンジ下半分を下回った。同社はAntamina銀ストリーミング取引からUS$4.3bn、追加資産売却から約US$0.7bnを受領し、Global Infrastructure PartnersへのUS$2bnのPilbara電力売却も完了した。Goldman Sachsは、FY27の生産量低下局面でも60%超の配当性向を維持し、キャッシュフローとインフラ資本のリサイクルを通じて成長パイプラインに資金を供給できるとみている。中期FCF yield予想は、約US$11bnの設備投資前提で約3%、スポット商品価格とFXでは5%に上昇する。 ガイダンスはGoldman Sachsの予想に対しておおむねポジティブだった。FY27のPilbaraユニットコスト・ガイダンスUS$20-22/tは同社のUS$21/t前提と一致し、EscondidaのUS$1.2-1.5/lbはUS$1.6/lbの予想より良好である。中期Escondidaユニットコスト・ガイダンスは約US$0.20/lb引き下げられUS$1.3-1.6/lbとなり、Goldman Sachsは従来のUS$1.7/lb前提をUS$1.5/lbに下げた。BHPはFY20以降、約US$26bnのコストベースに対して累計約US$5bnの生産性改善を達成したとしており、Goldman Sachsはこれを業界をリードする絶対コストおよびユニットコスト実績と結び付けている。 中期設備投資ガイダンスはUS$1bn増の約US$11bnとなり、Goldman SachsのUS$11-11.5bn予想の範囲内だった。増額は累計US$1.5bnのインフレとFX影響、およびJansen Stage 2の組み入れを反映する。Escondida New Concentratorの予算は10-15%増え、能力も約10%拡大した。BHPは約140ktpd、コストUS$5.4-6.3bnのプラントを確認した。約1年の許認可、2027年上期のFIDの可能性、3年の建設を前提に、Goldman Sachsは2030年半ばの立ち上げを見込み、約50-100ktpaの銅生産を約2年前倒しできるとみている。 レポートの長期的な上振れシナリオは、BHPの約US$50bnの銅パイプラインである。BHPはFY27-FY35に3-4%の銅換算生産量CAGRを目標とし、Goldman Sachsの約2%予想を上回る。この差は主にOlympic Dam拡張の規模と時期、および商品価格前提による。South Australiaでは、BHPは約US$15bnの2段階の銅プログラムを示した。Phase 1は2035年までに生産量を330ktpaから500ktpaへ、Phase 2は2040年までに約650ktpaへ引き上げる計画である。Phase 1の坑内開発予算は約US$5.4-6.9bnからUS$5.8-7.5bnへ増加した。Goldman Sachsは2033年に約400ktpa、実質ドルで約US$12bnの設備投資を見込むが、追加の証拠が得られるまでOlympic Damのblock caveをベースケースに含めていない。また、Vicuna Phase 1は2026年下期のFID、2031年の初生産に向けて順調であり、同社はPhase 1の設備投資見積もりを約US$8.5bnへ引き上げた。 Goldman Sachsは、主にEscondida、Spence、Olympic Dam、Pilbaraのユニットコスト前提引き下げと、銅製錬のtreatment and refining costsのわずかな低下を受け、FY27/FY28/FY29 EBITDA予想を4%/3%/3%引き上げた。NAVは2%上昇し約A$67.3 per share、12か月目標株価は3%上昇してA$63.50からA$65.20となった。目標株価はNAVとEV/EBITDAを50:50で組み合わせ、変更のない7.5xのターゲットマルチプルを使用している。レポートはBHPを約0.95x NAV、7.6x next-twelve-month EBITDAでフェアに評価されているとする一方、優れたマージンと操業実績がグローバル鉱山同業に対するプレミアムを支えると論じている。
分析フレームワーク
Goldman SachsはまずFY26の利益、キャッシュフロー、部門別実績を自社予想およびコンセンサスと比較する。次に生産量、コスト、設備投資、個別の成長プロジェクトを評価し、利益とNAVの前提を更新したうえで、SOTP NAVとEV/EBITDAマルチプルを等しく組み合わせてBHPを評価している。
手法メモ
部門別純資産価値評価
レポートはBHPの銅、鉄鉱石、石炭、カリウム、ニッケル事業を個別に評価し、コーポレート項目と純有利子負債を調整して、約A$67.3 per shareのNAVを算出している。
フォワードEV/EBITDA評価
Goldman Sachsはnext-twelve-month EBITDAに7.5xのターゲットマルチプルを適用し、その結果をNAVと等しく組み合わせて目標株価を設定している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- BHP Group Ltd. (BHP.AX)主要カバー企業。銅の実績上振れ、コストガイダンス、プロジェクトのオプショナリティがGoldman SachsのBuy評価を支える。
- 強み
- 銅EBITDAの上振れ、低い純有利子負債、生産性向上、強い操業マージン、自己資金で賄える成長パイプライン。
- 弱み
- Escondidaの品位低下によりFY27の生産量低下が見込まれる。バリュエーションはフェアとされる。
- 比較
- 約0.95x NAVおよび7.6x NTM EBITDAで取引。25年間の6.5-7xの過去EV/EBITDA平均を上回る一方、純粋なベースメタル企業およびグローバル銅同業を下回る。
- リスク
- 商品価格とFX、コストおよび設備投資、プロジェクト実行、財政リスク、M&A、Samarcoの修復費用。
主要データ
- FY26 underlying EBITDAUS$32.947bnGoldman Sachsおよび会社集計コンセンサス予想を約2%上回った。
- FY26 copper EBITDAUS$18.187bnGoldman SachsのUS$17.510bn予想を約4%上回った。
- Net debtUS$8.7bn約US$9bnのガイダンスをわずかに上回った。
- Final dividendUS$0.99 per shareGoldman SachsのUS$0.83予想を上回り、配当性向は72%。
- FY27/FY28/FY29 EBITDA revisions+4% / +3% / +3%主にモデル上の操業コスト引き下げによる。
- NAVA$67.3 per share前提更新を受けて2%上昇。
- 12-month target priceA$65.20 per shareA$63.50から3%上昇。
- Copper-equivalent production growth target3-4% CAGR in FY27-FY35BHPの目標。Goldman Sachsの予想は約2%。
影響と示唆
レポートは、銅主導の利益上振れ、コスト見通しの改善、バランスシートの柔軟性が、成長投資を行いながら株主還元を維持するBHPの能力を強化すると論じる。最も大きな長期的な価値機会は銅プロジェクトのパイプラインだが、Goldman Sachsのベースケースは、特にOlympic DamについてBHPの成長目標より保守的である。
リスク
- AUD、CLP、CADの為替および今後12か月の商品価格を含むマクロリスク。
- 操業コストと設備投資の変動。
- プロジェクト実行時期のリスク。
- 財政リスクおよび外部M&Aリスク。
- ブラジルのSamarcoにおける継続的または増加する修復費用。
- Jansen Stage 2は坑内操業リスクと、カリウム市場への影響に関する不確実性に直面している。
注目点
- Escondida New Concentratorの許認可、2027年上期のFIDの可能性、建設進捗、2030年半ばの立ち上げの可能性。
- Olympic Damのblock-cave構想に関する追加情報、および2026年11月下旬に予定されるBHPのSouth Australia銅投資家訪問。
- 2026年下期に見込まれるVicuna Phase 1のFIDと、2031年の初生産に向けた進捗。
- 土地交換後のResolution Copperの掘削進捗。
- Jansen Stage 2の実行、予算達成、Stage 1の実績。