China Autos & Shared Mobility レポート解説
Morgan Stanleyは、複数のEVメーカーでみられた7月の納車減速を、概ね想定内の夏季の閑散期と捉えている。同社は、BYDの海外販売主導の成長と各OEMの新モデル投入が販売モメンタムを支えると強調している。
要約
Morgan Stanleyは、複数のEVメーカーでみられた7月の納車減速を、概ね想定内の夏季の閑散期と捉えている。同社は、BYDの海外販売主導の成長と各OEMの新モデル投入が販売モメンタムを支えると強調している。
- 中国の乗用車小売販売は7月に前年比約15%減となり、弱い納車動向の背景となった。
- BYDは419,211台を納車し、前年比22%増、前月比4%増となった。過去最高の海外販売が寄与した。
- XPeng、Li Auto、NIOは前月比で納車が減少したが、新モデル投入が販売モメンタムの改善につながると見込まれる。
- Morgan Stanleyは、投資家が8月の販売回復ペースに注目すべきだとしている。
レポート解説
概要
本業界アップデートは、中国の主要自動車・EVメーカーの7月納車動向を検証するもの。Morgan Stanleyは広範な減速を季節的なものと解釈し、供給改善、海外需要、新モデル投入が前月比での回復を促す可能性を指摘している。
主要見解
Morgan Stanleyは、7月を業界判断の変化ではなく、季節的な夏季の閑散期と位置付けている。中国の乗用車小売販売は前年比約15%減となり、NIO、XPeng、Li AutoのEV大手3社はいずれも前月比で納車が弱含んだ。同社はこの低調な月次実績をおおむね想定内とみており、目先の焦点は8月に販売モメンタムがどの程度速く戻るかだとしている。 成長面での主な例外はBYDだった。7月納車は419,211台で、前月比4%増、前年比22%増となり、前年5月以来で最も高い前年比成長率を記録した。海外販売は前年比124%増の180,000台となり、国内販売の前年比減少率は10%未満に縮小した。Morgan Stanleyは、前年比の好調さの一部を低い比較ベースと過去最高の海外販売によるものとし、電池供給の改善に加え、Sealion 08、Qin MAX、Great Hanを含む新モデル投入が2H26の国内シェア防衛を支えると見込む。 Geelyは250,161台を納車し、前月比4%増、前年比5%増だった。海外販売107,000台は納車全体の43%を占め、在庫消化に伴う国内販売の前年比減少を相殺した。ブランド別では、Zeekrの販売は前年比で倍増以上となった一方、Lynk & Coの納車は前年比40%減となった。 EV中心のOEMでは、XPengは38,027台を納車し、前月比5%減、前年比4%増となった。GX投入後に成長が鈍化した。Morgan Stanleyは、MONA L03が8月の国内・海外販売に有意な数量寄与をもたらし、海外販売はマージン改善につながる可能性があると見込む。Li Autoは30,468台を納車し、前月比、前年比ともに1%減だったが、L6とL8の数量寄与を受け、発売前の減速から販売が回復している。NIOは35,934台を納車し、前月比11%減、前年比71%増だった。ES9投入後、ONVOの納車は前月比14%減、NIOブランドの納車は前月比9%減となった。 納車表では、Leapmotorは7月に101,267台を納車し前年比102%増、Xiaomiは30,000台で前月比14%減、前年比1%減、HIMAは45,046台で前月比11%減、前年比5%減となった。7月までの年初来累計では、NIOとLeapmotorはいずれも前年比68%増だった一方、BYDの累計納車は前年比11%減だった。レポートの業界見通しはIn-Lineに維持されている。
分析フレームワーク
Morgan Stanleyは、7月の納車を6月および前年同月と比較し、季節的な乗用車小売需要、海外販売の寄与、在庫状況、供給の利用可能性、新モデルの投入時期を踏まえて結果を解釈している。
手法メモ
月次納車の追跡と前月比・前年比の比較
レポートは納車台数と成長率を用いて、季節的な需要低迷と、輸出、在庫消化、供給、新モデル投入といった企業固有の要因を区別している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- BYD Company Limited過去最高の海外販売と、予想される供給・製品面の支援から恩恵を受けるカバー対象OEM。
- 強み
- 7月納車は前年比22%増。海外販売は前年比124%増の180,000 units。
- 弱み
- 国内販売はなお前年比で減少したが、減少率は10%未満。
- 比較
- 主要OEMに関する議論の中で、前年比成長率が最も高い。
- Geely Automobile Holdings海外販売が国内の在庫消化を相殺したカバー対象OEM。
- 強み
- 海外販売は7月納車の43%を占め、Zeekrの販売は前年比で倍増以上。
- 弱み
- 国内販売は前年比で減少を続け、Lynk & Coの納車は前年比40%減。
- 比較
- 7月納車は前年比5%増で、BYDの22%増を下回った。
- XPeng Inc.MONA L03から追加数量の寄与が見込まれるカバー対象EV OEM。
- 強み
- MONA L03は国内・海外販売を増やし、海外販売はマージン改善につながる可能性がある。
- 弱み
- 7月納車は前月比5%減で、GX投入後に成長が鈍化した。
- 比較
- 7月の前年比4%増はNIOの71%増を下回る一方、Li Autoの-1%を上回った。
- Li Auto Inc.発売前の販売減速から回復中のカバー対象EV OEM。
- 強み
- L6とL8が販売回復に寄与した。
- 弱み
- 7月納車は前月比、前年比ともに1%減。
- 比較
- 前月比減少率はNIOとXPengより小さい。
- NIO Inc.投入後の月次納車減少の影響を受けたカバー対象EV OEM。
- 強み
- 7月納車は前年比71%増。
- 弱み
- 総納車は前月比11%減。ONVOとNIOブランドの納車はそれぞれ前月比14%減、9%減。
- 比較
- 前月比の減少率は最も大きいが、EV大手3社の中で前年比成長率は最も高い。
主要データ
- 中国の乗用車小売販売~15% YoY decline7月の納車減速を説明する季節的な背景として引用されている。
- BYDの7月納車419,211 units前月比4%増、前年比22%増。海外販売は180,000 unitsで前年比124%増。
- Geelyの7月納車250,161 units前月比4%増、前年比5%増。海外納車は107,000 unitsで、総納車の43%。
- XPengの7月納車38,027 units前月比5%減、前年比4%増。
- Li Autoの7月納車30,468 units前月比1%減、前年比1%減。
- NIOの7月納車35,934 units前月比11%減、前年比71%増。
- Leapmotorの7月納車101,267 units前月比8%増、前年比102%増。
影響と示唆
レポートは、7月の弱さを季節的な需要の底として捉えるべきだとしている。短期見通しは、新モデル、供給改善、海外需要が8月の前月比販売回復につながり、一部OEMのモメンタム維持または拡大に寄与するかどうかに左右される。
注目点
- 季節的な7月の減速後、中国自動車販売が8月にどの程度のペースで回復するか。
- MONA L03およびBYDのSealion 08、Qin MAX、Great Hanを含む新モデル投入が販売モメンタムにつながるか。
- 海外販売の寄与と国内在庫消化の進展。