Tokyo Ohka Kogyo(4186):UBS、先端半導体材料の成長と割安化を背景にTokyo Ohka KogyoをBuyへ格上げ
UBSは、フォトレジストと半導体後工程材料がFY12/28まで約30%の年間営業利益成長を牽引すると予想する。目標株価は¥11,500から¥11,200へ引き下げたが、3カ月で26%下落した後に投資判断をBuyへ引き上げた。
要約
UBSは、フォトレジストと半導体後工程材料がFY12/28まで約30%の年間営業利益成長を牽引すると予想する。目標株価は¥11,500から¥11,200へ引き下げたが、3カ月で26%下落した後に投資判断をBuyへ引き上げた。
- フォトレジスト売上高は2025-28年に26% CAGRで成長すると予想される。
- 2026年1月から6月の前工程用フォトレジスト売上高は前年比20%増、後工程材料売上高は同45%増だった。
- UBSはFY12/26、FY12/27、FY12/28の営業利益をそれぞれ¥64.0bn、¥85.7bn、¥104.4bnと予想する。
- 先端ロジック、メモリー、パッケージング需要を背景に、FY12/27の半導体材料売上高は29%増が見込まれる。
- 株価は3カ月で26%下落し、12カ月先の移動平均EPSベースPERは約18倍である。
- ¥11,200の目標株価は¥8,262から35.6%の予想株価上昇余地を示す。
レポート解説
概要
UBSはTokyo Ohka KogyoをBuyへ格上げし、先端ロジック、メモリー、半導体後工程材料の強い需要がFY12/28まで急速な利益成長を支えるとみる。レポートは、UBSが中期EPS予想を引き上げた一方で株価が大きく下落したことから、バリュエーション面でも投資妙味があると論じる。
主要見解
UBSの中心的な問いは、Tokyo Ohka Kogyoのフォトレジスト売上高が2025-28年に年率20%以上で拡大し続けられるかどうかである。AIサーバー投資が継続することを前提に、UBSの答えは肯定的である。TOKには大きな生産能力制約がなく、需要が拡大すれば最先端グレードを含むフォトレジストを問題なく供給でき、販売価格の大幅な低下もないと予想する。したがってUBSは、2025-28年のフォトレジスト売上高を26% CAGRと予測している。 足元の業績データもこの見方を裏付ける。半導体前工程向けフォトレジスト売上高は2026年1月から6月に前年比20%増加し、EUVとArFレジストの合計売上高は25%増、KrFレジストは20%増だった。半導体後工程材料はさらに速く、売上高が前年比45%増加した。UBSはTOKの世界フォトレジスト市場シェアを約30%と推定し、同社はKrFレジストで世界首位、EUVレジストでは最大または第2位の供給シェアを持つとみている。 需要のメカニズムは先端ロジックとメモリーの双方にまたがる。UBSは2027年までに、韓国と中国のメモリー顧客向けレジスト需要がさらに増加し、台湾、韓国、中国の先端ロジック用途向け出荷も増えると予想する。日本および海外のメモリーメーカーの稼働率上昇は、TOKが特に強みを持つKrFレジスト需要を支えるはずである。FY12/26について、UBSはEUV、ArF、KrFレジストの売上高がそれぞれ54%、25%、33%増加すると予想し、従来予想の25%、10%、10%から引き上げた。後工程用バンプレジストの売上高も前年比20%弱の増加が見込まれる。 先端パッケージングが第2の成長軸となる。UBSは2027年のCoWoS生産能力が前年比約68%増加すると予想しており、先端ロジック向けレジストとパッケージング材料の需要を支える。TOKのバンプレジストは既に力強く成長しており、UBSはCoWoS能力の拡大が2027年以降も追い風になるとみる。2nm世代向けEUVレジストの出荷が本格的に立ち上がるFY12/27には、EUVレジスト売上高が30%増加すると予想しており、2026年の54%増に続く。TOK、Shin-Etsu Chemical、JSRは2nm世代で重要な供給シェアを確保しているとされる。 こうした製品動向は急速な利益成長を支える。UBSはFY12/26、FY12/27、FY12/28の売上高をそれぞれ¥301.1bn、¥351.4bn、¥391.7bnと予想する。営業利益はFY12/26に¥64.0bnで前年比35%増、FY12/27に¥85.7bnで同34%増、FY12/28に¥104.4bnで同22%増と予想される。これはFY12/25-FY12/28に約30%の年間営業利益成長を意味する。FY12/27のコア半導体材料売上高は、主にフォトレジストによって29%増加する見通しである。EBITマージンはFY12/25の20.0%からFY12/26の21.3%、FY12/27の24.4%、FY12/28の26.7%へ、ROICは34.6%から40.2%、47.3%、52.4%へ上昇すると予想される。 UBSはFY12/26の基本EPS予想を¥373.3から¥373.7へ小幅に修正した一方、FY12/27 EPSを¥452.7から5%引き上げて¥476.4へ、FY12/28 EPSを¥533.1から9%引き上げて¥583.7へ修正した。レポートは、この成長は株価に十分織り込まれていないと主張する。TOKの株価は直近3カ月で26%下落し、6カ月でTOPIXを5%アンダーパフォームし、12カ月先の移動平均EPSベースPERは約18倍まで低下した。UBSは、先端半導体材料による会社成長を市場が過小評価しているとみており、堅調な出荷が確認されれば株価は徐々に上昇すると予想する。 ¥11,200の目標株価は従来の¥11,500から引き下げられたが、12カ月移動平均EPS ¥443に25倍の適正PERを適用している。従来の前提は28倍と¥405だった。したがって利益予想の上昇は、半導体関連株の市場リスクプレミアム上昇を反映した評価倍率の引き下げにより一部相殺されている。この目標株価は¥8,262から35.6%の予想株価上昇余地を示し、1.0%の配当利回りを加えた予想株式リターンは36.5%となる。市場リターンの前提は8.1%、予想超過リターンは28.4%である。 UBSはドライバーに基づく評価レンジも提示している。¥14,000の上振れケースでは、FY25-FY28EのEUV、ArF、バンプレジスト売上高成長率をそれぞれ45%、30%、30%と仮定する。¥11,200のベースケースでは35%、20%、20%、¥7,500の下振れケースでは20%、10%、10%を仮定する。主な上振れ要因は、EUV市場の予想以上の拡大とTokyo Ohka KogyoのArF市場シェア拡大である。下振れ要因は、メモリー半導体市場の調整、EUVフォトレジスト市場の低調な成長、EUVシェア低下、KrF需要の弱さである。
分析フレームワーク
UBSはまず先端ロジック、DRAM、NAND、先端パッケージングの需要見通しを分析し、次にTOKがその需要に対応できる生産能力、製品ポジション、価格安定性を持つかを検証する。製品別の成長前提を売上高、マージン、営業利益、EPS予想につなげ、市場コンセンサスおよび従来のUBS予想と比較した上で、TOPIX-33 Chemicalsに対する相対PERフレームワークを適用する。さらに、EUV、ArF、バンプレジストの成長前提を変えた3つの感応度シナリオにより、目標株価の変動を示す。
手法メモ
TOPIX-33 Chemicalsに対する相対PER評価
UBSは相対株価収益率の手法で株式を評価する。¥11,200の目標株価は、¥443の12カ月移動平均EPSに25倍の適正PERを適用したもので、従来の前提は28倍と¥405だった。
半導体材料の製品別需給分析
レポートは、先端ロジック、DRAM、NAND、CoWoSパッケージングの需要と、TOKの生産能力、市場シェア、価格見通しを評価し、フォトレジスト成長が持続できるかを判断している。
出荷成長と販売価格の前提
UBSは成長を主にEUV、ArF、KrF、バンプレジストの出荷増に帰属させ、販売価格の大幅な低下はないと仮定することで、数量動向を売上高と利益予想へ反映している。
上振れ・ベース・下振れの価値ドライバー感応度分析
UBSはFY25-FY28EのEUV、ArF、バンプレジストの異なる成長前提を用いて、¥14,000、¥11,200、¥7,500の評価結果を検証している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Tokyo Ohka Kogyo (4186.T)主要カバレッジ企業。UBSは先端ロジック、メモリー、パッケージング材料の成長を理由に同社株をBuyへ格上げした。
- 強み
- 推定約30%の世界フォトレジスト市場シェア、KrFレジストでの世界首位、EUVでの有力な地位、2nm供給における重要なシェア、強いバンプレジスト成長、重大な生産能力制約が見込まれない点。
- 弱み
- 利益はメモリー半導体の状況、EUV市場の成長、フォトレジスト市場シェアの変化、KrF製品需要に引き続き左右される。
- 比較
- TOK、Shin-Etsu Chemical、JSRは2nm世代で重要な供給シェアを確保している。TOKはKrFで世界最高のシェアを持ち、EUVでは最大または第2位である。
- リスク
- メモリー市場の調整、EUV成長の鈍化、EUVシェアの喪失、KrF需要の弱さは、UBSの予想と目標株価を損なう可能性がある。
主要データ
- 投資判断BuyNeutralから格上げ、12カ月の投資期間
- 目標株価¥11,200従来は¥11,500
- 基準株価¥8,2622026年9月29日時点
- 予想株価上昇余地35.6%レポートの目標株価と基準株価に基づく
- 予想株式リターン36.5%1.0%の予想配当利回りを含む
- 世界フォトレジスト市場シェアAround 30%TOKに関するUBS推定
- フォトレジスト売上高成長26% CAGRUBSによる2025-28年予想
- 前工程用フォトレジスト売上高+20% year on year2026年1月から6月
- 後工程材料売上高+45% year on year2026年1月から6月
- CoWoS生産能力成長Around 68% year on yearUBSによる2027年予想
- FY12/26営業利益¥64.0bn前年比35%増の予想
- FY12/27営業利益¥85.7bn前年比34%増の予想
- FY12/28営業利益¥104.4bn前年比22%増の予想
- FY12/27基本EPS¥476.4¥452.7から5%引き上げ
- FY12/28基本EPS¥583.7¥533.1から9%引き上げ
- フォワード評価Around 18x P/E12カ月先の移動平均EPSに基づく
- 目標評価25x P/E on ¥443 EPS従来は28x P/E on ¥405 EPS
- シナリオ評価レンジ¥7,500-¥14,000¥11,200のベースケースを中心とした下振れから上振れのレンジ
影響と示唆
UBSは、TOKの利益構成が最先端の前工程リソグラフィ材料と後工程パッケージング材料の同時成長から恩恵を受けると予想する。予想される出荷推移が確認されれば、営業レバレッジがマージン、利益、投下資本利益率を押し上げ、現在の評価はUBSの25倍の適正PERに向けて再評価される可能性がある。一方、従来の目標株価フレームワークより低い倍率は、半導体セクターのリスクプレミアム上昇も認識している。
リスク
- メモリー半導体市場の調整はフォトレジスト需要を弱める可能性がある。
- EUVフォトレジスト市場の成長鈍化は、予想される利益拡大を抑制する可能性がある。
- TOKはEUVレジスト市場シェアを失う可能性がある。
- KrFフォトレジスト需要の弱さは、売上高と評価の前提に圧力をかける可能性がある。
注目点
- AIサーバー投資の継続が、2025-28年のフォトレジスト売上高の年率20%以上の成長を支えるかを確認する。
- FY12/27に本格化する2nm世代向けEUVレジスト出荷を注視する。
- 2027年までの韓国および中国のメモリー顧客からのレジスト需要を確認する。
- CoWoS生産能力の拡大と、先端ロジックレジストおよびパッケージング材料への影響を注視する。
- TOKがArF市場シェアを獲得するか、EUV市場がUBS予想より速く拡大するかを確認する。
- 堅調な半導体材料出荷が確認されるかを注視する。定量レビューでは今後3カ月に特定の触媒はないとしている。