Japan June wage and real-wage growth:日本の6月の賃金上昇率は3%超を維持し、実質賃金は6カ月連続でプラス。
Goldman Sachsによると、6月の名目現金給与は前年比3.4%増、実質賃金は1.6%増となった。基本給の伸びの強まりと春闘の賃上げ合意が結果を支えた一方、パートタイマー時給の伸びは鈍化した。
要約
Goldman Sachsによると、6月の名目現金給与は前年比3.4%増、実質賃金は1.6%増となった。基本給の伸びの強まりと春闘の賃上げ合意が結果を支えた一方、パートタイマー時給の伸びは鈍化した。
- 名目現金給与の伸びは、5月の3.3%から前年比3.4%へ小幅に加速。
- 基本給の伸びは3.0%から3.4%へ加速し、注目されるフルタイム労働者の同一標本ベースは2.5%から2.9%へ上昇。
- 帰属家賃を除くCPIで実質化した実質賃金は前年比1.6%増で、6カ月連続のプラス。
- 夏季賞与に関連する特別給与は3.5%増となり、全体の賃金上昇に1.5パーセントポイント寄与。
レポート解説
概要
このデータ更新は、日本の6月の労働統計調査を検証するもの。Goldman Sachsは、賃金の伸びが引き続き力強く、実質賃金も上昇を続け、基本給の伸びが2026年春闘の合意結果と整合的だとみている。
主要見解
6月の名目現金給与は前年比3.4%増と、5月の3.3%増からわずかに加速した。夏季賞与を含む特別給与は6月の給与の40%以上を占める。特別給与は前年比3.5%増となり、全体の賃金上昇に1.5パーセントポイント寄与したが、伸び率は5月の7.4%から鈍化した。 基調的な賃金上昇は強まった。全労働者の基本給は前年比3.4%増と、5月の3.0%増から加速した。フルタイム労働者の基本給伸び率は3.6%で横ばいだった一方、日本銀行が注視するフルタイム労働者の「同一標本」ベースは5月の2.5%から6月は2.9%へ加速した。同一標本ベースの業種別基本給は、製造業で3.0%増、卸売・小売業で3.1%増、医療・福祉サービスで2.6%増だった。同一標本ベースの名目現金給与は、基本給と特別給与の増加を背景に、5月の3.1%増から4.4%増へ大きく加速した。 レポートは、6月のデータをJTUC-RENGOが7月3日に公表した2026年春闘の最終賃上げ合意と結び付けている。合意されたベースアップ率は2025年の3.7%から3.5%へわずかに低下したが、高い賃上げ率は維持され、大企業と中堅企業の差は縮小した。春闘で合意された賃上げは5月から6月の給与に反映され始めるため、Goldman Sachsは、6月の毎月勤労統計調査における基本給の伸びが最終春闘結果と整合的だとしている。 パートタイマーの時給ベースの基本給伸び率は、5月の5.0%増から6月は4.3%増へ鈍化したが、高い伸びを維持した。レポートは、春闘で合意されたパートタイマー時給の賃上げ率が6.2%で、前年の5.8%を上回ったことを指摘している。 実質賃金はプラス基調を維持した。持家の帰属家賃を除くCPIで実質化した賃金は前年比1.6%増と5月から横ばいで、年初以降6カ月連続のプラスとなった。総合CPIで実質化した賃金は前年比1.7%増で、5月の1.8%増に続き、前年12月以降7カ月連続で増加した。レポートは、毎月勤労統計調査のサンプル入れ替えがヘッドラインの賃金伸び率に影響し得ると注意を促している。同一標本ベースの数値はこの歪みを軽減するが、完全には排除しない。
分析フレームワーク
Goldman Sachsは、6月と5月の賃金の前年比指標を比較し、基本給、特別給与、残業代、パートタイマーの時給を分解している。また、調査サンプル構成による歪みを抑えるため、同一標本ベースの結果を重視している。続いて、データを2026年春闘の最終賃上げ合意と照合し、名目賃金をCPI指標で実質化して実質賃金を算出している。
手法メモ
名目賃金の伸びを、基本給、特別給与、残業代、パートタイマーの時給に分解。
レポートは賃金の構成要素を分けることで、基本給と特別給与の双方が6月の賃金上昇に寄与したことを示している。
毎月勤労統計調査のサンプル入れ替えによる歪みを抑えるための同一標本ベースの賃金比較。
同一の企業群を追跡することで、ヘッドライン数値より明確な賃金上昇の把握を目指す。ただしレポートは、サンプル入れ替えの影響は完全には排除できないと指摘している。
主要データ
- 名目現金給与の伸び+3.4% yoy in June5月の+3.3%から上昇。
- 基本給の伸び+3.4% yoy in June5月の+3.0%から上昇。
- フルタイム労働者の同一標本ベース基本給伸び+2.9% yoy in June5月の+2.5%から上昇。日本銀行が注視。
- 同一標本ベース名目現金給与の伸び+4.4% yoy in June5月の+3.1%から上昇。
- 帰属家賃を除く実質賃金の伸び+1.6% yoy in June5月から横ばいで、6カ月連続のプラス。
- 2026年春闘の合意ベースアップ率3.5%2025年の3.7%をわずかに下回る。
影響と示唆
レポートは、6月のデータが高水準の春闘賃上げ合意が給与に反映されていること、ならびに購買力の伸びがプラスを維持していることを示すと解釈している。調査サンプル構成の限界はあるものの、同一標本ベースの基本給伸びの強さがこの見方を支えている。