中国自動車業界:中国自動車市場は7月に国内需要の圧力に直面、力強い輸出成長が弱さを相殺し、NEV普及率は62.3%へ上昇
Bernsteinは慎重な業界見通しを維持:国内小売は前年比20.6%減、輸出は前年比84.6%増となり、比較ベースが正常化するまで国内需要の有意な回復は見込みにくい。
要約
Bernsteinは慎重な業界見通しを維持:国内小売は前年比20.6%減、輸出は前年比84.6%増となり、比較ベースが正常化するまで国内需要の有意な回復は見込みにくい。
- 7月の乗用車小売販売は148万台、前年比20.6%減となり、過去11年間で2番目に低調な7月の実績となった。
- NEV普及率は62.3%に達し、BEVが42.5%、プラグインハイブリッドが19.8%を占めた。BEV販売は前年比2.1%増となった一方、プラグインハイブリッド販売は同19.9%減となった。
- 輸出は前年比84.6%増加し、NEV輸出は同151%増となった。輸出は乗用車卸売台数の41%を占め、業界の主要な支えとなっている。
- 2026年の国内小売需要は2,000万~2,100万台、前年比11%~13%減、輸出は850万~900万台、同40%~50%増と予想される。
レポート解説
概要
本レポートは、中国の2026年7月の自動車小売、卸売、在庫、価格、輸出、信用環境を追跡する。手厚い補助金による需要の先食い、高い比較ベース、弱い消費者心理が引き続き国内市場を圧迫している一方、輸出、特にNEV輸出は力強い成長を維持し、国内市場の落ち込みを部分的に緩和している。
主要見解
国内自動車需要は、まだ持続的な回復を示していない。7月の小売年率換算販売は6月からわずかに改善したものの、推定される通常の年間需要水準である約2,200万台を下回った。NEVは普及拡大段階に入り、BEVはプラグインハイブリッドに対する競争優位を強めている。海外市場は中国自動車メーカーにとってより重要な成長戦略となっている。
分析フレームワーク
本分析では、中国の最終市場における小売販売を測定するために自動車の強制保険初回登録件数を用い、小売年率換算販売、国内卸売と小売の乖離、流通在庫、前年同月比価格変化、パワートレイン構成、輸出データ、クレジット・インパルスを通じて業界環境を評価する。
手法メモ
小売納車
調査機関は、自動車の強制保険初回登録データが中国における最終市場の小売実売を比較的正確に反映するとみている。
季節調整済年率換算販売
過去の月次季節性と春節時期を調整し、通常水準に対する需要を評価するため、小売年率換算販売を推計する。
在庫削減または在庫積み増し
国内卸売販売と小売販売の差を通じて流通在庫の変化を特定し、NEV在庫も別途モニターする。
自動車需要と信用供給
本レポートは、中国の自動車需要と信用供給の間に過去約0.6の正の相関があると指摘しており、そのためクレジット・インパルスを先行需要指標として使用している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- BYD中国を代表するNEVメーカー
- 強み
- 7月の中国NEV販売は22.1万台に達し、市場シェアは23.9%となった。新たな急速充電モデルへの需要は強く、バッテリー供給制約の緩和に伴い納車は加速すると見込まれる。
- 弱み
- 国内小売販売は前年比19%減となり、弱い業界需要と激しい価格競争の影響を受け続けている。
- 比較
- 中国NEV販売と市場シェアでGeelyおよびLeapmotorをリードしている。
- リスク
- 国内需要のさらなる悪化、価格競争、流通在庫、海外市場の不確実性。
- Geely中国国内ブランドおよびNEVメーカー
- 強み
- NEV販売は10.6万台、市場シェアは11.4%に達した。輸出は10.6万台で前年比201%増となり、力強い海外成長を示した。
- 弱み
- Zeekrを除く国内小売販売は前年比25%減少した。
- 比較
- 中国NEV市場シェアでBYDに次ぐ第2位。
- リスク
- 弱い国内需要、競争激化、輸出成長の持続可能性。
- Xiaomi新エネルギー車市場の新規参入企業
- 強み
- 7月の販売は約3.1万台で、新型SU7の安定的な納車に支えられ、前年比で小幅な3%増となった。
- 弱み
- 自動車事業は依然として拡大および製品サイクル実行の段階にある。
- 比較
- 販売台数はLi Auto、Tesla、XPeng、AITO、NIOを上回ったが、主要な国内NEVメーカーを下回った。
- リスク
- 新モデルの納車、競争的な価格設定、需要変動。
- Chery中国の自動車輸出企業
- 強み
- 7月の輸出は19.9万台、前年比69%増に達し、中国自動車メーカーで首位となった。
- 弱み
- 国内小売販売は前年比29%減少した。
- 比較
- 輸出規模はBYDおよびGeelyを上回る。
- リスク
- 海外の通商政策、外需の変化、国内市場での競争。
主要データ
- 7月の乗用車小売販売148万台、前年比-20.6%過去11年間で2番目に低い7月の数値。
- 7月の小売年率換算販売2,080万台6月の2,070万台を上回ったが、推定される通常の年間需要水準である約2,200万台を下回った。
- NEV普及率62.3%BEVが42.5%、プラグインハイブリッドが19.8%を占めた。
- NEV販売約90万台、前年比-6.1%BEV販売は前年比+2.1%、プラグインハイブリッド販売は同-19.9%。
- 乗用車輸出前年比+84.6%ICE車輸出は前年比32%増、NEV輸出は同151%増。
- 乗用車卸売に占める輸出の比率41%NEV輸出は総輸出台数のおよそ60%を占めた。
- 業界流通在庫純在庫削減11.2万台6月の純在庫削減は17.8万台。期間中、NEVは8.3万台の在庫積み増しとなった。
- 2026年の業界予測卸売:2,900万~3,000万台、国内小売:2,000万~2,100万台、輸出:850万~900万台これは、卸売の前年比成長率が横ばい~-3%、国内小売が-11%~-13%、輸出が+40%~+50%に相当する。
影響と示唆
業界にとって、輸出成長は短期的に弱い国内需要を緩和し得るが、国内の価格競争、販促依存、収益性への圧力を完全には解消できない。構造的には、航続距離と充電性能の改善、プラグインハイブリッドとの価格差縮小を背景に、BEVがプラグインハイブリッド需要を引き続き代替する可能性がある。自動車メーカーは成長維持のため、製品の継続的な改良、サプライチェーンの確保、海外展開を進める必要がある。
リスク
- 補助金の段階的廃止とNEV購入税の引き上げは、最終市場需要をさらに抑制する可能性がある。
- マクロ経済圧力、弱い消費者信頼感、低下するクレジット・インパルスが国内市場の低迷を長引かせる可能性がある。
- 価格競争、値引き拡大、原材料コストの上昇が自動車メーカーの利益率を圧迫する可能性がある。
- 需要が改善しなければ、NEV流通在庫の積み増しが在庫圧力を生む可能性がある。
- 輸出成長は、海外需要、貿易障壁、規制、地政学的要因によるリスクに直面している。
注目点
- 8月から年末にかけた最終市場の来店客数、受注、値引き、政策刺激の変化。
- 11月から12月に比較ベースが正常化した後、国内小売が改善するかどうか。
- プラグインハイブリッドに対するBEVの販売および普及率の変化。
- NEV流通在庫、卸売・小売ギャップ、価格競争が緩和するかどうか。
- 輸出台数、輸出構成、海外市場の政策変更。
- クレジット・インパルス、自動車ローン実行、消費者金融環境。