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レポート解説Hilo Research

Global rates markets and central-bank policy レポート解説

レポートは、市場が依然として米国の制限的な金融政策と、一部市場での追加引き締めを過小評価していると論じる。米国、欧州、英国、豪州、日本、カナダの金利、カーブ、相対価値のテーマを組み合わせている。

機関Bank of America
日付20260918
業界global rates

要約

レポートは、市場が依然として米国の制限的な金融政策と、一部市場での追加引き締めを過小評価していると論じる。米国、欧州、英国、豪州、日本、カナダの金利、カーブ、相対価値のテーマを組み合わせている。

グローバル金利FRBイールドカーブのフラット化中央銀行米国債豪州日本マネーマーケット
  • BofAは、2026年末の米国2年債・10年債利回り予想を5.0%へ引き上げた。
  • テイラー・ルールと実質政策金利の枠組みは、FFが5%を上回ることを示唆し、市場価格は4.6%近辺である。
  • レポートは長期利回りの上昇がフロントエンドより限定的とみており、米国カーブのフラット化を選好する。
  • 豪州は依然として重要なタカ派テーマであり、カナダと英国はBofA予想より多くの引き締めを市場が織り込んでいるとされる。
  • BoJのバランスシートは2027年末まで急速に縮小すると予想されるが、BofAは日本のレポ金利が短期的に急騰するリスクを限定的とみる。

レポート解説

概要

このグローバル金利週報は、BofA Global Researchによる中央銀行、イールドカーブ、相対価値の見通しを示す。中心的なメッセージは、特に米国と豪州で政策金利見通しがなお上振れし得る一方、調整の大半はフロントエンドに及ぶというものである。

主要見解

米国に関する中心見通しは、FRBの9月のタカ派的メッセージがフロントエンド利回りの上昇とカーブのフラット化を支えるというものだ。レポートは、Warsh議長が利上げを制限的政策ではなく緩和の解除と表現したことを、金融環境が明確に制限的になるまでFRBが引き締めを続ける可能性の示唆と解釈する。BofAは米国2年金利のペイと2s30sフラットナーを選好し、4.73%で2年米国債のペイを開始、目標5.25%、ストップ4.45%とし、2y30yフラットナーも組み合わせた。2026年末の2年債・10年債利回り予想はいずれも4.5%から5.0%へ引き上げられ、政策が制限的な領域に達した後は、両者が2027年末に4.75%へ低下すると予想している。 BofAは米国見通しを3つの政策枠組みで裏付ける。FOMC参加者全員が失業よりインフレの上振れリスクを大きいとみており、その差は過去最高で2021年後半の水準をわずかに上回るという。2025年初め以降、実質FFは約200bp低下した一方、失業率はほぼ変わらず、労働市場との関係で政策が緩すぎる可能性を示す。SEPのr-star推計と予測を用いたテイラー・ルールは5.3%-5.4%のFFを示唆するのに対し、市場のターミナルレートは約4.6%である。BofAは、利上げ局面では1年先のFF予想に対する10年債利回りの歴史的betaが低いため、10年超への伝達は限定的と予想する。また、FRBのインフレ抑制への信認上昇が長期ゾーンを支える可能性がある。 欧州では、エネルギー価格の変動がEURデュレーション、カーブ、国債スプレッドを動かしているとBofAはみる。10年OAT-Bundスプレッドは100bpを超える余地があるが、115bp未満にとどまると予想する。フランスの経済・財政・政治情勢、Bund利回りとフロントエンド金利への感応度上昇、他のユーロ圏国債対比での相対的な割安化がOATの脆弱性の要因とされる。Bundが10bp売られればスプレッドは約4bp拡大し、1y1yが10bp上昇すれば約3bp拡大し得る。エネルギー価格低下、ECBコミュニケーションの変化、OAT発行年限の短縮、国内需要、BTPからOATへのシフト、ECB支援が緩衝要因になり得る。 英国では、市場の織り込みがBofAによるBoEの反応関数の見方より大幅にタカ派的と判断する。11月MPC期日のSoniaは21bpの引き締めを織り込み、2027年半ばまでにほぼ4回の利上げを織り込むが、BofAは仮にBoEが11月に利上げしても長期的な利上げサイクルは予想しない。BoEのQT手法見直しが重要であり、Giltsの能動的売却は最長6か月停止し、その後2034年まで年間£20bnをDebt Management Officeへ直接売却する可能性がある。年間QT総額は平均£46bnと予想されるが、新たな手法は国家全体の純吸収需要を変えずに長期Giltsへの市場影響を抑え得るとBofAは考える。 豪州は引き続きタカ派の金利テーマである。BofAは9月RBA OISのペイとAU 2s10sフラットナーを維持し、後者は36bpで開始、目標10bp、ストップ50bpとする。市場は9月に約20bp、2027年半ばまでに65bpを織り込む。BofAエコノミストは8月雇用者数が47,000増加し、コンセンサスの20,000を上回り、失業率はコンセンサスの4.5%に対して4.4%へ低下すると予想する。強い結果なら11月利上げの織り込みは40-45bpに進み得る一方、原油価格圧力とRBAの上振れインフレへの注目から、弱い結果でもタカ派的な織り込みは大きく巻き戻されにくい。グローバルなカーブのスティープ化と9月のRBA据え置きが主なリスクである。 日本は、バランスシート引き締めと限定的なマネーマーケットストレスの組み合わせを示す。BofAは、BoJのバランスシート対GDP比が2025年末の約102%から2026年末89%、2027年末77%へ低下すると推計する。2026年9月から2027年末にかけてQTで約¥71tn、貸出支援プログラムの満期で約¥31tn、合計¥102tn縮小し、2026年9月10日時点の¥644.3tnのバランスシートの約16%に相当する。この相対的な流動性引き締めは、2026年末149、2027年末145というBofAのUSD/JPY予想を支える。しかしバランスシートはなお大きいため、東京レポ金利が2027年末までに急騰するリスクは限定的とみる。ただし、レポ-IOERスプレッドが既にゼロ近辺にあること、クロスカレンシーbasisのマイナス幅縮小、貸出預金比率の上昇はこの見通しへの留保である。 カナダの8月CPIは前年比3.0%で横ばい、主にガソリン価格高止まりによるもので、コアは2.0%にとどまった。BofAは2026年末のインフレを2.9%、2027年末を1.9%と予想し、BoCが2026年を通じて政策金利を2.25%に据え置くとみる。市場は今後1年でほぼ5回の利上げ、10月利上げ確率約73%を織り込んでおり、関税・貿易に起因する成長下振れリスクを踏まえると過大とBofAは判断する。ただし、原油価格による持続的インフレは据え置き見通しの上振れリスクである。 レポートはマネーマーケット、政治イベント、テクニカルも扱う。最近の米国MMF流出は、9月の法人税納付日により増幅された通常の月中季節性による一時的なものとされる。政府系・プライムMMFの7日単純利回りはそれぞれ3.39%、3.44%で、BofAはFRB利上げが迅速に反映されるとみている。また2026年のFRB利上げを75bpと予想し、市場の52bpを上回る。米中間選挙では、分裂議会では金利反応は概して限定的とみる。民主党の全面勝利ではリスクセンチメント悪化を通じたブル・スティープ化、共和党の全面勝利では財政拡張、成長、インフレ懸念を通じた当初のベア・フラット化があり得るが、財政赤字と国債供給が支配的になれば後のベア・スティープ化リスクがある。 米国債買い戻しについて、BofAは他の先進国カーブとのPCA比較から、財務省の積極姿勢が米国10s30sカーブを最大5-10bp相対的にリッチ化させた可能性を示す。影響は持続的だが絶対水準では小さい。テクニカル面では、米国10年債利回りは5.04%の新たなサイクル高値に達し、2023年10月の5.02%を上回った。BofAはその後の低下を調整局面とみなし、利回りが4.73%超を維持するなら4.83%-4.78%付近まで下落した後に再びペイを検討する。

分析フレームワーク

BofAは、中央銀行コミュニケーション、市場が織り込む政策パス、マクロデータ、正式な政策金利フレームワークを、クロスマーケットの相対価値分析と組み合わせる。イールドカーブ感応度、過去イベント比較、バランスシート予測、主成分残差、テクニカルなモメンタム指標を用いて、マクロ見通しを金利・カーブ取引へ落とし込む。

手法メモ

  • マクロ経済フレームワークテイラー・ルール

    r-star、失業率、コアPCEの仮定を用いて適切なFFを推計するテイラー・ルール。

    BofAはこのルールを用い、5.3%-5.4%の政策金利が市場の約4.6%の織り込みより経済変数に整合的だと論じる。

  • その他イールドカーブ分析

    政策金利の再評価が年限ごとに異なる形で伝わることの分析。

    レポートは、制限的なFRB局面では短期利回りが長期利回り以上に上昇し、カーブのフラット化を支えると予想する。

  • クオンツ・ファクター・ポートフォリオ理論その他

    先進国同業対比の国債カーブ残差に対する主成分分析。

    BofAはPCA残差を用いて、米国・スイスの長期ゾーンカーブとフランス国債スプレッドの相対的リッチネスを推計する。

  • イベントドリブン・行動ファイナンスイベントドリブン分析

    米中間選挙の結果と潜在的な金利市場への影響に関するシナリオ分析。

    レポートは分裂政府と全面勝利のシナリオを比較し、選挙後の過去の利回り変化と政策チャネルを用いる。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • US Treasuries
    FRBが制限的な金融環境を目指す中、BofAは2年債利回り上昇とカーブのフラット化を選好する。
    強み
    FRBのインフレ抑制への信認向上が長期利回りを支える可能性がある。
    弱み
    フロントエンド金利は追加的な制限的政策の再評価に依然として脆弱である。
    比較
    レポートは10年超への伝達がフロントエンドより弱いと予想する。
    リスク
    原油価格低下、FRBのハト派転換、成長鈍化、雇用悪化は利回り上昇を抑える可能性がある。
  • French OATs
    レポートは10年OAT-Bundスプレッドの脆弱性と一段の拡大可能性をみる。
    強み
    国内需要、発行年限短縮、ECB行動、BTP対比の相対価値が拡大を抑える可能性がある。
    弱み
    財政・政治・経済状況がOAT下落局面での買い意欲を弱める。
    比較
    OAT-BundのBund利回りへの感応度は上昇し、BTP-Bundスプレッドを上回る。
    リスク
    極端なフロントエンド再評価ではスプレッドが115bpへ向かう可能性がある。
  • Australian government bonds
    RBAのタカ派的再評価を背景に、BofAはAU 2s10sフラットナーと9月RBA OISのペイを選好する。
    強み
    強い雇用と原油価格上昇は追加利上げを前倒しする可能性がある。
    弱み
    フロントエンドは既に相当な引き締めを織り込んでいる。
    比較
    国内要因により、豪州のフロントエンド金利はグローバル金利上昇への感応度が相対的に低い。
    リスク
    グローバルなカーブのスティープ化、または9月のRBA据え置き。
  • Japanese government bond and money markets
    BoJのバランスシート縮小は円流動性を引き締めるが、2027年末までのレポ金利急騰は予想されない。
    強み
    バランスシートのランオフはBofAのUSD/JPY低下予想を支える。
    弱み
    ゼロ近辺のレポ-IOERスプレッドは流動性バッファーの縮小を示す。
    比較
    BoJは主要中央銀行でGDP比最大のバランスシートを維持するが、最速で縮小すると予想される。
    リスク
    よりタイトな流動性指標により、マネーマーケット金利への影響が予想を上回る可能性がある。
  • Canadian rates
    BofAは市場のBoC利上げ織り込みが過大とみなし、政策金利が2026年に2.25%で維持されると予想する。
    強み
    抑制されたコアインフレと貿易関連の成長リスクが据え置きを支持する。
    弱み
    ガソリン価格によりヘッドラインインフレは依然高い。
    比較
    市場は今後1年でほぼ5回の利上げを織り込むのに対し、BofAは据え置きを予想する。
    リスク
    高い原油価格の持続がより広範なインフレ圧力を生む可能性がある。

主要データ

  • 米国の2026年末利回り予想2Y 5.0%; 10Y 5.0%9月FOMC後に両方とも4.5%から引き上げられた。
  • テイラー・ルールが示すFF5.3%-5.4%市場のターミナルレート織り込み約4.6%との比較。
  • 米国10年債のサイクル高値5.04%2026年9月15日に到達し、2023年10月の5.02%高値を上回った。
  • BoJバランスシート予測102% of GDP at end-2025; 89% at end-2026; 77% at end-2027BofAは主要中央銀行の中で最も速い縮小を予想する。
  • カナダの8月インフレ3.0% headline; 2.0% core year on yearヘッドラインインフレは引き続きガソリン価格の影響を受けた。
  • 豪州の雇用予想+47k; unemployment 4.4%それぞれコンセンサスの+20k、4.5%との比較。
  • UST 10s30sのリッチネス推計Up to 5-10bpBofAのPCA手法により先進国カーブ対比で推計。

影響と示唆

BofAの全体的な含意は、引き締め政策の再評価は短期年限に集中し、米国・豪州カーブのフラット化を支えるというものだ。エネルギー価格、成長データ、政策コミュニケーションがこれらの経路を変え得ることを強調しつつ、欧州ソブリン利差、英国のQT関連Gilt動向、日本の流動性、カナダの政策金利見通しに選択的な機会を見いだしている。

リスク

  • 予想を超える成長減速、雇用悪化、またはFRBのハト派転換は、米国のフロントエンド金利上昇・カーブフラット化見通しを弱める可能性がある。
  • 原油価格低下またはECBコミュニケーションの変化は、ユーロ圏金利とOATスプレッドへの圧力を和らげる可能性がある。
  • グローバルなカーブのスティープ化、またはRBAの利上げ延期は、豪州のフラットナーとOISペイのポジションを損なう可能性がある。
  • 日本の流動性引き締め指標により、レポ金利がBofAの現在の予想以上に上昇する可能性がある。
  • エネルギー価格によるインフレの持続は、BoCがBofA予想より多く引き締める要因となり得る。

注目点

  • より速い利上げサイクルを示す手掛かりとして、BoJ決定、票数、声明文、記者会見を注視する。
  • ユーロ圏の速報PMI、INSEE、IFOの発表、およびエネルギー価格の動向を注視する。
  • 豪州の8月雇用統計と、11月RBA利上げに関する市場の織り込みを注視する。
  • 今後のRiksbank、Norges Bank、SNBの政策決定を注視する。
  • 10月28日のBoC会合までのカナダのデータ、次回CPIを含めて注視する。
  • 米中間選挙の結果、国債供給、財政関連の報道、ならびに米国10年債利回りの4.83%-4.78%と4.73%近辺での推移を注視する。
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