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レポート解説Hilo Research

Taiwan ODM/Brands AI server/PC supply chain:AIサーバーラックの立ち上がりと新型スマートフォンが2026年後半の台湾ODM/ブランド各社の増収をけん引する見通し

Goldman Sachsは、次世代AIサーバーラックとフラッグシップスマートフォンの出荷拡大を背景に、台湾のサーバー/PCサプライチェーン10社の売上高が11月まで前月比で増加すると予想する。Hon Hai、AVC、Wiwynn、Wistronを選好し、複数の同業にはNeutral、PegatronにはSellを維持する。

機関Goldman Sachs
日付20260930
業界Taiwan ODM/brands, AI server and PC supply chain

要約

Goldman Sachsは、次世代AIサーバーラックとフラッグシップスマートフォンの出荷拡大を背景に、台湾のサーバー/PCサプライチェーン10社の売上高が11月まで前月比で増加すると予想する。Hon Hai、AVC、Wiwynn、Wistronを選好し、複数の同業にはNeutral、PegatronにはSellを維持する。

Buy: Hon Hai、AVC、Wiwynn、Wistron;Neutral: Quanta、Gigabyte、ASUS、Compal、Inventec;Sell: Pegatron。
台湾ODMAIサーバーラックレベルサーバーASIC AI液冷PC需要スマートフォン月次売上高
  • 10社平均の売上高成長率は2026年9月/10月/11月に+7%/+2%/+4% MoM、+49%/+57%/+52% YoYと予想される。
  • AIラックの仕様高度化、ASP上昇、ASICサーバー浸透率上昇、スマートフォン発売が主な成長要因である。
  • WistronとInventecは8月実績後に利益予想と目標株価が引き上げられた。
  • 高いメモリーコスト、PC需要の前倒し、部材不足、AIサーバーのモデル移行が短期業績を不均一にする。

レポート解説

概要

本3カ月売上高プレビューは、AIサーバー、PC、コンシューマーエレクトロニクスのサプライチェーンに属する台湾ODMおよびブランド企業10社を対象とする。Goldman Sachsは、AIサーバーラックと新型スマートフォンの立ち上がりで2026年末にかけて高い前年比成長が続くとみるが、PC低迷、部材供給、バリュエーション、実行力により企業ごとの差が生じるとみている。

主要見解

Goldman Sachsは、カバレッジ10社の平均売上高成長率が2026年9月/10月/11月に+7%/+2%/+4% MoM、+49%/+57%/+52% YoYになると予想する。次世代ラックレベルAIサーバー、仕様高度化とASP上昇、ASIC AIサーバー浸透率の上昇、PC製品ミックスの改善、フラッグシップスマートフォン新機種、メモリーコスト上昇による販売価格上昇が背景である。Appleサプライチェーンについては、2026年の折りたたみ式スマートフォンと2027年のiPhone 20を含むフォームファクター変更を伴う新機種が需要を支えるとみるほか、AIサーバー部材とASICサーバー浸透率を前向きにみている。 Hon Haiについては、3Q26/4Q26の売上高がそれぞれ+14%/+23% QoQ成長すると予想する。次世代AIサーバーラックとCPOスイッチを同業より約2-3カ月早く納入し、9月以降の売上高を押し上げるとみる。その後はGPUラック、さらに12月以降はLPU搭載ラックが成長を支える見通しである。Goldman Sachsは2026-28Eの世界スマートフォン販売台数予想を1m/8m/0.2m台引き下げて1.1bn/1.2bn/1.2bn台としたが、高級機と折りたたみ式スマートフォンは追加の追い風とみる。Hon Haiは17.9x 2027E P/Eに基づくNT$400の12カ月目標株価でBuyを維持する。 AIサーバーの移行期には短期的な業績のばらつきが生じるとみる。QuantaのPC出荷は7月/8月に30%/37% YoY減少し、Goldman Sachsは3Q26/4Q26の売上高をいずれも+2% QoQと予想、その後は新AIラックの立ち上がりにより12月に加速するとみる。AIおよび汎用サーバー需要、能力分散を背景に、Quantaの設備投資を2026/27EでNT$44bn/NT$32bn、2025年のNT$15bnから増加すると予想する。10.7x 2027E P/E、NT$299の目標株価でNeutralを維持する。Gigabyteは、AI投資、顧客展開、受注残の可視性改善により3Q/4Q26の売上高成長率が81%/79% YoYに加速すると予想し、2026年設備投資は143% YoY増のNT$2.8bnと見込む。それでもGoldman SachsはNeutralとNT$487の目標株価を維持する。 AVCは、GPU・ASICサーバーラックの立ち上がりによる液冷採用率上昇、主要ASIC顧客の新モデル立ち上がり、顧客基盤の拡大を背景に、3Q/4Q26売上高が+18%/+27% QoQ成長すると予想される。Goldman Sachsは2026-28EのAIサーバーラック出荷を55k/105k/163k、同期間のAVC純利益CAGRを+39%と予想する。30.3x 2027E P/Eに基づくNT$4,513の目標株価でBuyを維持する。Wiwynnの8月売上高は、米国大手CSPの汎用サーバー需要と新ASIC AIサーバーの立ち上がりを受け、Goldman Sachs予想を27%上回った。同社は3Q/4Q26に+46%/+22% QoQ成長、4Q26にはGPUサーバーラックの量産入りを見込み、2026E設備投資をNT$44bnと予想する。21.5x 2027E P/E、NT$3,777の目標株価でBuyを維持する。 Wistronの8月売上高はラックレベルAIサーバー出荷により166% YoY増のNT$460bnとなり、PC需要低迷にもかかわらずGoldman Sachs予想を48%上回った。同社は2026-28Eの売上高予想を11%/7%/6%、純利益予想を2%/3%/4%引き上げる一方、ラックレベルサーバーの粗利率が他製品ラインより低いため粗利率前提を引き下げた。目標株価は13.1xから13.2x 2027E P/Eへ変更し、NT$281からNT$295へ引き上げ、Buyを維持した。Inventecは8月売上高が+36% YoYで概ね予想線だったが、部材不足が前月比の業績を抑制した。Goldman Sachsは2026-28Eの売上高予想を8%/10%/6%、純利益予想を5%/4%/2%引き上げ、目標株価をNT$56からNT$61へ引き上げ、Neutralを維持した。 PC消費エクスポージャーの大きい企業について、Goldman Sachsは増収を見込む一方、需要とバリュエーションには慎重である。ASUSは高価格帯PCミックスとAIサーバーの立ち上がりにより3Q/4Q26売上高が39%/27% YoY増となる一方、需要前倒し後の4Q売上高は7% QoQ減と予想し、NeutralとNT$1,115の目標株価を維持する。Compalの8月売上高はPC出荷低迷により予想を20%下回ったが、AIサーバーの立ち上がりとマザーボードからシステム組立への移行により3Q/4Q26売上高は+1%/+16% QoQ成長が見込まれ、Goldman SachsはNeutralとNT$46.1を維持する。PegatronはAIサーバー、スマートフォン発売、季節的なブロードバンド、IoT、ゲーム機需要により3Q/4Q26売上高が+18%/+25% YoY成長すると予想するが、バリュエーションが割高とみてSellを維持する。NT$76.9の目標株価は10.8x 2027E P/Eに基づく。

分析フレームワーク

Goldman Sachsは8月の実績売上高を自社予想と比較し、12月までの月次・四半期売上高を予測したうえで、各社の見通しをAIサーバープラットフォームの立ち上がり、ASP、PC需要、スマートフォン発売、設備投資、供給制約に結び付けている。個別企業の評価は主にフォワードP/Eを用い、同業の利益成長、該当する場合は営業利益率、バリュエーション倍率との関係に基づいて調整している。

手法メモ

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    同業の利益成長、利益率、バリュエーション倍率の関係で調整したフォワードP/E評価。

    Goldman Sachsはカバレッジ各社の2027E EPSに目標P/E倍率を適用し、一般にフォワード利益成長とP/Eの同業相関を参照する。Hon HaiではPEGと利益率の比較も用いる。

  • 業界・産業分析フレームワーク需給フレームワーク

    AIサーバー、PC、スマートフォン、部材の需給分析。

    レポートは顧客需要、製品立ち上がり、部材供給、設備投資、価格を月次・四半期の売上高予想に結び付けている。

  • 業界・産業分析フレームワーク数量・価格分解

    出荷数量とASP上昇による売上高への影響。

    分析では出荷の立ち上がりと価格効果を区別しており、とりわけラックレベルAIサーバーの高いASPとメモリーコストによる販売価格上昇を扱う。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • Hon Hai (2317.TW)
    次世代AIサーバーラックとCPOスイッチの早期納入に加え、新型スマートフォンが成長を支える。
    強み
    最新AIサーバーラックの先行納入が見込まれる。折りたたみ式・高級スマートフォンへのエクスポージャー。
    比較
    最新モデルは同業より約2-3カ月早く納入すると予想される。
    リスク
    AIサーバー立ち上がりの遅れ、EVトータルソリューションの低調、世界的な能力拡張の遅れ、またはEMS競争の激化。
  • Quanta (2382.TW)
    AIサーバーの立ち上がりと高水準の設備投資がPC出荷減速を相殺する。
    強み
    AI・汎用サーバー需要、能力分散。
    弱み
    PC出荷減速とAIサーバーのモデル移行。
    比較
    10.7x 2027E P/Eでバリュエーションは妥当。
    リスク
    PC回復、AIサーバー立ち上がり、汎用サーバー需要が予想と異なる可能性。
  • AVC (3017.TW)
    液冷採用率の上昇とASIC/GPU AIサーバーの立ち上がりが成長をけん引する。
    強み
    空冷・液冷のトータルソリューションでの地位。
    比較
    目標P/Eはテクノロジーハードウェア同業の成長とバリュエーションの相関から導出。
    リスク
    液冷採用の遅れ、AIサーバー需要の低迷、競争激化、または汎用サーバー回復の遅れ。
  • Wiwynn (6669.TW)
    ASIC、GPU、汎用サーバー需要が売上高と能力拡張を支える。
    強み
    8月の大幅な上振れ、AIサーバープラットフォームの拡大、生産地域の分散。
    比較
    目標倍率はPC/サーバー同業のEPS成長とP/Eの関係を参照。
    リスク
    AIサーバー需要の低迷、汎用サーバー回復の遅れ、またはサーバーODM競争の激化。
  • Wistron (3231.TW)
    ラックレベルAIサーバー出荷が利益予想引き上げと目標株価上昇をもたらす。
    強み
    AIサーバーODMでの市場主導的地位と米国/ベトナムで計画する能力投資。
    弱み
    ラックサーバー構成比上昇が粗利率前提を低下させる。PC需要も低迷。
    比較
    目標倍率は過去平均と平均値+1標準偏差のフォワードP/Eの間にある。
    リスク
    PC回復の弱さ、AIサーバー立ち上がりの遅れ、または汎用サーバー需要の弱さ。
  • Gigabyte (2376.TW)
    AIサーバー導入、顧客拡大、設備投資が2026年後半の成長を押し上げる。
    強み
    受注残の可視性改善と生産地域の分散。
    比較
    14.1x 2027E P/EではNeutralのバリュエーション。
    リスク
    PC市場回復、ゲーミングPC成長、AIサーバー立ち上がりが予想と異なる可能性。
  • ASUS (2357.TW)
    AIサーバー拡大と高価格帯PCミックスが成長を支える。
    強み
    AIサーバー拡大とPCミックス改善。
    弱み
    需要前倒しとAIサーバーのモデル移行により4Q26は前期比減収見込み。
    比較
    バリュエーションはブランドメーカーのP/E、利益成長、営業利益率の関係を用いる。
    リスク
    PC、AI/ゲーミングPC、AIサーバーの成長が予想と異なる可能性。
  • Compal (2324.TW)
    AIサーバーシステムへの拡張が2026年後半の成長を支える見通し。
    強み
    L6マザーボードからL10/L11システムへの拡張と世界的な能力分散。
    弱み
    8月売上高の未達、PC出荷低迷、原材料コストの影響を受ける消費需要。
    比較
    14.7x 2027E P/EではNeutralのバリュエーション。
    リスク
    PC回復、AIサーバー立ち上がり、Tablet需要が予想と異なる可能性。
  • Inventec (2356.TW)
    AIサーバー拡大が予想を支える一方、部材不足が短期成長を抑える。
    強み
    AIサーバーASP前提の上昇と利益見通しの修正。
    弱み
    メモリー、PCB、CPUの供給逼迫。PC需要低迷。
    比較
    目標P/Eは現地および世界のPC/サーバー同業の利益成長相関に基づく。
    リスク
    PC回復、AIサーバー立ち上がり、汎用サーバー需要が予想と異なる可能性。
  • Pegatron (4938.TW)
    AIサーバーと新型スマートフォンが売上高を支えるが、Goldman Sachsはバリュエーションを理由にSellを維持する。
    強み
    AIサーバーと車載エレクトロニクスへの拡張、季節的なブロードバンド、IoT、ゲーム機需要。
    弱み
    高いメモリーコストがPCとスマートフォン需要を抑制。8月売上高は予想未達。
    比較
    Sell評価はGoldman Sachsが割高とみるバリュエーションを反映する。
    リスク
    スマートフォン市場のより強い回復、AIサーバーのより速い立ち上がり、またはコンシューマーエレクトロニクス需要の上振れ。

主要データ

  • 10社平均の売上高成長率、2026年9月/10月/11月+7%/+2%/+4% MoM; +49%/+57%/+52% YoYGoldman Sachsによるカバレッジ対象サプライチェーンの予想。
  • Wistronの2026年8月売上高NT$460bn, +166% YoYGoldman Sachs予想を48%上回った。
  • Wistronの2026-28E純利益予想修正+2%/+3%/+4%主にラックレベルAIサーバー売上高の増加による。
  • Inventecの2026-28E純利益予想修正+5%/+4%/+2%主に増収とAIサーバーASP前提による。
  • AVCの2026-28E純利益CAGR+39%AI投資、液冷浸透率、トータルソリューションでの地位による。
  • Wiwynnの8月売上高の予想比+27%汎用サーバー需要と新ASIC AIサーバーの立ち上がりが支えた。

影響と示唆

レポートは、サプライチェーンがより高付加価値のラックレベルAIサーバーシステム、液冷、ASICプラットフォームへ移行し、強い増収と能力拡張を支えると論じる。ただし、PC需要の前倒し、高いメモリーコスト、モデル移行、サーバーの低い利益率、部材不足により、恩恵は企業や時期で不均一となる。

リスク

  • AIサーバー需要またはプラットフォームの立ち上がりが予想より遅い可能性。
  • 高いメモリーコスト、上半期の需要前倒し後のPC需要低迷、部材不足が成長を制約する可能性。
  • サーバーODM、冷却、コンシューマーエレクトロニクスEMSで競争圧力が強まる可能性。
  • ラックレベルAIサーバーの構成比上昇が一部ODMの粗利率を希薄化する可能性。
  • 能力拡張と生産拠点分散が想定通りに進まない可能性。

注目点

  • 平均+7%/+2%/+4% MoMの予想経路に対する9月から12月の月次売上高の進捗。
  • 次世代GPU、ASIC、LPU AIサーバーラックの立ち上がり時期と関連する液冷採用率。
  • PC出荷の回復、メモリーコスト、メモリー、PCB、CPU部材の供給状況。
  • フラッグシップおよび折りたたみ式スマートフォンの新機種発売とODM需要への影響。
  • 特に米国、メキシコ、マレーシア、ベトナムにおける各社の設備投資と能力拡張の実行。

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