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レポート解説Hilo Research

US equities following a US 10-year Treasury yield spike:UBSは、異例の10年国債利回り急騰後の米国株の方向をFedパスが左右するとみる

レポートは、S&P 500が金利主導の大幅なバリュエーション調整をすでに織り込み、Fedの追加引き締めが穏健なら回復し得ると論じる。全面的な利上げサイクルが主要な悪材料シナリオである。

機関UBS
日付20260928
業界US equity strategy

要約

レポートは、S&P 500が金利主導の大幅なバリュエーション調整をすでに織り込み、Fedの追加引き締めが穏健なら回復し得ると論じる。全面的な利上げサイクルが主要な悪材料シナリオである。

企業レーティングまたは目標株価はなし。Fedパスが穏健であることを条件に、米国株戦略に建設的な見方。
米国株S&P 500米10年国債利回りFederal Reserveバリュエーション利益成長金利感応度
  • 米10年国債利回りは5.2%に達し、1年移動平均を約80bp上回る1.64 z-scoreの事象となった。
  • S&P 500の今後12カ月P/Eは11月以降17%下落し、景気後退または減速局面のバリュエーション調整水準に近づいた。
  • Fedの利上げが穏健または良性だった過去の局面では、S&P 500は6カ月後に平均10.4%、12カ月後に17.7%上昇した。
  • 全面的なFed利上げサイクルでは、S&P 500の1年までの全期間リターンはマイナスだった。
  • UBSは、ディスカウント状態の高成長・高CFROIエクスポージャーを選好し、金利感応度が限定的な一部のファンダメンタルズ良好なサブインダストリーを挙げている。

レポート解説

概要

UBSは、米国債利回りの急上昇がS&P 500に何を意味するかを検討している。中心的な結論は、Fedが追加的に穏健な引き締めにとどまるか、より大規模な利上げサイクルに入るかが市場の次の動きを主に決めるというものだ。力強い利益と収益性改善がより建設的なケースを支える。

主要見解

米10年国債利回りは年初来約100bp上昇し、直近1カ月では約50bp上昇して5.2%に達した。これは1年移動平均の4.4%に対する水準である。乖離は約80bp、z-scoreは1.64で、歴史的に93パーセンタイルに位置する。UBSはこれを稀な金利急騰局面と位置付ける。10年利回りが1年移動平均を1.5標準偏差超上回ったのは、現在を含め1985年以降わずか8回である。上昇はインフレ期待ではなく実質利回りが主導しており、インフレ・ブレークイーブンは移動平均を0.01パーセントポイント上回るにとどまる。UBSは、昨秋のFed利下げ予想から追加利上げの織り込みへの転換を主要因とし、1y1y金利は11月から12月以降約180bp上昇したとしている。 レポートは過去の金利急騰局面を用いて株式見通しを組み立てる。完了した7事例全体では、S&P 500の平均先行リターンは1カ月後-0.2%、3カ月後-1.2%だった後、6カ月後+4.9%、1年後+10.0%に改善した。ただし結果はFedの対応によって大きく異なった。2013年、2016年、2021年、2023年のように、1年以内のFed利上げが100bp未満だった場合、利回りは低下前に平均約2カ月高止まりし、S&P 500は6カ月後に平均10.4%、12カ月後に17.7%上昇した。1994年、1999年、2022年の全面的な利上げサイクルでは、1年以内の利上げが100bpを超え、S&P 500は全ての期間でマイナスとなった。1カ月後-2.3%、3カ月後-4.1%、6カ月後-2.5%、12カ月後-0.2%である。両パスのパフォーマンス差は約18パーセントポイントだった。 UBSは、今後1年で市場が織り込むFed利上げ約88bpは境界的ながら、より良性のパスと整合的だとみる。レポートによれば、過去には金利急騰のこの段階後、利回りは少なくとも2〜3カ月は有意に低下しなかった。全面的な利上げサイクルではさらに上昇する可能性がある。従って、インフレ期待、原油価格、雇用データ、インフレ指標、追加Fed利上げの規模が中核的な決定要因となる。インフレ期待が抑制され、特に原油が上昇停止または下落すれば、UBSは長期かつ大幅な利上げサイクルの確率が低下するとみる。逆に、一段の金利圧力には、より多くのFed利上げの織り込み、および/またはインフレ期待の再上昇が必要である。 レポートは、バリュエーション調整はすでに大きいと論じる。S&P 500の今後12カ月P/Eは11月の高値から17%低下し、1994年のデレーティングに匹敵し、景気後退期に見られた20-30%の下落に近い。一方で、11月以降、フォワード売上高成長期待とCFROIはいずれも約2-3パーセントポイント上昇した。UBSのフレームワークではS&P 500のインプライドP/Eは24x超で、現在は約20xである。詳細モデルのインプライドP/Eは24.5xで、モデル上のインプライド倍率に対して約21%の上昇余地を示す。レポートは、利益、収益性、フォワード成長期待が改善する中でも、市場は成長鈍化、マージン低下、および/または高金利の長期化を織り込んでいるようだとする。 UBSは、バリュエーション枠組みでは売上高成長期待とCFROIの説明力が金利単独より強いと強調する。S&P 500のP/Eのフォワード売上高成長CAGRに対するbetaは、債券利回りに対するbetaのほぼ2倍である。高金利は引き続き逆風だが、テクノロジー以外の投資と住宅はすでに弱い。中古住宅販売は世界金融危機時の水準で、新築住宅販売も弱く、テクノロジー以外の実質投資は長年低調である。このためUBSは、投資が強かった過去の局面に比べ、金利上昇に対する活動の追加的な感応度は低いと判断する。一方、金利低下はテクノロジー以外の投資に必要な追い風となる。 金利が高止まりしつつ安定する局面に向け、UBSはHigh Growth + CFROI at a Discount basketを強調し、High Leverage basketには逆風をみる。ファンダメンタルズが強く金利中立のサブインダストリーとして、Refining、Semis、Diversified Banks、Diversified Financial Services、Construction Machinery、Pharmaceuticalsを選好する。また、Consumer Finance、Trading Companies & Distributors、Biotech、Building Products、Hotels & Leisure、Regional Banksは、トップ四分位のComposite REVSスコアと負の金利betaを兼ね備えるとする。Building Productsは、住宅エクスポージャーを持ちながら、ファンダメンタルズの順位がHomebuildingより38位高い点で特に注目される。対照的に、UBSはRenewables、Automobiles、Construction Materials、Healthcare Facilities、Auto Retail、Restaurants、Other Retail、Healthcare Equipment、Media、Application Softwareを、ファンダメンタルズが弱く金利感応度が高い資金源候補と位置付ける。さらに、金利圧力が緩和し利益が予想を上回れば、年末にかけて相関性の高い上昇相場となる確率が高まり、そのシナリオではOTM S&P 500 callsが魅力的だとみる。

分析フレームワーク

UBSはまず、現在の国債利回りの動きを、1年平均からの極端な乖離を示した過去局面と比較する。次に、事後的なFed利上げ規模で事例を分け、S&P 500のリターンを比較する。その後、金利、売上高成長期待、CFROI、ボラティリティ、経済サプライズ、資本還元変数を使うファンダメンタルズ重視のS&P 500 P/Eフレームワークを、Composite REVSスコアと金利betaによるサブインダストリー比較と組み合わせている。

手法メモ

  • イベントドリブン・行動ファイナンスイベントドリブン分析

    米10年国債利回り急騰のヒストリカル・イベント分析

    レポートは、10年利回りが1年平均を大きく上回った完了事例を比較し、その後のFed引き締め度合いで結果を分けることで、株式の想定パスを評価している。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    S&P 500のフォワードP/Eバリュエーション・フレームワーク

    UBSは、債券利回り、売上高成長期待、CFROI、その他の変数を用いて指数のインプライドP/Eを推計し、現在のバリュエーションがファンダメンタルズを反映しているかを判断する。

  • クオンツ・ファクター・ポートフォリオ理論マルチファクターモデル

    Composite REVSスコアと金利betaの比較

    UBSはサブインダストリーをファンダメンタルズ・モメンタムで順位付けし、金利変化への感応度と比較して、ファンダメンタルズに裏付けられたデュレーション・エクスポージャーと弱い金利感応セクターを区別している。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • S&P 500
    主要な株式市場ベンチマークであり、そのパスは利回り急騰後のFed追加引き締めの規模と結び付く。
    強み
    力強いEPS成長、より高いフォワード売上高成長期待、CFROI改善が、UBSのフレームワークにおいてバリュエーションを支える。
    弱み
    市場は依然として、より長期化する高金利パスと、サイクルを通じた成長・マージンの不確実性にさらされている。
    比較
    過去には、良性のFed局面の6カ月・12カ月リターンは、全面的な利上げサイクル局面を大きく上回った。
    リスク
    Fedの追加利上げ、インフレ期待の上昇、利回り圧力の再燃。
  • Building Products
    高いComposite REVSと負の金利betaを持つ、選好される住宅関連サブインダストリー。
    強み
    住宅エクスポージャーを維持しつつ、ファンダメンタルズ・モメンタムはHomebuildingより38位高い。
    弱み
    住宅活動は依然弱く、債券利回りに敏感である。
    比較
    UBSのファンダメンタルズ指標でHomebuildingを大きく上回る。
    リスク
    高金利の持続が住宅への逆風であり続ける可能性。
  • Renewables
    低REVSかつ金利感応度の高いサブインダストリーの中で、潜在的な資金源と位置付けられる。
    弱み
    Composite REVSでは最下位級で、負の金利betaを持つ。
    比較
    ファンダメンタルズに支えられたデュレーション・エクスポージャーを持つ高REVSサブインダストリーと対照的である。
    リスク
    金利不確実性の継続と弱いファンダメンタルズ。

主要データ

  • 米10年国債利回り5.2%1年移動平均の4.4%を約80bp上回る。z-scoreは1.64。
  • 米10年国債利回りの変化~100bp YTD直近1カ月で約50bp上昇した。
  • S&P 500 NTM P/Eのデレーティング-17%11月以降。景気後退または減速局面の20%+のデレーティング水準に近い。
  • 過去の良性パスにおけるS&P 500リターン+10.4% at six months; +17.7% at 12 months金利急騰後1年以内のFed利上げが100bp未満だった場合の平均結果。
  • 過去の全面的な利上げサイクルにおけるS&P 500リターン-2.3% at one month; -4.1% at three months; -2.5% at six months; -0.2% at 12 months金利急騰後1年以内のFed利上げが100bpを超えた場合の平均結果。
  • UBSモデルのS&P 500インプライドP/E24.5x現在は約20x。UBSはインプライドP/Eに対して約21%の上昇余地を示している。
  • S&P 500のバリュエーション分布19.4x average NTM P/E; 16.6x median NTM P/Eいずれも歴史的平均に近い。典型的な銘柄は自身の過去推移の40パーセンタイルで取引されている。

影響と示唆

UBSは、穏健なFedパスなら、利益成長と収益性改善がバリュエーション調整後のS&P 500のさらなる上昇を促すとみる。より大規模な利上げサイクルは金利圧力を長引かせ、歴史的に弱い株式パフォーマンスと重なった。レポートは、高品質なファンダメンタルズ・モメンタム、ならびに一部の金利中立または負の金利betaを持つサブインダストリーを、高レバレッジまたは低REVSで金利感応度の高い業種より選好する。

リスク

  • レポートで、全面的なFed利上げサイクルは利回り急騰後1年以内に100bp超の利上げが行われる場合と定義され、歴史的に弱いS&P 500リターンと重なった。
  • 原油価格の影響を受けるインフレ期待の上昇は、さらなるFed利上げの織り込みを招き、金利圧力を長引かせる可能性がある。
  • マクロ経済の減速、成長鈍化、政府政策の変更、世界的な経済事象が株式リターンに影響する可能性がある。
  • レポートの定量的関係は、過去データ、報告済み財務諸表、コンセンサス利益予想、市場価格に依存しており、不正確である可能性や将来成立しない可能性がある。

注目点

  • 今後1年で織り込まれる追加Fed引き締めの規模と、現在の約88bpを超えるかどうか。
  • インフレ期待、原油価格、雇用データ、インフレ指標。
  • 10年利回りが歴史的な2〜3カ月の高金利期間後に安定するか、それとも上昇を続けるか。
  • 利益動向と、力強い売上高成長およびCFROIがバリュエーションにより十分織り込まれるか。
浙江ICP第2022035445-5号
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