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レポート解説Hilo Research

China base metals and iron ore market:祝日前の中国の銅在庫は逼迫、一方でアルミ供給と鉄鋼指標は軟調

J.P. Morganは、祝日前の中国における強い在庫取り崩しで銅の在庫減少が加速し、アルミニウムと亜鉛も在庫が減少したとみている。低い銅在庫と精錬生産の制約可能性は、アルミニウム供給の緩和や鉄鋼・鉄鉱石指標の弱さと対照的である。

機関JPMorgan
日付20260928
業界base metals and iron ore

要約

J.P. Morganは、祝日前の中国における強い在庫取り崩しで銅の在庫減少が加速し、アルミニウムと亜鉛も在庫が減少したとみている。低い銅在庫と精錬生産の制約可能性は、アルミニウム供給の緩和や鉄鋼・鉄鉱石指標の弱さと対照的である。

企業別のレーティングまたは目標株価は示されていない。
中国ベースメタル銅在庫取り崩しアルミニウム亜鉛鉄鋼鉄鉱石祝日前需要
  • 9月25日終了週の中国の可視銅在庫は16kt減少し、低水準の75ktとなった。
  • 中国のアルミニウム在庫は先週55kt減少し、それまでに3カ月超の在庫取り崩しが続いていた。
  • 銅の現物購入プレミアムは$110/t超を維持し、国内需要の強さを示した。
  • 中国の鉄鋼生産は年率換算で880Mtとなり、前年比6%減で、製鉄所は引き続き赤字だった。
  • 8月の世界の鉄鉱石出荷量は113Mtで、前年比10%減だった。

レポート解説

概要

このChina Metals Activity Trackerは、2026年9月25日終了週までの銅、アルミニウム、亜鉛、鉄鋼、鉄鉱石について、高頻度の在庫および需給指標をレビューしている。J.P. Morganは銅の短期的な市場環境が特に逼迫しているとみる一方、アルミニウム供給の回復と中国の鉄鋼活動の弱さにより、全体像はまちまちであるとしている。

主要見解

J.P. Morganは中国の週次可視金属在庫を消費の代理指標として用い、9月25日から27日の中秋節休暇および10月第1週の国慶節ゴールデンウイークを前に、産業用金属の大幅な在庫取り崩しが続いたと報告している。最も顕著だったのは銅である。9月25日終了週のSHFEおよび保税倉庫の可視在庫は16kt減少し、在庫取り崩しが加速した。レポートはこれを第2の季節的な需要ピーク期と整合的とみている。中国の国内銅購入プレミアムは$110/t超を維持し、付随するチャートは$115/t超の水準を示しており、現物購入の強さを裏付けている。可視銅在庫の合計はわずか75ktで、過去のレンジを下回っており、J.P. Morganは非常に逼迫した市場となる可能性を示すとみている。 レポートは銅在庫の減少を、祝日前の国内購入にも一部起因するとしている。また、J.P. Morgan Commodities Researchの見解として、輸入銅精鉱の不足、国内スクラップ供給を妨げる請求書上の問題、製錬所のメンテナンスが、今後およそ1-2カ月にわたり中国の精錬銅生産を制約する可能性があると引用している。低在庫、底堅い現物プレミアム、供給制約の可能性の組み合わせが、レポートにおける銅市場逼迫の中心的なシグナルである。 アルミニウムも強い在庫取り崩しとなり、直近週は55kt減少した。レポートによれば、3カ月超の在庫減少後、在庫は歴史的な通常水準へ急速に戻った。チャートでは可視在庫は678ktで5年レンジ内に戻っている一方、本文では約780ktに言及している。ただし、供給面の解釈は銅と異なる。バーレーンのAlbaは、アルミニウムをイラン戦争前の水準の約80%で生産していると更新しており、年初の紛争による供給混乱から比較的速い回復を示唆する。J.P. Morganは、これがアルミニウム供給市場の逼迫度が低下する可能性を意味するとしており、LMEアルミニウムは週中に2%下落し、約$3,250/tとなった。 亜鉛も強い在庫取り崩しに戻り、直近週は8.7kt減少して季節的傾向を上回った。可視亜鉛在庫の合計は205ktで依然として2022年以来の最高水準だったが、輸出裁定が開いたことで過去4週間に急減した。加えて、レポートは、Nyrstarがエネルギーコストと政府政策を理由に315ktpaの生産能力を持つオランダの亜鉛製錬事業を見直しているとの報道に言及している。これが実施されれば、欧州で地域的な供給逼迫を生じさせる可能性がある。 鉄鋼および鉄鉱石の指標はより軟調だった。CISAデータによると、9月20日までの10日間の中国の鉄鋼生産は年率換算880Mtで、前の10日間比横ばいだが前年比6%減だった。直近30日間の鉄鋼生産は前の30日間比6%減、前年比5%減であり、レポートは生産が季節的レンジの下限にあるとしている。製鉄所マージンは依然赤字で、9月24日時点の鉄鋼在庫は28.8Mt、前週比1%減、前年比1%増だった。中国港湾の鉄鉱石在庫は約152Mtで、前週比1Mt増加したが、8月初旬から約6Mt減少している。 8月の世界の鉄鉱石出荷量は113Mtで、前年比10%減、7月比横ばいだった。J.P. Morganは、この弱さを主にブラジルの輸出量28Mtに帰しており、これを約10年ぶりの低水準としている。レポートが引用する見解では、鉄鉱石価格が$100/t未満で高い運賃が重なることで、すでにブラジルの限界供給が市場から退出している。従ってレポートは、世界の鉄鉱石出荷の減少を、中国の鉄鋼需要の弱さと赤字の製鉄所経済性と対比している。

分析フレームワーク

レポートは、中国の取引所、保税倉庫、地域倉庫における週次可視在庫を消費の代理指標として追跡し、最新の変化を季節的な履歴と比較する。その上で、現物プレミアム、生産データ、出荷データ、在庫水準、供給混乱を組み合わせ、金属の利用可能性と川下活動の変化を短期的な市場逼迫または緩和に結び付けている。

手法メモ

  • 業界・産業分析フレームワーク需給フレームワーク

    高頻度の在庫、現物プレミアム、生産および出荷の追跡

    レポートは在庫取り崩しと現物購入プレミアムを需要および供給可能性のシグナルとして扱い、鉱山、精鉱、スクラップ、製錬所、出荷の状況が供給を逼迫または緩和させるかを評価している。

  • 業界・産業分析フレームワーク数量・価格分解

    在庫・生産の変化と商品価格の変動の比較

    レポートは在庫取り崩しや鉄鋼生産などの実物量指標を、アルミニウムおよび原材料価格の週次変動と関連付け、金属ごとの異なる市場環境を説明している。

主要データ

  • 中国の可視銅在庫75kt2026年9月25日終了週。低水準で、過去のレンジを下回る。
  • 中国の銅在庫変化-16kt週次の在庫取り崩しで、国内購入プレミアムは$110/t超を維持。
  • 中国のアルミニウム在庫変化-55kt週次の在庫取り崩し。レポートによると、5月中旬以降の取り崩しペースは歴史的な標準を大きく上回る。
  • 中国の可視アルミニウム在庫678kt2026年9月25日終了週。3カ月超の在庫取り崩し後、5年レンジ内に戻った。
  • 中国の亜鉛在庫変化-8.7kt週次の在庫取り崩しで、季節的傾向より強い。
  • 中国の可視亜鉛在庫205kt過去4週間に急減したが、依然として2022年以来の最高水準。
  • 中国の鉄鋼生産880Mt annualised9月20日までの10日間。前の10日間比横ばい、前年比6%減。
  • 世界の鉄鉱石出荷量113Mt8月の出荷量で、前年比10%減、7月比横ばい。
  • ブラジルの鉄鉱石輸出量28Mt8月の水準で、レポートでは約10年ぶりの低水準とされる。

影響と示唆

J.P. Morganの指標は、低在庫、強い現物プレミアム、精錬生産の制約可能性に支えられ、中国における銅の短期的な供給可能性が非常に逼迫する可能性を示している。アルミニウムの在庫取り崩しは供給回復の兆候によって相殺される一方、弱い鉄鋼生産、赤字の製鉄所、鉄鉱石出荷の減少により、鉄鋼原料市場の背景はより軟調かつまちまちとなっている。

リスク

  • 輸入銅精鉱の不足、スクラップ供給を巡る請求書上の問題、製錬所のメンテナンスにより、今後およそ1-2カ月にわたって中国の精錬銅生産が混乱する可能性がある。
  • Nyrstarによる315ktpaのオランダ亜鉛製錬事業の見直しは、欧州で地域的な亜鉛供給逼迫を生じさせる可能性がある。

注目点

  • 中秋節および国慶節ゴールデンウイーク後の中国の銅在庫変化と国内購入プレミアム。
  • 今後およそ1-2カ月に、銅精鉱不足、スクラップ供給の混乱、製錬所メンテナンスが精錬銅生産を制約するかどうか。
  • Albaのアルミニウム生産回復のペースと、アルミニウム市場の逼迫度への影響。
  • 中国の鉄鋼生産、製鉄所マージン、鉄鋼在庫、港湾鉄鉱石在庫。
  • ブラジルの鉄鉱石輸出、運賃、および低い鉄鉱石価格が限界供給を市場から退出させるかどうか。

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