Murata Mfg.(6981):Goldman Sachsは、強いMLCC需要とAI関連のミックス改善を踏まえMurataのBuyを再確認
電話会議は、強い受注、高稼働率、能力拡張を背景とするMurataの持続的なMLCC成長について、Goldman Sachsの見方を補強した。同社はBuy (on CL)と12カ月の¥12,900目標株価を維持している。
要約
電話会議は、強い受注、高稼働率、能力拡張を背景とするMurataの持続的なMLCC成長について、Goldman Sachsの見方を補強した。同社はBuy (on CL)と12カ月の¥12,900目標株価を維持している。
- 6月のMLCC受注は前月比25-30%増加し、7-9月のBBレシオは4-6月の1.47x近辺にとどまる可能性がある。
- AI/データセンター向けが最も強く、スマートフォン向けは季節性で増加し、自動車向けは横ばいである。
- MurataはMLCC能力をFY3/27に10%強、FY3/28に20-25%拡張することを目指している。
- AI/データセンター用途はMLCC売上のFY3/27に20-25%、FY3/28に40%弱を占める可能性がある。
- Goldman Sachsは、中間決算で今期2回目の上方修正を予想している。
レポート解説
概要
この電話会議メモは、MurataのMLCCサイクルが短期・長期の双方で強い状態を維持していると論じる。Goldman Sachsは、稼働率上昇、生産能力の拡張、AI/データセンター向けミックスの好転、デバイス/モジュールの収益改善がBuy判断を補強するとみている。
主要見解
Goldman Sachsによれば、MLCC受注は引き続き強い。6月に前月比25-30%急増した後、7月は高水準を維持し、8月はお盆休暇で減少、9月は季節的に増加する見込みである。このパターンでは、7-9月のBBレシオは非常に強く、4-6月の1.47x並みかそれをやや下回る水準にとどまる可能性があり、受注残も増加を続けている。AI/データセンター用途の強さが最も際立ち、スマートフォン向けは季節性で増加、自動車向けは横ばいである。 同社はMLCC生産量のさらなる上振れ余地を強調する。Murataの当初の稼働率見通しは、4-6月が95%弱、7-9月が約95%、下期が95%超だった。経営陣はそこからどこまで稼働率と生産量を引き上げられるかに注力しており、工場はお盆とシルバーウイークも稼働した。AI/データセンター向けMLCCの仕様変更が落ち着いたことで、生産ライン管理の効率が上がり、設備能力を超えた生産拡大を促進しやすくなる。 能力拡張計画は順調に進んでおり、FY3/27に10%強、FY3/28に20-25%の拡張を見込む。さらにFY3/29以降の需要拡大を見据え、建屋を含む追加拡張を検討しており、FY3/27中の決定を目指している。Goldman Sachsは、AI/データセンター用途がMLCC売上に占める比率がFY3/27に20-25%、FY3/28に40%弱まで高まる可能性も指摘しており、ミックスと競争力の改善につながるとみている。 価格については、Murataは広範な値上げを避け、局所的に対応する姿勢を維持している。経営陣は、競合の値上げにより顧客がMurataへ発注を移す場合、自社の生産コストが上昇する場合、流通業者の需要を管理する必要がある場合の3条件を挙げた。1月からの自動車顧客との価格改定交渉では、値上げよりも値下げ回避に重点を置いている。それでもGoldman Sachsは、前年比の価格下落によるマイナス影響がFY3/28に縮小することで、大きな利益押し上げ効果が見込めると考えている。 このメモは、デバイス/モジュールの収益改善についても見通しが高まっているとする。FY3/28のRFモデル向けデザインインでは、Murataは受信部に加え送信部でもシェア拡大を目指しており、BBU/AI電源の拡大も計画どおり進んでいる。Goldman Sachsは、このためFY3/28のデバイス/モジュールの利益改善の確度が増しているとみている。 Goldman SachsはMurataを日本の電子部品/半導体セクターにおけるコア銘柄として維持し、中間決算で今期2回目の上方修正を予想している。同社は、市場の議論がMLCC値上げへの極端な期待から、製品開発力と生産技術に裏付けられた持続的な利益成長と競争力の評価へ移っていると考える。Buy (on CL)、12カ月目標株価¥12,900を維持し、株価は時間をかけて上昇するとみている。
分析フレームワーク
レポートは、経営陣との電話会議の要点を用いて、MLCCの受注モメンタム、BBレシオ、受注残、稼働率、生産能力拡張、最終市場需要、価格を評価する。その後、これらの事業要因を収益の見通し、製品ミックス、評価に結び付け、FY3/29E EV/GCI対CROCI/WACCの枠組みを用いる。
手法メモ
MLCCの需給分析
Goldman Sachsは、受注、受注残、BBレシオ、稼働率、能力追加、用途別の顧客需要を評価し、MLCCサイクルの逼迫度と持続性を判断している。
数量、能力、価格の影響
レポートは需要・生産量の拡大と価格を区分し、広範な値上げがなくても、稼働率上昇、ミックス改善、前年比の価格下落影響の縮小が利益成長をもたらし得ると指摘する。
FY3/29E EV/GCI対CROCI/WACC評価
Goldman Sachsは目標株価をEV/GCI対CROCI/WACCに基づき、10xのセクター倍率に80%のプレミアムを適用して設定している。これはFY3/29E P/E 30xを意味する。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Murata Mfg. (6981.T)主要なカバー対象企業であり、Goldman Sachsは日本の電子部品・半導体セクターのコア銘柄と位置付けている。
- 強み
- 強いMLCC受注と受注残、高稼働率、生産技術、AI/データセンター向けミックスの拡大、FY3/28のデバイス/モジュール利益改善に対する見通しの向上。
- 弱み
- 自動車向けMLCC需要は横ばいであり、経営陣の価格方針は広範な値上げより値下げ回避に重きを置いている。
- 比較
- Goldman Sachsは評価フレームワークにおいて、10xのセクター倍率に80%のプレミアムを適用している。
- リスク
- スマートフォン生産台数の減少、MLCCの需給悪化、円高。
主要データ
- 6月のMLCC受注成長率+25-30% month on month受注は6月に急増し、その後7月は高水準を維持した。
- 4-6月のMLCC BBレシオ1.47x7-9月は、この非常に強い水準に近いか、やや下回る水準にとどまる見込みである。
- MLCC稼働率ガイダンスJust under 95% in April-June; around 95% in July-September; over 95% in 2H経営陣は生産量をさらに拡大する余地を評価している。
- MLCC能力拡張Slightly above 10% in FY3/27; 20-25% in FY3/28計画は順調で、FY3/29以降の需要に向け、建屋を含む追加能力の検討も進められている。
- AI/データセンター用途のMLCC売上比率20-25% in FY3/27; just under 40% in FY3/28経営陣が示した潜在的なミックスの推移。
- 目標株価と上昇余地¥12,900; 66.2%18 Sep 2026終値¥7,763に基づく。
- 評価フレームワーク80% premium to a 10x sector multipleFY3/29E EV/GCI対CROCI/WACCであり、FY3/29E P/E 30xを意味する。
影響と示唆
Goldman Sachsは、Murataの投資判断がMLCC値上げ期待だけではなく、持続的な利益成長により強く依拠するようになっていると考える。稼働率の上昇、設備能力を超える可能性のある生産量増加、AI/データセンター向けミックス改善、計画中の能力追加、デバイス/モジュールの見通し改善が、FY3/28以降の利益成長を支える主要因として示されている。
リスク
- スマートフォン生産台数の減少は需要を弱める可能性がある。
- MLCCの需給状況悪化は見通しを圧迫する可能性がある。
- 円高は明示されたリスクである。
注目点
- 7-9月のMLCC BBレシオが4-6月の1.47x近辺を維持し、受注残が増加を続けるか。
- 稼働率と生産量が現行ガイダンスを超えてどこまで上昇できるか。
- FY3/27およびFY3/28のMLCC能力追加の進捗と、FY3/27における建屋を含む追加拡張の決定可能性。
- Goldman Sachsが今期2回目の上方修正を予想する中間決算。
- AI/データセンター向けMLCCミックス、FY3/28のRFデザインイン、BBU/AI電源拡張の進捗。