レポート解説
ウォール街の主要投資銀行による最新リサーチをカバー
レポート解説Hilo Research

AI Server Supply Chain レポート解説

レポートは、追加顧客の立ち上がりと中東のAIインフラ取引により、BroadcomのCoWoSおよびカスタムASIC需要が2026Eに上振れする可能性を指摘する。AMD、Dell、SMCIの目標株価を引き上げ、AVGO、NVDA、INTC、CRDOの評価と目標株価は維持した。

機関瑞穗
日付20250516
ティッカーAVGO, NVDA, AMD, DELL, SMCI, CRDO, INTC
業界Semiconductors & Semiconductor Capital Equipment

要約

レポートは、追加顧客の立ち上がりと中東のAIインフラ取引により、BroadcomのCoWoSおよびカスタムASIC需要が2026Eに上振れする可能性を指摘する。AMD、Dell、SMCIの目標株価を引き上げ、AVGO、NVDA、INTC、CRDOの評価と目標株価は維持した。

AVGO、NVDA、AMD、DELL、CRDO:Outperform、SMCIとINTC:Neutral。
AIサーバー半導体カスタムASICCoWoSBroadcomNvidia中東AI需要データセンター
  • OpenAIとAppleの案件が立ち上がれば、AVGOの2026E CoWoS配分は100,000 wafersを超える可能性がある。
  • NVDA GPU出荷は2027Eに7.2 million unitsに達し、2024年からのCAGRは17%と予想される。
  • AMD、Dell、SMCIの目標株価はそれぞれ$135、$145、$40へ引き上げられた。
  • 中国のH20規制、能力制約、競争圧力は引き続き重要な抑制要因である。

レポート解説

概要

Mizuhoの業界コールはAIサーバーのサプライチェーンを検証し、BroadcomのカスタムASIC機会に建設的な見方を示す一方、AIチップ、サーバー、相互接続各社への影響は異なるとみている。長期的なAIインフラ需要は強いと予想するが、Nvidiaの短期的な業績変動、中国関連の逆風、複数の同業での競争激化を指摘している。

主要見解

レポートの中心的な結論は、拡大するカスタムAIシリコン需要の主な受益者はBroadcomであり続けるというものだ。MizuhoはTPUv7pとMTIA2によるASICの力強い立ち上がりを予想し、その後にOpenAI StrawberryとApple Baltraの案件が2026E-27Eに立ち上がる可能性を見込む。AVGOの2026E CoWoS能力は約95,000 wafersと推定し、これら顧客案件が本格化すれば100,000 wafers超まで上振れする可能性がある。AVGOのカスタムシリコンの市場規模は、現在の約$17.5 billionから2027Eには$60-90 billionへ拡大し、同社の現在シェアは約70%と予想する。31.2x F26E P/Eに基づき、Outperformと$250の目標株価を維持した。 Mizuhoは、中国規制にもかかわらず、より広範なアクセラレータ市場は拡大を続けるとみている。Nvidia GPU出荷は2024年の4.5 million unitsから2027Eの7.2 million unitsへ17% CAGRで増加し、AMD GPUは38% CAGRで915,000に達すると予想する。Nvidiaの直近AprQとJulQの見通しは強弱混在と説明する。H20販売による一部上振れの可能性がある一方、H20縮小によるJulQの約$3 billionの逆風と$5.5 billionのH20評価損を指摘する。GB200 NVL72とGB200/300 HGXの出荷立ち上がりによりOctQとJanQはより強く、GB300 NVL72は主に1H26Eの立ち上がりになるとみる。Nvidiaは38.4x F26E P/Eに基づきOutperformと$168の目標株価を維持する。 中東での契約は、中国向けAIアクセラレータ出荷の減少を一部相殺する可能性がある。Mizuhoは2026Eの中国H20逆風を約1 million units、約$15 billionと推定する。サウジアラビアのHUMAINによるAMDとNvidiaへの各500MW、5年間のコミットメントは、Nvidiaで約280,000 GPUs、AMDで約350,000 unitsに相当するとみる。また、UAEのG42は500,000台のNvidia GB200の輸入枠を確保しており、約$15 billion/yrと評価される。SMCIの$20 billionのDataVolt提携とAMDの$10 billionのHUMAIN提携も追加的なサプライチェーン支援要因である。 レポートは同業間で異なる結果を示す。AMDはOutperformと予想を維持し、目標株価を$117から$135へ引き上げた。MI355Xの2H25Eでの立ち上がり、2026Eに向けたAI需要、HUMAIN提携が根拠であり、MI308の中国輸出禁止による$800 millionのJunQ逆風を一部相殺するとみる。DellはOutperformを維持し、目標株価を$140から$145へ引き上げた。約$30 billionのAIサーバーパイプライン、F4Q25の$2.1 billionのAIサーバー売上、2月末時点の$9 billionの受注残、法人およびAI PC更新需要の可能性が支えとなる。SMCIは目標株価を$40へ引き上げたもののNeutralを維持した。DataVoltと液冷導入の強みは、競争、利益率拡大の限定性、顧客集中、内部統制の懸念により相殺される。 Credoは約19x F26E P/Sに基づく$70の目標株価とOutperformを維持する。MizuhoはSerDes IP、アクティブ電気ケーブル、光学製品群、7大ハイパースケーラーとの取引、約64%の粗利益率、年間約$400 millionのAEC売上規模の約15倍となり得るデータセンター相互接続TAMを挙げる。IntelはNeutralと$22の目標株価を維持する。新CEO、ファウンドリー拡大、FPGAスピンオフによる上振れ余地を認める一方、ファウンドリーとAIアクセラレータの実行不振、PCシェア低下、AMDおよびNvidiaに対する遅れが重要な制約である。 能力と競争は重要な伝達メカニズムである。業界全体のCoWoS能力は2025Eの788,001 wafersから2026Eの1,162,751 wafers、2027Eの1,328,250 wafersへ増加する見通しだが、伸び率は大きく鈍化する。これは顧客主導のAVGO需要上振れを支える一方、MarvellとMediaTekには2026年の圧力をもたらし得る。MizuhoはAWS Trainium3でのAlChipのシェア拡大を見込み、MediaTekのTPUv7e関連CoWoS見通しを弱め得る歩留まり問題を指摘する。中国国内AI需要も拡大しており、Ascend 910の2025E受注は700,000超と推定するが、SMICの歩留まりは約30%と見積もる。

分析フレームワーク

Mizuhoは、サプライチェーンのチャネル観測をCoWoS能力、アクセラレータ出荷、ハイパースケーラーの設備投資、発表済み顧客プログラム、企業固有の事業データと組み合わせる。その後、予想利益または売上高にフォワード評価倍率を適用して目標株価を算定し、対象企業の強気・弱気シナリオを示している。

手法メモ

  • 業界・産業分析フレームワーク需給フレームワーク

    AIアクセラレータ、カスタムASIC、CoWoS能力の需給分析

    レポートは、想定チップ需要、顧客の立ち上がり、ハイパースケーラー支出をCoWoS能力と比較し、受益企業と能力関連の制約を特定している。

  • 業界・産業分析フレームワーク産業チェーンの上流・中流・下流波及

    AIサーバーのサプライチェーン伝達

    ハイパースケーラーおよびソブリンAI需要が、アクセラレータ、カスタムシリコン、パッケージング、サーバーOEM、相互接続サプライヤーへどのように波及するかを追っている。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    フォワードP/Eによる目標株価評価

    Mizuhoは複数の対象企業について、示されたF26EまたはF27EのP/E倍率を予想EPSに適用して評価している。

  • バリュエーション手法PSR評価

    Credoのフォワード株価売上高倍率評価

    Credoの目標株価は利益ではなく、示されたF26E売上高倍率に基づく。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • Broadcom (AVGO)
    拡大するカスタムASIC、ネットワーキング、CoWoS需要の主な受益者。
    強み
    2024E ASICシェアは約70-80%;F27EのAI売上は$50 billion超の可能性;高い収益性と継続的なソフトウェア受注。
    比較
    ASICでのリーダーシップを維持するとみる一方、AlChipはAWSでシェアを獲得し、Marvellは潜在的な2026 CoWoS圧力に直面する。
    リスク
    競争、顧客集中、実行、委託製造への依存、価格圧力、規制または関税の変更。
  • NVIDIA (NVDA)
    GB200と中東需要の恩恵を受ける、商用AIシリコンの主要サプライヤー。
    強み
    現在のAI学習・推論シェアは95%超と推定;GB200の立ち上がりとデータセンター、ゲーミング、自動車への幅広いエクスポージャー。
    弱み
    H20縮小とBlackwellの立ち上がり鈍化により、短期業績は強弱混在となる可能性がある。
    比較
    AIアクセラレータで優位に立ち、AMDは大きく離れた第2のサプライヤーとされる。
    リスク
    中国輸出規制、地政学的緊張、AIサーバー支出の縮小、CoWoS制約、訴訟、競争。
  • Advanced Micro Devices (AMD)
    MI355XとHUMAIN需要の恩恵を受ける可能性があるAIアクセラレータ競合。
    強み
    サーバーシェアの上昇、MI325X/MI355Xの立ち上がり、AIロードマップ、$10 billionのHUMAIN提携。
    弱み
    中国向けMI308規制により$800 millionのJunQ逆風;Nvidiaに対する市場シェアは依然として限定的。
    比較
    レポートはAMDをNvidiaに次ぐ第2位のAIアクセラレータ競合と位置付ける。
    リスク
    AI減速、PC市場回復の不発、Intelの競争力改善、CoWoS配分の限定。
  • Dell Technologies (DELL)
    受注残、パイプライン、潜在的なPC更新を通じてシェアを獲得すると期待されるAIサーバーOEM。
    強み
    F4Q25のAIサーバー売上$2.1 billion、受注残$9 billion、約$30 billionのパイプライン、ストレージ利益率、負の運転資本。
    弱み
    AIサーバーの営業利益率は限定的。
    比較
    他のAIサーバービルダーと競争し、主にTier-2 CSPと企業顧客にサービスを提供する。
    リスク
    AIサーバーまたはAI PCの立ち上がり鈍化、PC更新の遅延、顧客集中、利益率圧縮、冷却コスト問題、地政学的リスク。
  • Super Micro Computer (SMCI)
    DataVoltに支えられる一方、競争と利益率に制約されるAIサーバー・液冷サプライヤー。
    強み
    2024年のex-CSPシェアは75%超、迅速な導入、GB200液冷の早期立ち上げ、DataVolt提携。
    弱み
    シェア低下が予想され、利益率拡大は限定的で、内部統制上の懸念が残る。
    比較
    Dellなどのサーバーインテグレーターが能力と導入を拡大することで競争に直面する。
    リスク
    AI支出減速、顧客・サプライヤー集中、高いキャッシュ・コンバージョン・サイクル、利益率圧力、液冷採用の遅れ、会計問題。
  • Credo Technology (CRDO)
    AIインフラ投資の恩恵を受けるデータセンター相互接続サプライヤー。
    強み
    SerDes IP、AEC、光学製品群;7大ハイパースケーラーとの関係;粗利益率約64%。
    弱み
    少数の大規模データセンター顧客の支出に敏感。
    比較
    関連する相互接続市場では主にBroadcomとMarvellと競合する。
    リスク
    ハイパースケーラー支出の縮小、競争圧力、中国エクスポージャー、TSMCへの単一ファウンドリー依存。
  • Intel (INTC)
    ターンアラウンド、ファウンドリー、FPGAのオプショナリティを持つが、実行面の課題を抱える。
    強み
    サーバーCPUでの地位、潜在的な経営陣変更、IFS拡大、FPGAスピンオフの可能性。
    弱み
    ファウンドリー実行の弱さ、AIロードマップの遅れ、PCシェア低下。
    比較
    PCとサーバーでAMDへの追加的なシェア喪失、AIでNvidiaへのさらなる後れを取るリスクがある。
    リスク
    プロセスノードまたは製品立ち上がりの問題、データセンター/AI需要の軟化、ファウンドリーの後退。

主要データ

  • AVGOの2026E CoWoS能力~95,000 wafers; potentially >100,000 wafersOpenAIとAppleのカスタムASIC立ち上がりが実現した場合の潜在的上振れ。
  • Nvidia GPU出荷7.2 million units by 2027E2024年の4.5 million unitsから、2024-27E CAGRは17%。
  • AMD GPU出荷915,000 units by 2027E2024-27E CAGRは38%。
  • 2025Eハイパースケーラー設備投資の成長~35% year-on-yearAIアクセラレータ需要の支援材料として挙げられている。
  • 潜在的な中国H20逆風~1 million units / ~$15 billion in 2026Eレポートが指摘する潜在的な出荷量および収益への影響。
  • 業界CoWoS総能力1,162,751 wafers in 2026E2025Eの788,001 wafersから増加し、2027Eには1,328,250 wafersに達する見通し。

影響と示唆

Mizuhoは、AIインフラ支出と新規顧客プログラムが半導体サプライチェーンの需要を維持し、とりわけBroadcomのASICおよびネットワーキング事業へのエクスポージャーを支えると論じる。ただし、中国規制、パッケージング能力の成長鈍化、利益率圧力、顧客集中、競争によるシェア変動により、チップおよびサーバー各社への影響は一様ではない。

リスク

  • 中国輸出規制と地政学的緊張は、AIアクセラレータ需要または出荷を弱める可能性がある。
  • AIサーバー支出の大幅な縮小は、チップ、サーバー、相互接続サプライヤーに圧力をかける。
  • CoWoS能力の制約と能力成長の鈍化は、出荷立ち上がりを制限するか、シェアを変化させる可能性がある。
  • 競争によるシェア変動、顧客集中、利益率圧力は重要な企業固有リスクである。
  • IntelのファウンドリーおよびAIロードマップの実行と、SMCIの統制および導入経済性は依然として重要なリスクである。

注目点

  • OpenAI StrawberryとApple Baltraの案件が、AVGOの2026E CoWoS需要を100,000 wafers超へ押し上げるか。
  • NvidiaのGB200 NVL72、GB200/300 HGX、およびその後のGB300 NVL72の導入ペース。
  • HUMAIN、G42、DataVoltのAIインフラコミットメントの実行と規模。
  • 中国のH20およびMI308規制が非中国需要でどの程度相殺されるか。
  • AlChipのAWS Trainium3でのシェアとMediaTek TPUv7eの歩留まり進展を含むCoWoS配分の変化。
  • DellとSMCIにおけるAIサーバー受注残の売上化、液冷採用、利益率の推移。
浙江ICP第2022035445-5号
免責事項:本ウェブサイトが提供する市場データ、チャート、指標、リサーチ見解、その他の情報は、情報表示、リサーチコミュニケーション、教育上の参考のみを目的としています。個別の投資助言、証券推奨、取引指示、勧誘、収益保証とみなすべきではありません。データとコンテンツの信頼性向上に努めていますが、情報源の差異、手法上の制約、システム処理、市場変動により、遅延、誤り、不完全性、更新の遅れが生じる場合があります。利用者は自身の状況に基づき独立して判断し、本ウェブサイトの利用から生じるすべてのリスクと責任を負うものとします。

設定

最近のログインを表示するにはログインしてください