US consumer credit resilience and consumer-focused ABS performance レポート解説
第2四半期の家計信用データは、ヘッドライン延滞指標が高いにもかかわらず、消費者パフォーマンスが全般的に安定していることを示す。Goldman Sachsはサブプライム自動車貸出を主要な例外とみなし、サブプライム自動車ABSのアンダーウェイトを支持している。
要約
第2四半期の家計信用データは、ヘッドライン延滞指標が高いにもかかわらず、消費者パフォーマンスが全般的に安定していることを示す。Goldman Sachsはサブプライム自動車貸出を主要な例外とみなし、サブプライム自動車ABSのアンダーウェイトを支持している。
- 消費者債務総額は前四半期比で7bp低下し、$18.77 trillionとなった。
- 自動車ローン組成額は過去最高の$211 billionに達し、最上位の信用スコアを持つ借り手が四半期組成額の41%を占めた。
- 総合延滞率は前四半期比で低下した一方、ホームエクイティと学生ローンの延滞率は上昇した。
- 移行率はパンデミック前を上回るが、世界金融危機時を大幅に下回る。自動車ローンの移行率は直近数四半期で上昇している。
- FRBNYのヘッドライン延滞率には重度延滞および償却済みローンが含まれるため、銀行およびABS指標との比較可能性は低いと報告書はみている。
レポート解説
概要
本Mortgage Noteは、消費者向けABS投資家のために、ニューヨーク連銀の第2四半期家計債務・信用レポートを解釈したものである。Goldman Sachsは、大半の消費者向け貸出カテゴリーは底堅い一方、サブプライム自動車貸出には継続的な注意が必要だと結論づけている。
主要見解
米国の消費者債務総額は $18.77 trillionへわずかに減少し、前四半期比で7bp低下した。リボルビング型ホームエクイティ商品、自動車ローン、クレジットカード、「その他」の債務は増加した一方、住宅ローンと学生ローンの残高はわずかに減少した。自動車ローン組成額は四半期で過去最高の$211 billionに達したが、新規債務は信用スコアの高い借り手に大きく偏っていた。最上位の信用スコア層は四半期の組成額の41%を占めた。クレジットカードの総合利用率は前四半期比で横ばいであり、Goldman Sachsはこれを安心材料とみている。消費者ストレスが高まり、信用枠が縮小する局面では利用率が急上昇し得るためである。 総合延滞率は前四半期比で低下した。報告書は、その一因としてOne Big Beautiful Bill Actに伴う通常より大きい税還付の追い風を挙げている。リボルビング型ホームエクイティと学生ローンだけが、前四半期比で延滞増加を経験したセクターだった。Goldman Sachsは、FRBNYのヘッドライン延滞指標には重度延滞ローンや償却済みローンが含まれるため、場合によっては世界金融危機時を上回る高水準に見える可能性があると注意を促している。これに対し、商業銀行の延滞データおよびABS担保のD90+指標は、それほど懸念されないように見える。 報告書は、消費者の現状をより正確に測る尺度として、新たに延滞したD30+または重度延滞したD90+の状態への移行率をより重視している。これらの移行率はパンデミック前を上回るものの、世界金融危機時の水準を大幅に下回る。大半の貸出カテゴリーでは概ね安定しているが、自動車ローンでは直近数四半期に上昇している。学生ローンの新規延滞残高の急増とその後の低下は、主に連邦学生ローンの回収再開によるものとされる。 ABS市場は、取り上げられた各債務カテゴリーの一部にすぎない。例えば、クレジットカードABS残高はクレジットカード債務残高全体の推定10%、自動車ABS残高は自動車貸出残高全体の18%、「その他」貸出カテゴリーの消費者無担保ABSは総債務の12%を占める。それでもGoldman Sachsは、FRBNYデータをABS投資家にとって重要なデータポイントとみている。延滞率と移行率の動向を合わせると、大半の消費者向け貸出はパフォーマンス悪化の兆候を示していないとして、同社はおおむね安心感を示す。例外は自動車貸出、とりわけサブプライム自動車貸出であり、複数の要因がこのセグメント固有の圧力を生んでいる。サブプライム自動車ABSの劣後構造、超過担保、超過利息は一定の保護を提供するはずだが、報告書はなおアンダーウェイト配分が妥当とみている。この見方は、年末まで消費者キャッシュフローの見通しが厳しく、特に最低所得五分位で実質所得成長が低いというエコノミストの予測にも裏付けられている。
分析フレームワーク
Goldman Sachsは、FRBNYレポートにおける家計債務、ローン組成、利用率、延滞指標の前四半期比の変化を比較している。次に、ヘッドラインの延滞指標を商業銀行およびABS担保のデータと照合し、進行中の悪化と、すでに重度延滞または償却済みの残高を区別するため、延滞への移行率を重視している。
手法メモ
延滞率と移行率を用いた消費者信用パフォーマンスの評価
報告書はヘッドライン延滞指標を銀行およびABS担保の指標と比較し、現在の資産品質トレンドを評価するため、新規延滞および重度延滞への移行率をより重視している。
債務残高、組成量、借り手の信用力の分析
報告書は未償還債務の変化と新規自動車ローン組成を分け、新規貸出の信用スコア構成を検討して、基礎的な消費者信用の状況を解釈している。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- Subprime auto ABS報告書はこのセグメントを消費者信用における主な懸念領域と位置づけ、アンダーウェイト配分を支持している。
- 強み
- 劣後構造、超過担保、超過利息の仕組みが一定の保護を提供するはずである。
- 弱み
- 自動車ローンの延滞移行率は直近数四半期で上昇している。
- 比較
- 大半の他の消費者向け貸出タイプは、パフォーマンス悪化の兆候を示していないと報告書は述べている。
- リスク
- とりわけ最低所得五分位において、厳しい消費者キャッシュフローと低い実質所得成長が圧力を加える可能性がある。
主要データ
- 消費者債務総額$18.77 trillion前四半期比で7bp低下。
- 自動車ローン組成額$211 billion四半期で過去最高。
- 自動車ローン組成額に占める最上位借り手の比率41%四半期の自動車ローン組成額に占める割合。
- クレジットカード利用率Flat quarter over quarter消費者の相対的な安定性の兆候とみなされている。
- クレジットカード債務総額に占めるクレジットカードABSの比率Estimated 10%ABS市場が消費者債務全体の一部であることを示す。
- 自動車貸出総額に占める自動車ABSの比率18%ABS市場が消費者債務全体の一部であることを示す。
- 「その他」貸出債務に占める消費者無担保ABSの比率12%ABS市場が消費者債務全体の一部であることを示す。
影響と示唆
報告書は、FRBNY指標には重度延滞および償却済みローンが含まれるため、高いヘッドライン延滞水準は慎重に解釈すべきだと主張する。消費者向けABSについては、自動車貸出を除き全般的な底堅さをみている一方、低所得層の消費者キャッシュフロー圧力と自動車ローン移行率の悪化は、サブプライム自動車ABSへの慎重姿勢を支持している。
リスク
- サブプライム自動車ABSには構造的な保護があるものの、サブプライム自動車貸出は固有の圧力に直面している。
- 年末まで、特に最低所得五分位における低い実質所得成長が、消費者キャッシュフローを弱める可能性がある。
注目点
- 新規延滞および重度延滞状態への自動車ローン移行率。
- 年末までの消費者キャッシュフロー環境と実質所得成長。
- クレジットカード利用率が現在の安定水準から上昇し始めるかどうか。