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レポート解説Hilo Research

US semiconductors and AI data-center infrastructure:BofA、エージェント型AIによる計算需要拡大を受けCY30のAIデータセンターTAMを$2.2tnへ引き上げ

BofAは、エージェント型ワークロード、フロンティアラボの競争、確約済みクラウド需要により、AIデータセンターシステム支出がCY30Eに約$2.2tnへ達し、CY26Eから40% CAGRで成長すると予想する。AIアクセラレータ、CPU、メモリー、ネットワーキング、光接続を主な受益分野とし、Q4に向けてNVDA、INTC、MRVL、MU、LRCXをトップピックに挙げる。

機関Bank of America
日付20260929
業界US semiconductors

要約

BofAは、エージェント型ワークロード、フロンティアラボの競争、確約済みクラウド需要により、AIデータセンターシステム支出がCY30Eに約$2.2tnへ達し、CY26Eから40% CAGRで成長すると予想する。AIアクセラレータ、CPU、メモリー、ネットワーキング、光接続を主な受益分野とし、Q4に向けてNVDA、INTC、MRVL、MU、LRCXをトップピックに挙げる。

トップピックはNVDA、INTC、MRVL、MU、LRCX。BofAはAMD、AMAT、ADI、ONも引き続き選好している。
AIエージェント型AI半導体データセンタークラウド設備投資AIアクセラレータサーバーCPUネットワーキングと光接続メモリー
  • AIデータセンターシステムTAMはCY30Eで$2.2tnへ引き上げられ、従来の$1.8tnから増加し、年間成長見通しは33%から40%へ上方修正された。
  • クラウドおよびネオクラウドの設備投資は2026Eに約$1.0tn、2027Eに約$1.4tnとなり、2030Eには$2-3tnへ達する可能性がある。
  • エージェント型CPUラックの出現により、サーバーCPU TAMはCY26Eの約$61bnからCY30Eには$210bn超へ成長すると予想される。
  • レポートはNVIDIAが長期的に約70%+のAIアクセラレータシェアを維持し、ARMがサーバーCPUの価値シェアを拡大すると予想する。
  • 電力、データセンター建設、資金調達、部品供給における実行上の制約が引き続き中心的なリスクである。

レポート解説

概要

この米国半導体業界見通しは、BofAの長期AIインフラ予測を上方修正するものだ。中心的な結論は、エージェント型AIがトークン利用を拡大し、需要を推論へ移すことで、データセンターの計算、メモリー、接続、関連半導体装置におけるより大きく持続的な投資を支えるというものである。

主要見解

BofAはCY26-30EのAIデータセンターシステムのアドレス可能市場予測を従来の$1.8tnから約$2.2tnへ引き上げ、示唆されるCAGRを33%から40%へ上方修正した。同社は、この上方修正を、消費者・企業によるエージェント型ツール採用、公共・民間のフロンティアラボ間競争の激化、チップ供給制約が生む強化循環に帰している。安全ガードレールやフロンティアモデルの進展鈍化は計算需要を減らすとは限らず、むしろトレーニングに対して推論など高成長ワークロードの需要を高める可能性があると主張する。この背景でBofAは、主要チップ株のバリュエーションは予想利益成長に比べ魅力的とみており、SOXの予想P/Eは21xで、ChatGPT登場以降の中央値24xを下回り、40%+の予想EPS成長ポテンシャルを大きく下回ると指摘する。 データセンター建設がレポートの定量的中核である。BofAは、総データセンターシステムTAMがCY26Eの$839bnからCY30Eに約$2.6tnへ増加すると予想する一方、総IT支出のCAGRは11%とする。このうちAIシステムはCY30Eに約$2.2tnへ達する。AIアクセラレータは約$1.5tn、AIネットワーキングは約$400bn、データセンターメモリー売上高は約$1.3tnで、総メモリー市場は約$2.0tnとみる。AI接続はCY26Eの$41bnからCY30Eの$163bnへ、41% CAGRで成長する見通しで、光接続は$111bn、銅接続は$28bnに達する。scale-upとscale-outの拡大、CPO、NPO、AECの採用により、ネットワーキングと光接続は30-40%+ CAGRで成長すると予想する一方、非AIデータセンターシステムは年率約7%の成長にとどまる。 BofAは、ボトムアップのチップベンダーモデルとトップダウンの事業者展開モデルで需要をクロスチェックする。ボトムアップ分析では、2026-30Eに約212GWの増分容量が示唆される。これに対し、事業者モデルでは世界のAI/クラウドデータセンター容量がCY25の約41GWからCY30Eの約219GWへ増え、年間追加量はCY26Eの約22GWからCY30Eの45GWへ加速する。219GWの事業者推定は半導体モデルが示唆する253GWを約15%下回るが、BofAはこの差を、オンプレミスやソブリン案件を含む、特定事業者に配分されていないより広範な展開に主として帰している。これにより、10年末までの年間展開量は約35-50GW、1GW当たり約$50-60bnとなる。 レポートは、AIがトレーニングから推論およびエージェント型ワークフローへ移行するにつれ、CPUの重要性が高まるとみる。総サーバーCPU TAMはCY26Eの約$61bnからCY30Eの約$210bnへ、36% CAGRで成長し、AI CPUは$42bnから約$180bnへ、44% CAGRで増加する見通しだ。CY30EのCPU市場の内訳は、従来型/IaaSワークロードが約$30bn、AIコンピュートまたはヘッドノードが約$90bn、スタンドアロンのエージェント型AI CPUラックが約$90bnである。これらのスタンドアロンラックはGPU/XPUの並列処理と連携し、逐次処理、オーケストレーション、メモリー制御、I/Oを担う。このためCPUのデータセンターシステム価値に占める比率は、2024-25年の7%未満から約7-8%へ拡大し、AI CPUは長期的にサーバーCPUの80%以上を占める。 BofAのCPUシェア見通しでは、商用およびカスタムプログラムの拡大によりARMが最も速くシェアを伸ばす。CY30Eの価値シェアは、Intel約22%、AMD約31%、商用ARM約38%、カスタムARM約9%と予想する。ただしIntelは約36%のユニットシェアで最大を維持する。Intelの価値シェアはCY26Eの約34%から低下するものの、BofAは供給不足、ASP上昇、CY28EのCoral Rapids立ち上がりの可能性を背景にCY30Eまで20%の売上CAGRを予想する。AMDは高性能、コア密度、x86のセキュリティおよび信頼性機能に支えられ、CY30Eまで約27-31%の価値シェアを維持するとみる。ARMはNVIDIA、Qualcomm、カスタムのハイパースケーラープログラムによりシェアを高めるが、CY27E以降の新ARMプロセッサーはAMDのシェア拡大を抑制する。 BofAはクラウド設備投資を高水準ながら持続可能とみる。同社のトラッカーでは、主要米国ハイパースケーラー、ネオクラウド、中国クラウドの合計設備投資は2026Eに約$1.0tnで前年比ほぼ2倍、2027Eに約$1.4tnで37%増となる。世界のクラウド設備投資予想は過去1年で約65-120%上方修正された。ネオクラウドを除くクラウド設備投資はCY26-28Eに営業キャッシュフローの約105-110%を占め、合計フリーキャッシュフローマージンは2026Eに約-2%、2027-28Eに約-3%へ低下する見通しだ。それでもBofAは投資が営業キャッシュフローで賄えるとみており、インフラが収益とリターンを生み始める2029年以降の改善を予想する。上位5社のハイパースケーラーは2026年に約$370bnを調達しており、主に長期債務と恒久的資本であるため、BofAはこれを即時の流動性ストレスではなくバランスシートの柔軟性と解釈する。 BofAは、フロンティアラボの収益化と顧客コミットメントが需要の可視性を支えると考える。OpenAIの収益予想として2025年$13bn、2026年$30bn、2027年$62bn、2030年約$283bn、および2030年までの累計計算支出約$665bnを引用する。また、前年比$17bn増の$19bn超のAnthropic年換算売上ランレートを、フロンティアラボ需要をクラウド容量、アクセラレータ、HBM、ネットワーキング、カスタムシリコン、電力、熱管理需要へつなぐ証左と位置付ける。エージェント型ワークフローはチャット対話の10xから1,000xのトークンを生成し得るため、利用量ベースのクラウド収益化を生み、効率が改善しても計算消費を維持する。BofAはAlphabet、Microsoft、Amazon、Meta、Oracleの大規模な受注残およびRPOも将来の設備投資を支える要素として挙げる。 レポートはより広範な半導体見通しも更新している。BofAは2030年の総半導体売上高を$3.4tnと予想し、従来の$3.2tnを上回る。CY26-30E CAGRは19%である。CY26Eの総半導体およびコア半導体売上高は、それぞれ前年比113%と30%増を予想し、メモリー、データセンター、産業・自動車需要の改善が主導する。メモリー売上高はCY26Eに約327%増、DRAMは328%増、NANDは341%増と見込む。コンピュートとストレージは50%増、産業は32%増、自動車は12%増、有線通信は29%増となる一方、無線通信、消費者、スマートフォン需要は弱いままとみる。BofAの短期トップピックはNVIDIA、Intel、Micron、Marvell、Lam Researchで、AMD、Applied Materials、Analog Devices、onsemiも選好する。

分析フレームワーク

BofAは、クラウド事業者の設備投資とギガワット容量のトップダウン推定を、GPU/XPUベンダー売上高および計算、メモリー、ネットワーキング、ストレージ、光接続にわたるシリコン配分のボトムアップモデルと組み合わせる。その後、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローマージン、資金調達、顧客受注残、フロンティアラボ需要指標を用いて設備投資の持続可能性を検証し、需要見通しをCPUシェアおよびより広範な半導体エンドマーケット予測へ落とし込む。

手法メモ

  • 業界・産業分析フレームワーク需給フレームワーク

    AIデータセンターの需給・容量分析

    レポートはチップベンダーが示唆する設置量と事業者の容量計画を比較し、エージェント、クラウド契約、フロンティアラボの需要を電力、建設、チップ供給の制約へ結び付ける。

  • 業界・産業分析フレームワーク産業チェーンの上流・中流・下流波及

    AIインフラのバリューチェーン分析

    BofAはクラウドおよびフロンティアラボの支出を、アクセラレータ、CPU、メモリー、ネットワーキング、光接続、電力、半導体装置へ追跡する。

  • バリュエーション手法PER・PEG評価

    言及銘柄のフォワードP/EおよびPEGによる目標株価フレームワーク

    レポートの個別銘柄付録は、利益倍率、過去のバリュエーションレンジ、BroadcomについてはPEGフレームワークを用いて個別の目標株価を説明する。

  • バリュエーション手法SOTP(事業別合算)評価

    MicronのSOTP評価

    BofAはMicronの循環的メモリー事業をP/B、AI HBM事業をP/Eで評価し、それらを合算して目標株価を算出する。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • NVIDIA (NVDA)
    トップピックであり、AIアクセラレータシェアの主導企業と予想される
    強み
    BofAは長期的に約70%+のAIアクセラレータシェアを維持すると予想し、AIコンピュートとネットワーキングにおける主導力を指摘する。
    弱み
    循環的なゲーミング事業とAIプロジェクト需要の変動にさらされる。
    比較
    AMD、Broadcom、Marvellなどに対して最大のアクセラレータシェアを維持すると予想される。
    リスク
    電力の利用可能性、中国向け出荷規制、競争、株主還元減速、政府の監視。
  • Intel (INTC)
    エージェント型CPUおよびファウンドリーの触媒を持つトップピック
    強み
    従来型エンタープライズワークロードでの相対的な強さ、ASP拡大、CY28EのCoral Rapids立ち上がりの可能性。
    弱み
    サーバーCPUの価値シェアはCY30Eに約22%へ低下すると予想される。
    比較
    BofAはIntelが最大のCPUユニットシェアを維持する一方、CY30Eの価値シェアでは商用ARMとAMDを下回ると予想する。
    リスク
    ファウンドリーの歩留まり・立ち上がりリスク、外部顧客の不足、成熟PC市場の弱さ、CPUシェア低下。
  • Micron Technology (MU)
    AIメモリー需要の恩恵を受けるトップピック
    強み
    レポートはHBM、DRAM、NANDを含む強いメモリー需要を予想する。
    弱み
    メモリー収益は引き続きASPの循環性にさらされる。
    比較
    BofAはSOTP評価で循環的メモリー事業とAI HBM事業を分けて扱う。
    リスク
    メモリーASP下落、中国新規参入企業との競争、シェア低下、データセンター、スマートフォン、PC需要の軟化。
  • Marvell Technology (MRVL)
    カスタムASIC、接続、光接続の成長に連動するトップピック
    強み
    主要顧客ASIC案件の可視性改善の可能性と、AEC、CPO、scale-upスイッチでのシェア拡大。
    弱み
    従来型ストレージ、エンタープライズネットワーキング、キャリア市場への循環的なエクスポージャーが残る。
    比較
    BofAはネットワーキングの強さとASICの上振れ余地が循環リスクを相殺するとみる。
    リスク
    主要ASIC案件の可視性低下と、商用ベンダーおよびBroadcomとの競争。
  • Lam Research (LRCX)
    メモリーおよびロジックのウエハ製造装置支出から恩恵を受けるトップピック
    強み
    エッチングと成膜での主導力、メモリーサイクルへのエクスポージャー、シェア拡大、ファウンドリー/ロジック構成の強化。
    弱み
    短期的なコストインフレと関税懸念。
    比較
    BofAはメモリーとロジックの双方でシェア獲得の可能性を予想する。
    リスク
    設備投資の鈍化、メモリー容量追加の遅延、シェア低下、顧客統合、中国エクスポージャー。

主要データ

  • AIデータセンターシステムTAM~$2.2tn by CY30E従来の$1.8tnから上方修正。CY26EからのCAGRは40%、従来は33%。
  • AIアクセラレータTAM~$1.5tn by CY30E予想されるAIデータセンターシステム支出の最大構成要素。
  • クラウドおよびネオクラウド設備投資~$1.0tn in 2026E; ~$1.4tn in 2027E2026Eは前年比約2倍、2027Eは前年比37%増。
  • 世界のAI/クラウドデータセンター容量~41GW in CY25 to ~219GW by CY30E事業者ベースの推定。年間追加量はCY30Eに約45GWへ達する。
  • サーバーCPU TAM~$210bn by CY30ECY26Eの約$61bnから増加し、36% CAGRを示唆。AI CPUは約$180bnへ達する。
  • 総半導体売上高$3.4tn by 2030BofAの更新予測で、従来の$3.2tnを上回る。CY26-30E CAGRは19%。

影響と示唆

BofAは、エージェント型AIが推論、トークン処理、CPU需要を高めることで、インフラサイクルをトレーニングクラスターの先まで広げると考える。同社のフレームワークはアクセラレータ、メモリー、ネットワーキング、光接続、半導体装置への継続的な支出を支持しており、クラウド受注残、フロンティアラボの収益化、容量展開を、高い設備投資が将来年度まで持続し得る証拠とみなす。

リスク

  • BofAは電力の利用可能性、データセンター建設、資金調達、部品供給における実行リスクを指摘する。
  • 高水準のクラウド設備投資は、2028Eまでフリーキャッシュフローマージンをマイナスに押し下げ、その後に改善する見通しである。
  • フロンティアラボの成長は需要を支えるが、低い利益率と高いキャッシュバーンは依然として収益性の課題である。
  • レポートはPC、スマートフォン、消費者向けエンドマーケットの継続的な弱さを指摘し、これがAI、メモリー、データセンター需要の強さを相殺するとする。

注目点

  • クラウドおよびネオクラウドの設備投資推移、特に年間展開量がレポートの35-50GWレンジに達するか。
  • フロンティアラボの収益成長、計算能力コミットメント、トークン集約型エージェント型ワークロードの採用。
  • Alphabet、Microsoft、Amazon、Oracleの開示を含む、ハイパースケーラーのRPOと受注残の転換。
  • AIアクセラレータのシェア動向、CPUプログラムの立ち上がり、ヘッドノードCPUからスタンドアロンのエージェント型CPUラックへの移行。
  • データセンター展開時期に影響し得る電力、建設、資金調達、部品供給の制約。

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