Emerging-market equity fund flows, investor positioning and FTSE review implications レポート解説
Goldman Sachsによると、EM Asia ex-Chinaでは台湾と韓国を主因に週次でUS$4.7bnの外国人流出があり、ブラジルには小幅な流入があった。ヘッジファンドはアジア株の総エクスポージャーを2カ月連続で削減したが、年初来のリスクエクスポージャーはなお高く、9月のFTSEレビューは中国/香港と台湾に相当規模のパッシブ資金フローをもたらす可能性がある。
要約
Goldman Sachsによると、EM Asia ex-Chinaでは台湾と韓国を主因に週次でUS$4.7bnの外国人流出があり、ブラジルには小幅な流入があった。ヘッジファンドはアジア株の総エクスポージャーを2カ月連続で削減したが、年初来のリスクエクスポージャーはなお高く、9月のFTSEレビューは中国/香港と台湾に相当規模のパッシブ資金フローをもたらす可能性がある。
- EM Asia ex-Chinaでは週次でUS$4.7bnの外国人流出となり、台湾がUS$2.4bn、韓国がUS$1.8bnを占めた。
- ヘッジファンドは8月にアジアの総エクスポージャーを引き続き削減したが、アジアのネット配分は29.8%で、MSCI World ACに対し12.7%のオーバーウェイトだった。
- サウスバウンド・コネクトは週次でUS$0.9bn、年初来でUS$49bnの流入となった。
- FTSEレビューに伴うリバランスは、中国/香港でUS$5.5bn超、台湾でUS$2.2bnのグロス両方向パッシブ資金フローを生むと見込まれる。
レポート解説
概要
この週次モニターは、アジアおよび新興市場の外国人・国内株式フロー、ファンドフロー、個人投資家活動、ヘッジファンドのポジショニング、FTSEレビューの影響を追跡する。Goldman Sachsは短期的な分化を強調している。北アジアでは大幅な外国人売りとヘッジファンドのデグロスがある一方、年初来のリスク選好、個人投資家の参加、EMの他地域への選択的な流入は続いている。
主要見解
北アジアでは週中に外国人機関投資家フローが悪化した。EM Asia ex-ChinaではUS$4.7bnの流出となり、台湾のUS$2.4bnと韓国のUS$1.8bnが主因だった。対照的に、非アジア新興市場では約US$30mnの小幅な買いが見られ、ブラジルへのUS$250mnの流入が、UAEからのUS$190mnの売りによって一部相殺された。年初来では、EM Asia ex-Chinaの外国人売りはUS$177.5bnと特に大きく、韓国はUS$110.8bn、台湾はUS$38.3bnの流出だった。レポートに示されたEM市場では、ブラジルが2026年に最も多いUS$3.4bnの外国人買いを受け、韓国が最も大きな売りを記録した。 国内および個人投資家フローは異なる様相を示した。サウスバウンド・コネクトは週次でUS$0.9bn、年初来でUS$49bnの流入となった。Goldman Sachsは、これらが香港上場株を買う中国本土投資家のフローであり、外国人フローよりも国内資金に近いと指摘する。台湾と韓国では個人投資家による週次買いがそれぞれUS$2.4bn、US$0.4bnとなり、アジア市場の個人資金流入は年初来でUS$67bnに達した。アジアの国内機関投資家フローは週次でUS$0.2bnのプラスで、インドのUS$1.5bnの流入が支えた一方、韓国のUS$1.2bnの流出が相殺要因となった。レポートは、北アジアの信用取引残高が絶対額で過去最高に達した一方、規制および証拠金制限により、浮動株時価総額に対する比率では比較的小さいとも述べている。 世界のファンドフローはプラスを維持したが、勢いは鈍化した。世界の株式ファンドは週次でUS$2.8bnの流入となり、前週のUS$9.2bnを下回った。米国ファンドはUS$5.9bnのネット売り、欧州と日本はそれぞれUS$0.8bn、US$1.4bnの買いとなった。GEMファンドは週次でUS$2.2bn、年初来でUS$65bnの流入を受けた。市場マンデートを含めると、EMファンドは過去8週間でUS$72.9bn流入し、中国がUS$30.0bn、GEMがUS$18.4bn、韓国がUS$14.7bnを牽引した。Goldman Sachsは、GEMの買いが20年以上で最も速い年間ペースにあると位置づける一方、2月27日以降、GEM/AEJファンドでは銀行、保険、その他金融が最大の流出セクターで、次いでテクノロジー・ハードウェアと半導体だったと指摘する。 ヘッジファンドは8月にアジア株の総エクスポージャーを2カ月連続で削減した。Goldman Sachsによると、この縮小は5月中旬以降に積み増したリスクを戻したに過ぎず、地域の年初来フローは依然として大きくリスクオンである。GS Primeブックにおけるアジアのネット配分は29.8%で、過去1年の73rd percentile、過去5年の95th percentileにあり、MSCI World AC対比で12.7%のオーバーウェイトに相当する。中国のネット配分は7月の急減後に約150 basis points回復して7.4%となり、グロス配分は29 basis points増の7.2%となった。韓国と台湾では、ヘッジファンドがロングを売却しショートを買い戻したことで、大きなデグロスが見られた。8月末のネット配分とグロス配分は、韓国が5.0%と3.0%、台湾が6.6%と4.2%で、いずれも1年および5年の履歴と比べて高水準にとどまった。 9月のFTSEレビューは独立した短期的な市場フローの触媒である。FTSE Russellの暫定GEISレビュー結果は8月21日引け後に発表され、9月4日まで改訂対象で、9月18日引け後に実施される。ギリシャはAdvanced Emerging MarketからDeveloped Marketへ一括で再分類される。FTSE China 50/A50はそれぞれ2銘柄ずつ、Taiwan 50は1銘柄の構成変更となる。GEISレビューと合わせ、Goldman Sachsは中国/香港でUS$5.5bn超のグロス両方向パッシブ資金フローとUS$1.5bnのネット流入、台湾でUS$2.2bn超のグロス両方向パッシブ資金フローとUS$1.2bnのネット流入を見込む。この試算は、今回のレビューを個別企業のファンダメンタルズ判断ではなく、実施日前後に集中した取引需要を生む可能性のある要因として位置づけている。
分析フレームワーク
Goldman Sachsは、週次の外国人・国内フロー、Stock Connectの活動、個人投資家指標、世界のアクティブおよびパッシブのファンドフロー、GS Primeのヘッジファンド・ポジショニング、FTSE指数レビューの推計を組み合わせている。週次、年初来、歴史的パーセンタイルの指標を比較し、ポジショニングとフローのトレンドが強まっているか反転しているかを判断する。
手法メモ
外国人機関、国内機関、個人、Stock Connect、投資信託の資金フロー追跡
レポートは、投資家層と地域ごとの純買いおよび償還を用いて、資金がどの株式市場に流入・流出しているかを示す。
ヘッジファンドのネットおよびグロス配分のパーセンタイル分析
GS Primeブックの配分を1年および5年のレンジと比較し、エクスポージャーの低下と市場全体での低リスク姿勢を区別する。
FTSE指数レビューに伴うパッシブ資金フローの推計
レポートは、指数構成銘柄および分類の変更に伴う売買を推計しており、実施日に取引が集中する可能性がある。
主要データ
- EM Asia ex-Chinaの週次外国人フロー-US$4.7bn台湾の-US$2.4bnと韓国の-US$1.8bnが主因。
- 非アジアEMの週次外国人フロー~US$30mnブラジルのUS$250mn流入は、UAEのUS$190mn流出によって一部相殺された。
- サウスバウンド・コネクトの週次/年初来フローUS$0.9bn / US$49bn中国本土投資家による香港上場株のネット買い。
- 世界株式ファンドの週次フローUS$2.8bn前週のUS$9.2bn流入を下回った。
- GEMファンドフローUS$2.2bn weekly; US$65bn YTDレポートはGEMの買いを20年以上で最も速い年間ペースと位置づける。
- アジアのヘッジファンド・ネット配分29.8%過去1年の73rd percentile、過去5年の95th percentileで、MSCI World AC対比12.7%のオーバーウェイト。
- 中国のヘッジファンド・ネット配分7.4%7月後に約150 basis points回復し、グロス配分は29 basis points増の7.2%。
- FTSEレビューで見込まれるネット・パッシブ流入US$1.5bn in China/Hong Kong; US$1.2bn in Taiwan中国/香港と台湾のグロス両方向パッシブ資金フローは、それぞれUS$5.5bn超とUS$2.2bnと見込まれる。
影響と示唆
レポートは、最近の北アジアの外国人売りとヘッジファンドのエクスポージャー削減が、年初来でなお高いポジショニング、継続する個人およびサウスバウンド需要、GEMファンドへの流入と共存していることを示す。9月18日のFTSE実施日は、中国/香港および台湾におけるパッシブ・リバランス活動の具体的な短期注目点として挙げられている。
リスク
- レバレッジETFの日次リバランスフローは、特に韓国で日中ボラティリティを増幅させる可能性がある。
- 北アジアで信用取引残高が高いことは市場変動への感応度を高める可能性があるが、浮動株時価総額に対するレバレッジはなお比較的小さい。
- FTSEレビュー結果は9月4日まで改訂対象であり、9月18日引け後に実施される。
注目点
- EM Asia ex-ChinaでUS$4.7bnの流出があった後の、台湾と韓国の週次外国人フロー。
- ヘッジファンドのデグロスが、5月中旬以降に積み増したリスクの反転を超えて進むかどうか。
- 香港、台湾、韓国におけるサウスバウンドおよび個人投資家の買いのトレンド。
- 9月18日後のFTSE China 50/A50、Taiwan 50、GEIS変更によるパッシブフローの影響。