Apple Inc.(AAPL.US):ゴールドマン・サックス、Appleの買い評価を維持:短期ガイダンスには圧力も、エコシステムとサービスの強靭性がバリュエーションを支える
AppleのF3Q26 EPSは概ね予想通りだった一方、F4Q26ガイダンスは供給制約、メモリーコスト、為替逆風により予想を下回った。ゴールドマン・サックスは目標株価を$370から$360へ引き下げたが、買い評価を維持した。
要約
AppleのF3Q26 EPSは概ね予想通りだった一方、F4Q26ガイダンスは供給制約、メモリーコスト、為替逆風により予想を下回った。ゴールドマン・サックスは目標株価を$370から$360へ引き下げたが、買い評価を維持した。
- F3Q26 EPSは$2.02、関税還付の恩恵を除くと$1.91で、ゴールドマン・サックスおよび市場予想と概ね一致した。
- F4Q26の売上成長率ガイダンスは前年比9%~11%で、市場予想の約12%を下回った。基礎的な粗利益率ガイダンスも約46%~47%で、市場予想を下回った。
- iPhoneとMacの売上高は市場予想を上回った一方、iPadとサービスは予想を下回った。サービスの成長は為替影響とモバイルゲームの軟調により圧迫された。
- ゴールドマン・サックスはF2026~F2028のEPS予想を平均で約4%引き下げたが、センチメントは今後1~2四半期で改善する可能性があるとみている。
レポート解説
概要
本レポートは、ゴールドマン・サックスによるApple Inc.のF3Q26決算をレビューする。四半期売上高と基礎的EPSは概ね予想に近く、製品売上高は力強いiPhoneおよびMac需要に支えられた一方、F4Q26ガイダンスは主に供給制約、メモリーコスト上昇、為替逆風により市場予想を下回った。株価は短期的に圧力を受ける可能性があるものの、ゴールドマン・サックスは買い評価を維持し、Appleのエコシステム、サービス事業、新製品イノベーションが引き続き中期的な支えになると考えている。
主要見解
主要な見解は以下の通りである。第1に、F3Q26の実績自体は大きく失望的ではなく、EPSと基礎的粗利益率は概ね予想通りだった。第2に、F4Q26の売上高・粗利益率ガイダンスが主なネガティブ要因であり、供給制約は前年比で約350ベーシスポイントの売上逆風、為替は前年比で約150ベーシスポイントの逆風となる。第3に、iPhone 17シリーズ、Macのアップグレード需要、企業・教育市場でのシェア拡大は、製品モメンタムが依然として強いことを示している。第4に、サービスは為替影響とApp Storeの減速による短期的圧力に直面しているが、iCloud+、AppleCare+、エコシステムへの付随率が長期的成長を引き続き支え得る。第5に、バリュエーションは過去水準および大型テクノロジー株の同業他社対比で依然として魅力的である。
分析フレームワーク
本レポートは、売上セグメント、粗利益率、EPS、費用、自社株買い、F4Q26の経営陣ガイダンスに焦点を当て、報告実績をゴールドマン・サックスの予想および市場コンセンサスと比較し、これらの要素を用いてF2026~F2028の利益予想と目標株価を調整している。バリュエーションについて、ゴールドマン・サックスは据え置きの37倍NTM+1Y EPSマルチプルを用いて12カ月目標株価を導出している。
手法メモ
PERマルチプル評価
ゴールドマン・サックスはNTM+1Y EPSバリュエーション・マルチプルを37倍に維持している。利益予想の下方修正に伴い、12カ月目標株価を$370から$360へ引き下げている。
ゴールドマン・サックスのファクター・プロファイル
レポートでは、GSファクター・プロファイルが成長性、財務リターン、バリュエーション・マルチプル、複合ファクターを用いて、銘柄を市場全体および業界同業他社と比較すると開示している。
M&A確率フレームワーク
ゴールドマン・サックスは、グローバルにカバーする銘柄に対し、買収される潜在的確率を評価するため1から3のM&Aランクを付与していると開示している。ただし、本レポートではこの要素がAppleの目標株価に中核的な寄与をしているとは示されていない。
資産マッピングと比較
投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。
- AAPL.US調査対象;ゴールドマン・サックスは買い評価を維持
- 強み
- 強力なブランドと高いユーザーロイヤルティ、大規模なインストールベース、堅調なiPhone 17およびMac需要、長期的なサービス成長、強力な自社株買い余力、過去水準およびテクノロジー同業他社対比で魅力的なバリュエーション。
- 弱み
- F4Q26の売上高・粗利益率ガイダンスが予想を下回ること、サービス成長の減速、予想を下回るiPad売上高、ならびにメモリーコストと供給制約による利益率への圧力。
- 比較
- F3Q26売上高は市場コンセンサスを上回ったが、ゴールドマン・サックス予想を下回った。iPhoneとMacの売上高は市場予想を上回った一方、サービスとiPadは予想を下回った。
- リスク
- 消費者需要の弱まり、サプライチェーンの混乱、競争激化、規制リスク、資本配分の実行リスク。
主要データ
- 12カ月目標株価$360.00従来値は$370;37倍のNTM+1Y EPSマルチプルに基づく。
- 現在株価$333.43レポート表紙で開示された株価。
- 想定上昇余地8.0%レポートで開示された目標株価および現在株価に基づく。
- F3Q26 EPS$2.02;関税還付を除くと$1.91基礎的EPSはゴールドマン・サックスの$1.93および市場の$1.89と概ね一致した。
- F3Q26売上高$109.4bnゴールドマン・サックスの$110.1bnを下回り、市場の$109.0bnを上回った。
- F3Q26製品売上高$78.7bnゴールドマン・サックス予想に一致し、市場の$77.6bnを上回った。
- F3Q26サービス売上高$30.7bn、前年比12%増ゴールドマン・サックスおよび市場コンセンサスの$31.4bnを下回った。
- F3Q26粗利益率50.1%;基礎ベースで48.1%基礎的粗利益率はゴールドマン・サックスの48.2%および市場の48.1%と概ね一致した。
- F4Q26売上高ガイダンス前年比9%~11%成長市場予想の約12%を下回る。
- F4Q26粗利益率ガイダンス47%~48%;関税還付を除くと約46%~47%メモリーコストの上昇が前四半期比での低下を招いている。
- F2026~F2028 EPS調整平均で約4%引き下げ弱いF4Q26ガイダンスおよび供給制約に伴う利益率圧力を反映。
- F2026E売上高$479.4bnレポート表におけるゴールドマン・サックスの新たな予想。
- F2026E EPS$8.91レポート表におけるゴールドマン・サックスの新たな予想。
影響と示唆
短期的には、予想を下回るF4Q26ガイダンスが株価と市場センチメントを圧迫する可能性があり、特に粗利益率はメモリーコスト上昇の影響を受け、サービス売上高は為替影響により圧迫されている。中期的には、Appleはプレミアム製品の価格設定・ミックス、MacおよびiPhoneのアップグレード需要、企業・教育市場でのシェア拡大、Siri AI、サービス付随率の改善を通じて、循環的な圧力をなお緩和できる可能性がある。ゴールドマン・サックスが買い評価を維持したことは、市場が製品売上高の減速に過度に注目し、エコシステムがもたらす売上可視性とサービスの利益貢献を過小評価していると同社が考えていることを示す。
リスク
- 消費者需要の弱まりは、特にiPhoneのアップグレード需要を中心に、製品およびサービスの販売に影響を及ぼす可能性がある。
- サプライチェーンの混乱および地政学的緊張は、世界貿易、関税、主要部品の供給に影響を及ぼす可能性がある。
- パーソナルデバイスおよびサービスにおける競争激化は、成長と利益率を弱める可能性がある。
- 主要市場で規制当局の監視が強まれば、Apple独自のエコシステムおよび競争優位性が弱まる可能性がある。
- M&Aや自社株買いなどの資本配分活動は、予想を下回るリターンを生む、またはより厳格な規制に直面する可能性がある。
- メモリーコストの継続的な上昇、先端プロセスSoCの供給制約、為替逆風は、F4Q26およびその後の利益率をさらに圧迫する可能性がある。
注目点
- F4Q26の売上成長率が9%~11%のガイダンス範囲内に収まるか、および供給制約の緩和ペース。
- メモリーコストが粗利益率に与える継続的な影響と、非メモリー部品のコスト低下および在庫繰越が圧力を相殺できるか。
- iPhone 17シリーズ、MacBook Neo、Mac Miniの需要の持続性。
- 為替逆風およびApp Storeへの圧力後に、サービス売上高成長率が安定できるか。
- 特に中国および欧州での潜在的な遅延を含む、Siri AIのグローバルな承認・展開の進捗。
- Mac、iPad、将来のiPhoneの価格引き上げが、売上高、製品ミックス、販売数量の価格弾力性に与える影響。