レポート解説
ウォール街の主要投資銀行による最新リサーチをカバー
レポート解説Hilo Research

貴州茅台(600519.SS):シリーズ酒の低迷により2Q業績は予想をやや下回る一方、iMoutaiの力強い成長が市場志向型改革の投資判断を支援

ゴールドマン・サックスは貴州茅台の買い評価を維持しており、値上げ、直販浸透の深化、チャネルの需給環境改善が下期の成長回復を牽引すると考えている。

機関ゴールドマン・サックス
日付2026-08-16
企業貴州茅台
ティッカー600519.SS
業界白酒
格付け買い

要約

ゴールドマン・サックスは貴州茅台の買い評価を維持しており、値上げ、直販浸透の深化、チャネルの需給環境改善が下期の成長回復を牽引すると考えている。

買いを継続。2027年予想PER 23.4倍に基づく12カ月目標株価は1,626元。
買い第2四半期決算iMoutai市場志向型改革値上げチャネル在庫
  • 2026年上期の売上高は前年同期比1.3%増の923億元、純利益は同2.0%減の445億元となり、いずれもゴールドマン・サックス予想をやや下回った。
  • 2Qのシリーズ酒売上高は前年同期比25%減となり、業績未達の主因となった。茅台酒売上高は同1%減だった。
  • 2QのiMoutai売上高は前年同期比283%増の187億元に達し、四半期白酒売上高の約51%を占め、ゴールドマン・サックス予想を上回った。
  • ゴールドマン・サックスは2026年下期の売上高と純利益がそれぞれ3%および4%成長し、続く2027年にはそれぞれ8.3%および9.5%成長すると予想している。

レポート解説

概要

貴州茅台は2026年8月14日に2026年上期および2Q決算を発表した。第2四半期の売上高は前年同期比5.2%減の376億元、純利益は同6.9%減となり、主にシリーズ酒の売上高が予想を下回ったことによる。ただし、iMoutai売上高、粗利率、営業キャッシュフローはゴールドマン・サックス予想を上回った。

主要見解

本レポートは、市場志向型改革が同社の消費者への直接リーチ能力を高め、健全なチャネル在庫と高い販売代理店回転を維持する一助となっているとみている。最近の複数回の値上げ、下期における飛天茅台の前期比での供給減速の可能性、ならびに中秋節の繁忙期接近が、卸売価格と成長回復を支えると予想される。

分析フレームワーク

本分析では、実績をゴールドマン・サックスの予測と比較し、茅台酒とシリーズ酒、ならびに直販および卸売チャネルの業績を分解している。また、粗利率、営業利益率、顧客前受金、営業キャッシュフロー、卸売価格、予想PER倍率を評価している。

手法メモ

  • バリュエーション相対PERバリュエーション

    12カ月目標株価

    1,626元の目標株価は2027年予想PER 23.4倍に基づき、8.5%の株主資本コストを用いて2027年半ばまで割り引いたもの。目標バリュエーション倍率は、2012年から2023年までの全サイクルにおける同社の平均PERを参照している。

  • ファンダメンタルズ製品・チャネル別分析

    成長性および収益性の評価

    本分析では、茅台酒、シリーズ酒、iMoutai、直販、卸売チャネルにおける売上変化を個別に検証し、粗利率、費用率、キャッシュフローと併せて収益の質を評価している。

資産マッピングと比較

投資テーゼから固有資産への構造化マッピング(強み、弱み、同業、リスク)。

  • 貴州茅台(600519.SS)
    直接カバレッジ銘柄
    強み
    底堅いブランド需要、大幅なiMoutai直販売上の成長、市場志向型改革による価格設定およびチャネルデータの管理強化、高い粗利率、キャッシュフロー、配当利回りによるファンダメンタルズ面の支援。
    弱み
    シリーズ酒売上高の急減、第2四半期の売上高および純利益の予想未達、粗利率および純利益率の前年同期比低下、委託販売モデル移行による卸売チャネル売上高への大きな影響。
    比較
    2QのiMoutai売上高187億元はゴールドマン・サックス予想の165億元を上回った。茅台酒売上高は前年同期比1%減で、ゴールドマン・サックス予想の同1%増に近かった一方、シリーズ酒は同25%減となり、予想の同3%増を大幅に下回った。
    リスク
    消費税またはその他規制の変更、予想を下回るマクロ経済の回復、供給能力の制約、環境汚染リスク、米国金利の変動に起因するバリュエーション圧力。

主要データ

  • 2026年上期売上高923億元、前年同期比+1.3%ゴールドマン・サックス予想を約3%下回った。
  • 2026年上期純利益445億元、前年同期比-2.0%ゴールドマン・サックス予想を約2%下回った。
  • 2026年2Q売上高376億元、前年同期比-5.2%主にシリーズ酒売上高の低迷による影響。
  • 2026年2Q純利益前年同期比-6.9%ゴールドマン・サックス予想の前年同期比-2%を下回った。
  • 2026年2Qシリーズ酒売上高51億元、前年同期比-25.0%第1四半期は前年同期比12%増であり、四半期モメンタムが大幅に弱まったことを示す。
  • 2026年2Q iMoutai売上高187億元、前年同期比+283%四半期白酒売上高の約51%を占め、ゴールドマン・サックス予想の165億元を上回った。
  • 2026年2Q営業キャッシュフロー438億元前年同期の約10倍。即時性のない銀行間預金の影響を除くと前年同期比43%増。
  • 飛天茅台卸売価格1,710元/本2026年8月14日時点で、7月の値上げ後も上昇を続けていた。
  • 2026年予想PER約20倍レポートでは2027年予想PER約18倍、2026年予想配当利回り約3.9%も示している。

影響と示唆

短期業績は、閑散期におけるシリーズ酒の出荷と、非標準品の委託販売モデル移行の影響を引き続き受けている。ただし、iMoutaiの急速な拡大は茅台ブランドに対する強い最終需要を示している。値上げが最終消費者に転嫁され、飛天の供給規律が維持され、繁忙期需要が改善すれば、同社の売上高および利益成長は下期に改善し、2027年にさらに反発する見込みである。

リスク

  • 消費税率の引き上げを含む規制政策の変更。
  • マクロ経済の回復または高級白酒需要が予想を下回ること。
  • シリーズ酒の需要および出荷の回復が予想より遅れること。
  • 飛天茅台の供給、値上げの価格転嫁、または卸売価格の動向が予想を下回ること。
  • 供給能力の制約および環境汚染リスク。
  • 米国金利の上昇または変動拡大によるバリュエーションへの圧力。

注目点

  • 中秋節の繁忙期前後における飛天茅台および非標準品の卸売価格動向。
  • その後の値上げの最終市場への転嫁、販売数量への影響、チャネル収益性の変化。
  • iMoutaiの売上構成、および非標準品の委託販売モデルが直販および卸売の報告に与える影響。
  • シリーズ酒の出荷および需要が下期に回復するかどうか。
  • 顧客前受金、チャネル在庫、営業キャッシュフローの変化。
  • 2026年下期の売上高および純利益が、ゴールドマン・サックス予想のそれぞれ前年同期比3%および4%成長を達成できるかどうか。

設定

最近のログインを表示するにはログインしてください